風邪・インフルエンザと漢方薬

今年も、インフルエンザのシーズンになってきました。新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、インフルエンザワクチンを合わせて打つ方も多いかと思います。
インフルエンザワクチンをしたからといってインフルエンザにかからないというものではありません。また、インフルエンザウイルスは、すぐに亜種を作り感染しますので予想を前提としたワクチン生産の予測通りにはなかなかいきません。そして年々亜種ができるスピードも速くなってきています。新型コロナもそうですが先ずは、インフルエンザにかからないよう免疫力をつける予防が一番です。

 

風邪・インフルエンザと漢方薬
 風邪はありふれた病気ながら、ひとたびこじらすと厄介な病気になってしまします。
現代医学では、原因となるウイルスに有効な薬はなく、今のところ対処療法的な薬にとどまっています。
2017年9月「風邪には抗生物質を使わないことを推奨します
との厚生労働省の手引きが病院向けに出されました。抗生物質では風邪やインフルエンザのウイルスはやっつけられないだけでなく、安易に服用すると耐性菌を作ってしまい、いざという時に抗生物質が必要な病気や手術に対して抗生物質が使えない状況になってしまいます。

風邪・インフルエンザと漢方薬 漢方芍薬堂 上郡町

 

 またワクチンにつても接種と非接種の罹患率に差はないとのデータもありますし、毎シーズンの流行を予測してワクチンを作りますが、シーズン中においてもウイルスは、流行の過程ですぐに亜種を作り出し感染を続け、ワクチンが対応できない状態になります。そもそも風邪のウイルスは200種類ほどあり、インフルエンザにおいてはA、B、Cの3種類の型がそれぞれ亜種を作っていきますので、基本は、ウイルスに負けない免疫力をつけることがが肝腎です。

 

 漢方薬は2000年近く前から細菌やウイルスによる感染症そのものを治す処方が体系化されていました。傷寒論でいう太陽病はまさに風邪やインフルエンザの初期に当たり、傷寒論に登場する漢方処方は、証に従い正しく使用すれば短期間で治すことが出来ます。

 

 「風邪に葛根湯」は有名な言葉ですが、葛根湯は太陽病期の処方、つまり風邪のひき始めにのむ漢方薬。しかし、現代の人は、ある統計では「風邪で仕事を休めない人は64.1%」と結構無理をして仕事に行き、結果、こじらせてしまって、本来、初期に対応できる漢方薬と養生で治っていた風邪を長期化させ、こじらせてしまいます。
家庭の主婦にしても家事や育児でついつい我慢してしまい、こじらせてしまう場合があります。

 

 風邪の症状は鼻水、くしゃみ、鼻づまり、のど痛、声がれ、咳、痰などの炎症に付随して発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感が起こり更に進むと食欲不振、嘔吐、下痢など胃腸症状まで進む場合も。
 また体調は良くなっても咳だけが残って長期化して1か月近くグズグズしてしまう場合もあります。漢方薬はそれぞれの症状や病状の時間経過に即応した処方があり、的確にその処方を使うことで治癒に向かいます。

 

 特に感染性胃腸炎(嘔吐、下痢)を起こした場合、西洋医学では対処できませんが漢方薬の得意とする場面でもあり、独壇場でもあります。

 

 昔は、「子供は風の子」今は、「子供は風邪の子」と軟弱化してしまっています。さてさて、かといってほっておくわけにもいきません。ありがたいことに漢方薬は、太陽病期(初期)のみならず時間の経過とともに刻々と変化する風邪やインフルエンザの症状に対応できるよう処方が用意されています。その病期は、太陽病・陽明病・少陽病・太陰病・少陰病・厥陰病と経過をたどり、その状況を的確に把握しその人の証に合わせて処方するかが決め手です。

風邪と養生(風邪に負けない体つくり)

風邪・インフルエンザはかからないのに越したことはありません。しかし風邪やインフルエンザにかかってしまえば一日でも早く治したいもの、証に合った漢方薬とそれをサポートしてくれる「牛黄」を使い、しっかり養生しましょう。
 風邪は、何よりも予防が大切なのは誰しも分かっていることなので言わずもがなの感は否めませんが、免疫力を高めるための養生が一番

