くるすま5月号



 まいど、えーすけです。
 う〜ん、ほぼ3ヶ月ぶりの更新・・・いかん、これでは既に『季刊くるすま』になっている・・・。
 最近めっきり暖かくなったので蚊が発生する前にバイクに手を入れるかと思っているうちに、もう既に発生している始末・・・。何とかしてください(お前が何とかしろ)。
 3月に行った大阪モーターサイクルショーのレポートも書きかけていたのだが、まとまらずボツ。
 今回もまた業界の与太話だけです・・・。

○ストマジ

 私はストマジが好きである。・・・ってストマジが何なのかご存知無い人もいるかと思うのでスズキのHPで確認して欲しい。(またも直リンク・・・スズキさんすんません・・・)

スズキストリートマジックのページ

 スズキストリートマジック。現行は50ccのストリートマジックUしかないが、ストマジTとして80cc110ccが存在した。小さなボディに太いタイヤのあのスタイルが何とも楽しそう。ハイパワー2ストスクーターのエンジンを搭載したファンライドを目的としたコンセプトに機能美を感じる。欲しいなぁと思ったことは何回かある。でも2ストでクラッチが無いのがネックとなり購入には至っていない。

 じゃあストマジが4ストでクラッチ付きなら買うのか? と言う話だが、4スト化に意味はあるだろうがクラッチが付いてしまってはストマジとしてのコンセプトが崩れてしまう。それでは意味が無い。しかし、4スト化は時代の流れから見ても価値のあることだろう。

 近年、四輪の世界ではトヨタvitzから始まるスモールがシェアを拡大しつつある。低燃費・低排出ガス、コンパクト、ローコストが今のニーズに合っていたのであろう。時を同じくして、四輪と全く同じとは言えないだろうが、二輪の世界にも排ガス規制のためなのかよく知らないがか2ストラインナップが激減したこともあり、4ストミニモト−−−ここでは原付、小型二輪をこう呼ぶことにする−−−の流れが出来つつあると感じられる。これはホンダが時代を先取りして、Nプロとして4ストエンジンを搭載したエイプ50/100、スタイリッシュスクーターのズーマーとバイトを投入したことに起因すると私は考えている。さらに最近CUBのエンジンを搭載したsoloも発売されている。ここで思うのは,エイプはリターン式ギアだが、ズーマーとバイトはスクーターでsoloはロータリー式のギアである。クラッチワークを無くしたイージーライディングを重要視していると思われる。徹底的な新規顧客開拓・・・そんなにクラッチが敬遠されているのか疑問だが・・・。

 もともと、元祖ミニモトと呼べるのはホンダモンキーである。まさに本気でイジるバイク、本体価格より数倍もお金をかけてもまだ足りないぐらい社外品が充実している。ファンバイクの代名詞と言えるモンキーが存在するのに、ホンダがそれだけのラインナップを投入したことにはもちろん意味がある。モンキーではない、新しいニーズが存在すると言う確信があったのだ。

 私は4スト小排気量愛好家でミニモトの活性化は大変うれしく思っているのだが、たかが原付、2種原付に20万円前後の金額では市場には受け入れられないだろうと考えていた。なにせ4ストは非力だからだ。ミニモトは保険料が安いというメリットがあるが、単に近距離移動の足として気軽に買える価格ではない。スズキチョイノリの6万円でやっと適正価格になってきたと感じられるぐらいである。また2種原付は小型免許が必要となり教習に時間とお金がかかる。原付であれば1日で免許が取れるし四輪の普通免許にもついてくるが、30km/h制限を受けるのもデメリットになる。そんな感じだから二輪に乗るのは好きな人と必要な人しか乗らない現状があるのである。二輪が好きな人はお金かかってもやっぱり250以上に乗りたいだろうし、必要な人は10万円台の50とか90で十分なのである。中途半端なミニモトはニーズが無いと思っていたし、実際以前まで4ストミニモトのラインナップは魅力の無いものだった。2ストが激減したとはいえ、そこへホンダは手探りも無く3機種も投入したのはかなり強気な戦略だと思っていた。まぁホンダのことだからブランドイメージだけでも成功するとは思っていたが、以前からの250ccシングルとスクーターのカスタムブームが後押ししたのか、人気を博している。

 そしてそのホンダのミニモト攻勢に横槍を入れたのがカワサキKSR110。人気の高いKSRを4スト化して投入してきたのである(ただクラッチが自動遠心クラッチだし非力なもんで既存のKSR乗りの人にはいろいろと言われているが・・・)。ギアは上げるだけ、自動で下がるクラッチレスなシステムで確かにイージーライディングなバイクであり、初心者でも安心である。モンキーのカスタムパーツで有名な武川がKSR110の魅力的なパーツラインナップが次々と出ているので、かなり発展が期待できる。ただ、カワサキはスクーターには消極的でエプシロン250/150はスズキのOEMであり、50cc4ストスクーターもあまり力を入れていない状態である。

