くるすま12月号



 まいど、えーすけです。
あー、更新半年かかっちゃった・・・。
今回は夏のうちにやったネタだけど、たいした作業してないから更新をためらっていたら冬になっちゃった。
ネタが無いので、ややこしくなってやめちゃったClieネタを復活させるかと思ったら、またこれがやっぱりややこしくてまとめるのが大変でした。
う〜ん。

○ジェベル本体には全然触らない話ばっかりですが、またまた続き

 ボルティのリムに#8ニップルが入らないので組みたてテストが出来ない・・・。いきなりRKエキセルリムを注文するかどうか悩んでいたが、やっぱり\35,000-をエイヤで買うのはリスクが高すぎる。う〜ん、どうしようかな〜、と何もしないまま月日は過ぎていった。

 ところが休日のある夏の日、VTRのタイヤが空気抜けていたので足ふみポンプでシュコシュコと空気を入れていた。夏の午後、最も気温が高くなる時で、汗をダラダラ流しながらやっていたのだが、やり終わった後は非常に爽快な気分であった。このままクーラーの効いた部屋で涼むのはなんかもったいない感じがした。

 しかし、今やれると言えばVTRのフルード交換ぐらいで、あとは部品を仕入れていないメンテばかりであった。フルード交換もブレーキマスターとブレーキホース交換の可能性もあるので今はやりたくなかった。残るは・・・。





えい、やっちゃえ





 ・・・ということでボルティのホイールをリム穴拡大することにした。ホント、思いつきである。

 実際のところボルティのホイールは表に錆びが出ているため再利用し辛く、価値がほとんど無い代物だったので、結局こうなる運命だったのかも知れない。

 ギュイイイインとリム穴にドリルを突き立てる。鉄鋼用の刃を使用しているとはいえ相手は鉄である。削れるか・・・と脳裏に不安がよぎりかけた瞬間、スポンと刃はリムを貫通する。

 ・・・んんーー、意外に簡単に開いたな・・・。ちょっと肩透かしであった。考えてみればリムの材料は押し出し材を使用しているのでそれほど硬度は高くないのである。下穴が開いている状態で鉄鋼用の刃を使うのであればそれほど難しいことではない。

 問題無く36個分穴をあけ終わる。エンジンオイルを切削油として使用していたので、しっかり油分と切子を落として部屋へ持って上がった。

 さ〜て、早速組んでみるか・・・。既にハブにはスポークを通した状態で保管していたので、それを引っ張り出してリム穴にスポークを刺していく。う〜む、どうやったら手際良く組めるんだろう・・・いつもながら刺していく手順が効率良くならない。最終的には組めるのだが、いったん一部を外して刺しなおすということがよくあるのである。まぁ、そんなたびたびホイール組むことは無いけどさ。

 ここで問題発生。

 恐れていたことだが、両側の外側スポークのアクスルシャフト軸方向角度が足りていないのでリム穴に通すと微妙に曲がってしまう。あちゃ〜、やっぱり角度が足りなかったか〜。まぁいい、とりあえず組んでみよう。

 さらに問題発生。

 微妙にスポーク長さが足りない。ニップルは回せるのだが、十分なネジのかかりが無い。あと5mmぐらい・・・。うう〜む、どうやらスポーク長計算プログラムがたたき出した160、150という数字は合っていたんだな・・・。


↑一応組んでみたが・・・


↑曲がっております

 がーん。当初から恐れていたことがそのまま現実のものとなってしまった・・・。

 まだやってないがジェベルの短スポーク(165mm)と250TRのスポーク(155mm)で組めるかどうかである。これだと5mm長くなってしまうが、ニップルさえ締め込むことが出来れば使用は可能である。

 あと、気になるのがジェベルの純正リム刻印してある「1295」という数字と同じくボルティのそれにある「1293」という数字である。どちらのリムもDID製でこの数字は4・3桁目が回転方向の角度、2・1桁目がアクスルシャフト軸方向角度を示している。つまり回転方向の角度は同一で軸方向角度が2°広いということである。この2°の差はハブフランジオフセットの量がジェベルが広いことに起因すると考えられる。つまりボルティのリムは元々ジェベルのハブには不利なリムだったと言える。

 よって、RKエキセルリムでジェベル用の17インチリムを作成すると、リムの穴位置がボルティのものより外側に寄る事になるはずなので今より状況は良くなるはずなのである。が、その2°の差でどれだけ改善されるかは実際の物が無ければ確認することは出来ない。たかが2°、されど2°・・・。意外と2°って結構差を生むもんなんだよ・・・・。

