ナノテク研究プロジェクト
ナノ銀:殺菌・抗菌剤

安間 武(化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2009年12月19日
更新日:2021年 9月22日
追加:3.5 食品包装材/容器から食品へのナノ銀の移行

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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/project/nano_silver.html

1.殺菌・抗菌剤としての使用


Lexon Nanotec (LNT), Inc
Nano-tex nano-Silver Sock
 銀に殺菌・抗菌作用があることは経験的にギリシャ、ローマの時代から知られており、アメリカの開拓時代には牛乳に銀コインを入れて殺菌したと言われています。近年、銀イオンやナノ粒子の殺菌・抗菌効果を利用した多くの商品が市場に出ており、繊維、洗濯機、染料/塗料/ワニス、ポリマー、流しや衛生セラミックス、消毒剤、防臭剤、台所用品、化粧品、身体手入れ用品、乳幼児製品などから医療分野における移植組織のコーティング、傷や火傷の処置、医療器具消毒などまで、その応用範囲は急速に拡大していると言われいます。
 ウッドロー・ウィルソン国際学術センター/新興ナノテクノロジーに関するプロジェクトのナノ製品目録(2008年4月)によれば、ナノ製品約600種のうち20%以上143品目がナノ銀応用製品であるとしています[1]。
 ナノ銀応用製品についてはネクサス株式会社のウェブサイト/ナノシルバーのページに詳しく紹介されています[2]。

2.有毒性は銀ナノ粒子と銀イオンの両方に由来する

 銀イオンが微生物の細胞にダメージを与えるので微生物に対して有毒であることはよく知られています。しかし銀ナノ粒子の毒性は、銀ナノ粒子自身のサイズと形状が毒性をもたらすのか、 あるいは、銀ナノ粒子が銀イオンを放出するために毒性をもたらすのか−ということについて関心が持たれていました。ナノ銀作用の仮説的なメカニズムは、"細胞の表面に付着し接触するだけで細胞の作用をかく乱する"、"銀粒子はまたトロイの木馬のように作用し、通常サイズの銀に対する障壁をかいくぐって細胞内に入り込み、銀イオンを放出して細胞組織に損傷を与える"−などがあります。

 ナノ銀の毒性について発表されている研究には次のようなものがあります。
  • 銀ナノ粒子は銀イオン発生を促進し、銀イオンとナノ粒子の両方がナノ銀の毒性源である(2008)[3]。
  • 銀ナノ粒子は細胞の酸化バランスを変化させるので細胞に有毒であり、その毒性についてはサイズが小さければ小さいほどより大きなダメージをもたらす(2008)[4]。
  • 銀ナノ粒子は試験管内及び生体内でDNA転写の忠実性に直接影響を与える[5]。
  • ヒト由来HeLa 細胞を銀ナノ粒子分散液で処理し, 4 時間後の細胞生存率を測定した結果、120 μg/ml の濃度でほぼ全ての細胞が死滅した[6]。
  • ゼブラフィッシュの目、浮き袋、尾を奇形にし、充血性心臓疾患を引き起こす心臓周囲の液体が生じた[7]。
  • 溶液中に浮遊するナノ銀は試験魚ファットヘッドミノーの胚子を死に至らしめることがあり、ナノ銀が沈むと溶液は数倍毒性が弱まるが、それでもこの試験魚に奇形を引き起こす[8]。
  • 銀ナノ粒子は魚に対して細胞毒性と遺伝毒性がある。メダカの細胞株を30ナノメートル径の銀ナノ粒子に暴露させた結果、細胞死、染色体異常、腫瘍細胞は用量に依存し、用量 0.05, 0.3, 0.5, 3, 5 μg/cm2 で、それぞれ 80, 45.7, 24.3, 1, 0.1% の生存率であった[8-1]。
  • 銀ナノ粒子は精子幹細胞の成長を止める。マウスの精子幹細胞の株を用いて、異なるサイズ、異なる濃度、及び異なる銀ナノ粒子コーティングが細胞成長に及ぼす影響を調べた結果、サイズがより小さい粒子への曝露は幹細胞により多い細胞死をもたらした。糖でコーティングしたより小さい銀ナノ粒子は、誘導細胞死の信号のひとつである活性酸素(ROS)の生成を増大させた。成長因子であるグリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)が銀ナノ粒子に曝露すると細胞に送られる信号が損傷を受け、精子幹細胞成長を止める[8-2]。
3.懸念される問題

3.1 ナノ銀の生態系への影響
 殺菌・抗菌・防臭剤として使用されるナノ銀は排水系を通じて、あるいは固体廃棄物の焼却や埋め立てを通じて、環境中に放出されます。環境中に放出されたナノ銀は環境中の微生物を殺して生態系機能をかく乱することが懸念されています。後述する2006年のアメリカにおけるサムソンの銀ナノ抗菌洗濯機の議論も洗濯機から排出される銀ナノが環境中の微生物へ及ぼす悪影響の懸念に基づくものでした。

 アリゾナ州立大学の研究者らはナノ銀処理されたソックスから洗い流されたナノ銀が排水路に流れ込んだ後、排水処理プロセスで生成されるバイオ固形物(主に肥料として使われる)に蓄積することを示しました。ソックスのあるものは2〜4回の洗濯後、ナノ銀の多くが無くなっており、環境中に排出されていました[9]。

