関節リウマチ
関節リウマチは、慢性的な関節炎を主症状とする疾患で、原因はリウマチになりやすい体質と様々な環境因子が重なり自己免疫システムが誤作動し、自分の関節を敵とみなし攻撃する自己免疫疾患です。
様々な環境因子は、怪我、手術、ウイルス・細菌感染、などで、女性ですと妊娠、出産を機に発症することもあり、女性ホルモンとの関係も考えられます。
発症は、比較的若い人が多く40～50才位で、男女比は１：３で、女性に多く見られます。
病院で抗CCP抗体検査でリウマチかどうかを見ます。
慢性関節リウマチの1.2％に血管炎症状を伴う予後の悪い関節リウマチもあります。
関節リウマチの初期の症状は、易疲労感、食欲不振、手足のしびれ、関節・筋肉の一過性の痛み(ピリピリ痛む)などで体のあちこちが痛んだり、朝、手足の関節がこわ張ったりします。
関節リウマチの主な症状
〇朝起床時の関節のこわばり
関節周囲のこわばりが改善するまでに1時間ほどかかる
〇手の第2、第3関節の腫れ（リウマチ結節）
左右合わせて3か所以上の腫脹があり、関節の変形が起こる
〇腫れている関節の痛み
同じ関節が左右対称に腫脹し痛む
などで、特徴としては、多発性、対称性、移動性の関節痛で初期は起床後しばらくすると治まります。貧血を伴う場合もあります。
最初は、両手指の第2関節に出て、指第3関節、手首、肘、肩、足の指、膝、股関節などに移動します。
関節リウマチが長引くとやがて関節の形が変わり、動きが悪くなります。
関節リウマチに使用される西洋薬
- NSAIDs(消炎鎮痛剤）
- 抗リウマチ薬
- ステロイド
- 生物化学製剤＝炎症を引き起こすサイトカインであるIL－６やNFαの働きを抑える薬
関節リウマチと漢方薬
漢方では古くからリウマチのことを骨節疼痛、諸支節疼痛、風湿、鶴膝風、癧節風、湿痺などと呼ばれ漢方の古典にその治療のための漢方薬が記載されていて、昔からこういった症状があったことが分かります。昔の病名にもありますように原因は風・湿・寒とみてその対処を漢方薬や養生でしていました。
実際には、陰陽虚実、気血水の理論に基づきその人その人の気の異常、血の異常、水の異常を見極め漢方薬を決定します。
また、関節リウマチは炎症性であることから傷寒論でいう傷寒の経過を踏まえ、漢方薬を用います。慢性化した慢性関節リウマチには、気虚、血虚という状態で貧血傾向、易疲労、冷え症、胃腸虚弱という状態を呈しやすく、これらを補氣、補血しながら、関節リウマチの改善を図ります。
その上、日本の国土が海の囲まれ湿気が多い環境で、かつ日本人の体質は、水分代謝の悪い水滞の人が多く、これが関節リウマチをさらに悪化させていますので、体内の水滞をさばく漢方薬も考慮に入れ用います。
使用される生薬は、朮、麻黄、芍薬、防風、石膏、薏苡仁、附子などです。
女性の場合瘀血症状が関節リウマチと併存してする場合が多く、駆瘀血剤の漢方薬又は、水剤の漢方薬との併用が考えられます。その際使用される生薬は、牡丹皮、桃仁、地黄などです。
西洋医学の治療を長く続けているとステロイド、抗リウマチ薬などの長期服用で「壊病」の状態になり、漢方薬の併用で体力、気力を補うことは価値があります。
関節リウマチと養生
漢方では、リウマチは全身の気の流れが滞ることによっておこるとも考えており、気の流れを調えることも大切で、これはストレスがもとで発祥するリウマチとの関係もあります。気の流れを調えることはリウマチの寛解期の養生としても大切と言えます。
リウマチは、免疫の誤作動であることから、免疫のバランスを整えるためにも腸管免疫を調えるためにFK-23濃縮乳酸菌を毎日の養生としてとることも大切です。
勿論、毎日の食養生として、伝統的発酵食品である、味噌、納豆、ぬか漬け、甘酒、酢、みりんなどを常食しましょう。
また体を冷やすことは、症状を悪化させますので、患部は冷やさないのは勿論のこと、エアコン（冷房）での冷やしすぎや、体を冷やす食べ物は、控えましょう。
夏野菜は、体を冷やしますので、薬膳の理論で調理に工夫をして、スパイスなどを利用し、夏の野菜の栄養を賢くいただきましょう。
慢性関節リウマチの漢方薬・養生法（薬膳）のご相談は上郡町の漢方薬専門「漢方芍薬堂」へお気軽にどうぞ。
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