 こ、ここまで来るとリムをオーダーするしかないのか・・・? でも・・・リスク高いよなぁ・・・。

○またSonyPDA:ClieNZ90の話

 ClieNZ90ユーザーとなってしまった私の、バイクとは関係ない話。

 実は最近、私はbluetoothの威力をまざまざと体感している。いや、まぁbluetoothだけのことではなく、ただ無線通信っていうだけのことなんだけどさ。

 半年も前の話になるが、6月の初めに東芝製AU携帯A5504Tを購入し、今や私のNZ90はネットに繋がる状態になったのである。しかも私のClieNZ90はbluetoothを内蔵しているため、ユニットを増設する必要も無くそのままアクセス出来るという、なんともクールなスタイルである。でも、ネットに繋げても私は特に何もすることは無いんだけどね・・・。

 私は携帯はあんまり新型とかは気にならない人である。別に中途半端なカメラなんか付いてなくてもいいし(QRコードが流行ると必要になるだろうけど)、音なんか全然気にしない。

 着メロ? デフォルトのままですが、何か?

 着うた? 何それ?

 着うたフル? バカですか、あなたは。

・・・という人間である。だいたい私は家以外ではマナーモードにしているので音は関係ないのである。

 そんな私が発売後2ヶ月もしない新型を購入したのはもちろんbluetoothがついているからである。さ、3万円もしたが・・・いくらbluetoothのためにとは言え、3万円はかなり考えた。しかしClieの純正携帯アダプタが2万円、最近になってやっと出たCF型アダプタでも15,000円・・・ということはA5504Tのbluetooth機能に15,000円の価値があると考えることが出来る。

 ・・・でも残り15,000円かぁ・・・なんで携帯にそんな金使わなきゃならんのだ・・・。

 と、思っていたのだが、まぁbluetoothを使ってみたいと言う興味が強かったので結局は買ってしまったのだが・・・。

−−−−−−−−−

 ちょっとここで実際にA5504Tのbluetoothを使ったデータ通信をしてみた話をしよう。

 接続設定は少々手間取ったが、プロバイダのHPを見たらちゃんと書いてあったのでそこからは接続成功。これはプロバイダのアクセスの問題なのでアダプタ接続であっても必要な作業である。

 bluetooth自体はサクっと繋がった。おおー、手順がわかってたら気持ちよく繋がるじゃないか。試しにこのHPに繋いでみる。おおお〜!!! 結構きれいに出るじゃないか!!! 144kbpsの通信速度はやっぱりブロードバンドより遅いがそんなに不満があるものではない。画像があるとやっぱり遅くなるけどね。

 自分のHPや友人のHPなどを繋いでみて試してみる。掲示板にも普通に書き込めることを確認。おー、わざわざ出先でやることも無いが、出来るのは心強い。

 ということで適当にテストは切り上げる。割引など何も設定してないため、今は1パケット=0.1円の課金制なので通信料がバカにならないからだ。いざと言うときに使い込んだ時、一体どれぐらいの通信料になるかも知りたかったから、わざととりあえず使ってみたのだった。

 通信料の確認をしてみる。ピッピッ。

20パケット 5円

 あ、翌日にならないと表示されないのかー。まぁ、普通そうなるか。

 まぁいいや明日見よう、どれぐらいになってるかな〜、と軽い気持ちでその日は寝て次の日に仕事の休憩中に調べてみた。ポツポツ(←マナーモードのキー音)。





・・・ん?





累計11000パケットぐらい





累計1300円ぐらい(*注:通信は0.1円だが携帯のパケットは0.27円のため比例はしない)





・・・。





・・・ぱっっ





パケっ





パケラッタぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!





(パケ死)





 おいおい、話にならねーぞ!!! こりゃあ、本当に使うときはデータ通信割引を申し込まなくては・・・月額2,400円もするから使うときだけ申し込まなきゃやってられない。旅行に行く月とかだけ入るようにしよう・・・。

 とまぁ、そんなこんなでデータ割引きに入った。数ヶ月使っているが、あまり使わなそうな月は割引を切ろうかと思っても、切るのもめんどくさいので結局一度も切っていない。

 無料通信料が100,000パケット分があるのだが、これがなかなか使い切れない。東京に3日間滞在した8月はほぼフルで使ったが、仕事しかしていない普通の月は10,000パケットが限界である。

 なんかもったいない気もするが、無駄に使っても時間と電力の無駄である。

 まぁ、とりあえずはこのまま様子を見ていこう。

−−−−−−−−−

 ところで携帯をA5504Tに換えたことによってEZナビウォークが使えるようになった。試しに帰宅時に駅から1km弱の距離をリアルタイムナビゲーションをやってみる。

 おおっ!!! すげぇ!!! 誤差10mぐらいで位置情報が更新されていく!!! これはいざと言うときには使えそうだ。地図もそこそこのものが出てくるしなかなかいい。

 で、また翌日、通信料を確認する。





前日より400円UP





再パケラッタぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!