 カリフォルニア大学デービス校ジョン・ミュアー環境研究所のルオマ博士は、"ひとつの製品、又はそのような製品の組み合わせが広く普及すれば、新たな製品から環境に撒き散らされる銀の量は相当な量になる。数百万人の人々が写真を現像した時に環境中に排出された銀は、環境への銀の個々のわずかな追加が大きな影響を招くことを我々に教えた。いったんナノ銀が環境中に放出されると、たとえ水生生態系に有毒であるレベルまでその濃度が上がっても、我々にはそれを検出する方法がない"と述べています[10]。

 米化学会C&EN 2010年9月21日の記事によれば、米バージニア・テクの研究者らが、公共排水処理施設に関する2009年の米EPAの調査データを調べ、全ての施設の汚泥に銀が含まれており、そこでは銀ナノ粒子は硫化第一水銀(Hg2S)に変換されているらしいことを発見したという内容です。X線透過電子顕微鏡を用いて環境中に放出された銀ナノ粒子を検出する方法を見つけた初めての研究であるとされています。バルクの硫化銀は水中では、特に銀イオンと比べると、ほとんど溶解しないが、たとえ硫化銀ナノ粒子が水を媒体にして移動することがなくても、汚泥中の粒子を摂取する動物を通じて生態系に入り込むことができるとしています。[10-1]。

 地球の友オーストラリア/アメリカ2009年6月報告書は、次のように述べています[11]。"危機意識を持つナノ毒性学者により実施された2009年の国際的な研究(EMERGNANO)はナノ粒子の毒性に関する現在の世界の研究によって生成された証拠をレビューして、'銀ナノ粒子が環境に有害かもしれないことを示唆する十分な証拠があり、従ってこの場合における予防原則の適用が考慮されるべきである'という結論を得た(Aitken et al. 2009)"。

3.2 ナノ銀のヒト健康への影響
 ナノ銀は広範な製品中で利用されていますが、ナノ銀のヒト健康に対する研究はまだ少なく、知識のギャップを埋める研究が早急に求められます。

  • ナノ銀は神経毒性として作用する可能性がある
     EHN 2010年1月21日 論文解説 「銀は潜在的な神経細胞毒素」によれば、デューク大学の研究者らは神経細胞様PC12細胞を使用して、銀イオンは細胞複写を抑制し細胞死を増大させ、神経回路形成を損ない、脳の重要な神経伝達物質であるアセチルコリンの表現型への発達を抑制すると2009年8月にEnviron Health Perspect に発表した。この影響はヒト胎児の組織で報告されている濃度より一桁低い濃度で観察されており、銀ナノ粒子が生体で神経毒性として作用する可能性を示唆するものであると結論付けた[12]。
3.3 ナノ銀の補助食品中での使用

 特殊な用途として、微小な銀成分を溶液中に浮遊させたコロイド状銀が肉や乳製品、補助食品中に使われており、ヒト健康への影響が懸念されています。国立栄養研究所の安全情報・被害関連情報2007年9月12日は「カナダ保健省がコロイド状銀製品に注意喚起」を紹介しています[13]。

 Colloidal Silver Water 20ppmというコロイド状銀で、カナダでは認可されていないが、感染症の予防・治療に用いられるとして、経口や眼、耳、鼻もしくは皮膚への使用を広告しており、インターネット等で販売されているとし、1日許容量を超える銀を摂取する可能性、及び長期に飲用すると体内に銀が蓄積し、皮膚や眼、爪が薄青い銀色に変色する、全身性の銀症が起こるなどの可能性があるとしています。

 同安全情報2007年10月10日はまた「オーストラリア治療製品局(TGA)がコロイド銀を含む製品の慢性的な摂取による被害事例を報告」を紹介しています[14]。そこでは次のような事例があげられてきます。
  • 5歳男児がコロイド銀を毎日、数ヶ月摂取したところ、肌と舌の変色と肝機能障害が見られた。
  • 高齢男性がコロイド銀を毎日、6ヶ月間摂取したところ、皮膚の変色や心筋症、記憶喪失などを伴う消耗性疲労により入院した。
  • 高齢男性が「コロイド銀発生装置」を用いて作成したコロイド銀を4年以上摂取したところ、皮膚が灰色に変色した。
  • 成人男性が自家製のコロイド銀を毎日、3年間摂取し、髭剃り後にも局所使用したところ、全身の皮膚が変色した。

 同情報は、健康食品について次のように警告しています。"最近、健康増進やダイエットを目的としたいわゆる健康食品が、インターネット等を利用して多数販売されています。その中には医薬品や未承認の薬物を含む違法な製品もあり、これらを「食品」という認識で安易に利用することには、危険が伴います。厚生労働省が健康食品に関する注意事項を分かりやすくまとめた健康食品や外国製医薬品、化粧品等と上手につきあうために(厚生労働省作成2006年版) http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail774.htmlを公開しておりますので、利用される前に一度ご確認ください。

 地球の友の2009年6月報告書[11]は、2008年12月、欧州食品安全委員会(EFSA)は、補助食品中で使用されているナノ銀ハイドロゾル(水溶液)の安全性を決定するためには証拠が不十分であると決定したとしています。

3.4 銀に対するバクテリア耐性

 抗生物質についてはすでにバクテリア耐性が広がっていることはよく知られています。銀やナノ銀についても消費者の安全志向に乗じて、膨大な消費者製品中で使用されているために、銀やナノ銀に対するバクテリア耐性が広がることについて懸念されています。不必要な用途にまで大量に使用されることにより、銀に対するバクテリア耐性が広がると、本当に必要とする医療分野での殺菌効果が得られなくなる恐れがあります。

