5項述語の4重量化「∃x1S1x2S2x3S3 x4S4  P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」 


【ポイント】

・「 x1S1x2S2x3S3x4S4  P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」 は、


 集合S1から対象をうまく選んで変項x1へ代入すると、

  どの《S2に属す対象》を変項x2に代入しても、

   その《S2に属す対象》に相応しい《S3に属す対象》が
     少なくとも一個は存在するので、

   その《S2に属す対象》に応じて、
     相応しい《S3に属す対象》をうまく選んで変項x3に代入することによって

    「どの《S4に属す対象》を変項 x4 に代入しても、
      変項 x5 は、x1, x2, x3,x4とのあいだの関係・条件Pを満たす

   を成り立たせることができる

 という主張。
   
S1S2S3S4も特定の対象に固定されている場合、
 「 x1S1x2S2x3S3x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」 は、
 x5 のみを変項とする1項述語。→詳細

 (例)
   ・anは収束列 」の定義  

【詳細】

・  ∃x1S1x2S2x3S3x4S4 P(x1,x2,x3,x4,x5) :定義/意味/読み/x1S1x2S2x3S3x4S4 の定義に遡って
 ・バリエーション:x1S1x2∈内包的に定義された集合 ∃x3S3x4S4 P(x1,x2,x3,x4,x5) 
        省略形「∃x1S1S'2(x2) ∃x3S3x4S4 P(x1,x2,x3,x4,x5)」    
 
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「 ∃x1S1x2S2x3S3x4S4   P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」 の定義



  要旨

 「 ∃x1S1x2S2x3S3x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」は、

  P ( x1, x2, x3, x4, x5 )普遍量化存在量化して普遍量化して存在量化した

   「x1S1 ( x2S2 x3S3 ( x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) ) )

 を表す。


詳細 〜 S1S2S3S4特定の対象に固定されている場合  

・「 ∃x1S1x2S2x3S3x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」 とは、

 下記手順でつくった1項述語 

   「x1S1 ( x2S2 x3S3 ( x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) ) )

 の略記。

  【step1:普遍量化】  
 
  5項述語 P(x1, x2, x3, x4, x5)x1, x2, x3, x4, x5は関係・条件Pを満たす
  の変項x4を全称量化子で束縛して普遍量化し、





【文献−数学一般】
 ・新井紀子『数学は言葉』例題4.4.4数列・級数に極限値が存在して収束する:四重量化(p.147);

【関連事項】 
  ・


 


     x1, x2, x3, x5を変項とする4項述語・4変項命題関数 
       「 x4S4 P(x1, x2, x3, x4, x5) 」 どの《S4に属す対象》を変項x4に代入しても、変項 x1, x2, x3, x5 は、x4とのあいだの関係・条件Pを満たす 
     をつくる。

  【step2:存在量化】  

  step1で得られた
  4項述語・4変項命題関数x4S4 P(x1, x2, x3, x4, x5)
          どの《S4に属す対象》を変項x4に代入しても、変項 x1, x2, x3, x5 は、x4とのあいだの関係・条件Pを満たす
  の変項x3を存在量化子で束縛して存在量化し、

  x1, x2, x5を変項とする3項述語・3変項命題関数
    「 x3S3 ( x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )
          x3に代入すると、   
           『どの《S4に属す対象》を変項x4に代入しても、変項 x1, x2, x3, x5 は、x4とのあいだの関係・条件Pを満たす』 
          を成立させる《S3に属す対象》が存在する
  をつくる。

  【step3:普遍量化】  

  step2で得られた
  3項述語・3変項命題関数「 x3S3 ( x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )
          x3に代入すると、   
           『どの《S4に属す対象》を変項x4に代入しても、変項 x1, x2, x3, x5 は、x4とのあいだの関係・条件Pを満たす』 
          を成立させる《S3に属す対象》が存在する
  の変項x2を全称量化子で束縛して普遍量化し、

  x1, x5を変項とする2項述語・2変項命題関数

      「 x2S2  x3S3 ( x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )
         どの《S2に属す対象》を変項x2に代入しても、
           「x3に代入すると、
            『どの《S4に属す対象》を変項x4に代入しても、変項 x1, x2, x4, x5 は、x4とのあいだの関係・条件Pを満たす』 
            を成立させる《S3に属す対象》が存在する」
  をつくる。