 んん〜、携帯会社の罠にはまってるなぁ・・・。携帯って基本料が価格競争で利益が出なくなっているし通話は人によってだいたい決まってくるので、携帯会社は他のサービス、特に通信料で稼ごうとしているのである。

 ネット接続は当然のこと、携帯用コンテンツの拡充、最近はアプリに移行している。その中でもこのEZナビウォークはユーザーとしてはうれしいし、携帯会社は通信料で稼げるという良いサービスである。何気にこれは使ってしまうよなぁ。

 まぁ、最近はパケットの定額制まで出てきているのでもう利益が取れなくなりつつあるのかもしれないが・・・。しかし最近は定額を当たり前にしようとしている動きがある。コンテンツを重たいものばかり用意してね・・・。

 今度は定額にメリットが無いユーザーまで定額料金を取ろうとしているのか・・・定額料金が確実に顧客から請求できるのはサービス側の収益の安定・予測にはかなり有益なことだからだ。

 まぁそんなことはどうでもいいか。話がそれてしまった。

 話はまた変わってその同時期、S社はなんと"GU-BT1"というClie専用のbluetooth内蔵GPSアンテナユニットを出してきやがった。既に風前の灯と化しているClieのサポートデバイスを出してくるとは、さすがS社。まぁ確かにClieが生き残るためにはGPS機能を増強させるべきだとは思っていたが・・・。

 しかもbluetoothを使用した無線通信で情報を送るためClie本体に接続する必要が無い(前述のように私のClieNZ90はbluetoothを内蔵してから。内蔵してない機種はユニットを増設する必要がある)。このGU-BT1ならば、当然、前述のEZナビウォークのようなパケット通信料なんかかからない。このあたりは非常に優位性がある(いや、EZナビウォークと比べるのはある意味間違っているのだが)。

 私が求めていたGPSユニットをbluetoothを付けてリリースをしてくるか、S社!!! やるね、憎いね、男前だね!!! やっとbluetoothの本来の使い方が発揮できる形がまた実現したか〜、と、一瞬思った。

 しかし、だ。よく考えたらGU-BT1を買う気にはなれなかった。興味は非常にあるがのだが、3万円と非常に高価であることもあるが、私にとっての実用性があるかどうかはかなり疑問である。

 私はオフィスから出ることの無い仕事のため、仕事には使えない。遊びでは私の住む大阪近辺であれば道の位置関係が頭に入っているので、小さなレベルでは道に迷っても修正は可能である。東京には年に何回かは遊びに行くが、土地勘の無いところでも交通手段は電車・徒歩なので迷うことはほとんど無い。正味な話、自慢じゃないが私は道には強い人間である。

(でもそんな私でも道に迷うことはある。たまにある。もしどうしようもなくなったときはEZナビウォークという手がある。正直、それで事は足りる。実際今年の夏は久々に東京で迷ったが、EZナビウォークで方向感覚のズレを修正した)

 あとは趣味としてのアイテムであるかどうかだが・・・。

 私は以前からNZ90でバイクナビが出来ないか考えているが、GU-BT1もその夢をかなえるアイテムにはならないだろう・・・。というのも、電子コンパスを搭載していないことはまぁいいとしても、無線通信であるbluetoothを採用しているため本体から電源供給するわけにはいかず、GU-BT1は乾電池が必要となる。逆にこれが車もしくはバイクから電源を取ったとき問題となる。四輪のGPSカーナビはGPSユニットは当然車体に搭載されている。やはりGPSは本体から電源が供給可能なシステムにするべきだろう・・・。

 ところでGPSカーナビに携帯を繋げるシステムは最近はかなり増えていて、もともとA5504Tのbluetoothはこのカーナビ接続を搭乗者が意識せず、接続する作業なくカーナビとリンクさせるためのものである。携帯との接続はハンズフリー通話だけでなく、様々な情報をナビ側にダウンロードすることも可能としている。この形はこれからのナビゲーションシステムの方向性を示していると思う。

 必要な情報だけ携帯からダウンロードするシステムは、大容量のDVDやHDDを内蔵しない機器でもナビゲーションを可能とする。EZナビウォークがその際たるものである。このシステムが整備されていけば、PDAによるナビゲーションは四輪ナビと携帯ナビゲーションの中間的な存在として立場を確立できないものだろうか。