 スズキ先にも書いたがチョイノリで超低価格50cc4ストスクーターという新しい原付の方向を切り開いた。が、これまたファンライドを目的とするカテゴリーとは別の方向で、ホンダNプロに対抗するものではない。

 この流れに一向に反応してないのがヤマハである。ヤマハは国内では全くミニモトは無視、4ストスクーターはシグナス125があるが特に商品コンセプト的に特筆すべきところは無いし、4スト50ccは全くリリースしようとはしていない状態である。ただ、国外向けでは国内で人気(難しい話だが)のマジェスティ125がある。これを国内向けで出せばまた状況は変わるだろうが、市場の動向的にはニーズは高まっているのにヤマハが国内で出さないのは何か理由があってのことだろう。

 さて、ここでポイントになるのは、ホンダが牽引したファンライドミニモトのカテゴリーにカワサキが取った行動が、人気の高い2ストモデルであるKSRを4スト化して市場に投入したことである。これはかなり意義ののあることである。元々ネームバリューのある機体で、足回りの部品等は当然共用で開発生産コストを抑えることが出来る。エンジンはKLX110というシリンダーヘッドが水平に近いものがあったことも幸いし(邪推すると確信犯の可能性が・・・)、新規開発せずに済んだことも大きいと思われる。

 と、まぁ、いろいろとミニモトについて述べてきたが結局何が言いたいかといえば、カワサキKSRと同じことがストマジで出来ないかということである。これはどういうことかといえば、2ストのストマジに既存の4ストパワーユニットを搭載できないか、ということだ。スズキのラインナップを調べてみると、4ストスクーターであるスズキヴェクスター125/150がある。ヴェクスター125のエンジンを使用すれば同セッティングであれば12psのクラス最高のハイパワーファンライドバイクが出来あがることになる。これはかなりインパクトのある商品となるだろう。フレームはまず新設計になるだろうがエンジン、足回り(後輪はエンジンの影響を受けると思われるが)は共用出来るのである。4ストミニモト市場に殴りこんでも十分通用するであろう。これならリリースする価値は大きい。

 ただし、私はヴェクスターのパワーユニットがどれだけの大きさがあるか把握してないので、単にストマジのボディに付けただけではアンバランスになってシルエットが崩れたり前後荷重がおかしくなってしまうかもしれない。部品を共用出来なければリスクは高くなる。機構的な検証をしているわけではなく商品企画的な話をしているだけなので、ホントに商品として成り立つかはわからない。ようは単に勝手なことを言っているだけと理解していただきたい。

 新しいカテゴリーに参入するかしないかは企業の収益、イメージを大きく左右する。出来れば全てのカテゴリーを網羅、ノウハウを蓄積し実績を上げるべきだが、二輪はたいして売れるものでもないので開発コストや大量の部品を抱えこむことになりリスクが高くなる。ただ、手広く商品ラインナップを持つことは新カテゴリーを開発するにあたってエンジンや部品を用意できるので短期間にリリースが可能となる。

 まさにスズキと言う会社は手広くやっているので(まぁポリシーが無いと言えばそれまでだが・・・)、現在のポテンシャルを活かした商品開発するべきであろう。そう言った意味でストマジの4スト化は狙っていける範囲内の商品であると考える。マジな話、出したら売れると思うんだけどなぁ〜。

 とまぁ、えらそうなことを述べたが4ストストマジがもしリリースしても私は買わないよ。客観的市場分析(まぁそれでも主観は入るのだが)と自分事とはまた別の話だから。

○KX250FSR&XRM0

 スズキ&カワサキ共同開発モトクロッサーKX250FSR&XRM0。いちいちこんな呼び方しても長いし、書くのもめんどくさいので略してKXFと呼ぶことにする(ひでぇ)。

 実はこのKXF、私はGARRRRR誌6月号で初めて知った。XRM0の文字はどこかで見たような気がするが、いまいち興味が無かったのが正直なところである。いやマジで。しかしスズキとカワサキとで4スト250ccモトクロッサーを共同開発とは知らなかった。まぁそうするべきであったことでもある。

 あんまり私はレースには興味が無いので良くは知らないのだが、レースのレギュレーションも2スト主体だったところに4ストが入ってきてかなり成績を伸ばしているようである。モトクロスの世界でもそれがあり、ヤマハがYZ450/250F、ホンダがCRF450/250Rを開発、投入している。もちろんスズキもカワサキも追随しないわけにもいかない。250クラスはよく知らないが、スズキDRZ400をカワサキKLX400としてOEM供給しているのでそれがあるが、125クラスは4スト250cc単気筒エンジンで42psをたたき出すYZ250Fに対抗するためには、29psのカワサキKLXや31psのスズキDR250Rのエンジンでは役不足だろう。