(2021年9月22日 追加)
3.5 食品包装材/容器から食品へのナノ銀の移行

 銀の殺菌・抗菌特性を期待して、プラスチック製の食品接触材にナノ銀が練り込まれた様々な食品包装材、容器、台所用品が存在しますが、下記に示すように、食品中へのナノ銀の移行による有害影響の可能性があるとする意見と、ある条件下では有害影響を及ぼすような移行はないとする意見があります。
  • AZoNano 2021年2月4日 プラスチック包装材に埋め込まれた銀は食品中で有害なナノ粒子を形成する可能性がある[31]
  • EFSA 2021年8月9日 食品接触材料中で使用される銀ナノ粒子の安全性評価[32]
 前者の AZoNano の記事では、科学者らは ACS Applied Materials & Interfaces に発表した論文で、抗菌プラスチックに結合された銀が材料から浸出し、食品や飲料、特に甘いものや砂糖の多い食品にナノ粒子を生成させる可能性があると説明し、長期保存に典型的な条件下で、抗菌性素材で包装された甘味料入りの食品や飲料から、銀ナノ粒子の食物への曝露が可能であると結論付けました。

 後者の EFSA の記事では、食品接触材料、酵素および加工助剤に関する EFSA パネル(CEP)は、プラスチックで使用することを目的とした添加銀ナノ粒子の安全性を評価した結果、ポリオレフィン、ポリエステル、スチレン系樹脂など、水性食品や類似食品と接触しても膨潤しないポリマーにおいて最大 0.025%w/w の添加剤として使用されるなら、ECHA によって確立された食品接触材料(FCM)からの最大暴露量 0.9μg銀イオン/kg体重の一日摂取許容量(ADI)を下回るので、この物質は消費者の安全上の懸念を引き起こさないと結論付けました。

4.ナノ銀の規制

4.1 規制に関わる問題
 ナノ物質の安全管理に関わる主要な問題には、健康及び環境に与える影響に関するデータが欠如していること、法的規制がなく、安全性が確認されずにナノ製品が市場に出ていること、有害影響を監視するために必要な技術と仕組みが開発されていないことなどが、世界共通の問題として挙げられています。
 一方消費者側から見ると、製品へのナノに関する表示義務がないために、どの製品にどのようなナノ物質が使用されているのか、それはどこで作られているのか、潜在的なリスクは何なのかなど、ナノ物質やナノ物質を含んだ製品に関する情報をほとんど入手することができないという問題があります。
 しかし、上記の問題を含めてもっと包括的なナノ物質の規制と統合的管理のあり方に関する議論は別の機会に行うので、ここではナノ銀に関わる規制の問題に限定して考察します。現在、ナノ銀について規制している国は世界中どこにもありませんが、アメリカではナノ銀に関連する製品について熱い議論が行われているので、ここではアメリカの議論を紹介します。

4.2 ワシントン・ポスト紙の"EPA銀ナノ規制"報道
 2006年11月23日付けワシントン・ポスト紙は、米環境保護庁(EPA)は、予測できない環境リスクを及ぼすかもしれないナノ銀を使用した広範な消費者製品を規制することを決定したと報道しました[15]。
 今までナノ銀殺菌剤を含む製品を新たに市場に出す場合に法令に基づく審査を受ける必要はありませんでした。大量のナノ銀が排水系を通じて環境中に放出されることにより、有益なバクテリアや水生微生物を殺し、また人間にもリスクを及ぼすとして、多くの環境NGOsや専門家は懸念していたので、この報道に大きな期待を寄せました。

 一方、あるナノ専門家は、ほとんどのナノ物質は、"この新たな決定"の対象にはならないが、この動きは材料科学と医療に大きな技術的革新もたらすナノ技術に対する初めての大々的な連邦政府の規制であると評価しました。
 同紙によれば、EPAの新たな決定は、"ナノ銀の放出又は関連技術により細菌を殺すと主張する製品を市場に出したいと望む会社は、その製品が環境リスクを及ぼさないという科学的証拠をまず出さなくてはならないが、最終的な規則は数か月以内に連邦官報で告知される。また、EPAの監視は殺菌剤(germ-killing)であると広告している製品だけに適用される"としています。
 最近までナノ銀を含む抗菌剤製品を宣伝していたある通販会社は、市場に出している製品からそのような宣伝文句を全て引っ込めたとしています。
 サムソン製のナノ銀洗濯機は銀の微小帯電粒子を洗濯水中に放出することにより冷水中の衣類を消毒すると主張しているので、EPAは数年来、特別の注意を払っていました。
 しかし、このワシントン・ポストの報道より約1年前、EPAは、そのような製品(洗濯機)はネズミ捕りのようなもので、市場に出す前に審査の必要な農薬とは異なるとして、EPAの主要な規制ツールである連邦殺虫剤殺菌剤殺鼠剤法(FIFRA)の対象にはならないであろうと述べていました。
 しかし、カリフォルニアの廃水処理プラントの技術支援グループ Tri-TAC の議長は、水生生物に有毒な水が廃水処理プラントから排出されるなら問題であるとし、EPAに"銀は低濃度であっても水生生物に非常に有毒であり、ハマグリのような水生生物に生体蓄積する"という書簡を送ったとワシントン・ポストは報じています。
 他の団体からも強い圧力があり、EPAは再考することに決めました。"EPAは銀イオンの放出を対象とする。それは農薬であり、(ネズミ捕りのような)仕掛け(device)でないことは明らかである"とするEPAの見解をワシントン・ポストは報道しました。ここで留意すべきことはワシントン・ポストの報道の中で、EPAは銀イオンという言葉は使っても、銀ナノ、ナノ粒子とは言っていないことです。