 もしPDAで四輪並の二輪ナビゲーションシステムの中枢を担おうとすれば、GPSと電子コンパスの内蔵もしくはCFスロットへの増設が必要となるだろう。PDAにとってGPSはオプションデバイスとしてではなく、その機能の根幹の一つと位置付けるべきだと思う。私はbluetoothの使い道はPDA本体−GPS間ではなく、四輪ナビのようなPDA本体−携帯間にあると思う。

 携帯でGPSナビゲーションが可能となった今、PDAがGPSで優位性を保つためには、その内蔵及び性能の拡充が必要不可欠であると思われる。私は使えないが、ビジネスでも電子コンパス付きの電子地図にもなるPDAならば営業マンには重宝するはずである。必要な情報だけ携帯に接続してダウンロードすればパケットもかからず、コストもあまりかからない。

 携帯によるダウンロードナビも広がっているし(S社はナビも作っているがどうやらまだ携帯を接続する機種は出てないようだが・・・)、携帯でも電子コンパス内蔵の機種が出てきたことを考えると、サービスの拡大、専用半導体の小型化・低価格も実現していくはずである。PDAもGPS機能の拡充が可能となればぜひそうして欲しいものである。

 ・・・と、まぁいろいろ書いたが、私はPDAの使い方を全く分かってないからこんなこと思ってるだけで、PDAを使いこなしている人にはアホかと言われるかもしれない・・・。


くるすま6月号



 まいど、えーすけです。
梅雨の時期の割にあんまり雨降らなくていいなぁと思っていたが、ここんとこ雨が多くなってきましたねぇ。
せめて休日は晴れて欲しいものです。
Clieの話も書きたかったのだが長くなったし調査不足のところもあるので来月に回します。
えっ!? 来月??? 今日28日やん!!!

○ジェベル本体には全然触らない話ばっかりですが、続き

 ジェベルリヤホイール17インチへの道の続き。エストレアと250TRのスポークをインナとアウタを1本ずつ、計4本と#8だと思われるニップルを1個注文した。マージンを結構取られたがまぁそれは仕方が無いだろう。なんだかんだあって注文してから1ヶ月後に到着した。


↑径が変わってる・・・

 物はそれぞれのスポークとニップルは推測どおり#8。よしよし。しかし、スポークをよくみると頭の径が太い。途中で絞って#8サイズになっているのである。これは両方ともそうなっている。ああっ、こりゃマズイ・・・ハブの穴に入らないんじゃないか? もしかして・・・。

 ボルティのフロントスポークがこの構造になっているのを見た事あるので初めて見るものではなかった。250TRに関しては大阪モーターサイクルショーで確認していたし写真も撮っていたのだが、すっかり忘れていた。まぁ適合する長さがそれしかなかったし1本ずつ注文できるので、結局は注文していただろうけどさ。

 とりあえずジャンクのジェベルのリヤハブに付けてみる・・・と、ちゃんと入った。なんだ、入るのか〜、ハブの穴って結構がばがばに開けてあるものなんだなぁ。

 あと、気になったのがスポーク頭の角度は似たようなものだったが、頭を曲げている長さがやたら長い。ぐらぐらしても気持ち悪いが・・・。しかし、頭の径が太くなっているためアウタが頭の角度の分まで内側に向いていないのが、この頭の長さのおかげで内側に向いてくれている。ある意味助かっている。

 これでハブ取りつけ問題は何とかなりそうだが最も問題なのがスポーク長さである。4本取りつけてみて、若干短いが推測どおりの位置に来ているように思える(160、150と推測して155、145注文しているから狙いどおりと言える)。しかし、本当にこれで組めるかどうかはスポーク36本で実際に組んでみないと結果は出ない。前回手に入れたボルティの2.50-17MTホイールで装着試験できるからとりあえず36本揃えるか・・・。

 若干短い事に関しては、もし短かった場合は155スポークとジェベル純正の短いほうの165スポークで組めるはずなので、損失は半分と考えることが出来る。それほどリスクが高いことではない。

 ということで残り32本のスポークと35個のニップルを注文した。しかし、あとで気づいたがボルティのホイールでは組めないんだよ・・・。


↑部品がそろったぞ!!!

 後日、残りのスポークセットが到着する。部品がそろったので早速組んでみた。

 スポークを36本刺していく。グサグサ。穴位置の誤差だろうがたまに入りにくい穴があるが、スポークの腹を少し押してやれば入る。難なく36本入れ終わった。ホイールに合わせてみるとやっぱり若干短い。まぁニップルが迎えに行くので締めれるのは締めれるだろう。さてニップルを・・・





ニップルを・・・





ニップルが・・・





・・・入らねぇ・・・。





 ああーーーっ!!! しまったぁぁぁーーー!!! ボルティのリヤのニップルは#9だから#8ニップルは入らないんだぁぁぁ〜〜〜!!!