  【step4:存在量化】  

  step3で得られた
  2項述語・2変項命題関数x2S2  x3S3 ( x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )
  の変項x1を存在量化子で束縛して存在量化し、

  x5を変項とする1項述語・一変項命題関数

      「x1S1 ( x2S2 x3S3 ( x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) ) )

  を得る。

 (例)anは収束列 」の定義



x1S1x2S2x3S3x4S4  P(x1,x2,x3,x4,x5) 
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「  ∃x1S1x2S2x3S3x4S4  P ( x1, x2, x3, x4, x5 )  」 の意味 



 ・ P ( x1, x2, x3, x4, x5 )は、
     変項x1の議論領域X1,
     変項x2の議論領域X2,
     変項x3の議論領域X3,
     変項x4の議論領域X4,
     変項x5の議論領域X5,
  とするn項述語・n変数命題関数

 ・ S1は「X1部分集合
 ・ Sは「X2部分集合
 ・ S3は「X3部分集合
 ・ S4は「X4部分集合
 ・ S5は「X5部分集合

 とすると、 

 「 ∃x1S1x2S2x3S3x4S4   P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」は、 

 集合S1から対象をうまく選んで変項x1へ代入すると、

  どの《S2に属す対象》を変項x2に代入しても、

   その《S2に属す対象》に相応しい《S3に属す対象》が
     少なくとも一個は存在するので、

   その《S2に属す対象》に応じて、
     相応しい《S3に属す対象》をうまく選んで変項x3に代入することによって

    「どの《S4に属す対象》を変項 x4 に代入しても、
      変項 x5 は、x1, x2, x3,x4とのあいだの関係・条件Pを満たす

   を成り立たせることができる

 という意味の述語・命題関数

S1S2S3S4も特定の対象に固定されている場合、
 「 x1S1x2S2x3S3x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」 は、
 x5 のみを変項とする1項述語。→詳細

 (例)anは収束列 」の定義








【文献−数学一般】
 ・新井紀子『数学は言葉』例題4.4.4数列・級数に極限値が存在して収束する:四重量化(p.147);


 






x1S1x2S2x3S3x4S4  P(x1,x2,x3,x4,x5) 
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読み下し例


x1S1x2S2x3S3x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) の読み下し例

文献調査中

【英語】



【日本語type1】  




【日本語type2】
 句読点の位置を変えると、意味が変わるので注意。




x1S1x2S2x3S3x4S4  P(x1,x2,x3,x4,x5) 
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x1S1x2S2x3S3x4S4 の定義に遡った「 ∃x1S1x2S2x3S3x4S4  P(x1,x2,x3,x4,x5)」意味 














x1S1x2S2x3S3x4S4  P(x1,x2,x3,x4,x5) 
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集合S2が内包的に定義された場合の「 ∃x1S1x2S2x3S3x4S4  P(x1,x2,x3,x4,x5)」意味 


 集合S2の内包S2'、 つまり、 S2{ x | S2'(x) }
 との設定のもと、 


 「 x1S1x2S2x3S3x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」
 すなわち
 「x1S1 ( x2S2 x3S3 ( x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) ) )
 は、

 「x1S1 ( x2 ( S2'(x)  x3S3 ( x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) )  ) )

 に言い換えてよい。

  



x1S1x2S2x3S3x4S4  P(x1,x2,x3,x4,x5) 
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省略形

  