 エンジンはスズキが担当し、車体関係と製造をカワサキが行っているとのこと(スズキは油冷を捨てたのか・・・)。言わばスズキのエンジンを載せたカワサキ車を2社が使用している。そういった意味では今のカワサキKLXのモタードであるDトラッカーとそのOEMであるスズキ250SBとエンジン供給面以外同じ流れである。これから推測するにカワサキKLXの後継機に当たるマシンを2社で開発し、4スト250ccモトクロッサーとそのモタードマシンを両者で共同で発売する動きがあるのではないかと考えられる。当然KLXが新型になるとDトラッカーと250SBが新型になる。スズキDR250R(ジェベル250)も95年発売から考えるとフルモデルチェンジを迎えてもいい頃である。これも新型KLXをベースにフルモデルチェンジを行えば効率がいい。

 ただ気になるのは、YZにしてもCRFにしても次世代エンジンは公道走行可能の市販車化はされていない。YZのエンジンを載せたエンデューロマシンWRは公道を走れないが、保安部品をつけて公道を走ることも出来る。が、純正市販公道マシンは無い。ホンダは最近XRを出したが別にCRFのエンジンを載せたわけでもなかった。なぜだろう・・・一般ユーザーが扱える代物ではないということだろうか。またはコスト面であったり、サービス面であったり。まぁ技術的なことを置いておいて、一つ考えられるのは出しても売れないという結論があるのではないだろうか。今はカスタムバイクが一成を風靡している・・・パワーはたいして求められていないわけである。上にも書いたようなミニモトブームが動き始めている現状ではハイパワーオフロードをリリースするのは時期尚早といえる。そうであればカワサキとスズキがKXF(またはそのエンジン装備車)を市販化するのはためらうであろう。

 しかし、カスタム市場の中にモタードは存在する。モタードは鋭角的なイメージがあり、やはりスペックも重視されるのでハイパワーを求める人も多くいると考えられる。ニーズは少数派であっても存在する。先駆者であるホンダとヤマハが市販化をためらっているのであれば、後発であるカワサキとスズキは市販化で撒き返しを図るべきであろう。メディアでこれだけ取り上げられているのである、ニーズは十分盛り上がっているのである。鉄は熱いうちに打て、販売のタイミングを逸してはならない。

 果たして市販化されるのはいつのことだろうか・・・。

○モタードバイクが3車種も出て思うこと

 私は当初からジェベルをモタードスタイルにしたくてフロントを18インチに改造した。その時、ホイールを18インチにしたいがためにタイヤのことは考えてなく、タイヤのチョイスに悩みDUNLOP:TT100GP:3.00-18にした。じゃ、タイヤについて履きたいものが無かったのかといえばそうではなく、ずっとDUNLOP:K180のタイヤパターンが好きで(ダートトラッカーブームの前から好きだった)、ヤマハTW用の130/80-18が出たことを機に後輪に履かせようと決めたのだった。それをやっとこさ履けるようにしたのだが(いろいろと落とし穴があったが・・・)、実際組んでみると全く別の嗜好を前と後ろに求めたために後輪がやけにデカいことが気になって仕方が無いアンバランスなバイクになってしまった。

 ふと我に返る。いかん、これではいかん・・・。車体としてのバランスを取らなくては・・・。

 元々車体はモタードスタイル好きなのでリヤホイールはやはり17インチにしたい。フロントは18のままで行きたいので、そうなると前後同じ銘柄で履かせるとなるとやっぱりTT100GPになってしまう。しかし、もうTT100GPに魅力を感じなくなっているので出来れば別のタイヤにしたい。

 いろいろと情報を集めていると、DUNLOP:D604が気になってしまった。フロント4.10-18リヤ4.60-18でジムカーナをやるとなかなかいい感じらしい。前々からがD604はすごいとは聞いていたがやっぱりいいのか・・・。タイヤパターン的には好きなパターンだしいいかも・・・でもサイズがベストなものが無い。17インチサイズもあるが大型オフロードマシン用で幅がデカいしチューブレスなのでコストが高い。そんなもん125ccのジェベルに付けたら間違いなく性能が落ちる。4.60-18で我慢するかな・・・と思っているところである。