 脱力。

 以前ジェベルフロントホイール18インチ化のときも同じことがあった。そのときはドリルで穴を拡大したのだが・・・しかしそれはアルミだからそんな暴挙に出たのである。このボルティのホイールは鉄、・・・ドリルで開けるにも固いし処理しないと錆びるし・・・。

 どうしよう・・・いきなりホイールを注文してしまうか!? いやいや、装着が確実になってからでないとリスクが高い・・・。確かに以前の私は付くか付かないかわからないものでも手を出していたが、最近慎重に事を進めるように心がけているのだ。エキセルリムは\35,000-もするんだ、エイヤでやりたくは無い・・・。

 こ、困ったなぁ・・・。

○VTR250のレバー

 レバーと言っても焼肉のことではない。左右ハンドルのレバーのことである。

 先日の伊勢志摩ツーリングで名阪国道でのクラッシュにおけるダメージは、ハンドル交換で復活したかに見えたがまだ左レバーが曲がったままであった。とりあえず走るのには問題無いが、ストロークの大きいクラッチを操作する左レバーを指2本で握るのは結構しんどい。早急に何とかする必要があった。

 実は右のレバーも例の四国ツーリングのときに立ちゴケして、ひげのように曲がってしまっていた。しかし右レバーって前輪ブレーキだからそんなにストロークがあるわけでもないし強く引くことも無いので、こっちは2年間放って置いたのだが・・・。

 両レバーがそんな状態であるのでいっそのこと両方とも換えてしまおうと思い至ったが、いつも言っているように私は改造は出来ても修理は出来ない人間である。レバーユニットごと換えてしまおうと考えるまでに時間はかからなかった。特に左は一体式のミラーステーがもげてしまっているのでまるごと交換してしまいたかった。

 後日、いつもの用品店に行く。どんなものがあるのか調べるためだ。

 右レバーユニットは、よくある別体式マスターシリンダーというものに交換するのが一般的な改造で種類も豊富に存在する。特に今のVTRはセパハン化したためにフルードタンクが傾いており、見ていて非常に気持ち悪い。たぶん問題は無いのだろうが、別体式に換えるだけの理由にもなる。価格が1万円程度するのが難だが・・・。

 しかし、いざ別体式マスターシリンダーの実物を目にすると、なーんかこれを付けたいと言う気にはならない。カッコ悪い、というか、機能美を感じない。効果がどれほどのものかはわからないが、同時にブレーキホースをメッシュに換えないとたぶん効果は出ないだろう・・・。それを考えると出費が大きすぎる・・・。

 別体式マスターシリンダーはとりあえずおいておいて、左のレバーユニットが何かあるか探してみる。いろいろ探してみたが、左のレバーユニットと言うものは社外品がほとんど無い。油圧クラッチ車用の別体式マスターシリンダーキットは存在するが、それ以外にそれらしいものは無いようである。無理やり油圧でワイヤーを引っ張るシステムでも考えないと左レバーユニットは換えられそうにないか・・・(←何の意味があるんだ)。

 う〜ん、どちらかと言えばレバーユニットごと交換する必要のある左が交換できないのは意味が無いなぁ・・・。それに右レバーユニットを交換する意味はあんまり無いしなぁ・・・。

 店内をうろうろしているとレバーだけがいっぱいぶら下がっているコーナーにぶち当たった。? あ、そうか、用品店は純正のレバーをおいていたんだっけ。価格を見てみると1本1,000円弱。VTR250のものもちゃんと在庫があった。

う〜ん・・・





もうこれでいいや。





 なんとなく敗北感が漂うがあんまり意味も無い改造にこだわる必要も無い。悔し紛れに黒のレバーを両方買って帰った(純正はシルバーである)。

 さらに後日、レバー交換に挑む。挑むって言ってもたいした事ではない、外してグリスを塗って付けるだけである。

 え? ちょっとのことでもサービスマニュアル読めって? ・・・VTRのサービスマニュアルが行方不明なんだよ・・・。


↑使用前使用後

 外したレバーと新しいレバーを比べる。こんなに曲がっても折れないのはすばらしい。折れてしまったらホント走れないからね。


↑こんな感じ

 黒のレバーのVTR。別段変わったようにも見えないが、ハンドルまわりが黒に統一されている感じが自己満足できる。ええ、少しだけ。

 走ってみたが、いい感じにクラッチが握れる、やっぱり換えてよかった。しかもブレーキまでかけやすくなって前輪ブレーキがかかりすぎるぐらいである。曲がったレバーではダメだね、やっぱり。