 

    風邪・インフルエンザと漢方薬 漢方芍薬堂 上郡町

  • 規則正しい生活習慣(睡眠時間は十分に)
  • 体を冷やしたり、冷やす食べ物は避ける
  • ストレスをうまく解消
  • 適度な運動
  • 積極的養生法(免疫力強化)

 特に、積極的養生法として免疫力を高める工夫をしましょう。
免疫に関しては、ウイルス・細菌をやっつけてくれる腸管免疫の有用性が叫ばれています。つまり腸内フローラのバランスが健康を左右するわけです。
秋から冬にかけての風邪・インフルエンザ予防に毎日の乳酸菌・発酵食品がお役に立ちます。

 

 要注意は、風邪をひきやすい人です。風邪をひきやすい人は1年に数回風邪をひいています。軽い風邪ならいいのですが、風邪をひきやすい人は、風邪をひいてしまうと重症化し、1か月近くも風邪が抜けずぐずぐずして咳だけが残ったり長期化します。勿論インフルエンザにもかかりやすくなります。漢方的に見ますと栄衛と言って体を守っている防衛機能が低下している状態で、特に衛気が低下し外からの風寒湿に弱く外邪に侵されやすい状態の人と言えます。
 西洋医学的には、免疫力の低下で、ウイルスを防御できず負けてしまう状況です。免疫の中心を担う腸管免疫を活性化してウイルスに負けないようにするのも養生の一つです。

 

腸管免疫を高めるには、濃縮乳酸菌FK-23を日ごろからとっておくことです。

 

 また、毎年酷暑の夏となり、夏の養生が秋、冬の風邪の発症に影響を与えます。常にエアコン(冷房)の室内にいたり、体を冷やす飲食をしたり、熱中症予防と言って水をがぶがぶ飲んでいると結果、秋、冬に風邪やインフルエンザににかかりやすくなります。夏の養生をしっかりして、秋、冬に備えましょう。
ご自身に合ったインフルエンザ・風邪予防法を是非実践して、この風邪シーズンを乗り切りましょう。風邪をひかないための養生法・食養生(薬膳)をご提案いたします。

 

風邪・インフルエンザのご相談は、お気軽に上郡町の漢方芍薬堂へ

インフルエンザの漢方薬

インフルエンザには、「柴葛解肌湯

 

インフルエンザは風邪と同じく急性感染症ですが特にインフルエンザウイルスに感染した症状をインフルエンザ(流行性感冒)と言います。
インフルエンザウイルスにはA・B・Cの3種類の型があり、A型B型は亜種が多く特にA型は変異が多く新型インフルエンザの発生の元になっています。

 

【インフルエンザの症状】
 悪寒、発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛を特徴とし、咽頭痛、鼻汁、鼻閉、咳、痰などの気道炎症状を伴う。腹痛、嘔吐、下痢といった胃腸症状(感染性胃腸炎)を伴う場合もある。免疫力の低い高齢者や乳児は重症化しやすい。

 

【漢方から見たインフルエンザ】
 漢方の古典である「傷寒論」には感染症の治療法とそれに対応する漢方処方が記されていて、インフルエンザや風邪はまさに傷寒でありこの傷寒論が大変役に立ちます。

 

 傷寒論では症状の時間経過を六つの病期(太陽病、陽明病、少陽病、太陰病、少陰病、厥陰病)に分けそれぞれに応じた処方を記しています。
まさに漢方薬の真骨頂とも言えるところで、的確に証を捉えれば短期に回復することが出来ます。

 

 代表的な処方は

  • 太陽病期=桂枝湯・葛根湯・麻黄湯
  • 少陽病期=柴胡桂枝湯
  • 少陰病気=麻黄附子細辛湯

 など他にも沢山の処方ががありますが、この時間経過と症状のみならずその人の陰陽虚実表裏寒熱をふまえて処方を決定しなければなりません。
 安易にインフルエンザに麻黄湯と決めつけてはいけません。日本人の中には麻黄湯が合わない人、のめない人も多くおられます。また、麻黄湯が適応する時期は大変短く、多くの場合、麻黄湯をのむ時期が過ぎている場合もあり、的確な専門的な漢方独自の判断で的確な漢方処方を決定しなければ効果は上がりません。

