くるすま5月号



 まいど、えーすけです。

 あああ・・・4月の更新しそびれた・・・。こんなんばっかし・・・すんません・・・。

 

 またもや最近のジェベルですが、DRCのLEDテールライトだけでなく、LEDウィンカーまでも装備してしまった・・・。。


↑LEDウィンカー装備

 なんか、急に気が違って電飾系に走っているみたいに見えるが、実はこれらの装備は何年も前から入手していたもので、やっと装備できたのだ・・・。なんでそんなに時間かかったのかって??? ・・・そりゃ、タイミングってのがあるんだよ・・・。

 リアフェンダーをどうするかによって、テールライトもウィンカーも付け方が変わるから寝かしていたのだが・・・。結局、それが何年も決まらないので、『もう、やっちまえ!!!』とフェンダーを取っ払ってしまう、その踏ん切り。そのタイミング。

 ・・・でもフェンダー無しはマズいよな・・・早く何とかしないと・・・。

 

 

○2011年2/19〜20四国・讃岐うどんツーリング(後編)

 

(前回までのあらすじ)

まだ2月の寒いこの時期に、四国・讃岐うどんツーリングに行こうという友人KAWA君! 我々のこの計画を阻もうと、天は数日前まで雪やらみぞれ混じりだわの悪天候で襲い掛かるも、KAWA君は動じない!!! いや、動じてくれ!!!

 すると、KAWA君の思いが通じたか、私の不安が外れたか、その当日はポカポカ陽気の晴天!!! 四国に向かって走り出した!!! しかし、やはり数々の困難が私を襲う!!!

 何と言ってもこの寒さ!!!(←お前がフリースジャケットを忘れただけだ)

 抜け出せない高速道路迷宮!!!(←お前が道を間違えただけだ)

 立ちはだかる高速道路の工事渋滞!!!(←お前の間が悪いだけだ)

 


↑大阪-高香川高速MAP。素材「白地図、世界地図、日本地図が無料」より。(多謝!)

 

登場人物:

 

KAWA君 ツーリングチーム『谷町山岳警備隊』隊長、私の大学時代の同期。

AOちゃん 私の大学の後輩かつKAWA君の奥さん。

 

なんとか淡路サービスエリア(SA)で二人に合流できたが・・・高松付近にたどり着いたのは14時!!! うどんツーリングなのに、うどん、たったの2杯でもう18時になってしまった・・・。ここからあがいていも仕方が無い・・・とりあえず宿のある坂出に向かうとするか・・・。

−−−−−−−−−

 いきなり閑話休題。

 

 私はそれほどうどんにこだわっているわけではないが、香川はわりと詳しい。というのも結構香川に訪れているからだ。

 ちなみにKAWA君率いるツーリングチーム『谷町山岳警備隊』では四国・讃岐うどんツーリングはこれが二回目となる。前回は3年前か、暑い時期に琴平で一泊している。まぁ、とはいえそれ以前から四国にツーリングに来ることが多く、通りがかりでうどんを食べたりしていた。

 また、ツーリングとは別にここ数年、地元の友人グループで車でうどんツアーを年1回ぐらい行っている。その時、よく使うのが神戸-高松間を繋いでいる『ジャンボフェリー』である。

 その『ジャンボフェリー』、所要時間5時間・・・と、決して速くはないが、1日5便ぐらいあり午前0時ぐらいに出港する深夜便が、5時ぐらいに高松に到着するので、仮眠するにはちょうどいい。高松のうどんのお店も早朝から開いているところもあり、また、さっき行った「なかむらうどん」(前編参照)のようにお昼で店を閉めるところも多い。つまり、うどんは早朝から昼過ぎまでの短期決戦なのである。深夜便で早朝に着いてうどんを1時間に一回食べると15時には十分満足できるので、またフェリーに乗って仮眠して20時神戸着、21時ぐらいに帰宅できる。このスタイルが私は気に入っている。

 この友人たちには妻帯者もいるし仕事が忙しい奴もいるので、どうしても泊りがけが難しい。深夜便ならほぼ日帰りなのでみんなの予定が合わせやすい。まぁ、私個人としては宿に泊まって酒を飲みたいのだが。

 さて、その『ジャンボフェリー』、フェリーなので当然バイクも積めるのだが・・・、実はまだバイクで乗ったことは無い。徒歩ではまた別件で乗ったことはある。着くのが『高松』港だと思っていたら、実は『高松東』港で、高松駅までの送迎バスに乗らなかったら4km近く歩く羽目になったけどね・・・。

 今回KAWA君にその話をすると、彼はこの『ジャンボフェリー』の存在を知らなかったので、その良さを伝えておいた。もしかしたら今後のツーリングに使われるかもしれない。

 ・・・ジャンボフェリー、昨今の高速道路の値下がりで船は衰退の一途を辿っているが、是非とも今後も頑張って欲しいところである。

−−−−−−−−−

 ・・・話を戻して、うどん「小縣屋」を後にした我々は国道438号線を真っ直ぐ北上して坂出を目指した。

 18:35、坂出到着。なんとか日没・・・いや、日は沈んでいるのだが、空がまだ明るいうちに着けたか。

 「私は香川は詳しい」と先に述べたが、実は坂出は今回初めて訪れる。うどんツアーでも行ったことは無かったし、瀬戸大橋を渡った事もないし、あまり国道11号線を使わないこともあって今までかすりもしなかった。今回、KAWA君が安い宿があったからここに決めたと言うこと。はてさて、一体どんな街なのだろうか。

 南側からJR予讃線の高架をくぐり北側へ出ると、線路の北側が街の中心のようで一気に街らしくなった。んー、さすがは坂出、有名都市だけあって街だねぇ〜。

 ・・・ところで・・・坂出って・・・結構有名のはずだが・・・なんでだったっけ? 道路や鉄道路線に詳しい人間なら瀬戸大橋の四国側の街ということで知っているはずだが・・・。

 駅前を通ると・・・、うおう、豪華な高架駅だなぁ。地方の主要駅っぽい感じはするが・・・なんだろ、何かが違う感じがする。駅前を横切って左に曲がり、北上する。わりかし街だが・・・、やっぱりなんか違う・・・? なんだろ、この違和感は・・・。

 信号待ちをしているときにKAWA君に「ホテルってどこにあるん?」と聞いてみた。「マクドが目の前にあんねん」とのこと。

 さらに左に曲がり大通りを西に行くと大型複合施設、というのかショッピングセンターと言うべきなのかわからないが巨大店舗が集まっているところに出くわした。この中にマクドがある。これが彼が言ってたところか。左を見ると・・・目的のホテルがあった。日も落ちて急激に気温が下がってきたところ、死線をかいくぐって何とかギリギリの到着だな。

 18:45、ホテル到着。『ホテルニューセンチュリー』というビジネスホテル。チェックインするとホテルマンが、

 

ホテルマン「今回、素泊まりで予約されてますが、通常500円の朝食バイキングを今なら200円でご利用いただけますが、どうされます?」

 

 というサジェスチョンをされて困惑するKAWA君。困った挙句、私の顔を見た。ええっ!!! 宿関係は君に任してたから俺は考えてないよ!!!

 

私「う〜ん、200円だったらいいんじゃない?」

 

と、言ってしまった。ということで朝食バイキングを申し込むことになったのだが・・・。

 しかし・・・後で考えればそれは早計だったのかも・・・。

 鍵を受け取り2階の部屋に行く。部屋の前は大宴会場になっているが・・・。なんだこのレイアウトは!?


↑今日のお部屋

 部屋に入ると・・・んー??? ビジネスホテルには似つかわしくない和室だ。こりゃ旅館スタイルだぞ??? あー、ここはもしかして、「合宿的スタイル」と言えばいいのかよくわからないが、目の前の大宴会場で宴会をしてそのまま部屋で寝れるようにしてあるんだろう・・・。しかし・・・当初はここに4人で泊まる予定だったことを考えると・・・布団を4つ敷くのは・・・結構ギリギリだよなぁ。

 さて・・・今からどうしようか・・・私的にはゆっくりしたいのだが・・・。18時ぐらいにうどんを食べたところなので腹は減ってないが、あとで腹は減るだろうし時間的にはもういい時間なので晩飯に出かけたいなぁ。ガッツリ食べるつもりもないし、私はビールが飲みたいので飲み屋に行くこと提案しようかな・・・。

 するとKAWA君が、私のほのかな願いを裏切るように、

 

KAWA君「瀬戸大橋記念公園に行こう!!!」

 

と言い出した。

 

ええ? 今から?? もう日は落ちたよ???

 

 瀬戸大橋記念公園・・・ナニそれ・・・名前を聞くだけでダメそうな雰囲気がプンプン漂うのだが・・・。え、それ、歩いていけるの??? 片道6km!!! バイクで行くの!!!??? うそん!!! 絶対寒いって!!!

 それでもKAWA君は行くつもりだ・・・。彼は写真が趣味なので橋の夜景とか撮りたいのだろう・・・。んん〜、行きたいものは仕方なかろう。仕方なくついていくことにする。


↑夜のホテル。すっかり日が落ちた。

 ホテルを出る。うう・・・完全に日が落ちた。寒い!

 バイクで走り出してすぐ、なんか海が近いことを感じる。まぁ、瀬戸内海が近いことはわかっているが、そんなに近寄っているとは思っていなかった。なんで海が近いかわかるかと言うと、運河があったり道が北側に伸びてないからだ。

 それとは別なことに気づく・・・やたら沿道にビジネスホテルが多い??? 普通はビジネスホテルは駅前に多いが、ここは駅から少し離れている。しかもこんな海近くに・・・。なんだ? この妙な感じは・・・。

 そんな風景もすぐ終わり、あたりは暗ーい闇に包まれ、目の前に広がるのは瀬戸大橋の高架橋。「今から海を飛び越えまっせ!」と言わんばかりの、やたら高い位置に橋桁がある。うう〜ん、それを支える橋脚が凄いプレッシャー!!! コンクリートのでっかい板が何枚も等間隔に並んでいる。これは・・・建設当時の技術としては最先端だったのだろうが、・・・何気に力ずくな感じが漂う。

 どうやらここは「番の洲(ばんのす)工業地帯」という場所のようで、後で調べてみると、浅瀬を埋め立て、いくつかの瀬戸内海の島を陸続きにして工業用地を確保した土地だそうな。うわー、このへんも力ずく。

 19:30、瀬戸大橋記念公園到着。

 んんー・・・なんかタワーらしきものが暗闇に立っているのがわかるが、・・・あたりは街灯だけ灯っていて施設関係は照明が落ちている。・・・こりゃ閉館しているな。うへぇ、骨折り損ってか? そりゃないよ〜、寒い思いしてまでここに来たのに・・・。

 こりゃ、引き上げるか・・・と、思っていたらKAWA君はバイクを置いて中へ入っていった。おいおい、開いてないと思うぞぉ〜!!! と、思ったが中は夜でも入れる公園になっているっぽい。そして・・・なんか、変な建物にアプローチする。建物を階段で登ってみると、それなりに高いので見晴らしはいい。瀬戸大橋もよく見える。

 KAWA君は一眼を取り出し夜景を撮り始めた。うーむ、これは私も撮っとくか・・・。しかし、私は携帯のカメラである。あまり期待は出来ないが・・・。


↑夜の瀬戸大橋記念公園から、瀬戸大橋。

 ううーむ、やはり夜景は弱いな。そのことをKAWA君に話すと「夜景モードは?」と聞かれる。ううう〜ん、夜景モードは一度使ったことがあるがサイズが小さくなるしそんなに画像がよくないから使ってないのだが・・・とはいえ、試しにやってみた。


↑夜景モードが結構使える!!!