 そんな悩みの中、ふと思ったのはカワサキDトラッカー&スズキ250SBに最近発売されたホンダXR250モタードの3車種はフロント110/70-17リヤ130/70-17という共通サイズのタイヤを標準装備していることから、D604でも同サイズのリプレイスタイヤを出せるのではないか、ということだった。リムサイズが3車種で同じとは限らないし、たとえ同じであっても相性が合わないことも考えられるが、モタード用のリプレイスタイヤ市場が無い現状であれば結構ニーズのあるのではなかろうか。

 確かに『オフロードバイク用のオンロードタイヤ』というD604の商品コンセプトは崩れてしまうが、どのみちチューブタイヤなわけだしタイヤの性能的には同じ物が求められていると思うし、十分同じ銘柄で出しても問題無いと思うんだけどね。それが出れば私は迷わずフロント4.10-18リヤ130/80-17をジェベルに履かせる。ええ、もう喜んで。出してくれないかなぁ〜。

 メーカー純正モタードモデルが3車種もあれば今後何らかのリプレイスタイヤは出てくるだろうが、出来ればD604で出して欲しいのがホンネである。


くるすま2月号



 まいど、えーすけです。
 まぁ、その・・・忙しくて。バイクも乗ってないし・・・。
 今回はネタがあったので。

○スズキチョイノリについて

 ずーっと忙しくて情報収集を怠っていたのだが、ある日会社の同僚に

「スズキが6万円のスクーター出したんやってなぁ」

と言われた。寝耳に水だった。

「なんかもう、チャチな作りで自転車みたいやったで」

・・・チャチなのは別にしょうがないが、自転車みたいって何? タイヤが細いのか? そうかも知れない走行抵抗を減らすために細いのかも・・・。てーことはカブのタイヤか? でもスクーターじゃなくなるよな・・・。

「2馬力しか出ないんやって。ショボいなぁ」

 2馬力? そんなエンジン聞いたことない。まぁ低出力かつこのご時世であるからまず間違いなく4ストだろう。新設計のエンジンか・・・? そんなもんで坂を登れるのか?

「名前も『ちょいのり』やって」





なんだそりゃあああああ。

 さてその問題の「チョイノリ」。私はあんまりよそ様のとこに直リンク貼るのは好きではないが、まだチョイノリの姿を見ていない人はまず一応スズキのHPを見ていただきたい。

スズキチョイノリページ

 私は雑誌を見てその姿を知った。

 ・・・あまりの愛くるしさに死んでしまいそうな黄色いバケラッタに悶絶。

 昔あった初代エアインチョコ「ぬ〜ぼ〜」のマスコットキャラクターの口にメーザー砲を突っ込んだらこんな感じだろう。デザイン的には先行者に匹敵する凄まじさである。

 ウインカーつけたらキュピンキュピン片目が光るのか・・・私が車に乗ってて右折待ちのチョイノリに出くわしたら、思わず突っ込んでしまうであろう。しかし考えようによっては近年スクーターの盗難が問題になっているが、こんなバイク盗んでまで乗りたいとは思わないだろうから盗難防止になっていいかもしれない。

 デザイン的な話はさておき、シルエットはちゃんとスクーターだったので安心。カウルを除けばホンダズーマー的なスカスカ構造。コンビニフックも標準ではなさそうなので積載能力のかけらもない。タイヤは前後80/90-10と外径サイズはスクーター標準、でも幅は少し細め。走行抵抗減らすためにもっと細くても良かったように思うが。タイヤが無いんだろうけど。あとチェーン駆動というのが耐久性の気になるところ。スクーターはメンテナンスフリーが常識となっているのでそこまで考えて作っているかだ。記事を読むと出力は確かに2ps。トルクが0.3kgf・mとちゃんとトルク重視になっているようである。しかしそれ以上詳しいことは分からなかった。

 家に帰ってスズキのHPを見てみるとチョイノリの記事があった。2馬力でもトルクカーブが問題だしいろいろと詳細を確認したかったのだがあまりたいした事は確認できなかった。う〜む、しかしデザイン的に突拍子もない形にしたのなら、ハートフルなマスコットキャラクターでも作ってイメージ戦略すりゃあいいのに菊川玲だけかよ。やることが中途半端だ。しかもカラーが黄色系と白黒系しかない。まぁそんなことはどうでもいいことだが。

 さて、チョイノリについて考察を述べていきたいのだが、いきなりだが話は少しずれる。私は冷え切った二輪業界をどうすればテコ入れ出来るかと日々考えている。少子化によって購買層の絶対数が減少していく業界である。何もしなければ絶対に収束するのである。テコ入れといっても別に国や団体がお金を出してくれるわけはないので、業界を活性化させるには自力で利益を上げないといけない。利益を上げるには、販売だけで考えると大型二輪のように利益率の高い商品を売ることと、原付のような安い商品を数売る方法がある。以前大型二輪が解禁になって結構売れたが、では業界は活性化したか? いろんな意味でプラスにはなっただろうが、単なる延命措置に過ぎない。大型二輪は金持ちの道楽orパワー至上主義者の満足の域を出ていない。テコ入れとはいわゆる何をトリガーとして二輪が一般市民に普及するのか、ということである。