4.3 銀イオン発生装置に関するEPAの官報
 ワシントン・ポストの報道の約10ヶ月後の2007年9月21日、EPAは銀イオン発生装置を殺虫剤・殺菌剤および殺鼠剤法(FIFRA)の下に規制すると官報で発表しました。EPAのウェブサイトではこの官報の内容について次のように説明しています[16]。
SAMSONG
Silver Nano
 "殺虫剤・殺菌剤および殺鼠剤法(FIFRA)の下では、(微生物を含む)害虫を捕獲し、破壊し、追い払い、または緩和するために物理的又は機械的な方法だけを使用する製品は仕掛け(device)であり、(その製造とラベル表示は規制されるが)登録の必要はない。しかし、もし製品が害虫を駆除し、破壊し、追い払い、または緩和することを意図した物質又は物質の化合物を組み込んでいるなら、それは農薬とみなされ、登録が求められる。製品が仕掛け(device)なのか農薬なのかについての決定は個別に行われる。銀イオン発生洗濯機は、衣類についている菌を殺すと主張して市場に出されている。銀そのものは他の登録済み製品中で農薬活性成分としてすでに規制されている"。

 ”最近の報道記事は銀イオン発生洗濯機をナノテクノロジー製品として言及しているが、EPAは、この製品がナノテクノロジーを使用していることを示唆するどのような情報も受けとっていない。EPAは、このタイプの装置(equipment)を登録するための申請を他の農薬と同じ規制基準に従って評価するで"あろう”。

 この最後のEPAの説明は非常に重要です。この官報が、ナノ規制に関わるものではなく、殺虫剤・殺菌剤および殺鼠剤法(FIFRA)の下でのイオン発生装置の農薬規制であることを特に強調しているのです。このことはナノサイズであるという理由ではナノ物質を規制しないとするEPAの従来の方針が明確に貫かれています。
 サムソンのカタログによれば、サムソンの銀洗濯機は"ナノテクノロジーを使用している"とはっきり記述しています[17]。

 わが国では、例えばシャープが「Ag+イオンコート 全自動洗濯機」を発売していますが、シャープの技術資料[18]によれば、この洗濯機は銀を電極とする電解装置で銀イオンを発生させているだけですので、ナノテクノロジーあるいはナノ銀とは関係ありません。しかし、アメリカでこの洗濯機は”農薬”となり、殺虫剤・殺菌剤および殺鼠剤法(FIFRA)の下に規制されるはずです。

4.4 裏付けのないコンピュータ周辺機器の"農薬"主張にEPA罰金20万ドル
 2008年3月7日発表のEPAニュースルームによれば、米環境保護庁は、カリフォルニアのATENテクノロジー社の子会社 IOGEAR社 が登録されていない農薬を販売し、その効能について裏付けのない主張をしたとして、殺虫剤・殺菌剤及び殺鼠剤法(FIFRA)違反で罰金を科して和解しました[19]
 問題となったIOGEARの製品は、ナノシールド・コーティングを施した無線レーザー・マウス、ナノ・コーティング技術によるレーザー・トラベル・マウス、及びワイヤレス RF キーボードとマウスです。EPAの連絡を受けた後、IOGEAR はそのコンピュータ周辺機器が病原菌から守るという主張を止めました。 ナノ・コーティングをしていても"病原菌から守る"と主張しなければ、このマウスは農薬ではなく、FIFRAに抵触しないという奇妙な法律です。

4.5 ナノ銀の規制強化を求める市民団体
 アメリカのNGOである国際技術評価センター(ITAC)は他のNGOsと連名で、2008年5月に、製品中で使用されている"ナノ銀"を連邦殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法(FIFRA)の下に農薬として規制するよう要求する請願書をEPAに提出しました[20]。
 請願の要点は次の通りです。
  • ナノ銀は農薬として分類すること
  • ナノ銀は新規農薬であると決定し、その登録を求めること
  • ナノ銀のヒト健康と環境に対する潜在的なリスクを分析すること
  • FIFRAの下にEPAの承認なしに違法に販売されているナノ銀を含む製品に対して厳格に法の執行をすること

 エンバイロンメンタル・ディフェンス基金(EDF)はこの請願を支持するとして次のように述べています。"ほとんど規制されることなく消費者製品中のナノ銀使用が増大していることは、特にヒト健康と環境に対する危害の可能性の組織的な評価が欠如しているので危機を感じる。銀のバルク形状は、一般的には直接的なヒトへの毒性は低いが、潜在的な抗菌特性を持ち、多くの淡水生物に非常に有毒である[21]。

 地球の友オーストラリア/アメリカ2009年6月報告書の中で次のように述べています[11]。
 "銀とナノ銀は、医療器具の表面処理、または重度火傷患者の傷の手当など医学の分野では疑いなく有用であるが、それらの使用は厳格に管理され、ノーデータ・ノーマーケットの格言は常にフォローされなくてならない"。
 "公衆、労働者、環境をリスクから守るためにナノテクノロジーに特化した規制が導入されるまで、ナノ銀を含む全ての製品に含有ナノ銀について表示されるまで、そして公衆が意思決定に関与できるようになるまで、工業的ナノ銀を含む製品を市場に出すことを直ちに中止すること"。

4.6 アメリカのナノ銀規制の動向
▼Nanotechnology Law Reportによる情報(2009年6月〜2010年10月)

 Nanotechnology Law Report 2009年6月19日の記事によれば、EPA はナノ銀を連邦殺虫剤殺菌剤殺鼠剤法(FIFRA)の下に殺虫剤として規制することを間もなく決定するかもしれないとし、またEPAは、ナノ銀の規制強化を求めて14団体により提出された2008年市民請願で提起された、いくつかの点に好意的な裁定するかもしれないと報じています[22]。