 撮ってみるとそこそこはっきり見える。ああっ!!! これは使える!!! 今まで気づかなかった!!!

 しばらくみんなで夜景を撮っていたのだが・・・瀬戸大橋越しに工場があって先っぽから炎が揺らめいているのに気づいた。んん? 炎が出ているのはただ事ではないぞ。石油でも精製しているのか?

あ、そうか! 坂出って石油コンビナートがあるんだ!!!

 そうか・・・思い出した・・・小学校の社会で習った記憶がある・・・。そうか、それで今まで腑に落ちなかったことに合点がいく。

 駅前や街並みの違和感や、海沿いにビジネスホテルが多いのはこのコンビナートや工場群があるからだ。街は自ずと外部の人間・・・それも単身赴任者や駐在員が多く、その人たち向けの住宅が増える。出張者で需要のあるビジネスホテルは駅前より工場に近い方が有利なので、海側に集中するということになる。そして、法人税が多いので街の玄関である駅前は開発が入るから豪華になるというわけか。

 んん・・・この街はもしコンビナートが撤退したら何か残るのだろうか。何も残らないような感じがして寒気が走った。・・・まぁ、ただ今寒くて体が震えているのだが・・・。

 その後、瀬戸大橋の足元をくぐって、工場群の幻想的な風景を見に行く・・・。


↑夜のコンビナート。うう〜ん、幻想的だねぇ〜

 なんだろ、ものすごく別世界感な雰囲気を醸し出している。夜の工場地帯の夜景クルーズなんてサービスがあるくらい、こういった風景に人気があるのもわかるなぁ。夜景モードでいい感じに撮りたかったが、ズームが効かないので上手く撮れないなぁ〜。

 ・・・また、凍えるような感じでバイクで走り、宿に戻る。


↑寝床

 寝床を作ってから今度こそ晩飯を食いに行くことにする。

 ホテルのロビーに食事案内の紙があったのでそれを見ると近くに飲み屋が2軒ある模様。1軒は普通の飲み屋ぽいが、もう片方は『骨付鳥』のお店のようである。『骨付鳥』と言う看板をこの坂出エリアで何回か見た。どうもこの辺の郷土料理っぽい。

 その『骨付鳥』が・・・気になる、というか、引っかかるところがあったので、ここに行きたいと私が推してここに決まった。

 ホテルから5分ほど歩いて、『骨付鳥』のお店「かさ屋」に到着。


↑かさ屋

 入ってみると店構えから期待を裏切らないそこそこ広くてこぎれいな店内。中央にテーブル席、左側に座敷がある。お客さんも座敷に1組だけだったので、座敷を占拠することにする。

 とりあえずビール。大ジョッキがあったので私はそれを選ぶ。


↑生ビール大

 さてメニュー。やはり骨付鳥か。いや、実は心当たりがあった。香川在住の後輩が、うどんが流行る前の香川はほとんど皆無と言っていいほど観光資源が無かったが、強いて言えば一鶴(いっかく)という、鳥肉のナントカが有名、と言っていた。これがそうなのだろうか。KAWA君も大阪で同様のものを食べたことがあるということなので、それの可能性が高いな。

 骨付鳥を注文。すると、焼き上げるのに25分かかるらしく、他も頼むことにする。おでんやら焼き鳥やらを注文。

 それと・・・気になるのが・・・「軟骨唐揚げ」が880円もするのだが・・・。普通、400円もしない代物のはずだが・・・? 何か特別なのだろうか・・・。どうしようか悩んで、骨付鳥が来るのに時間かかるから、確認する意味でも頼むことにした。

 話をしながら飲んでいたのだが、次から次へとおでんやら何やら皿がやってきて、テーブルいっぱい並ぶ。しまった・・・、頼みすぎた・・・結局いつものパターンか。


↑これが骨付鳥

 ヤバイ、と思っているときに、ついに骨付鳥。うへぇ、油がひたひた。油の中に鳥が浮いてる感じだ・・・。これは行儀良くは食べられるものではない。両手で掴んでしゃぶりつきはむはむ。旨い! ジューシーかつそれほど油っぽさを感じない。


↑おいしく頂きました〜

 大変美味しゅうございました。

 ・・・うどんを食べてたし、注文しすぎたせいもあってこれでお腹いっぱい。おかしいな・・・そんなにガッツリ食べるつもりはなかったのに・・・。そしてあの軟骨からあげを残してしまった・・・。

 ちょうどそのころお店のおかみさんがやってきて23時閉店と言うことでお会計。3人で8,800円。意外とリーズナブルであった。

 店を出てホテルを目指し歩く。AOちゃんが「アイス食べよう!」と言ったので道すがらコンビニを探したのだが・・・これが坂出の街にはコンビニが無いんだよ・・・。今通っている道は駅前から海に向かって伸びるメイン通りのはずなのだが・・・なんで無いんだろ・・・これも坂出の特殊な事情によるものなのだろうか・・・。

 ホテルの北側にあるショッピングセンターにスーパーがあるかも知れないのでそこへ行くことにする。もう23時を回っているので開いているかどうか怪しかったが・・・、行ってみると煌々と明かりがともっているスーパーがあった。

 見慣れない「LAMU」というスーパー。地方のスーパーかなと思ったら、後で確認するとどうも大阪にもあるようだ。アイス売り場に行くと、ガリガリ君が39円!!! まるごとパイのミルフィーユが75円!!! 安い!!! これが坂出価格か!!! まぁ大阪の店でも同じ値段かもしれないけどね・・・。

 ちなみにこのショッピングセンターには、この他に地方のホームセンターの代名詞『コメリ』のパワーアップ版『コメリパワー』、家電量販店の『ベスト電機』があった。このときは特に何も思わなかったが、明日この記憶が役に立つんだよ・・・。

 23:55、宿に戻る。いやぁ〜、宿はあったかいね〜。アイスを食べながらテレビを観て、ぬくぬく〜。幸せだなぁ〜。

 そうこうしているうちにさすがに眠くなってきたので、もう寝るかとなった。朝食バイキングを食べるので、携帯の目覚ましを7:30にセットする。

 0:30ごろ、就寝。

 ・・・真夜中、目が覚める・・・。暑い。なにこの暑さ。汗だくになっている・・・。暖房がガンガンにきいている・・・。誰だ、こんな温度にしたのは・・・う〜ん、温度を下げようかとも思ったが、めんどくさいし、眠いので寝続けることにする・・・。

−−−−−−−−−

 旅の二日目・・・。

 7:30、携帯の目覚ましが鳴るもグダグダまどろむ。

 8:00、今度こそ朝食。ロビー横のレストランに食べに行く。


↑朝食バイキング。かなりがんばっている

 おお、結構レベルの高いバイキングだ。小鉢もいろいろあっていろとりどり。これが200円とは素晴らしい。

 ・・・ところが、KAWA夫妻は少食のご様子。

 

私「あれ? 二人とも少ないね」

 

KAWA君「えー、だって、これからうどん食うんやでぇ?」

 

 

ガーン、忘れてた!!!

 

 

 部屋に戻り、出発準備・・・と思いきや、布団に転がり込み、またまどろむ。うーむ、いつもながらグダグダだなぁ。

 9:30、さすがに出発しなきゃならん。ライダー装備に着替え、荷物をまとめる。宿を出て駐車場に向かった。


↑ホテル

 10:00、駐車場で荷物を積んでいると、KAWA君が慌て出した。どしたの?

 

 

KAWA君「キーレスが動かへん!」

 

 

ええ!

 

 

 KAWA君のヤマハ:マジェスティにはバイクなのにキーレスイグニッションが装備されている。そのキーレスが動かなくなったって・・・エンジンかけられへんがな!


↑キーレスが動かない!!!

 ・・・しかし・・・よく見たら、キーレスには鍵が付いている。ああ、もしキーレスが動かなくても大丈夫なようにちゃんと鍵があるんだ。なら問題ないじゃないか。

 

私「えー、その鍵でエンジンかけたらえーやん」

 

 しかし、残念そうな顔をしてKAWA君は言った。

 

KAWA君「いや〜、この鍵はトランクを開けるだけでエンジンかけられへんねん」

 

 

なんて仕様なんだ!

 

 

 それはいくらなんでも問題があるんじゃないか!? もしかして普通キーレスってそういう仕様なのか・・・。我が家の家車ホンダ:ゼストもキーレスで鉄の鍵が付いているのだが、緊急時に鉄の鍵ではエンジンがかけられないのか!!! 私が買ったわけじゃないから詳しく聞いてない・・・。今度おやじに聞いておこう。

 さて、このキーレス効かない事件・・・当然、我々は電池切れを疑うのたが、このマジェスティ、年始にメンテに出したばっかりだという。その時にキーレスの電池も替えているという話である。ということは? バッテリー切れ? でもそんな予兆は無かった。

 とりあえずメンテに出したバイク屋に電話をかけるKAWA君。だからと言って遠隔操作でキーレスが動くようになる訳ではない。状況を説明してみるが問題が何なのかは掴めなかった。

 んー、今一番疑わしく、とにかく今我々にできることは新しい電池を試してみることしかない。KAWA君はバイク屋と電話しているので私が買いに行くことにした。キーレスの電池は"CR2025"というボタン電池であるということを確認してから。

 おそらく、コンビニにも売ってある商品のはずだが、近くにコンビニは見たことがない。とりあえず・・・あのショッピングセンターに『ベスト電機』があったはずだ・・・そこに行ってみるか・・・。私はショッピングセンターへ向かった。


↑ベスト電機

 ベスト電機到着。んー、場合によっては11時に開く電気屋もあったよな・・・。さて開いているか・・・。

 私の不安は幸運にも外れ、店は開いていた。んん〜、助かる。


↑ボタン電池CR2025

 CR2025を購入。240円なり。

 すぐさまホテルの駐車場に戻る。電話では問題が解決しなかったようだ。まぁ、とりあえず、この新しい電池を入れることにした。・・・この手段が効果なければ我々は路頭に迷うのだが・・・。

 

 

KAWA君「おおっ、動いた!!!」

 

 

 動いたのか!!! 助かった〜。なんとか事なきを得たなぁ〜。

 ・・・まぁ、この件に関して問題が何だったかは解明したのでキーレス自身やマジェスティに問題があったわけではない。でも、ハイテクっつーのは考えものだなぁ・・・。まぁ、ボタン電池はコンビニに売ってるだろうから入手しやすいものだが、コンビニすらない場所も多いことを考えるとリスクあるよな・・・。いや・・・ボタン電池ぐらいなら予備を持っておけばいいのか・・・。