 その方法の一つは「買いたいと思う人に買わせる」ということである。買いたい人が買えない理由として大まかに1.「乗りたいバイクが無い」、2.「金額が高い」、3.「まわりの人間が反対する」がある。雨が降ったら困るとか夏暑くて冬寒いなどの居住性が良くない(というより全く無い)ことで買えない人は1に入る。二輪は少なからず維持費がかかるのでそれを気にして買えない人は2に入る。1に関しては二輪の性質上どうしようもないところもある。二輪が工業製品である以上、スタイルやシルエットは個人個人の嗜好にそれぞれに応えることは難しい。一つの車種でディーラーオプションや社外品をたくさん用意したりして対応するしかない。できればこの問題を解決してお客さんに満足のいく二輪を提供して従来の金額で購入してもらうのがベストである。

 2.に関しては単純に商品単価を下げれば良い。維持費に関してはどうしても国や保険会社のところもあるが。二輪はこれまでイニシャルコストが高く費用対効果が出せない人にとってはやはり高い買い物である。安くすれば金銭的な問題で買えなかった人には効果的である。が、これは諸刃の剣で、商材の単価を下げることによって業界の売上が下がってしまう可能性がある。

 やっかいなのが3.である。以前私は会社の上司に「社会的な立場のある人間がバイクなんかに乗ったらあかんで。車に乗りなさい」とまじめな顔で言われたことがある。要するに二輪で事故したら多少なりとも実動に支障が出るから危険な芽は摘んでおけということである。その論理はわかる。だが私は自損事故は何回かはあるが、人を巻き込んだことや生死に関わることになったことはない。その実績を無視されるのは心外だった。が、「それは運が良かっただけや」と言われる。まぁそれもそうだろう。ただ、その意見の裏にはドライバーから見て二輪がチョロチョロとした危ない動きを良く思ってないことに起因しているのではないかと思う。これに関しては別コンテンツで述べているが、二輪と四輪は違う乗り物であると理解して欲しいのである。しかし、社会的に認められにくい状態にあるのは確かだ。

 二輪は確かにあまり安全な乗り物とは言いがたい。事故したときの安全性を確保することは難しい。だからといって乗ってはいけないものではないはずである。この社会的なイメージを払拭することが出来れば、日本国内でもまだまだ市場のポテンシャルは存在すると思う。もう少し、社会的に認められることが出来れば・・・例えば燃費は四輪より遥かに良いのだからもっと環境面での優遇措置を取るなりすれば・・・とかも考えるがそれだけでは社会的な意識を変えるトリガーにはならない。

 やっぱり二輪に乗ってもらわなければ二輪の楽しみを理解してもらえない。単なる足としてしか考えずに購入してもいざ乗り始めたら、やはり自分なりの二輪の楽しさや便利さに気づくものである。手軽に誰もが買える二輪があって普及すれば、二輪に対して良いイメージを持った人が増えて社会的な感情が良い方向に向かうかもしれない。そういう一人一人の意識を変えることが大きな意識改革のトリガーになるのである。そういった意味で長い目で見ればこのチョイノリが将来の二輪に対する社会的なイメージを変えるトリガーとなることが考えられるのだ。

 最後に書いておきたいことは、HPでチョイノリが国産ということをアピールしていた。これは単にホンダトゥディが中国生産で10万円を切るロープライスをたたき出していることにケンカ売っているだけだとは思う。しかし正味な話、長く続く不況で日本は産業が中国や東南アジアに移ってしまってしまった。いわゆる産業の空洞化である。これがたとえ近い将来好景気に転じたとしても一度移ってしまった産業が帰ってくることはない。これは経営者の観点から見て当然の話である。移り切らなかったものや移せなかったものと新規産業のみが日本での産業になる。つまり景気が良くなって物が売れるようになっても製造業の雇用は復活しないのだ。ということはアメリカ並に貧富の差が大きくなってしまうことが予想される。可能な限り日本に産業を残しておくことが将来の日本のためになるのである。

 はたしてスズキがそこまで考えているかはわからない(たぶん考えてない。つーか普通は考えない)が、安売りのものでも国産でやっていく、チョイノリはそういう意味でも応援していきたい。

 ・・・でも買わないけど。

○最近のプチ情報

・KSR110マニュアルクラッチキット

 うおおおおぉぉぉっ!!! 出た!!! やっぱり誰もがみんなそう思っていたんだ!!!