 前傾になったVTRの乗り方も判ってきたし、ここのところライディングが非常に楽しい。コーナリング時の一体感が気持ちいい。しかし、ハンドルへ荷重をかけ過ぎないようにするために内腿でタンクを挟みつづけるのはヒジョーに疲れる。それさえ出来ればいい感じなのだが、VTRでツーリングに行くにはもっと筋力と持続力が必要となる。

 深夜のTVショッピングでよくある内腿鍛えるマシンでも買おうかなぁ・・・。


くるすま5月号



 まいど、えーすけです。
あー、予想通り仕事が鬼のような状態だった・・・。
それまでもかなり厳しい状態だったのだが、そんなの話にならないぐらいの状況だったですよ、ホンマに・・・。
まともに仕事がしたい・・・、せめて。

さらばVTR250改め復活のVTR250再び

(前回までのあらすじ)3月の季節はずれの大雪に三重から大阪へ脱出が出来ずに名阪国道による突破を試みる谷町山岳警備隊。しかし奈良入り目前でMさんのCBRが転倒! 後続の私のVTR250もつられてリヤが滑った! VTRの後ろにはトラックが走っている!!! どーするどーなる、えーすけ!!!

 私は地面に叩き付けられた。バイクが横を向いているにもかかわらずバランスを取ろうとしたためか、足払いを食らったように横転する。リヤが滑り車体が回転する感覚が一瞬止まったように感じられたのは、投げ出されたからであろう。二輪でこけるときは普通車体が前になるようにこけるが、この場合私が前になるような状態であった。投げ出された瞬間に私の後方で、何とも空虚な、乾いた破壊音が聞こえた。

 車体が左を前に向くように横を向いたため私は路面に左肩から突っ込んだが、寒さとこんな状況のためか痛みは感じない。ただアドレナリンが出たためか鼻の奥がツーンとする感じだけがした。そして平行感覚のズレを修正しようとするかのように地面を滑っていく感覚が五感を満たす。


 その脳裏によぎったのは後ろを滑るVTRが後続のトラックに踏み潰され私に迫ってくるイメージであった。

 逃げなくては轢き殺されてしまう、・・・そう思った。


 しかしそれほど速度が出ていなかったらしく、私が滑っていく感覚は程なく消える。すぐに上体を起こし後ろを見る。車線のど真ん中で転がっているVTRとその手前で止まっているトラックがあった。Mさんとの車間距離を開ける為に減速したのだが、トラックのドライバーは私との車間距離も開けていたのであろう。少なくとも私の生命への危険は去ったようだった。

 私はすぐさま起き上がり、VTRに駆け寄り車体を起こし路肩まで押していった。左ハンドルがタンクにめり込んでいたが、タイヤは何事も無かったように転がってくれた。どうやらトラックとの接触は無かったようだ。

 Mさんも程近い路肩にいた。CBRは路肩の雪に右を下にして突き刺さっていたが、Mさんは無事のようである。そこまでVTRを押していく。二人とも無事のようでお互い自損であった。警察の厄介にならずに済みそうだったが、帰る為に自走出来るかが心配であった。

 最後尾のR1150に乗ってるしんちゃんが進行方向から自分の足で走ってきた。なんでやねん、と思ったが聞いてみると、現場を見て止まろうとしたが、ABSが効いて止まれなかったのと路肩に雪が積もってたので積もってない路肩まで行ってバイクを置いてきたとのこと。あー、ABSかぁこういうときは、必要なんだなぁ。しみじみ。

 車体の損傷を調べる。CBRは右前ウインカー破損、リヤブレーキペダル破損、あと擦り傷多々。ウインカーはとりあえずいいとしても、ブレーキペダルが踏めないと話にならない。ペンチで曲げようとしたがなかなか曲がらず、断念。でもかろうじて踏めるとのことで良しとした。

 VTRの損傷はは左ハンドルが曲がってタンクにめり込んだが動作に問題は無い。ステムのハンドルストッパーも破損してなかった。足回りも異常は無い。転倒したためエンジンも初めはかぶっていたが最終的にはかかった。ふー、一安心だ・・・と思っていたが、シルエットが何かおかしい・・・なんだこの違和感は・・・。すると私がこけたあたりの場所からパキパキッと何かが踏み潰される音が聞こえた。その音からあるものが想像された。それを確認するためにVTRに目を走らせる。

右はある! しかし・・・!





ひ、左のミラーが無い!!!