 さぁ〜て、気を取り直して、10:30出発。とりあえずの計画としては、坂出から再度南下して32号線を越えた先にある「池内うどん」、そして進路を東にとって「池上製麺所」に向かう。池上なら場所は高松の南なので、池内から少し距離があるので腹ごなしにはちょうどいいだろう。私は不覚にも朝飯をたらふく食べてしまったので・・・腹ごなししないとうどんが入る胃袋ではないのだ・・・。

 走り出してすぐ、国道から離れ川沿いの県道を走っていると、KAWA君がいきなり左にハンドルを切った。入った先は道ではない、なんと駐車場に入った。え? どしたん? 何ここ。


↑上田うどん

 「上田うどん」と書いてある・・・。うどん? えっ! もう食うの! 池内はどうしたの! ・・・なにやらAOちゃんが「卵の天ぷらが食べたい」と言っていたらしく、この上田うどんの「のぼり」に「卵」と書いてあったから停まったそうな。しかし・・・よく見てみたら「卵の天ぷら」ではなさそうだ・・・。う〜ん、もう駐車場停めてしまったしなぁ、ここは諦めて食べるとするか・・・。でも・・・まだあんまり胃袋がこなれてないのだが・・・。

 お店の中に入ると、なんだかラーメン屋っぽく真ん中に店員さんが行き来するコの字型のカウンター。セルフのお店ではない。こぎれいな感じで好感は持てるが、個人的にはディープなのが好みなので残念・・・(←失礼!)。

 さて、オーダーは私はまだ朝食バイキングが残っているので「かけ」にしたのだが・・・、どうもここは「だし」がウリのようで・・・。しまった・・・選択を誤ったか・・・。。


↑上田うどんのかけうどん。

 まず先に私のかけうどんが到着。もうもうと湯気が出てる。あちちち、舌ヤケドしちまったい。

 そのあと他の二人にもうどんが到着。KAWA君が一眼を出してうどんを撮っていると、店主らしき人がやってきて「取材の人?」と尋ねてきた。その真意は定かではないが、なんか「勝手に取材されては困る」みたいな雰囲気だったので、「いやいやいや、単なる趣味ですよ〜」と、みんなで答える。あれは・・・どういう意味だったのだろうか・・・。

 上田うどんを出て予定通り池内を目指す。う〜ん、そんなに短時間にうどん食えるだろうか・・・。

 さらに南に下り、国道32号線を東に向かい国道377号線で南東方向へ。羽床(はゆか)あたりを走る。このあたりは有名店『山越うどん』(通称「ゴエ」)もある地域だ。

 のんびり走っていると、目の前を走る車が急に路駐した。なんだ? ここは民家しかないところなのだが・・・。よく見るとここらへんだけ路駐が多い。なんだろ、親戚の集まりでもあるのか・・・。と思っていたら、前を走っているKAWA君までも停車した。??? どうかしたか? えっ、池内? どこに? これか!


↑うどん池内

 これがお店だとは絶対わからないぞ・・・よくKAWA君気づいたな・・・。ということは・・・駐車場が無いのか! それは・・・いいのか!? 近年、うどんを求めて他府県の車が押し寄せるようになって、多くのうどん屋は近隣住民の迷惑を回避するために駐車場を整備しているのだが・・・。はっ!!! 実はそれを考えた上で、店をわざとわかりにくいようにしているとか・・・!? いや・・・私がどうのこうの言える筋合いではないのだが・・・。

 何はともあれバイクを置いて、お店に入ろうと建物右の扉を開けようとしたが・・・なんか・・・これは入り口ではないような気がする・・・。悩んでいると、AOちゃんが「こっちこっち」と指さす。すると、そこは看板左の建物の隙間。よく見るとこの隙間に暖簾(のれん)らしきものがかかっている。これ、のれんだったのか!!!


↑池内の裏

 入ってみると・・・うわー、ここはまたこれまでに無くディープなとこだなぁ。おそらく昔からの讃岐うどんのお店の面影を色濃く残しているのだろう・・・。へー、うどんだけでなくそばもあるんだ。めずらしいねぇ。実は私はそば派なのだが・・・ここは四国、やはりうどんにするべきだな・・・。

 と思っていると、私の前の人が注文するときに「アベックで」と言った。

 

アベック!? ナニそれ!!!

 

 もしかしてそれは「うどんとそばを両方入れる」ということか! おおう!!! それはナイスチョイス!!! ・・・いや、それはうどん一玉、そば一玉の、二玉ってーことだな??? ううう〜む・・・今の私には二玉は多い・・・。結局うどん一玉だけにした・・・。


↑池内のうどん

 うどんを貰って食べる。うーむ・・・よく見たら、これ、ラーメン鉢だよな・・・。つゆ、ってゆーかタレってゆーか、濃い。うまい。

 11:50、食べ終わって出発準備をしていると・・・池内の「看板おばあちゃん」が店の前に置いてあるカブに近寄っていった。元気そうだが腰も曲がって力仕事など出来そうも無いおばあちゃんなのだが・・・。えぇ? もしかして? ・・・やはりおばあちゃんはヘルメットを被り、カブにまたがった!!!


↑おばあちゃん!?

 

おばあちゃん! まさか、カブ乗る気か! しかも、歩道は走っちゃいけないんだよー!

 

 元気なおばあちゃんだ・・・。長生きしてください・・・。

 出発。進路を東に取り、国道377号線のワインディングを颯爽と走り抜け、高松空港の南側を突き抜け、そしてぐるりと国道193号線を北上した。


↑池上製麺所

 12:37、池上製麺所到着。うはー、やはり人だかりが。50人ほど待っている。うーん、さすがは有名店。15分ぐらい並んで待ったかな?


↑池上製麺所のうどん。ひやあつだったかな?

 うどん。確か、『ひやあつ』にしたと思う。温泉卵をトッピング。いただきま〜す・・・ずるずるもぐもぐ・・・うーん、釜揚げにしときゃ良かったかな・・・。いや・・・並んでいたお客さんは全員『釜揚げ』に並んでいて、それ以外は列を無視して先に食べれるようだったから『ひやあつ』でいいかと思ったが・・・冬は釜揚げがあつあつで良かったかもしれん・・・。

 13:10、うどんを食べ終わり、バイクに戻る。

 さて・・・もういい加減帰る準備をしなければならない時間なので、うどんは終了して東に向かうことにする。とはいえ最後に、やはり温泉に入りたいのでKAWA君が探したところ東に『カメリア温泉』なるものがあると言う。

 

カメリア? なんだそりゃ!

 

 そのフレーズを聞くと・・・銀座か? 宝石か? ・・・どうもそれらを連想してしまう・・・。

まぁそういう歳なんでね・・・。あとで調べてみたら「カメリア」とは「椿」のことでその町のシンボルなのだそうだ。まぁ、なんにせよ怪しい雰囲気が漂う・・・確かめたいので行ってみることにする。

 県道13号線から県道10号、県道264号線、門入ダム沿いに山を延々登っていく。結構登るなぁ〜、この門入ダムのダム湖がなんかスゲェ。そのあと渓谷の風景になるとすぐに到着した。


↑カメリア温泉

 14:05、カメリア温泉到着。


↑カメリア温泉前には謎の橋が・・・

 しかし・・・、なんだ? 県道に架かるこの橋は? 渡り廊下か? 県道を挟んで両側に施設があるのか!? まさか、そんな規模がデカいのか! また要塞温泉か!!!

 ・・・と、思ったが・・・渡り廊下の向こう側にはなんか建物があるが・・・人の気配は無い・・・。この渡り廊下も、実際に人が渡れるようだが、なんかモニュメント的な感じで実用のものでは無さそうだ・・・。

 駐車場はバイクを止めるのも苦労するぐらい車がいっぱい。んん〜大盛況だねぇ。そんなにいい温泉なのかぁ〜? でも建屋はそんな感じには見えないのだが・・・。ともかく中に入る。

 入泉料600円。中はそこそこ設備の行きとおった感じ。早速温泉に入ってみると・・・おおう、ここもヌルヌル系か〜。しかし、「環の湯」の強力なヌルヌルの後ではインパクト弱いなぁ・・・。露天風呂が無いか〜、と探してみるが、ここはホントに露天風呂が無かった・・・残念。サウナがあったので入ってみるが・・・ミストサウナはいまいち。普通のサウナは普通だが、それがいまいち。

 ・・・ちなみに、この「カメリア温泉」・・・前編で述べた「かりん温泉」と同じく、2008年に閉館しているのだ・・・しかし、地元の有志で復活、今に至っている。それを考えると・・・「かりん温泉」は地元に支持されてなかったのか・・・穿ったモノの見方で思いをはせる・・・。

 15:00、温泉から上がって温泉の休憩所でまったり。この期に及んでも、我々はやっぱりグダグダ過ごすのである。ほげほげ〜。

 しかし・・・時刻はすでに15時を回っている・・・。ここまでほんわかツーリングだったが、また帰るのがツライのだ。帰り道にまた明石海峡大橋を渡るルートを選択すると、阪神高速が工場渋滞するはずだ。ここは徳島-和歌山間を繋ぐ「南海フェリー」で帰りたかった。金額的にはほぼ同じ。それなら高知道をちょっと走るだけで済む。

 ただ、南海フェリーは所要時間2時間かかるので帰宅するのが遅くなってしまう。しかも便の間隔は2時間あるので、タイミングが悪いと2時間待たなくてはならない。それに結局和歌山から高速道路を70km近く走らなければならない。それを考えると橋を渡ったほうが格段に早い。フェリーは応援したいところなのだが・・・正直、早く帰る方を選択したかった。

 KAWA君がiPHONEで阪神高速の渋滞状況と、南海フェリーの時刻を確認しようとするが・・・残念ながらソフトバンクのアンテナが立ってない・・・。AUのアンテナが立っていたのでパケットがかかることを覚悟して携帯で調べてみるが、イマイチよくわからない・・・。

 こうなったら、「明石海峡大橋か南海フェリーか」の分岐点である、高知道・鳴門PAで休憩がてら判断することにする。そこであれば市街地に近いのでKAWA君のiPHONEのアンテナが立っているはずなので、阪神高速の渋滞情報を確認して、もし状態が悪ければ鳴門から高速を降り、徳島まで走って南海フェリーで和歌山に行く。ということにする。やっと、我々は重い腰をあげた。

 15:40、カメリア温泉出発。

 また県道10号線に戻り東へ。途中、給油してから16:20、白鳥大内ICから高松道に乗る。

 

 

寒い。

 

 

 しまった! 昼間の陽気ですっかり失念していたが、私の防寒能力には問題があるんだった!