省略形「∃x1S1S'2(x2) ∃x3S3x4S4  P(x1,x2,x3,x4,x5)」


x1S1x2S2x3S3x4S4
【設定】

P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) は、
   変項x1の議論領域X1,
   変項x2の議論領域X2,
   変項x3の議論領域X3,
   変項x4の議論領域X4,
   変項x5の議論領域X5とするn項述語・n変数命題関数

S1は「X1部分集合
S3は「X3部分集合
S4は「X4部分集合

S'2(x2)は、「x2についての条件」(つまり、x2を変項とする一項述語)。
     ただし、x2を先頭に表されているとする。

【本題】

 上記設定のもと、

 「 x1S1 S'2(x2) x3S3 x4S4  P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) 」は、

 下記表現aないし表現bの略記。







【基礎事項】
 ・「∃ 条件式 n項述語
 ・「∃S'(x) ∀yT P(x,y)」 

【使用例】
 ・anは収束列 」の定義  











【表現a 

  x1S1 x2 { xX2 | S'2(x) }  x3S3 x4S4  P ( x1, x2, x3, x4, x5 )


 《S1に属す対象》うまく選んで変項x1へ代入すると、

  どの《S'2(x)真理集合に属す対象》を変項 x2 に代入しても、

  その《S'2(x)真理集合に属す対象》に相応しい《S3に属す対象》が
          少なくとも一個は存在するので、

  その《S'2(x)真理集合に属す対象》に応じて、
     相応しい《S3に属す対象》をうまく選んで変項 x3 に代入することによって、

  「どの《S4に属す対象》を変項 x4 に代入しても、
     変項 x5 は、x1, x2, x3,x4とのあいだの関係・条件Pを満たす

  を成り立たせることができる




【具体例】
 ・R変項x1の議論領域とした際のx1>0 x2S2 x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 )  は、

  x1 { xR |  x>0 }  x2S2x3S3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 )   
    どの《x>0」真理集合に属す対象》を変項x1に代入しても、
    その《x>0」真理集合に属す対象》に応じて、《S2に属す対象》をうまく選んで変項x2に代入することによって
       「どの《S3に属す対象》を変項 x3 に代入しても、変項 x4, x5 は、x1, x2, x3とのあいだの関係・条件Pを満たす
    を成り立たせることができる
  の省略形。
 ・x>0」真理集合とは、(0,∞)のことだから、これは、 x1 (0,∞)  x2S2 x3S3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 )   ともかける。


【使用例】
 ・ 「 ∀ε>0 ∃NN ∀nN ( nN⇒|  《数列》の第n項 −α |<ε) 」 




【表現b 

 x1S1 ( x2 ( S'2(x) x3S3 ( x4S4 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) ) )  )


 《S1に属す対象》をうまく選んで変項x1へ代入すると、
  どの《議論領域X2に属す対象》を変項x2に代入しても、
  その《X2に属す対象》が条件S'2を満たすならば
  その《X2に属す対象》に相応しい《S3に属す対象》が
        少なくとも一個は存在するので、

  その《X2に属す対象》に応じて、
    相応しい《S3に属す対象》をうまく選んで変項x3に代入することによって

    「どの《S4に属す対象》を変項 x4 に代入しても、
       変項 x5 は、x1, x2, x3,x4とのあいだの関係・条件Pを満たす

  を成り立たせることができる




【具体例】

  R変項x1の議論領域とした際のx1>0 x2S2 x3S3  P ( x1, x2, x3, x4, x5 )  は、

  x1 ( x1>0 x2S2 ( xS3 P ( x1, x2, x3, x4, x5 ) ) )  
   どの実数を変項x1に代入しても、その実数条件x1>0を満たすならば
   その実数に応じて、相応しい《S2に属す対象》をうまく選んで変項x2に代入することによって
    「どの《S3に属す対象》を変項 x3 に代入しても、変項 x4, x5 は、x1, x2, x3とのあいだの関係・条件Pを満たす
   を成り立たせることができる


  の省略形。







x1S1x2S2x3S3x4S4  P(x1,x2,x3,x4,x5) 
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