 左のミラーが無い。クラッチハンドル一体のミラーステーが根元からもげていた。クラッチ自体に問題は無いが・・・。ミラーが地面に接触するって・・・90°以上横回転したってことか・・・。そらぁタンクも凹むわ。

 一応ふりかえってミラーを確かめる。路上のゴミと化した左ミラーは後続にどんどん踏み潰されてむなしい音を奏で続ける。すまん・・・余生はそこでゴミをやっててくれ・・・。

 2台とも自走は出来そうということで発進しようかと相談していると、なにやら対向車線から声をかけられた。

「おーい、そっちはだいじょうぶかぁ〜!」

 声の主は警察官であった。どうも対向車線でも事故があったらしく、吹雪の中にちょっと煙が立ち上っていた。自損同士でケガも軽傷と伝えたが、

「とりあえずそっちいくから待っといてやぁ〜!」

 と言われた。いやまぁ、こっちは警察の厄介になる必要は無いし後ろめたいものは何も無かったが、面倒なことになるのは勘弁して欲しかった。でも、しんちゃんが、雪の積もった路肩から脱出するのに一端車線規制してもらったほうが安全、との意見。それもそうだ。発進するためにトラクションかけたら滑りそうな状況だった。

 雪が舞う中、たたずんで警察官が来るのを待つ。アドレナリンが切れてきたのか、左膝の痛みがジワジワ出てきた。どうやら左膝を打撲したようである。さらに体温低下のためか体がガクガク震え出す。うおー、早く来てくれー、飯をまともに食ってないからカロリーが足りてないんだよー。このままだと帰る体力が無くなってしまうよぉぉぉぉ。

 しかし・・・、待てども待てども・・・

来ねぇぞ!!! 警察官!!!

 寒さに耐えながら30分ぐらい待っただろうか、やっとパトカーが到着。パトカーの保護のもと、車線に復帰。五ヶ谷ICまで徐行で辿り着く。なんとここまできたら全然路面が回復してやがる。チクショー、覚えてやがれ!!! そこで軽く事情聴取。事故の事情聴取は初めてであった。

 10分程度で事情聴取も終わり、開放されたのだがもう日は完全に落ち、真っ暗であった。しかしまぁ、天候は回復、路面状態も良くなっていた。左ハンドルがおかしいし、左ミラーも無い状態だったが、なんとか西名阪、近畿自動車道を乗り継いで帰宅。この日はすぐに寝た。

−−−−−−−−−

 2日ほど半身打撲、1週間ほど左膝打撲の影響を受けるが日常生活には問題無し。仕事が鬼のように忙しくなったのもこなす。たまには軽いケガ人をやるのも気分が変わって面白いものである。

 帰ってきたVTRはしばらく放っとかれることになる。バイクで走るには良い季節になったのに仕事が忙しくて修理もできない状態になった。ジェベルも動いていない今、私は両腕をもがれた状態だったが、両方とも走れないんだからしょうがない。足が必要なときは乗りたくないステップワゴン号を使っていた。半年振りに乗ったがやっぱり怖いものはコワイ。しかしまぁ、集中的に乗ったおかげで結構乗り慣れてきた感覚が出てきた。


↑ああ〜、タンクが凹んでるぅ〜(涙)

 まぁ、それはともかく、これが事故後のVTRの姿である。このあとなんとか時間を割いて、とりあえずタンクのパテ盛りだけして錆びの進行だけは抑えておいた。さて・・・ハンドルが曲がったのをどうするかだが・・・。私は改造はできても修理はできない人間である。これはやっぱり・・・

セパハンにするしか・・・!!!

 一応説明しておくと、セパハンとはセパレートハンドルの略称で、右と左が別々の部品で、それぞれが分かれてマウントされるハンドルである。レーサータイプに多く見られるハンドルで、グリップを下げて前傾、前輪荷重にする効果がある。VTR250は元々は、自転車のようなパイプ1本を曲げ加工してトップブリッジ上部にマウントされているバーハンドル(略称バーハン)で一般的なタイプである。

 ただセパハンにすると前述のように前傾、前荷重になってしまうのは問題である。ツーリングマシンとして使用しているVTRを前傾にすると態勢がつらくなり、長時間乗れなくなってしまう。元々VTRはハンドルが遠いと言われている車体なのにさらに遠くしてしまうのはいかがなものかと・・・。しかもタンクがデカいのでへたなものを付けると接触してしまう。リスクが高いなぁ・・・。

 まぁ何にせよ、調査してみる。セパハンと言えばハリケーン社のものが有名でVTRもラインナップの中に入っていた。フォーク取り付け径はφ41でCB400SFほか250ccネイキッドバイクに多く採用されている径でかなり選択肢の幅が広いことが判明。これだとネットオークションでの出物は多いはずである。