 モンキーのパーツで有名な武川からKSR110マニュアルクラッチキットがリリースされた。しかもお値打ちの\29,800-でのご提供です!!!(?) いや、でもマジで安いと思うよ3万円って。確かに車体買うのにプラス3万という考えだと高いかもしれないが、遠心クラッチがマニュアルになるのが3万と考えればマフラー交換より安いし効果は覿面である。

 う〜ん、KSR110がマニュアルで乗れるのか・・・。い、いかん、か、買ってしまいそうになる・・・ぐぐぐ・・・落ち着けぇ〜落ち着け、俺・・・。

・今年モデルのVTR250

 私が99年に購入したVTR250。そのとき、VTRは水冷スポーツの超安売りモデルとして存在していた。いかんせん人気がなかったがそれなりに定評はあった。が、私が購入する前後ぐらいに排ガス規制でラインナップから消失。ラインナップから消えてしまうのが、なんとなくだが一時的なものではなく、そのまま消えてなくなってしまうのではないかと不安を感じていた・・・。

 ところがある日、カラーオーダープランを引きつれてラインナップに復活した。ほほう、そういう付加価値のつけ方はあるなぁ、と感心。でもまぁ、なんにせよ所持しているバイクが絶版にならないことは助かる程度にしか思わなかった。

 そしてチョイノリのこともありバイク雑誌を買って家で読んでいるとVTR250の宣伝広告があった。お、この青いいなぁ、と思ったのもつかの間、とてつもない違和感に襲われた。なんだ? この違和感は・・・。

・・・・・・。





タコメータついてるやんけ!!!

 いや、もういいです・・・。


くるすま11月号



 まいど、えーすけです。
 や、やっぱり2週間遅れでの更新・・・来月もこのペースかなぁ。まぁいいか。
 最近めっきり寒くなってバイクに乗ってません・・・バイクいじりに時間も取れないし全然ダメですね。がんばります。
 ところでついにTS200Rのスイングアームを手に入れてしまった・・・。さらにDR250R用の後輪17インチスポークも手に入れてしまった・・・。たぶんTS200Rのリヤに使える。なんだか後輪17インチ&ディスクブレーキ化に向かって進んでいるが、別にリヤサス取り付けが解決したわけではないよ・・・。
ふふふ・・・。

○今月のジェベ公

 忙しい時期が終わったのでついにジェベルのバッテリを交換することにした。今日は曇り。雨がいつ降ってもおかしくない空模様だったが降ってなかった。外に出て作業しようとしたら雨が降るパターンである。しかしジェベルの不動状態を解消するためには少々のことは覚悟しなきゃならん。今日やることにした。

 半年前に購入したバッテリを引っ張り出してきて説明書を読む。バッテリは電解液をセッティングした後充電しなければいけないものだと思っていたのだが、説明書には「このバッテリは即用式です」と書いてあった。即用? そくよう? 祖供養?(なんでやねん) 以前のバッテリ交換はショップにやってもらって何をしてたのか記憶に無いのだが、新しいバッテリを用意するのに確かにそんなに時間はかからなかった。なんだ・・・電解液をセットしたらそのまま使えるのか・・・。

 開封して電解液をセットする。ぶくぶくぶく・・・。30分ぐらい放置して電解液ケースを外し蓋をする。以上である。ほう、結構簡単なもんなんだな。バッテリやら電解液のケースやら説明書に何やらデンジャーなマークが並んでいたのでドキドキしながらやったのだが・・・ドキドキして損した。いや、スリルがあっても困るんだけど。

 さて、取りつけることにする。外に出ると小雨が降っていた。うっ・・・やっぱりか・・・。俺の人生こんなもんさ、ふっ。しかし今日はここで引き下がるわけにはいかない。作業を敢行することにした。

 ただ単にバッテリを交換するだけである。左サイドカバーを外してバッテリを交換すれば終わる。・・・と思ってやり始めたのだが、アーシングケーブルの処理が悪くてケースから取れない。シートを外してなんとか取り出したが、その頃には雨足が強まっていた。こりゃいかん、バイクカバーを被せて自分もその中に入って作業することにした。


↑こんな感じ

 思ったよりも中に入って作業するのは結構快適であった。自分も雨に濡れないしこれはなかなかいい。バイクカバーに雨が当たるのがこもって聞こえる・・・気分はテントの中で雨をしのぐ感じ。なんとなくキャンプ生活を思い出しちょっと楽しかったりする。ただ、はたから見て異様な光景だったに違いない。