 

 日が翳ってきたので気温も急激に下がってきた・・・。フェリーに乗るなら徳島の市街地で防寒着を買うこともできるが・・・でも今さら買うのもなんか馬鹿馬鹿しいよな・・・。

 16:45、鳴門PA到着。さて、南海フェリーを選ぶ最後のチャンスだが・・・、KAWA君がiPHONEで渋滞状況を調べるが、私は寒くて判断力が低下していたので、

 

結局どうでもよくなって橋を渡ることにする。

 

 とにかく私をこの寒さから解放してくれ〜。


↑淡路SA

 17:40、淡路SAに到着。ううう〜、寒くて死にそうだ・・・。

 飲食店コーナーに飛び込み暖を取りながら軽食をつまむ。カロリーカロリー・・・熱を作らないと・・・たこ焼きとドーナツとシュークリームに、コーヒーを食べる。渋滞情報を見ると・・・あー、若宮あたりが赤くなってる・・・。ほどなくして日は落ち、外は闇に包まれる。あああ・・・これは終わったな・・・。

 ・・・18:40、淡路SA到着から1時間が経とうとしていた・・・。その間何をしていたのかって??? ひたすら軽食を食べていたのだよ・・・。再度渋滞情報を見ると予想通り渋滞は伸びていた。時間的には夕方の混雑が収まっている頃合であるが、今回は工事渋滞である。ここが渋滞のピークかどうか・・・。しかし、我々は動かない。

 そのあと、やることも無いので外へ夜景を撮りに行く。とりあえず体も暖まったしバイクに乗るわけでもないから、外の寒さも問題ないだろうと外に出ると、

 

 

うわっ!!! 寒めぇぇぇ!!!

 

 

 ・・・また体が冷えてしまった・・・。

−−−−−−−−−

 ・・・というわけで前編の冒頭のような状態になったんだよ・・・。

 その後、渋滞が少し緩和されているようだったので、20:20、覚悟を決めて出発することにする。

 走る前から体が震えているのに、バイクで走り出したらもっと寒いー!!! ガクガクブルブル、腕の震えが停まらない!!! そんな状態で明石海峡大橋に突入!!! ぎゃ〜!!! 風強ェェェ!!! 体が冷えてガクガク震えてるのに風があおりやがる。コントロールがあああぁぁぁ!!! 助けてくれぇぇぇ〜!!!

 ・・・そんな感じでチンタラ走った。

 KAWA君とは明石海峡大橋後の料金所で別れて、それぞれの家路につく。恐れていた若宮-月見山間の工事渋滞だが・・・、工事自身も終了していたようだったが、車線規制は残っていた。しかし結局渋滞も無くスムーズに流れた。まぁそれは助かったのだが・・・。じゃあ、もう少し早く出発しても良かったんじゃね!? ・・・まぁ、それは今さら言ってもせん無きことだ・・・。


↑京橋PA

 21:00、京橋PAに到着。寒い・・・。缶コーヒーで体をあっためる。

 21:15、出発。生田川から混んでいるという電光掲示板の表示があったが、ふん詰まりになっているわけではなく、車列ができている程度でゆっくり走ることができた。いやー、逆に助かるよ。

 22:00、帰宅。あああ〜、やっと帰ってきたぁ〜。

 ・・・次の日の月曜日は当然仕事なので出勤したのだが・・・旅の疲れが溜まっていたのか、体力ガタ落ちで、なおかつ口唇ヘルペスが出てきて大変だった〜。

−−−−−−−−−

 今回の旅のまとめー。

 生まれて初めて明石海峡大橋をバイクで走ったが・・・やっぱり橋は速い、ということか・・・。

 バイクで走るとき、これまでは船で四国に渡っていたが、便を待つ時間や船自体が遅いと言う、時間的なロスが大きいのが身にしみてわかった。私は長時間走ることが嫌いなので「船」という選択肢は大いに賛成なのだが、距離と時間を稼げないことは否めない。これはどうやっても覆すことは出来ないだろう。

 それを料金で差をつけてバランスをとっていたと思うのだが、『休日上限1,000円』がぶち壊してしまった。もちろんそれによる経済効果とかあるのはわかるが・・・まぁ、ここでは細かいことは置いておいて。

 しかしながら、それによる昨今のフェリー廃業の嵐はいかんともしがたい。物流にスピードが必要なのもわかるが、トラックが自前で走るより船は燃料効率がいいのでエコだし、道路交通量が増えると渋滞を引き起こす本末転倒な事態になるし、長時間走ると事故のリスクも高まる。そもそも、橋の代替輸送手段として確保するべきじゃないのか・・・。一度失われてしまったシステムは簡単には復活できない。公的な補助、そして企業もCO2削減の取り組みとして船を活用するようにするべきでは。もっと船の役割を見直してはどうだろうか・・・。

 ・・・まぁ、今回私は船を裏切ってしまったので、偉そうなことは言えないのだが・・・でも船は今後も応援したい。

 

 

(終わり)

 

 


 

 

くるすま3月号



 まいど、えーすけです。

 あああ・・・2月の更新しそびれた・・・。書こうと思ってたものが結構大変でね・・・。それはとりあえずお蔵入りにしてほんのこの前、ツーリングに行ってきたのでそれを急遽抜擢。でも2月の更新逃してるけどね・・・。

 

 最近のジェベルですが、半年の放置状態を経て、見るも無残な姿に。


↑LEDテールライト装備

 なんと、DRCのLEDテールライトをつけてしまった・・・。そのせい・・・でもないが今はリアフェンダーが無い状態。何とかしないとな・・・。

 さらにUFOのDR400SM用フォークガードを装備してます・・・(UFOの商品名は「フォークスライダー」)。ジェベルが装備している、DR250Sのフォークに付くかどうかわからなかったが、清水の舞台から飛び降りるつもりで買ってみたら、なんとポン付け!!! 3つ目のネジ穴にネジは打てないが、2つネジとめたら結構固定されている。これは買ってよかった・・・。

 ・・・まぁそんな感じで、細々とイジってますよ・・・。

 

 

○2011年2/19〜20四国・讃岐うどんツーリング(前編)

 

 2月20日の日曜日、時刻は20:00。我々は淡路SA(サービスエリア)で足止めを食らっていた。17:40に到着してもう2時間は経つ。


↑夜の淡路SAから明石海峡大橋

 私はサラリーマンなので当然、明日の月曜日には仕事があるので一刻も早く帰らなければならないが、阪神高速が湊川〜若宮間で舗装工事をやっていて渋滞しているのだ・・・。その先の京橋PA付近が夕方に混むのは日常茶飯事なのにその手前で車線規制なんかしたら、もう地獄絵図になっているのは想像に難くない。

 さらに追い討ちをかけるように気温が急激に下がっていた。私はこともあろうかフリースジャケットを持ってくるのを忘れてしまった。この寒さに全く太刀打ちできない・・・。

 出発を遅らせれば遅らせるほど寒さが襲い掛かるのだが・・・私はあせりながらSAでコーヒーをすすっていた。ここで2時間粘るんだったら徳島から南海フェリーに乗ったほうが良かったのではないのだろうか・・・。ううう〜、なんでこんなことになってしまったんだろうか・・・。

−−−−−−−−−

 遡る事、寒さ厳しいこの頃の2月7日に友人KAWA君からメールが届いた。なんだろな? と内容を確認するとこう綴られていた。

 

「さてさて、今年もツーリングに皆様行きましょう」

 

 ほほう、今からツーリングの打ち合わせか。私は、KAWA君が率いる『谷町山岳警備隊』というツーリングチームに参加していて、年に1,2回VTR250でツーリングに行っている。去年の春、ちょうどいい時期に3月と4月のツーリングに行ったので、今年もその方針というわけだな。彼はよく直前に連絡してくるからこっちも対応に困る時がある。まぁ、仕事の状態や天気の問題で直前にならないと決まらないこともあるのだが。

 

「目的地は香川県です。
行程は、瀬戸大橋を渡ると見せかけて、その下を船で渡ろうと思います。船があれば(笑)
あとはうどん三昧で一泊して徳島方面に向かって帰宅します。」

 

 おおう、もう既に計画が具体的に決まっているのか・・・。まぁいつものことだが。しかし・・・瀬戸大橋を目指すと言うことは高速でぶっ飛ばすと言うことだな・・・? 去年からKAWA君のマジェスティにはETCが備わっているので高速を使いたいのだろう。私のVTR250にはETCは無いので割引や料金所の手間は非常に不利だが、それは付けてない私の事情でKAWA君には責任の無いことなので文句を言っても仕方が無い。

 いや・・・そんなことより根本的な問題は、私は高速道路が嫌いなのだよ・・・。また泣きながら走らなきゃならんのか・・・。とはいえ、高速を使わないと距離と時間が稼げないのも事実で、使わざるを得ない部分もある。まぁ・・・覚悟するか・・・。


↑大阪-高香川高速MAP。素材「白地図、世界地図、日本地図が無料」より。(多謝!)

 ちなみに上は、私の大阪の自宅から香川までの高速道路の簡易図。あとに宿が坂出であることが判明。目的地とした。計画通り瀬戸大橋まで行くとなると、中国自動車道-山陽自動車道を爆走、走行距離220km・・・こりゃ大変だな・・・。何? 高速ならそんなに大変じゃないだろうって??? だから私は高速道路が嫌いなんだ!!!

 帰りは徳島方面というのは、南海フェリーで和歌山に行くということだな。四国に行くとよく使う船である。所要時間2時間かかるが、休憩するのにちょうどいい。ただ・・・和歌山から阪和道を使って帰るのが結構しんどいんだよね・・・。

 ・・・さて、話を戻して、メールの話。

 問題は日程だな・・・3月は末から忙しくなるので4月のほうがまだ助かるのだが・・・?

 

「日程は2月19日ー20日予定です。」

 

 

まだ寒ーい!!!

 

 

 この時期はマズイって!!! 以前もこの時期に四国に行って、海岸線はポカポカ陽気だったのに四国カルストに登ったら一面の銀世界だったじゃん!!! 3月初めだって名阪国道で大雪降って俺、スベってこけたじゃん!!!

 あと2週間あるが・・・まだ2月である。気温が劇的に上がることは期待できない・・・たとえ雪が無くても体一つでバイクにまたがって走るのに寒さは大敵だ・・・。非常に不安だ・・・。

 ・・・そんな私の不安をあおるかのように、その週には大阪も雪がちらつき、奈良の生駒では白銀の世界が広がるぐらい、気候は悪化の一途をたどった。しまいには、翌週の月曜日、2月14日には大阪の平地でも大雪が降り路面が雪に覆われた・・・。これで週末にはツーリングなんかに行こうなんて、とうてい思える様な状態ではなかった・・・。

 その翌日の2月15日、KAWA君からメールが届いた。これはさすがに延期方向の内容だろうなぁと思い、見てみると・・・。

 

「とうとう、今週になってしまいました!ツーリング!
皆様、参加できますか?」

 

 

正気か! 貴様!!!

 

 

 うーむ・・・どうも行く気みたいだな・・・。確かに週間天気予報では晴れかつ気温は12℃ぐらいと高めになっているが・・・ホントにこの予報どおりになるのか・・・。まぁ初めから諦めていても仕方が無い・・・とりあえず天候が良ければ行くとだけ返信し、様子を見ることにする・・・。

 前日の2月18日・・・天気は非常に良く、明日のツーリングは問題無さそうだった・・・。うーむ、これは行かざるを得ないか・・・。で、幸か不幸か、その日は職場での宴会。酒好きの私だが、明日のツーリングのために今日は1次会だけにしようと心に決めて参加。その宴会中にKAWA君からメールが届く。

 

「明日は、淡路島横断に変更しようかと思います。
待ち合わせは、淡路島の淡路サービスエリアに10時に!」

 

明石海峡大橋渡るのかよ!!! ETC無しだと結構金かかるんだぞ!!!