 

社団法人日本東洋医学会からの通知文にも
「インフルエンザの漢方治療について」
漢方薬の麻黄湯が広く用いられていますが、麻黄湯にはインフルエンザウイルスの増殖を抑制する効果があり、発熱の日数を短くします。タミフル等インフルエンザ治療薬と併用しても良いことが知られていますが、麻黄湯の主薬である麻黄には交感神経を興奮させる作用がありますので、血圧を上昇させ心臓の負担を多くし、動悸が起こる場合があります。また、排尿障害を来したり緑内障を悪化させる危険性もあります。特に高齢者では注意が必要です。漢方薬は一人一人の病状に応じて選択しますので、インフルエンザ=麻黄湯ではありません。体温が上がっているのに寒気だけを感じる人には麻黄附子細辛湯、咽の痛みや繰り返し起こる寒気と熱感のある人には桂麻各半湯などを用います。漢方を専門とする医師・薬剤師に良く相談して下さい。

 

社団法人日本東洋医学会
健康保険担当委員会

 

過去のインフルエンザパンデミック
1918年(大正7年)スペイン風邪
1957年(昭和32年)アジア風邪
1968年(昭和43年)香港風邪
2009年(平成21年)新型インフルエンザ

 

インフルエンザには、「柴葛解肌湯」
柴葛解肌湯は、日本漢方の重鎮であり徳川慶喜のご典医、明治天皇の侍医を務めた浅田宗伯の父である済庵翁所製の浅田家方の漢方処方です。「太陽少陽の合病にて頭痛、鼻乾き、口喝き、不眠、四肢煩疼、脈洪数なるものを治す」とあり「口訣」としては「此の方は余家が新しく作ったもので麻黄湯、葛根湯の証がまだ治りきらないで、少陽病に入り嘔吐があったり渇が甚だしく、四肢がうずき痛むものによろしい」と述べられています。
柴葛解肌湯は、麻黄湯や葛根湯が適応期であるインフルエンザのひきはじめから胃腸症状が出る時期である少陽病期(インフルの中期で小柴胡湯や柴胡桂枝湯などで治さなければならない時期)にまで幅広く用いることができる日本漢方の真骨頂とも言える漢方処方で新形インフルエンザへの対応もできます。1918年に世界的に猛威を振るった新型インフルエンザであったスペイン風邪の治療にあたり浅田宗伯翁の弟子であった木村博昭先生は、柴葛解肌湯を使い多くの患者を救命したと伝えられています。
 今般、新型コロナウイルス感染症への有効性も認められています。

 

 

 

 傷寒論には、出てこない生薬ですがインフルエンザに大変有効な生薬は「牛黄」です。漢方の古典には、「牛黄は人参を使となす」といってこの2薬が合わさると相乗効果があり、特に胃腸の弱い日本人の体質には、胃腸を守り体力をつけてくれる人参が配合された、牛黄+人参の漢方製剤が大変有効で、江戸時代以降庶民でも使える漢方薬として、現在も大活躍しています。

 

【インフルエンザの症状】
 悪寒、発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛を特徴とし、咽頭痛、鼻汁、鼻閉、咳、痰などの気道炎症状を伴う。腹痛、嘔吐、下痢といった胃腸症状(感染性胃腸炎)を伴う場合もある。免疫力の低い高齢者や乳児は重症化しやすい。

インフルエンザの養生法

養生法は風邪の養生法と同じですが場合によっては、その人の状態を見て漢方薬で胃腸機能を高めたり皮膚の抵抗力を高めたりと方法があります、詳しくはご相談ください。
牛黄も大変お役に立ちます。

 

腸管免疫を活性化させる濃縮乳酸菌についてのお問い合わせは、風邪と腸管免疫FK-23 漢方芍薬堂 上郡町
店頭にてお受けいたしますのでご来店お待ちしております。

 

風邪・インフルエンザの漢方薬・養生法(薬膳)のご相談は上郡町の漢方薬専門の漢方芍薬堂へお気軽にどうぞ。

 

風邪やインフルエンザの治療は早めが一番です。

 

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