 作業は順調に進み交換終了。さて、サイドカバーをつけるか・・・というときになって雨が、

どばばばばばばばばばばぁぁぁ

と、絶好調になった。うむ、日本の景気もこれぐらい絶好調になったらなぁ・・・。って違う。俺、なんか悪いことしたか? そりゃまぁ心当たりは山ほどあるけど・・・。

 サイドカバーをつけてバイクカバーから脱出。傘を持ってきてエンジン始動できるか確かめることにする。メインをON、デュアルテンプメータの電圧表示は11.7Vを示していた。うむ、いい感じだ。セルを回す。

きゅるきゅるきゅるきゅる・・・

 おおお、セルが回ったぞ。いい感じで回ってるぞ。

きゅるきゅるきゅるきゅる・・・

 ・・・エンジンかかんねぇ・・・。

 なぜだ? この前押しがけでかかったってことはエンジン自体に問題は無いはずだ・・・。もしかしてこの前の「ポキュッ」と音がしたのが悪かったか? エンジン壊れたか? いや、そんなんで壊れるわけないしな・・・。

 バカの一つ覚えでセルを回しつづけるのも問題なので、雨が降っているが押しがけを敢行することにする。おりゃ。

ぼぼぼぼぼぼぼぼぼ・・・

 うーむ、圧縮はかかってるが爆発してる気配が無いな・・・。困ったな・・・雨降ってるから調べることも出来ない。仕方ない、今日はここまでにしよう・・・。

 で、後日、燃料系を確認してから少しだけ給油してとりあえずセルを回してみた。





ぶい〜んばるばるぅ〜〜!!!

 なんじゃー!!! かかったやんけー!!! なんで前はかからなかったんだ・・・。なんでもいいか調子もいいみたいだし、ちょっと走ってみるか。

 久しぶりに走ってみると低速高速回転は調子いいが中速が以前にも増して全然ダメ。1kmも走らないうちにキャブセッティング出しすることにして引き返すことにした。しかしエンジンの調子がおかしくなってエンストしてしまった。エンジンはかかるがアイドリングまで回転が落ちるとエンジンが止まる。うお〜もう少し走ってくれ〜、とだましだまし走って帰ることにした。

 しかし・・・





ぼんぼばんぼんぼんぼんぼぼぼばん

 お前はゾク車かぁ〜!!! こっちはアクセル一定で走ってるのにエンジンがランダムにメロディを奏で出した。しかもけたたましい爆音で。速度も10km/hぐらいしか出てない。いまやジェベルはオートゾク車と化していた。もう少しで家に帰れる・・・のだが住宅街の中をこのまま走ることに耐えられなくなってエンジンを止めて押して帰ることにした・・・。

 それからエンジンはうんともすんとも言わなくなった。キャブの洗浄を行ってプラグを磨いてオイルを換えてみたがダメ。

 う〜ん・・・ついに入院か・・・?

○TS後輪スポークリターンズ

 以前にTS200Rの純正18インチ後輪スポークを前輪に使えないかとトライしたが結果入らないという記事を書いた。スポークの頭の寸法が若干異なることが原因だった。

 ところがある日、ネットオークションを物色していると「DR250Sの前輪ハブに後輪スポークを使って18インチにダウン」という内容があった。え? DRのハブに後輪スポーク入るの? ほんまかいな。DR250Sの前輪ハブはTS200Rと同じものである。後輪ハブは異なるがスポーク径は同じ。じゃ、TS200Rの前輪ハブに後輪のスポークは入るってことか? ・・・よく考えたら以前トライしたのはジェベル125の前輪ハブに入れようとしてダメだったのだ。ジェベル125とDR250Sの前輪スポーク径は異なっていたが、DRのスポークがジェベル125のハブに入っていたのでハブのスポーク穴径は同じサイズだと思ってたのだが、もしかして違うのか・・・?

 ということで以前にネットオークションで手に入れていたTS200Rの前輪をバラして再トライすることにした。ホイールをバラしてばっかりだな、俺。仕方ない、調査のためだ。

 もともとか手に入れてから間があったためかちょっと傷んでしまっていた。スポークに錆び、ニップルが固着しているが問答無用にバラしてぶった切る。ハブさえ取れればいい。

 そしてハブだけ取り出して後輪スポークを入れてみた。・・・ん? やっぱり入らないか・・・? くるくる・・・すぽ。







入った!?

 なんだ入るのかぁ〜!!! 入るなら入るって言ってくれよぉ〜!!!