 

 ETCついているからってそりゃヒドいぞ! 一体いくらかかるんだ!!! ・・・まぁこれで行くことは決定だな・・・。ところでメールの宛先を見ると4人だけになってる。この時期に行くのヤバいと思うわな。参加するメンバーはKAWA君とその奥さんのAOちゃん、それに神戸市西区在住のしんちゃんか。まぁKAWA家はタンデムだから実質3台だけということになる。

 計画の変更を申し立てようかと思ったが・・・酒飲んでたのでどうでもよくなった。こうなったら、矢でも鉄砲でも持ってこ〜い!

 ・・・ということもあり、宴会はがっつり2次会まで参加した。

−−−−−−−−−−

 ・・・さて、日付的にはツーリング当日の0:00・・・帰宅。たらふく飲んでいたし明日ツーリングなので風呂入って寝るのが当然だが、ついつい缶ビールに手が伸びてしまった。ビールをチビチビやりつつ、一応インターネットで淡路SAまでのルートを確認しておく。


↑阪神高速神戸線-明石海峡大橋間高速MAP。これは自作。

 阪神高速12号守口線→1号環状線→13号東大阪線→3号神戸線・・・ちょっと乗継が多いが、それさえクリアすれば3号神戸線をまっすぐ行って第二神明道路に入り、名谷(みょうだに)JCTで神戸淡路鳴門自動車道に入る・・・まぁこれはバイクで高速を走らない私でも知っているルートである。ただ、ちょっと驚いたのは第二神明から神戸淡路鳴門自動車道へ入るときに右回りに270°以上回って南下することだった。車の助手席で何度も通ったことがあるが、これは今まで知らなかったな・・・。しかし、この印象が後ほど悪影響を及ぼすことになろうとは・・・。このとき私はまだ知らない・・・。

 一番知りたかったのは距離である。自宅から淡路SAまで65kmぐらいか・・・。ってーことは所要時間は1時間ぐらいを見ていればいいだろう。じゃあ明日は7:30に起きれば集合時間の10:00には間に合うな。ということで目覚ましをセット。

 そうこうしていたら何時の間にか2時になっていた。荷物もまとめてないが、さすがに眠くなってきたので寝ることにした。まだビールが残っていたが、勿体無いがビールを捨てて2:00ごろ、就寝。

−−−−−−−−−−

 ・・・朝・・・。

 

 

8:30、起床。

 

 

・・・。

 

 

 ・・・え〜っと・・・

 

 

あああー!!! 寝坊したー!!!

 

 

 飛び起きて急いで支度をするが・・・荷物もまとめてなかったので時間かかる・・・。これからガッツリ高速を走らなきゃならんので朝飯も食わなきゃいけない・・・。・・・うーむ、これは・・・腹をくくって遅れることにする。ひでぇ。恐らくKAWA君は今高速を走っているはずなのでメールでとりあえず遅れる旨を送信する。

 さて、着替え着替え。上はヒートテックの長袖Tシャツに薄手だが結構発熱系のセーターを着る。さらにその上にフリースジャケットを着るのだが、今は寒くないので後で着ることにする。下はライダーパンツ1枚。その下にパッチをはきたかったが、どこに行ったかわからなかったので諦めることにする。朝食をとり、荷物をまとめ、ライダージャケットを羽織って外に出た。

 外に出てみると天気は快晴、朝から月曜の大雪が嘘のようなポカポカ陽気のバイク日和。天候だけでなく気温も味方してくれている。しかも、VTRも一発でエンジンがかかり快調そのもの。全てが非常にいい感じなのだが、そんなことは私にはかまってられない。私はあせりながら荷物をくくりつけて、出発した。


↑マイタックmioP350

 ちなみに今回はパーソナルナビ、マイタックmioP350の初の実戦導入。しかし、急いでいたのでルート案内はせずただ電源を入れてGPSのログ取りだけさせることにした。

 9:30、阪神高速12号守口線・森小路入口から高速に乗る。高速はETCの無いライダーにとっては難関だ・・・。

@バイクを料金所に寄せ、
Aギアをニュートラルに入れ、
Bグローブを脱ぎ、
Cジャケットを開け、
D財布を取り出して、
E金を払って、
F財布をしまい、
Gジャケットを閉め、
Hグローブをはめて、
Iギアを入れて発進する。

 と言う手順を踏まなくてはならない・・・。車のように財布をその辺に置いておいて金のやり取りだけするようなことは出来ない。今はETCレーンが広く整備されているので、一般レーンにやたら並ぶこともなくなったが、後ろの車に迷惑かけてないかと思うと、これがあせるんだよね・・・。

 で、料金所で上記手順であせりながら金の受け渡しをしてると、料金所のおっちゃんがそれに気づいたのか「あせらなくてもいいよぉ〜。ゆっくりやっても大丈夫だよ〜」と声をかけてくれた。おおう、その言葉、痛み入るぜ、おっちゃん!!! ・・・だからといってゆっくりやるわけにもいかず、やっぱりあせりながら準備を整え、発進するのだった。

 一路、西へ。環状に合流し東大阪線に乗るまではバイクで乗ったことがあるが、そこから神戸線に乗ったのは初めてだった。まぁ予備知識があるのでそんなに問題ではない。

 そんなこんなで、神戸線に乗り落ち着いて走っていると、少し肌寒くなってきた。あれ? ちょっと寒いな、と思った瞬間、重大なことに気がついた。

 

 

あ!
フリースジャケット着てくるの忘れた!

 

 

 これはヤバいな・・・。今さら取りに帰るわけにもいかない。今の気温なら問題ないが、これ以上に気温が下がると危険だ・・・。まぁ・・・無人島に行くわけでもないので、現地調達で買うことも出来る。寒くならないことを祈るしかないか・・・。ということで、諦めてそのまま走ることにした。

 高速道路は一部車列が出来たものの順調な流れで、気持ちよく快走できた。

 10:10、京橋PAに到着。あっちゃ〜、全然距離稼げてないな。まぁ、そんなに飛ばしてないからねぇ。これは集合時間30分遅れの到着になるか。携帯を見てみるとKAWA君からメールが入っていた。どうも9:30には到着したみたいである。メールには、

 

「了解(*^_^*) ゆっくりき」

 

 と、書かれていた。

 

 

では、そうさせてもらおう!!!

 

 

 ひでぇ。

 京橋PAを出発し、湊川出入口を越えたあたりから反対車線が工事をやっているのが見えた。車線規制がされている・・・。するとそこから大渋滞が延々と伸びている・・・。うーわ、この工事、明日もやってるだろうから、これは計画通り帰りは南海フェリーで和歌山回りで帰った方がいいなぁ。

 しばらく走ると、第二神明道路の須磨料金所に出くわした。通行料金200円・・・。くそ、たかが200円で俺に払わすな! さすがに主要高速道路だけあって、今回は後ろに結構並ばれた。でもこの料金所では大丈夫だとは言ってくれない。くそー。

 料金所を出て走り出す。あとは名谷JCTで右に曲がり大きくループして明石海峡大橋に入るだけだ。と言うことで右車線を走っていた。

 走っていると「明石まで16km」と言う表示があった。てーことはもう少し先だなぁ、と安心してボケ〜っと走っていた。というのも、明石の手前ぐらいに明石海峡大橋があると思っていたからだ。・・・しかし、この認識は間違っていたのだった・・・。

 ふと、気づいたら左に分岐が見えた。急なことだったので、そのまま通り過ぎる。あれぇ? こんなトコに分岐なんかあったっけ? さすがに明石海峡大橋への道はまだだろ、と思ったが、目のはしで分岐の看板に「徳島」という字を見た気がする・・・。

 ・・・もしかして、あれが分岐だったのか? 右じゃないの!? 通り過ぎた!? ・・・ここであわてて高速降りてみたら実はまだだったってこともありうる。しかし・・・もしあれだったら・・・対応が遅れればリカバーする時間がどんどん増えてしまう・・・。焦燥感にかられながら、私はどうすることも出来ずにそのまま西に走り続けた・・・。

 

 はっ! そうだ!
 こんなときのためにパーソナルナビmioP350があるんじゃないか!!!

 

 一筋の光明が差し込んだかのような感じになって、走りながらナビを見ると縮尺が小さすぎてよくわからなかった。方向ボタンを右に押せば縮尺が大きくなる。走りながら手探りで右に押した。しかし、グローブをしてる指では感触がよくわからない。再びナビに目を落とすと、なんと画面が消えていた。・・・どうやら間違って電源ボタンを押していたようだ。

 やっちまったー!!! ・・・まぁ、すぐ電源を入れればGPSの捕捉も早い。すぐ電源を入れる。すると電源が入り、タッチパネルにロック解除ボタンが出る。これは不意に電源が入りっぱなしにならないように、ロック解除ボタンを押さないと5秒後に電源が切れるという機能である(私がそういう設定にしたのだが)。で、画面上のロック解除ボタンを押すのだが・・・グローブをしているため、タッチパネルが反応しない。・・・5秒経って電源が落ちた・・・。

 もう一度やってみたが・・・、やっぱりロック解除ボタンが押せずに電源が落ちた。・・・。

 

 

 あああああ!!!
 やっぱり使えねぇな、お前ぇぇぇ!!!

 

 

 いや・・・全部こいつのせいじゃないんだが・・・でもこんなときに使えないって・・・期待して損した・・・。

 10:30、結局、名谷JCTから2つ目の出口、大蔵谷ICで高速を降りた・・・。

 出口付近の路肩にバイクを止める。mioP350で地図を確認すると、やっぱり名谷JCTをやり過ごしていた。あっちゃ〜、やってもうた〜。まぁ、ここからならまだ何とかなる。しかし、私は集合に遅刻しているし、ここからのリカバリーがどれだけかかるかわからない・・・KAWA君にトラブルが起きたから先に行っといて、とメールを入れる。気を取り直して第二神明に入り直す。

 高速を走り、分岐付近に戻ってきたが・・・。一向に分岐の案内が出る気配は無い。あれ? なんで無いの? 結局名谷JCTらしきところを通り過ぎてしまった・・・。いや〜な光景が頭をよぎった・・・。

 

おいおい、このままだとさっきの工事渋滞の中に突っ込んでしまうじゃないか!

 

 結局、予想通り、須磨料金所手前から渋滞に巻き込まれることになる。料金所横に出口があるが・・・またなんかドツボにハマってもいけないので、ここは変なことをしないほうがいい。阪神高速乗り継ぎの方へ向かった。

 びぇぇぇ、車いっぱいでコワイよぉ〜。料金所のおっちゃんに金を渡すときに「ここから明石海峡大橋には行けないの?」と聞いてみた。

 

 料金所のおっちゃん「えぇ!? こっから乗るんやったら一旦湊川で出て、もっぺん入らなアカンでぇ!?」

 

 

がーん、やっぱりそうか!!!