 もちろんハリケーンのもの以外でいいものがあれば採用するのだが、いかんせんハンドルの低いものばかりだったので不採用とした。ハリケーンのものが良い点はフォーククランプ部からいったん立ち上がりがあり、あまりハンドルが低くならないように設定してあることである。特にVTR用のHS4114G/B(Gはゴールド/Bはブラックの色品番)は立ち上がりが120mm近くあり元のポジションに近くなるようにハンドルを上げているようである。

 ネットオークションでHS4114G/Bを探してみた。割と目的のものだと思われる品があった。ただ品番までは書いてないので画像だけで確認するので、ホントにそのものなのかが判別に苦労した。どれがいいかと探していると新古品のHS4114Gが3,000円であったのでこれにする。品番も明記してあったので安心していた。結局3,800円で落札。良い買い物であった。

 到着したブツを取り出す。見てみると外装には間違い無くHS4114Gと書いてある。外装は開封されていたが、部品を包んでいる内装は開封されていたかった。確かに未使用品である。が・・・

んん!!!??? 立ち上がりが短いぞ!!!

 クランプ部からの立ち上がりが、あるにはあるが、あからさまに短い。以前調べた新古品の画像と見比べても短い。あっちゃー、だまされた・・・。まぁ出品者本人も勘違いしていたのかもしれない。これもネットオークションのリスクと取るしかないだろう。相手は販売店ではないのだから。

 クランプ径はφ41のようなので付くには付く。とにかく今はこれを付けるしかない。タンクに干渉しないことを祈るが・・・。

 作業に入る。またサービスマニュアル無しで作業してしまった。どうせトップブリッジを外してハンドルを差し込むだけである、問題は無かろう。・・・と思っていたが後で後悔することになる。VTRはライトステーがステムとトップブリッジの間に挟まっているので、トップブリッジを取りつけるときにライトステーも差し込んでおかないといけないのである。まぁたいした損をしたわけではないが、やっぱりサービスマニュアルは目を通しておかないといけないね。


↑トップブリッジをはずすため前輪を浮かす

 前傾になるのは明白なので、フロントフォークを若干伸ばし気味にしてみる。と言ってもたいして伸ばせれないので5mm程度だろうか。キャスターとトレールが微妙に変わるのがどれだけ効果があるか・・・とはいえ前傾になればそれだけフォークは沈むことになるから関係無いかも。

 ハンドル角度の調整をしてクランプを締め込む。こぶし1つ分ぐらい斜め下前になっている。タンクへの干渉は問題無かった。途中段階でまたがってみたが、悪くは無い。ただちょっと前荷重になってるような感覚があるなぁ。

 スイッチボックスの回り止めのための穴をドリルで開ける。位置を出してからじゃないと決めれないから車体に付けてから作業したのだが、そうすると下から穴あけをしなくてはならない。非常に作業し難い・・・。しかもセンターポンチなんて持ってないから、いつぞや購入したタガネで線状に傷をつけてドリルを入れた。まぁ穴があけばいいのだ。

 ワイヤー類はアクセルワイヤーが150mmロングタイプがついているので心配無かったが、その他はノーマルである。いけるかどうか心配であったが、クラッチワイヤーが少々厳しい程度で他は問題無し。

付け終わってから全体像を見る。





おお。






↑全体像





おお!





カッコ悪い・・・。





なんじゃこりゃ、カッコ悪いぞ! バンディット風に仕上がるかと思いきや、なんだこのライトにしがみつくようなスタイルは!!! まぁいいか・・・。

 テスト走行に出てみる。停車時にはたいして乗りにくそうには思えなかったのだが、走り出すと結構前荷重になっている。こぶし1つ分は伊達ではないな、CBRのような態勢になっている。前荷重になるとハンドルがクイックになるはずだが、前輪のグリップが強く感じられるだけでクイック感はない。よくわからんがハンドルが重いぜぇ・・・。前荷重過ぎるのか? リヤを意識したライディングが出来なくなっている。まぁでもトラクションかけていればハンドリングはしっくりくるし慣れれば問題無く走れるのかも。軽くぐるぐると10km程度2回走ってみたが悪くは無い。ツーリングで疲れないかどうかだが、今は何とも言えないがいけそうな感じではある。

 しかしまぁ、まだ左のミラーがないので完全とは言い難い。左のステップも違和感があるのでこれも調べてみないといけないし。

 とにかくVTRは戦線復帰。不死鳥の如く舞い戻った。2度にわたる大破にもめげずよく復活してくれたもんだ。まぁまともな修理を受けてないのでサイボーグというべきだろうが・・・。

 これ以上サイボーグにならないよう祈ります。




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