 どうやらジェベル125とDR/TSのハブはスポーク穴径が異なるようである。そうかぁ・・・DR/TSのハブだったら後輪のスポークで18インチ化できるのか・・・。ただ前述のネットオークションの内容では「後輪のリムを使用しているため若干スポークに反りがあります」とのこと。これがリムのニップル穴方向が原因なのかスポークの頭の角度からきているのかが今のところ不明。リムの穴方向はハブ径に依存するがTSでは前輪ハブより少し後輪ハブが大きいだけで、それに割とニップルは角度には自由度がありリム穴-ハブ穴間に距離があることからリムのせいではなさそうである。スポークの頭の角度ということになるが、確かにほんのちょっと違うのである。本当にそれが原因かどうかは装着しないとわからない。

 ・・・これからまた冬に入るから、暇なときにでもいっぺん組んでみようか・・・。

○バイクが好きであるということ

 この前、以前はバンディット400に乗っていたバイトの先輩と久しぶりに飲みに行った。

 先輩は今は結婚して維持費削減のためホンダジョーカー90に乗っているとのこと。主に通勤に使っているらしい。しかしイジれないないことが不満でイジれルアメリカンが欲しいけど何かいいものは無いかと聞かれた。維持費を考えるとやはり第二種原付がいいらしい。だが今は小排気量極寒の時代、カワサキエリミネーターしかない。先輩はエリミネーターは趣味ではないらしい(アメリカンの嗜好がわからない私には何が違うのかよくわからないが)。そこで250ccまで要求を下げてもらったがどうもピンとこない様子。カタログも無しに言葉だけで語ってもイメージ出来ないとは思うが・・・。そこで先輩は言った。

「でもイニシャル(初期段階)はカッコ良ければなんでもいいねん」

 私ははっとした。確かにそうである。気に入ったアイテムを手にする喜び、使える喜び。まさにバイクはそんな乗り物なのである。

 そう言った意味では今のバイク業界は、先輩のような小排気量で実用性を求めつつも趣味のアイテムとしての欲求を満たせられる業界ではない。四輪が手頃な値段で買える今の時勢では二輪は確かに趣味の世界となっている。もちろん二輪には実用性があるのだが、費用対効果と言う意味ではメリットを出しにくいものである。好きでなければ買わないものである。

 人は好きなものにはお金を使う。たとえイニシャルコストが高くてもそれを手に入れることによって満足が得られ人生が楽しくなるのであれば少しぐらい高くても買うのである。二輪を持つステータスということに魅力を感じる人もいるだろう。私のように二輪を趣味の材料として扱う人もいるだろう。このバイクがカッコイイからこれが欲しいという人もいるだろう。もちろん、ただ単に走りたい人もいるだろう。二輪を欲しいと思う気持ちはいろいろある。いろいろな形はあれど二輪が好きであるということには変わりはない。

 しかし、だからといって近年利益が出しにくい二輪という商材を高く取引させるために大型バイクのような高価なものを拡充させて小型を冷えこませる結果が業界にとって良いことか。二輪の楽しみを知っている人が気に入った二輪に乗れない状況が許されるのか。

 二輪が好きでも好きなだけでは趣味としては高額なものである。それは否定できるものではない。本当に好きな人はそれでも買うのだが、好きでもコスト的に気になる人やメリットを出しにくい人はイニシャルコストが高ければ手が出ないものである。ましてや大型バイクなんてニーズからかけ離れている。これでバイクから離れてしまっても仕方の無いことだ。しかし、それがバイクが好きな人や二輪メーカーにとっていいことなのか。

 二輪業界を活性化させるには、先輩のような二輪に乗りたいけどお金が気になる人にも二輪に乗ってもらえるようにならなければ、現状の打破はありえないと思う。二輪の普及率は年々下がっていると思われる。バイクは危ないという社会的な意識もあるが、そもそも若い年代の絶対的な人数が減っていることが大きいだろう。もともと何も手を打たなければ収束する市場なのである。大型バイクを解禁にして市場に投入するのが解決策になるのか? なりはしない。市場を拡大する要因にはなり得ない。市場を拡大するのが至上命題なのである。

 最近ホンダがバイト、ズーマー、エイプ50/100の小排気量の新機種を安くイジれるバイクとして市場に投入して成功している。ホンダは現状をわかっているのであろう。カワサキがKSR110を出したのも人気車種の復活と言う意味があるだろうが、小排気量のニーズを捉えてのことだろう。ニーズのある人に小排気量でも乗ってもらわなければ中型、大型へのステップアップはありえないし、バイク乗りじゃない人が小排気量でも乗りたいと思ったときに手に入れやすい金額でなければバイク乗りにはならない。普及率を上げるということはそういうことだと思う。これで二輪市場の拡大に繋がるかはまだわからないが、この流れの今後の発展を期待するしかない。

 結局、先輩にはいいアドバイスは出来ずに終わってしまった。もちろん好みもあるし業界の状況ということもある。二輪を所有するという根本のところで、二輪に理解がある人の力になれないことは悲しい。先輩のような人に二輪に乗ってもらえるような時代が来るのを期待したい。




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