 

 


↑阪神高速神戸線-明石海峡大橋間高速MAP。再録。

 ・・・実は私は罠にハマっていた・・・。第二神明を西向きに明石海峡大橋へ向かおうとすると、『名谷JCT』を曲がればいいのだが・・・逆の東向きは、私が降りた大蔵谷ICの一つ先の伊川谷JCTで北回りで『垂水JCT』へ向かわないと明石海峡大橋へは行けないのだ・・・。つまり大蔵谷ICで東向きに乗ったのは裏目だったのだ・・・。

 料金所を出て路肩に止める。時刻は10:50、携帯電話を取り出すと、KAWA君からメールが入っていて「まっとくよ」とつづられていた。こりゃイカン、慌ててKAWA君に電話をかける。KAWA君が電話に出た。やっぱり待ってたのか!!!

 

私「アカン、ドツボにハマってもうた!!! 明石海峡大橋に行く分岐を間違えて−−−(中略)−−−これからあの渋滞に突っ込まなアカンねん!!! ちゅーことで先に行っといてくれ!!!」

 

 と言ったのだが、KAWA君は落ち着いた感じ。

 

KAWA君「ハイハイ、えーよ。待っとくでぇ」

私「マジで? いつ着くかわからんぞ!!!」

KAWA君「大丈夫大丈夫。待っとくよ〜」

 

 いいのか!? いろいろ予定もあるだろうに・・・。まぁ、こうなったら出来るだけ早く行くしかないか。

 発進。車でふん詰まりになった道路に突っ込んでいく。まぁバイクなんで車の間をすり抜けまくるのだが・・・。車の間を走るのは、路肩を走ると『路側帯通行違反』を取られる可能性があるからね。でも怖いよ〜。

 ・・・すり抜けまくったせいか、3kmほど走ったら渋滞を突破。意外と早く抜けることが出来た。11:00、湊川出入口で降りて、また乗りなおす。

 本日2回目の西向き須磨料金所。また同じおっちゃんが出てきたらどんな顔するだろうかと思ったが、残念ながら違う人だった。本日2回目の名谷JCT、看板を見ながら今度は間違わず左にまがる。

 ・・・それにしても・・・結構親切に「明石海峡大橋、左」との旨の看板が何回か出てくるのに・・・私はなんで看板を見逃してしまったのだろうか・・・。人間ってやっぱり『無いと思っているものは見えない』のだろうか・・・。


↑昼の淡路SAから明石海峡大橋

 ・・・11:30、淡路SA到着。はぁ〜、やっと着いた〜。集合時間の1時間半遅れである。

 KAWA君に電話をかける。SA内のミスドにいるとのこと。向かうとそこに居たのはKAWA君とAOちゃんの二人だけ・・・。あれ? しんちゃんは? と聞いてみると、なんとドタキャンらしい。マジで! 裏切ったな!!! ・・・どおりで二人が待ってるはずだ・・・。二人はタンデムでマジェスティ1台なので、実質参加は私を含め2台なのだ・・・。まぁ・・・なにやら待ってる間は淡路SA内にある観覧車に乗ったり、ミスド食ったりして夫婦でエンジョイしていたようである。

 KAWA君が「何か食う?」と聞いてくれたが、こっちは遅刻した身である。腹は減っていたが昼食もとらずに先を急ぐことにする。

 とりあえずの次の目的地は・・・当然うどんで、香川西部にある「なかむらうどん」に行くことになった。そこは以前私は別件で行ったことがあった。確か、うまかった記憶がある。ただし、閉店が14:00なので今から走って間に合うかどうか・・・微妙なところである。

 11:55、淡路SA出発。いや〜、ポカポカ陽気で気持ちいいなぁ〜、淡路島の景色が絶景だな〜、と思っていたら、KAWA君のマジェスティは車をどんどん追い越して行く。やめてくれ〜、俺にフルスロットルさせるなぁ〜(涙。爆走していたらポカポカ陽気はどっか行ってしまって、寒くなってきた・・・。今の私は防寒性能に問題があるのだよ〜。寒さと恐怖にブルブル震えながら、神戸淡路鳴門自動車道-高松道を走った。

 ・・・13:45、坂出ICを降りる。あああ、やっと着いたか・・・。とりあえずここまでくればもう安心だ・・・。とはいえ、帰りも似たようなことしなきゃならんのか〜、それは非常にブルーだな・・・。

 坂出ICから土器川沿いに出て、南下する。割と近いはずなのだが・・・さて、閉店までに間に合うか〜? 間に合っても麺が無くなってたら終わりなのだが・・・。


↑なかむらうどん

 14:00、なかむらうどん到着。これで、閉店したと言われたらショックだな・・・。え? 開いてる? うどんある? あああ、ギリギリ間に合った〜。

 腹減ったぁ〜、さて、うどんうどん。店の中に入ると・・・ここはセルフのお店なのでお椀を持って移動しなきゃならんのだが、なんと、うどんを湯がくのもセルフ。寒かったから多めに湯がいておいた。さてさて、トッピングは・・・なんと! 卵が無い!!! 揚げ物が「げそのから揚げ」しかないのか!!! しかもこの「げそのから揚げ」デカっっっ!!! んんー、まぁこれを入れておくか・・・。おあげもあったが100円だったのでやめておいた。


↑うどん

 これでうどん150円、げその唐揚げ100円、の250円。すばらしい。それにしてもげその唐揚げデカいなぁ〜。やはり大味なのだろうか・・・と思って食べたら、これが旨い! ・・・まぁ腹減っていたからかもしれないけど。

 ちなみに今回はうどんの味については書かないことにする。もともと私がグルメではないこともあるが、この極限状態では味もへったくれも無い。ただご当地うどんを食べる「雰囲気」を味わっているのだ。・・・と思ってくれい。

 ・・・とはいえ、ちょっと湯がきすぎたか、うどんがちょっと伸びてる気がする・・・。でも、生き返るぅ〜。


↑なかむらの店内

 綺麗な店内。2年前ぐらいに1度来たことがあるが、この建屋はあったけど、比較的新しいものと思われる。うどん特需で立てたんだろうね・・・。ちなみに、そこに居るお客は我々だけであった・・・。

 食べ終わり、駐車場で次どうしようか、ということになった。まだもう1杯ぐらいうどんはいけそうだったが、まだ体も寒かったのでとりあえず温泉に入ろうということになった。KAWA君がツーリングマップルを取り出し、近くに「かりん温泉」があると言うことでそこへ向かうことにする。

 14:30、出発。南下し、しばらく走る。

 14:50、かりん温泉に到着・・・。しかし・・・。建屋はあるのだが・・・開いてる気配がない・・・。えーっと・・・これは休業日ってことなのか・・・? しかし、一切の情報がない・・・これは開いてるのか開いてないのかどっちなんだ???

 あとで調べてわかったことだが・・・実はかりん温泉は2009年に閉館していたと言う・・・。KAWA君のツーリングマップルが古かったんだね・・・。

 まぁ・・・どうもサービスを受けられそうもないので、さらに南にある「塩入温泉」へ行くことにする。

 しばらく国道32号線を南下し、塩入に向かう道を左に曲がる・・・。するとその角の壁に何かデカデカと看板が掲げられていた。ん? なんだろ? と見てみると・・・。

 

 

「塩入温泉2/16〜23臨時休業」

 

 

 と書かれてあった。・・・え〜っと、今日何日? 19日だよな・・・。

 

 

じゃあ、開いてないじゃん!!!

 

 

 おいおい・・・こりゃマズいぞ!!! と思ってKAWA君に知らせようと思ったら、彼もその看板に気づいたようで道路わきに停車した。三度(みたび)、ミーティング・・・さらに南にある「環の湯」に行くことにする。

 さらに国道32号線を走る。かなり南に下ってきたぞ・・・。しかも結構登ってるぞ・・・。これ・・・もしかして山を越えて吉野川まで行くんじゃないか・・・? と思ったが、本格的に峠を迎える前に「道の駅 たからだの里さいた」が現れ、どうもその上に環の湯があるようだ。

 15:15、環の湯に到着。


↑温泉・環の湯

 入泉料500円。おおう、安い。お金を払って中に入ったが・・・何かでっかい中庭がある・・・なんだここ? 右に行くと建屋があるのでそこかと思ったが、食堂と宴会場みたい。どこに温泉があるの?


↑温泉への入り口

 え゛っっっ!!! 地下!? 一体どういう温泉なんだ・・・。階段を下りていくと温泉の入り口があった。脱衣場から浴場に入ると明るい。ガラス越しに外が見える。あれ? 地下に降りたはずなのに・・・まぁいいか。

 温泉に入ると・・・うおう!!! ヌルヌルで効く! かなりのアルカリ感だ。この濃い感じはなかなか無い。う〜む、3度目の正直で当り温泉にたどり着いたな。

 浴場をウロウロしてみたが・・・サウナはあるが露天風呂は無いのか・・・。そうかそれは残念だな・・・。30分ほど内湯でほげほげしてから温泉から出る。服を着ている途中に、露天風呂があることに気づいた・・・。なんと脱衣場の別の扉から行かなければならないのだ・・・なんでこんな作りになってんだよ・・・。ちぇー、冬の露天風呂は最高なのに・・・ちょっと損したな・・・。

 休憩所でマッサージ器にもまれたりして体を冷ます。そろそろ出発しようと言うことで、また階段を登って中庭に出てきた。そういえば階段で地下に下りたのになんで外の景色が見えたんだろう? と思って、中庭に出てみた。中庭の先は崖になっていて見晴らしが良かった。・・・ああ、そうか・・・実はこれ、斜面なんだ・・・。


↑ここは要塞温泉か・・・?