 Nanotechnology Law Blog 2010年2月9日の記事によれば、米EPAの要請に基づき、EPAの科学諮問委員会(SAP)が、殺虫剤・殺菌剤および殺鼠剤法(FIFRA)の下での主にナノ銀規制のためのナノ銀とその他のナノ金属農薬に関する報告書を発表し、次のような勧告を行ったと述べています。[23]。
  • 既存のモデルはナノ銀の評価には適切ではなく、ナノとバルクの物質を比較する追加的な分析が必要
  • 農薬製品は”1件毎(on a case-by-case basis)”にテストされるべきことに同意
  • 抗菌剤として非イオン化モード作用を主張する製品には念入りな注意が必要
  • 申請者のデータ提出にはもっと詳細調査データが必要
  • ”ナノ”という用語を明確にするためにナノ銀独特の特性が確立されることが必要
 EPAはこの議事録送付に当り、当然のことながら、この報告書の内容は科学諮問委員会(SAP)の意見であり、EPAの意見ではないと明記しています[24]。しかしEPAは遠からず、殺虫剤殺菌剤殺鼠剤法(FIFRA)の下で、何らかのナノ銀の規制を行うと思われます。

 その後の Nanotechnology Law Blog 2010年5月5日の記事によれば[25]、2010年4月29日に開催された米環境保護庁(EPA)の農薬プログラム意見交換委員会(PPDC)の会合で、農薬プログラム・オフィス(OPP)の上席顧問、ウイリアム・ジョルダンがナノテクノロジーと農薬についてプレゼンテーションを行ない[26]、殺虫剤殺菌剤殺鼠剤法(FIFRA)の下で、ナノサイズの物質は新規物質として使うことを提案し、本年6月中に官報で発表される可能性を示したと報じています。殺虫剤殺菌剤殺鼠剤法(FIFRA)の元でこのようにナノ物質を”新規物質”とみなすことになれば、有害物質規正法(TSCA)の下でのナノ物質の扱いの動向が注目されます。
 ジョルダンのプレゼンテーション資料は次のように述べています。”活性又は不活性の成分は、もしそれがナノスケール物質なら(FIFRA and PRIA)、”新規”とみなされる。同じ活性又は不活性非ナノスケール形状のものがすでに登録されていても適用される。例:ナノ銀は、銀が登録農薬であっても新規とみなされる”。

 また、ジョルダンのプレゼンテーションは、上記 4.5 で述べた国際技術評価センター(ITAC)ら14のNGOが2008年5月にEPAに対して起こした申し立て[20] に対して本年6月中に回答することを示唆しています。

▼米EPAの情報

  米EPA 2010年8月13日プレスリリース 農薬ニュース[27] によれば、EPAは新たな活性成分としてナノ銀を含むある農薬製品を4年間、暫定的に登録することを提案しています。その製品は殺菌農薬製品 HeiQ AGS-20)[28] であり、繊維製品の保存剤としての使用を提案している銀ベースの製品である。登録の決定への公衆の関与に関する新たな政策の下に、EPAは提案される登録に関する30日間のパブリック・コメントの機会を提供している。パブリック・コメントは2010年9月11日まで受け付けています。
 登録の条件として、EPAは製品の追加的な化学的特性、毒性、曝露及び環境データを求めることを提案している。これらのデータがヒト健康と環境に不合理な有害影響を引き起こさないということを確認するために暫定的登録期間中に提出されれば、EPAは評価を行なうとしています。

(2011年12月24日 追加)
 米EPA 2011年12月1日発表の文書)[29] で、スイスのHeiQ Materials社の銀製品である”HeiQ AGS-20”を連邦殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法(FIFRA)の3(c)(7)(C):Authority to grant conditional registrations, conditioned on future submission orcitation of data の下に、条件付登録を認めるとしています。EPAは、ナノ銀に関する科学的文献に基づき、人の健康と環境への有害影響を評価した結果、短期的には有害リスクの可能性は低いと判断した。また、HeiQ の製品は公衆の利益になると信じている。したがってEPAは、HeiQが登録後4年以内に中期的影響についての研究結果を提出するという条件で登録を承認すると、述べています。

(2021年2月16日 追加)
4.7 IISD-ELA(IISD 実験湖地域)ナノ銀影響研究

 IISD 実験湖地域(IISD-ELA )は世界的な淡水研究所です。カナダのオンタリオ州北西部にある一連の 58の湖とその流域からなる IISD-ELA は、科学者が実際の湖を調査および操作して、人間の活動が淡水湖に対して行っていることをより正確かつ完全に把握できる世界で唯一の場所です。そこで淡水と魚に対するナノ銀の添加の影響について、いくつかのユニークな調査が実施され、その結果は、IISD 2020年4月16日の記事で概要が報告されているので[30]、その一部を紹介します 。

ナノ銀は淡水にどのような影響を及ぼすか?
 その広範な使用と実験室での研究の結果にもかかわらず、ナノ銀が湖に入り込んだ場合、それが環境に与える影響は完全にはわかっていない。
 カナダでは銀は規制されているが、ナノ銀の使用の増加と普及、及びその後の水界生態系(aquatic ecosystems)への放出は現在規制されておらず、消費者にはほとんど知られておらず、認識されていない。