 ようするに、山の斜面に温泉を作って、入り口がてっぺんにあると言うこと。これはもう、要塞温泉 と呼ぶべきだろう・・・。すげー。

 17:00、出発。国道32号線を戻る。途中、県道197号線を走ると、うどんの有名店「山内うどん」のそばを通った。おお、山内が近いとなると、今後も環の湯に来ることも増えそうだ。


↑うどん小縣屋

 17:30、「しょうゆうどん」の看板がデカデカと鎮座している「小縣屋」(おがたや)到着。かなりの敷地面積があり、駐車場が2箇所あり、広い。と思ったら表側は「別館」って書いてある。実は2店舗分だったのか・・・。おおう、事業拡大してるねぇ。うどん特需で儲かってるのか。まぁ、とは言っても、たいした規模ではないし、お客の入りに対してキャパを拡大するのもサービスの一環である。うどんもそれほど利益が出るものじゃないので、努力したからこれだけ大きな店になっただろうけどね。

 さて、我々は「本館」のほうに入る。ここはセルフのお店ではない模様。テーブルについて、みんなで「しょうゆうどん」なるものを注文。ほどなく目の前に出てきたのは・・・。


↑大根とおろしがね・・・

 大根とおろしがね??? うどんはセルフじゃないのにおろしはセルフなのか!!! まぁ、うどんが出てくるまでの時間つぶしにはちょうどいいけどさ・・・。しかし・・・この大根、下のほうだな・・・。もしかして、これは辛いんじゃ? 薬味としてはいいのだろうが・・・でも貧乏性の私はあふれるぐらいおろしてしまった・・・。


↑しょうゆうどん

 ようやく、うどん到着。たくさんおろしたので容赦なくおろしを全部入れる。ねぎと薬味を入れて頂く。

 んん〜、ピリリと辛い。やや濃い目だがあっさりしたつゆ・・・と思われるが、大根おろしのせいで辛味が強くて正直よくわからない。でも、よくわからないながらもうまい。とはいえ、初めのうちはよかったが最後のほうになると激辛!!! こうなってきたらもう味もへったくれも無い。涙流しながらも全部食べた。

 ・・・う〜む、今度来た時はおろしはほどほどにしておこう・・・。

 18:00、店を出るとかなり日が傾いた。もういい時間なので、うどんは切り上げ、宿に向かうことにする。坂出にある宿へと進路をとった。

 

 (後編へ続く)

 

 


 

 

くるすま1月号



 まいど、えーすけです。

 あああ・・・2ヶ月更新遅れた・・・。まぁいろいろありましてね・・・。仕事のほうも忙しくなってきて佳境に入ってて・・・。よくわからないながらも一人で設計していて、あーだこーだ言っているうちはまだいいが、これをいざ手配するとなるとホントにこれでいいのか不安だった・・・。スパートかけようにも見積もりが立たん・・・。何とか事なきを得たが・・・。いえ、愚痴なんで気にしないでくださいな。

 

 

○ひよりもひよって日和見主義−−ジェベルFCR装着編:その6−−

 

◎我が名はダイヤーフラム

 

 前回までは、FCRの加速ポンプの吐出量を決める「ダイヤフラム」と言う部品を、ヤマハ:モトクロッサーのものから3種類、部品注文して入手したところまでを報告した。


↑ダイヤフラム3兄弟

 こいつらは、標準のダイヤフラムとは裏側の突起高さが異なり、若干高くなっている。これにより「燃料の出し終わり」のタイミングが早くなり、結果、燃料の吐出量が減るということになると思われる。

 さて、これら3つのうち、まず初めにどのダイヤフラムを使うかだが・・・。ちなみに違いは表側の突起高さだけ。突起が高ければ高いほど、スロットル連動のレバーピンがダイヤフラムを押すタイミングが早くなる。そのタイミングが早いほど、スロットルを開けたときに加速ポンプが燃料を出すタイミングが早くなる。

 今考えているのでは、タイミングは早いほうがいいと思っているが・・・。そういう意味では突起が一番長い19番を使うべきだが、・・・なんか、やたら長いんだよな・・・。大丈夫かコレ・・・レバーピンの調整範囲を大幅にオーバーしているような気がするのだが・・・。

 ある日の休日、FCRをバラしダイヤフラムを交換してみることにする。燃料を抜き加速ポンプのカバーを外して標準のダイヤフラムを取ってみると・・・。


↑画像ではわかりにくいがレバーピン頭を出している

 ・・・すると、キャブからレバーピンの先端が既に顔を出している。んんん・・・確かに今見ると以前からこんな感じだったように思う・・・これは・・・19番の長さじゃ・・・。とりあえず、一応19番を嵌めようとするが・・・。


↑レバーピンと干渉してダイヤフラムが組み込めない・・・

 

 

うむ。組めねぇ。

 

 

 ガーン。いきなり1,700円が無駄になった・・・。

 

 いや、まぁ、そのリスクは承知の上なのだが・・・やっぱりショックだねぇ〜。

 となると・・・76番でも危ないんじゃないか・・・? 嵌めてみると・・・嵌らないことは無いがやっぱり若干干渉しているようである。16番なら当っていない感じ。

 ・・・まぁ、76番でも初期状態で若干押しているとその分吐出量が少なくなるので、組めるなら選択肢としてはありうる。・・・とはいえ、とりあえずレバーピンに当らない一番短い16番を使用してみることにする。

 しかし、ダイヤフラムを嵌めてカバーを付ける段階になって悩んでしまった・・・。新しいダイヤフラムが厚みや質感がノーマルのものとは異なるとは感じていたが、組んでみてもなんか収まりが悪い・・・。


↑ダイヤフラムのはまりが悪い・・・

 んん? どういうことだ? まさかモトクロッサー用のFCRは純正と寸法が違うのか??? それは無いと思うが・・・ただ、ケーヒンもお客様である車体メーカーに納入するわけだから、変更要望があれば変えざるを得ないし・・・(変更費用をどっちが払うかの問題はあるが)。いや・・・たぶん、それは無いとは思うんだけどね・・・。

 とはいえ、無理やり組めば組めないことは無い。んー、とりあえずコレで行くか・・・。ということでダイヤフラム組み込み完了。どれぐらいの吐出量になったか確認するため(量を計測するわけではない。見た目で判断)、FCRを車体本体から外した状態で燃料を入れてスロットルをひねってみる・・・以前、私が覗き込んで右目に燃料噴射を食らったように。

 すると、ノーマルのダイヤフラムに比べればチョビっとしか出ていない。ピュ〜〜っとは出るが細〜い水流だし、おそらく出し切るのも早い。たぶん、ジェベルにはこれぐらいで十分だろう。

 車体にFCRを取り付け、早速テスト走行に出ることにする。今回は加速ポンプを復活させたので、加速ポンプのチョーク効果が効かせる事が出来る。セルを回す前に数回スロットルをひねって燃料を出しておいて・・・エンジンスタート!

 

キュキュキュキュ・・・キュキュキュキュ・・・キュキュキュキュ・・・。

 

 

あれ? 全然かかんねぇ。

 

 

 標準のダイヤフラムなら点火するとバルバル〜!!! っと、一気にエンジンが回るのだが、全くそんな気配が無い。なんだろう・・・全然燃料が足りてないのか・・・? そこで10回ぐらいひねってからセルを回すとやっとエンジンがかかった。

 ・・・えー、つまり・・・加速ポンプの吐出量が・・・

 

 

劇的に減った

 

 

 ってことか・・・? もしかして減らしすぎか・・・?

 ・・・まぁ、ジェベルも電装系が弱ってる可能性もあるしな・・・なんとも言えない。

 ともかく出発。ブイ〜ン。走ってみるといい感じ。スロットル急開でエンストする雰囲気がかなり改善されている感じがする。スロットルを開けるときの感触がいいのは、イコール、エンジンの扱いやすさに繋がっているので久々に乗りやすくて気持ちがいい。やっぱこれだよ〜。やはり加速ポンプは必要だなぁ。

 だが・・・フルスロットル時のパワーダウンも改善されてない・・・。それと前回、中速域がかなり改善された、と報告したが、それでもまだ完全とは言えず、5000〜6000回転が繋がりが悪く、パワーが出ない。なんか薄い感じがする。今回の加速ポンプ復活は、それにもあまり効果が無い感じがする・・・。やはり繋がりが悪い・・・。ううう〜む・・・加速ポンプでも効果が無いとは・・・。う〜む・・・もうここまできたら、諦めてメインジェットを上げるしかないか・・・。

 

◎ついに高みに届くメインジェット

 

 ついにメインジェットを上げることにする現在メインジェット#170・・・。ということで用品店に行って#180、#190、#200を購入。

 後日、#180で走ってみると・・・中速域の問題は変化が無いが、フルスロットル時のヴーん感が劇的に改善され全体的にパワー感が出てかなり走りはよくなった。・・・やっぱりまだ燃料が足りなかったのか〜!!!

 結構走れる状態になってきた感じなので、これなら走りこんでみてもいいな、と、滋賀県信楽まで日帰りプチツーリングを検討する。なぜ信楽なのか・・・。それはそのときに信楽高原鉄道に興味があってね・・・。沿線周辺を見ておきたかったのだ・・・。電車に興味あるなら電車乗れって? いや・・・そうじゃないんだよ、周辺なんだよ・・・。距離的にはちょうどいいぐらいだな、ジェベルにはいい慣らしになる。


↑国道307号にて。久々の長距離

 10月のいい季節に決行。私は朝起きられない人なので昼から出発。ジェベルにとってはほぼ10年ぶりの遠出。大丈夫か・・・と思いながら走っていたがジェベルは全く不安も無く磐石な走りは見せてくれた。・・・でも清滝トンネルを6速で登れなかったが・・・4速で登ったけどね。

 何事も無く信楽に到着すると、国道には大渋滞が出来ていてバイクでも突破するのが困難な状態だった。何やら信楽陶器祭りなるものをやっているらしく、それで車がつめかけていたのだった。ホントは貴生川駅まで行きたかったのだが、ここで断念して信楽散策へ出かける。祭りをやっているだけあって人の入りはそこそこ。だがしかし・・・工房がある方向があまり人が居ない・・・実際に人が降り立って数はそれほどでもないということか・・・。これで国道が麻痺していると言うのは残念だ・・・。う〜む、祭りをやるのはいいんだが、も少し交通制限とか考えたほうがいいぞ・・・。

 帰りにそばを食べ温泉に入り無事に帰宅。走行距離150km、湯温もほとんど問題なく、ジェベルはそこそこの走りを見せてくれた・・・。くぅ〜、やったぜ、相棒! お前とまたツーリングが出来るなんて夢にも思わなかったぞ!

−−−−−−−−−

 ・・・と、ほくほくしていたのだが・・・後日・・・メインジェット#190をつけて実走してみたら、またさらに力強い走りを見せてくれた。・・・あいやー、これならこの前のツーリングのときの清滝トンネルも難なく走ったんじゃないのか!? しまった・・・確かめてからツーリングに行きゃよかった・・・だったらもっと気持ちよく走れたのに・・・。・・・と、後悔することになる。

 まぁ、タイミングの問題だけどね〜。天気の問題もあるしさ・・・。

 しかし・・・どこまで上げればたどり着くのだろうか・・・次のメインジェットは200の大台に乗ってくるぞ・・・。

 また後日・・・、ついに#200をつけて走ってみると・・・、これがあまり変化が無い。・・・と言うことは・・・200の大台を目の前にして、やっと・・・

 

 

メインジェットの適正値を超えた

 

 

と言うことか・・・。

 何のことを言ってるのかわからないって? まぁ説明するとだね・・・#190と#200の差が出ないということは、つまり、最適な値は#190から#200の間にあると言うことなのよ。なぜなら、ジェット類は適正値から上回っても下回っても性能が悪くなる。ジェットの番手を上げて性能がよくなるなら適正値は「さらに上」、悪くなるなら「上げる前と後の間」と判断できる。

 今回、性能が「変わらない」ということはどういうことかといえば、「適正値のちょうど中間で番手を上げた」と考えられるわけだ。これは適正値を上回った傾向と下回った傾向が同じと仮定した話だが、まぁほぼ現実に即していると考えていいだろう。

 まぁ、それはこれから試していくわけで、#190と#200の間にはに#192、195、197の3種類があるので、また買ってきて走ると言う作業が必要だ・・・とはいえ、とりあえず近いところのセッティングは得たといえる。

 しかしながら、結局中速域の問題は解決していない。となると・・・残る手は・・・ジェットニードルそのものを交換するしかないのか・・・。

 

◎頭文字・・・じゃなくて「3桁目"D"」

 

 ジェットニードルは以前にセッティングしたんじゃなかったっけ? ・・・という話があるが、あれは「ジェットニードル段数」をいじっただけである。FCRはジェットニードルそのものを交換すると言う技があるのだ・・・。話によるとジェットニードルは事実上1万通りあるらしい・・・が、世の中に存在するのは、まぁだいたい決まってくるらしい。

 私の持っているジェットニードルには型番が刻印してあった・・・"0CEMS"である。これを他の型番に変えれば、スロットル操作範囲、主に中速部の燃料を調整することが出来るはずだ。

 とにかく型番を読むことから始めなければならん。それを理解していないと何をどう選べばいいのかが分からないからだ。・・・一応、セッティングマニュアルに型番の読み方が書いてあるが・・・。


↑大型用ジェットニードルの品番表(c)KEIHIN

 

 

う〜む、よくわからん。

 

 

 ・・・これによると私の持つ"0CEMS"(これによると正確な品番は"N427-0CEMS"のようだが)は、

"0C"=ラージボディ用、

"E"=テーパ角1°、

"M"=切り上がり(ストレート径終端から2.0mm下の高さ)79.15、

(図の「2.0(Φd1=2.515の時)」の意味がよくわからんのだが・・・)

"S"=ストレート径(ジェットニードル根元径)φ2.765

 ・・・ということが読み取れる。読み取れるが・・・。

 

 

・・・だから、それが何なの???