生態系への影響をどのように測定したか?
 研究者らは、バクテリアを殺すナノ銀が水界生態系の健康と動態にどのような影響を与えるかを知りたいと考えて、凍結していない季節に淡水に懸濁したナノ銀を環境相当分(62.5グラム/日)継続的に添加した。湖全体へのこれらの添加は、2年間(2014年と2015年)にわたって行われ、研究者は、ナノ銀の添加前、添加中、添加後に湖を調査し、この新たな汚染物質の運命と影響を調査した。
 研究者らは、ナノ銀が最初の添加直後に湖全体と水柱(訳注:水柱は、海、川、または湖の表面から底質への水の概念的な柱。)全体に広がっていることを発見した。湖に加えられたナノ銀の約半分は、毎日堆積物に沈殿した。この沈下と沈降にもかかわらず、ナノ銀は堆積物にしっかりと結合せず、毎年春に氷が溶けた後、水柱に再導入された。
 これらのナノ銀添加の結果は、食物連鎖の各レベル(訳注:食物網で占める位置)で混合された。細菌、藻類、動物プランクトン、底生無脊椎動物などの栄養レベルの低い生物は、短期的な影響はほとんどなく、ナノ銀の添加による影響はほとんどなかったが、魚の種では細胞、個体、及び個体群で有意な長期的な結果が観察された。

ナノ銀は魚にどのような影響を与えるか?
 銀が魚の組織、特に肝臓と鰓(えら)に生体内蓄積していることを発見した。これは食物摂取と呼吸の両方に毒性を及ぼすことを示唆している。イエローパーチ(訳注:体が黄色いパーチ類の魚、魚体重約 1kg 体長約 20cm)の摂食量と総代謝は、ナノ銀の添加中に低下し、湖全体の回復まで低いままであった。生態系規模では、パーチによる摂食量はナノ銀の添加中に減少し、湖が回復するまで抑制されたままであり、パーチの個体数は減少した。パーチ及びその捕食者であるノーザンパイク(パイク)(訳注:魚体重約 16kg, 体長約 130cm)の両方が、餌源を沿岸から沖合の獲物に移し、パイクは発育阻害をおこした。研究者が湖へのナノ銀の添加をやめた 4年後の 2015年にもパイクは組織に銀を持っていた。

これは、世界中のナノ銀の使用にとって何を意味するか?
 実際の環境に相当する(environmentally relevant)ナノ銀の添加からわずか2か月後の魚への短期的な影響、及びナノ銀の添加が停止した後でも長期的な影響の証拠がある。
 2年後に湖へのナノ銀の添加を停止したことを記憶にとどめておくことが重要である。これは、ナノ銀が多くの場所でこれまで以上に大量に水界生態系に侵入し続ける自然環境とは異なる。

世界中の政府はどのように行動すべきか?
 現在、環境へのナノ銀の放出を監視及び管理する責任は、各国政府に強くかかっている。現在のところ、欧州連合は健康への影響が不明な物質を含む製品を市場に出す際に予防原則に向かう傾向があるが、米国は影響が不明な製品の市場参入を許可する傾向がある。ナノ銀の規制に関しては、より予防的な道を取ることを勧める。

そして、消費者はどうか?
 政府が消費者製品中のナノ銀に対して措置をとるのを待つ間、衣料品中や素材中のナノ銀の膨大でますます拡大する範囲は、環境によい/持続可能な/スローファッション運動を受け入れる消費者によって対処可能である。
 購入する新しい(ナノ銀処理の)衣類の量を減らし、持続可能な倫理的なブランドを研究し、衣類をリサイクルすることで、湖の魚だけでなく、社会的および環境的基準を改善する持続可能な変化を地球規模で起こすことができる。


参照

[1] New Nanotech Products Hitting the Market at the Rate of 3-4 Per Week
http://www.nanotechproject.org/news/archive/6697/
ウッドロー・ウィルソン国際学術センターPEN ニュース 2008年4月24日 新たなナノテク製品 週に3〜4製品が市場へ ナノテク消費者製品があなたの口に、あなたの顔に
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/PEN/080424_New_Nanotech_Products.html

[2] ネクサス株式会社/ナノ銀・ナノシルバーとは ナノテクによる殺菌・抗菌剤 銀ナノ・ナノシルバーコロイド・溶剤について
http://homepage1.nifty.com/suzukinexus/6.html

[3] Enrique Navarro et al. Toxicity of Silver Nanoparticles to Chlamydomonas reinhardtii Environ. Sci. Technol., 2008, 42 (23), pp 8959-8964 DOI: 10.1021/es801785m
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/es801785m
米化学会ES&T 2008年10月1日 ナノ銀の毒性:イオンか、ナノ粒子か、両方か?
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/est/081001_est_nanosilver.html

[4] Carlson, C, SM Hussain, et al. 2008. Unique cellular interaction of silver nanoparticles:
size-dependent generation of reactive oxygen species. Journal of Physical Chemistry B 2008 Oct 30;112(43):13608-19. Epub 2008 Oct 3
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jp712087m
EHN 2008年11月21日 論文解説 銀ナノ粒子サイズが小さいほど毒性は大きい
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/ehn/ehn_081121_silver_nanoparticles.html

[5] Wenjuan Yang et al. 2009 Nanotechnology 20 085102 (7pp) doi: 10.1088/0957-4484/20/8/085102
http://www.iop.org/EJ/abstract/0957-4484/20/8/085102/
Nanowerk 2009年2月19日 食品保存材料中で使用されるナノ銀はDNA転写を阻害する
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/090219_nanosilver_DNA_replication.html

[6] 三浦伸彦、小泉信滋 労働安全衛生総合研究所 銀ナノ粒子の生体影響解析第81 回日本産業衛生学会2008.6.24-27
http://www.jniosh.go.jp/joho/nano/files/jniosh/JSOH2008_miura_abstract.pdf

[7] Environmental Health News, Nov. 17, 2009 Nanosilver in consumer products: No silver lining for fish By Gordon Shetler, Environmental Health News
http://www.environmentalhealthnews.org/ehs/news/nanosilver/
ゼブラフィッシュ胎仔における複数サイズの金と銀のナノ粒子の毒性評価(2009年8月)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/ehn/ehn_091117_nanosilver.html

[8] Ecotoxicology Volume 19, Number 1, 2010, Geoff Laban et al., The effects of silver nanoparticles on fathead minnow (Pimephales promelas) embryos
http://www.springerlink.com/content/n64u7507871r1822
パデュー大学 ニュース・サービス 2010年3月1日よく使われる銀ナノ粒子は魚に有毒であると研究が示す
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/100301_nanosilver_toxicity_in_fish.html

[8-1] Meridian on 4/16/2010 Silver Nanospheres Are Cytotoxic and Genotoxic to Fish Cells
http://www.merid.org/ndn/more.php?articleID=2561
Meridian 2010年4月16日 銀ナノ粒子は魚に対して細胞毒性と遺伝毒性がある
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/journal/2010_Apri_Silver_nanospheres.html

[8-2] Environmental Health News, Sep.1, 2010 Silver nanoparticles stop sperm stem cell growth Synopsis by Jennifer F. Nyland
http://www.environmentalhealthnews.org/ehs/newscience/silver-nanoparticles-impair-sperm-stem-cell-signals/
EHN 2010年9月1日 論文解説 銀ナノ粒子は精子幹細胞の成長を止める 解説:ジェニファー F. ニランド
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/ehn/ehn_100901_silver_nano_sperm_stem_cell.html

[9] Troy M. Benn April, 2008 Fate and transport of ionic and nanoparticle silver released from commercially available socks ES&T (DOI: 10.1021/es7032718)
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/es7032718
ES&T 2008年4月9日 銀ナノ処理のソックスは問題がありそう
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/est/080409_est_silver_socks.html

[10] Woodrow Wilson International Center for Scholars (WWICS) Project on Emerging Nanotechnologies (PEN) September 9, 2008
http://www.nanotechproject.org/news/archive/silver/
WWICS/PEN 2008年9月9日 ナノスケール銀 希望の光はないのか?
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/PEN/080909_Nanosilver.html

[10-1] Chemical & Engineering News, September 21, 2010 The Fate of Silver Nanoparticle Waste by Sarah Webb
http://pubs.acs.org/cen/news/88/i39/8839news2.html
C&EN 2010年9月21日 排出銀ナノ粒子の運命
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/C&EN/100921_C&EN_fate_of_silver_nano.html

[11] Friends of the Earth Australia & United States, June 2009
Nano and biocidal silver: extreme germ killers present a growing threat to public health
By Dr Rye Senjen, Friends of the Earth Australia & Ian Illuminato, Friends of the Earth United States.
http://nano.foe.org.au/filestore2/download/340/nanosilver-US.pdf
地球の友 オーストラリア及びアメリカ 2009年6月 報告書 ナノ銀と殺生物銀:極めて強い殺菌剤 公衆の健康への脅威が高まる (エグゼクティブ・サマリー)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/FoE_au/FoE_au_nano_silver_report.html

[12] Environmental Health News, Jan. 21, 2010 Silver is a potent nerve cell toxican
http://www.environmentalhealthnews.org/ehs/newscience/silver-is-potent-neurotoxicant/
EHN 2010年1月21日 論文解説 銀は潜在的な神経細胞毒素
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/ehn/ehn_100121_nanosilver_nerve_cell_toxicant.html

[13] カナダ保健省がコロイド状銀製品に注意喚起(070912)/国立栄養研究所の安全情報・被害関連情報2007年9月12日
http://hfnet.nih.go.jp/hfnet/contents/detail.php?no=949

[14] オーストラリアTGAがコロイド銀を含む製品の慢性的な摂取による被害事例を報告(071010) /国立栄養研究所の安全情報・被害関連情報2007年10月10日
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail958.html

[15] Washington Post, November 23, 2006 EPA to Regulate Nanoproducts Sold As Germ-Killing
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/11/22/AR2006112201979.html
ワシントン・ポスト紙2006年11月23日報道の紹介 EPA:銀ナノ粒子殺菌剤製品を規制する http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/wp_061123_EPA_regulate_nano.html

[16] EPA: Pesticides: Topical & Chemical Fact Sheets, September 21, 2007 Pesticide Registration: Clarification for Ion Generating Equipment
http://www.epa.gov/oppad001/ion_gen_equip.htm
EPA 2007年9月21日 農薬規制 イオン発生装置のための説明
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/epa/epa_070921_Ion_Generating_Equipment.html

[17] SAMSUNG SILVER NANO HEALTY SYSTEM
http://ww2.samsung.co.za/silvernano/silvernano/index.html

[18] Ag+(銀)イオンの洗濯槽除菌への応用とカビ不活化効果の検証/シャープ技報第94号・2006年8月
http://www.sharp.co.jp/corporate/rd/29/pdf/94_06.pdf#search='

[19] EPA Newsroom 03/05/2008 U.S. EPA fines Southern California technology company $208,000 for "nano coating" pesticide claims on computer peripherals
http://yosemite.epa.gov/opa/admpress.nsf/2dd7f669225439b78525735900400c31/
16a190492f2f25d585257403005c2851!OpenDocumentn