 

 

 わけわからんな・・・どうしたもんだろう・・・。何か取っ掛かりが無ければ試す気にならない・・・。全く外れたものを試しても時間の無駄だしな・・・。何か取っ掛かりが欲しい・・・。

 やはり困ったときはネットサーフィンだ。FCRのジェットニードルセッティングについてネットで調べてみると、ヤマハ:SR400でFCR仕様にしている人のHPに出くわし、なんと"0CEMS"を使っているではないか!!! しかも大口径のFCRを使用していると愛称がいいと書いてある。まさに今のジェベルではないか!!! うう〜ん、SR400は純正で同じミクニのBSTキャブを使っていたこともあるので、キャブには何か縁があるのかもしれないな・・・。

 そこで紹介されていたのが『加速ポンプ使用』の場合に選択するのが、

 

 

"0CDMS"・・・らしい・・・。

 

 

えっ!? 3桁目が"D"??? Dにしたら何がどう変わるんだろう?

 

 3桁目ということはテーパ角のことである。それが"D"ということは『0°45′』=「0度45分」・・・つまり『0.75°』ということか・・・、角度が小さくなっている・・・。

 ジェットニードルは先端に行くにしたがって細くなっている。なぜならスロットルを開けていくにつれ燃料の量も増やしていかなくてはならないからだ。てーことは「テーパ角が小さくなっている」と言うことは、「スロットルを開けた時の燃料の増加が少ない」ということか。なるほど、加速ポンプで燃料が濃くなった分をジェットニードルで減らすと言うことだな。

 "0CEMS"から"0CDMS"への差が分かったし、以前キャブが同じだったSR400と同じ傾向が期待できると思われる。ということでまず初めに"0CDMS"を試してみるか!!!

 

・・・と、そのときはそう考えてしまった・・・

 

 まぁ、何が問題かは後述するとして・・・話を進めることにする。

 さて、ジェットニードルの番手を選んだが、そもそもジェットニードルは注文できるものなんだろうか・・・メイン/スロージェットは用品店でよく見かけていたので買うことは出来るとわかっていたが、ジェットニードルが売ってあるのは見たことが無い・・・。用品店で注文できるんだろうか・・・。

 ネットで調べてみると、"0CDMS"に近い"0CDMQ"がネット販売でも売ってあるようだ。しかしネットだと送料がかかるので、1本ずつ試していく手段を取ると高くつく。まぁ、初めはセッティングが正しいのか確認するためにも何本かまとめて買えばいいのだが、最終的な詰めに入ると何本も要らなくなる・・・。ということで出来れば初めから用品店で入手ルートを確保したいところ・・・。用品店で扱っているかどうか確かめにいくか・・・。

 後日、用品店に行ってみた。カウンターに立つ店員に聞いてみた。

 

私「すみませ〜ん、FCRのジェットニードルって種類置いてますか?」

店員「ありますよ」

 やっぱりあるのか!!! さすがは有名店だけあって取り扱っているものは幅広いなぁ。

私「えー、"0CDMS"とか"0CDMQ"ってありますか???」

店員「え〜、0C"D"ですか!? いやぁ〜ACTIVE(代理店)さんで扱ってるのが、3桁目が"E"とか"F"だけで"D"は無いですね

 

ええっ!? 何で無いの???

 

店員「たぶん、『普段使わない』とか『代用できる』から扱ってないんでしょう」

 いいいやぁ・・・、4桁目の「切り上がり」はジェットニードル段数で代用が出来るけど、3桁目のテーパはかなり重要なパラメータだぞ・・・。

私「そ、そうですか・・・ちょっと考えてきます・・・」

 

 結局引き下がったが・・・んんー、店員が言ったように"E"でも代用が出来るのか・・・。ちょっと考えてみよう。

 3桁目の「テーパ角」の変化を、どうすれば4、5桁目で同様の効果が出せるか・・・。先も述べたように、4桁目の「切り上がり」はジェットニードル段数を変えるのと同じ効果なので、となると考えるのは5桁目の「ストレート径」である。これを変えるのは低速域の燃料の量が変わるのでややこしくなりそうなんだがなー。

 代用代用・・・と考えていると、ふとあることに気づいた。「テーパが同じ」で「先端径と根元径の差が大きくする」場合、『テーパのついた距離は長くなる』・・・。つまり「燃料の増加量の傾きは変わらない」が「最初の量が少ない分、増加する幅が増える」わけだ。これで同じ効果が出せるか考えればいいのか!

 

・・・と思ったが・・・

 

 ・・・それってよく考えたら、低速部が薄くなる方向にしか働いてないよな・・・。

 だって・・・いくら増加する幅を増やしたって、先端径が決まっていて傾きが同じなら、根元径を増やすと言うことは、『高速部が固定で、傾きが同じで、低速部の燃料を絞る』ことになる。それでニードル段数で中速部を変化させても、それは今の0CEMSと同じ効果になるのでは・・・低速部が減っている分スロージェットの設定を変えないといけないはずなので今より状況が悪くなる・・・やっぱり傾きが同じじゃダメなんだ・・・。

 しかしなんで3桁目"D"を扱ってないんだろうか・・・やはりFCRを装備するバイクは大型車だから、燃料の上げ幅が少なすぎるからか? いや、いかな大型車とはいえ、多くは4気筒エンジンだから1気筒あたりの排気量は1/4になるのだが・・・。誰も少な目のセッティングにするヤツがいないのだろうか・・・。その上、ラージボディだからなぁ・・・。そんな使わないのだろう・・・。なんでジェベル用のFCRはラージボディなんだろうなぁ・・・。

 

 どうもジェットニードルが燃料を供給するイメージが湧かない・・・。・・・こうなったら「3桁目"D"」をネットで手に入れて試すしかないか・・・? と、考えていたとき、もう一度0CDMSを知ったHPを見ていると・・・0CDMSの説明に『メインで濃くなる中開度域をうまく絞れます』と書かれているのが気になり始めた。

 

・・・ん? 『燃料を絞る』???

 

 

いや、加速ポンプを使わなくても調子が悪かったんだが。

 

 

 ?????? えーっと、今の加速ポンプの吐出量も減らしているわけだし・・・もしかしてこれを選ぶべきではないのでは・・・???

 

 

・・・俺は一体どうすればいいんだ・・・。

 

 

(続く)

 

 

○今月の小ネタ−−−沖縄旅行

 

 え〜、ちょっと前の話になりますが・・・。

 

2010年10月29日の朝に、私と友人は沖縄に飛んでいるはずだった・・・。

 

 念願の沖縄旅行である・・・私のルーツである沖縄、沖縄戦があった沖縄、米軍基地のある沖縄・・・非常に興味がある場所だった。以前から行きたかったのだが、結構費用がかかるという話だったしそもそも私が飛行機が好きではないということがあり、足踏みをしていたのだが、友人がいいプランを持ってきた。

 3泊4日のパック旅行だがレンタカーで自由に回れるタイプ。これが安い・・・宿のグレードアップ、宿での夕食、昼食2回、美ら海水族館・おきなわワールド・青の洞窟シュノーケリング・・・がこみこみで55,000円・・・。これって自前で九州行くよりも安い・・・。宿での夕食が500円ってありえないよ??? 流石は沖縄閑散期ということか・・・。シーズン外せばこんな価格で行けるんなら行くしかないと申し込んだのだが・・・。まぁ、申し込んだのは友人なのだが・・・。

−−−−−−−−−

 ・・・しかし、27日・・・台風14号がふらっとタイミング良く現れた。「中心気圧:955hPa、勢力:強い、速度:時速15km」

 

 

やべぇ!!!

 

 

 ・・・予想では29日の朝には沖縄を微妙に通り越してはいるが、飛行機が飛ぶかどうか怪しい感じだな・・・。旅行代理店とのやり取りを任せていた友人からその日の夕方に電話があり、

 

「HIS(旅行代理店)に確認したら、自然災害なのでキャンセルは全額返金するって。HISの元のJALツアーズはキャンセルしてくださいって見解を出しているらしい。キャンセルは前日の17時までだって。どうしよ?」

 

 とのこと。とりあえず明日まで状況は見て、ダメそうだったらキャンセルするか、という結論になった。友人も私も今は仕事が忙しい時期だったので、『そんな微妙なラインだったら仕事したほうがいい』という雰囲気だった・・・。

 次の28日、やはり台風君は我々の前に立ちはだかるつもりの態度をとっていた・・・。昼に私はダメそうだからキャンセルしておいてと友人に連絡。しばらくして友人から連絡があり、

 

「さっきHISから電話かかってきて最終的にどうするか聞かれた。最悪、当日空港まで行って飛行機が飛ばないとなっても全額返金するって言われたけど、キャンセルした」

 

 とのこと。さよけー、まぁ、当日空港まで行って飛ばなかったら悲しいしね・・・。仕方が無いよな・・・。

 

 

 

 

 ・・・ところが・・・当日の29日の朝・・・台風は東にそれて・・・我々が乗るはずだった飛行機は飛んだのだ・・・。

 有休を返上して出勤していた私は、その事実を知って愕然とした・・・。

 

 

あきらめなければ沖縄に行けたわけだ・・・。

 

 

 うう〜む、そうかぁ〜・・・むむむ、行っていたら台風一過で逆に天気は良いはずだ・・・。最高の沖縄を楽しむチャンスをわざわざ自らの手で失ってしまったのか・・・。

 

 ・・・う〜ん・・・。

 

 

まぁいいや。

 

 

 私は、そのときに最善の判断をしたと思っている。たとえ、それが良い結果でなかったとしても、それは結果論であって、仕事などの様々なリスクを考えると、「行かない」ことを前日までに選択するべきであったと今でも思っている。

 ・・・しかし・・・飛行機が飛ばなきゃ苦悩せずに済んだのに、飛んじゃうんだもんなぁ・・・。いくら自分の中で納得していても、やっぱりわだかまる部分があるよ・・・。

 

 


 

 

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