EPA ニュースルーム 2008年3月7日 EPA 南カリフォルニアの技術会社に罰金20万ドル コンピュータ周辺機器の”農薬”主張に対し
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/epa/epa_080305_fines_IOGEAR.html

[20] International Center for Technology Assessment (CTA), May 1, 2008 Legal Petition Challenges EPA's Failure to Regulate Environmental and Health Threats from Nano-Silver
http://www.icta.org/nanoaction/doc/CTA_nano-silver_executive_summary_5_1_08.pdf
国際技術評価センター 2008年5月1日 ナノ銀による環境と健康への脅威をEPAが規制しないことに対する申し立て (エグゼクティブ・サマリー)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/CTA/CTA_080501_Nano_Silver.html

[21] Environmental Defense, February 12, 2009 Regulating nano-silver as a pesticide by Caroline Baier-Anderson
http://blogs.edf.org/nanotechnology/2009/02/12/regulating-nano-silver-as-a-pesticide/
エンバイロンメンタル・ディフェンス キャロライン・バイエルアンダーソン 2009年2月12日 ナノ銀を農薬として規制する
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/e_defence/e_090212_nano-silver_pesticide.html

[22] Nanotechnology Law Report, June 19, 2009 Interesting Nano-Regulatory Developments by John C. Monica, Jr.
http://www.nanolawreport.com/2009/06/articles/interesting-nanoregulatory-developments/
Nanotechnology Law Report 2009年9月22日 EPA 農薬法(FIFRA)の下に抗菌効果を主張する製品をねらう ジョーン C. モニカ Jr.
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/090922_EPA_anitmicrobial_FIFRA.html

[23] Nanotechnology Law Blog, February 9, 2010 EPA SAP Releases Report on Nanosilver and Other Nanometal Pesticide Products by Lynn L. Bergeson
http://nanotech.lawbc.com/2010/02/articles/united-states/federal/epa-sap-releases-report-on-nanosilver-and-other-nanometal-pesticide-products/
Nanotechnology Law Blog 2010年2月9日 EPA 科学諮問委員会(SAP) ナノ銀とその他のナノ金属農薬に関する報告書を発表 リン L. バーガソン
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/100209_EPA_SAP_Nanosilver.html

[24] January 26,2010 MEMORANDUM Transmittal of Meeting Minutes of the FIFRA Scientific Advisory Panel Meeting 3-5, 2009 on Evaluation of Hazard and Exposure Associated with Nanosilver and Other Nanometal Pesticide Products
http://www.epa.gov/scipoly/sap/meetings/2009/november/110309ameetingminutes.pdf

[25] Nanotechnology Law Blog, May 5, 2010 PPDC Discusses Nanotechnology and Pesticides by Lynn L. Bergeson
http://nanotech.lawbc.com/2010/05/articles/united-states/federal/ppdc-discusses-nanotechnology-and-pesticides/
NLB 2010年5月5日 EPAの農薬プログラム意見交換委員会(PPDC) ナノテクノロジーと農薬について討議 リン L. バーガソン
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/100505_NLB_Nano_Pesticides.html

[26] Nanotechnology and PesticidesPesticide Program Dialogue CommitteeApril 29, 2010 William JordanSenior Policy AdviserOffice of Pesticide Programs
http://www.epa.gov/pesticides/ppdc/2010/april2010/session1-nanotec.pdf

[27] U.S. Environmental Protection Agency For Release: August 13, 2010 Pesticide News Story: EPA Proposes Conditional Registration of Nanosilver Pesticide Product
http://epa.gov/oppfead1/cb/csb_page/updates/2010/nanosilver.html

[28] HeiQ AGS-20 TF & HeiQ AGS-20 MB now Oeko-Tex listed
http://www.fibre2fashion.com/news/association-news/oeko-tex/newsdetails.aspx?news_id=62852

[29] EPA Office of Pesticide Programs Antimicrobials Division, December 1, 2011 Decision Document: Conditional Registration of HeiQ AGS-20 as a Materials Preservative in Textiles
http://www.regulations.gov/#!documentDetail;D=EPA-HQ-OPP-2009-1012-0064
EPA 農薬プログラム室 2011年12月1日 EPA 布製品で使用する抗菌剤としての HeiQ AGS-20 (ナノ銀製品)を条件付で登録
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/epa/epa_111201_conditional_registration_for_
Nanosilver.html


[30] IISD 2020年4月16日 ナノ銀はどのようにして我々の淡水に入り込むのか、そして我々はそれについて何をする必要があるのか
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/200416_IISD_How_Nanosilver_Gets_Into_Our_
Freshwater_and_What_We_Need_To_Do_About_It.html


(2021年9月21日 追加)
[31] AZoNano 2021年2月4日 プラスチック包装材に埋め込まれた銀は食品中で有害なナノ粒子を形成する可能性がある
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/210204_AZoNano_Silver_Embedded_
Plastic_Packaging_can_Form_Harmful_Nanoparticles_in_Foods.html


(2021年9月21日 追加)
[32] EFSA 2021年8月9日 食品接触材料中で使用される銀ナノ粒子の安全性評価
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/EFSA/210809_EFSA_Safety_assessment_of
_the_substance_silver_nanoparticles_for_use_in_food_contact_materials.html


その他参考情報

October 2, 2009 Nanosilver In The Wash Environmental Chemistry: Fate of fabric-embedded particles depends on conditions, products Britt E. Erickson
http://pubs.acs.org/cen/news/87/i40/8740notw6.html

November 30, 2009 Nanosilver Pesticides EPA addresses data gaps, prepares to register more products Britt Erickson
http://pubs.acs.org/cen/government/87/8748gov1.html



化学物質問題市民研究会
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