ウッドロー・ウィルソン国際学術センターPEN ニュース 2008年4月24日
新たなナノテク製品 週に3〜4製品が市場へ
ナノテク消費者製品があなたの口に、あなたの顔に

情報源:Project on Emerging Nanotechnologies (PEN)
News April 24, 2008
New Nanotech Products Hitting the Market at the Rate of 3-4 Per Week
Nanotechnology Consumer Products Are in Your Mouth and On Your Face
http://www.nanotechproject.org/news/archive/6697/

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2008年5月14日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/PEN/080424_New_Nanotech_Products.html

 【ワシントン】新規出現ナノ技術に関するプロジェクト(PEN)により運営されているナノテク消費者製品の最新目録によれば、新たなナノテク消費者製品は毎週3〜4製品の割合で市場に投入されている。

 現在、目録中にある600以上ある製品のうちの新製品のひとつに”ナノ粒子状過酸化カルシウム”のスイスデント・ナノホワイトニング歯磨きがある。本日行われた上院の通商・科学・運輸委員会での証言で、PENのプロジェクト・ディレクターであるデ−ビッド・リジェスキーは、店舗におけるナノテク消費者製品の急増を示すひとつの例として目録中にある9種のナノ歯磨きのうちのもうひとつエース・・シルバー・プラスを引き合いに出した。この公聴会は、ナノ技術研究開発(R&D)に連邦政府が投資する年間15億ドル(約1,600億円)の将来の方向性に関する米上院の討論の第一歩を記すものである。

  ナノ技術を使用した消費者製品の数は、PENが世界で初めて2006年に製造者がナノであると言明しているナノテク製品のウェブ上の目録を公開して以来、212種から609種に増大した。化粧品や日焼け止めを含む健康及びフィットネス製品は目録にある製品の60%を占めている。ナノテク・ダイアモンドから料理用油、ゴルフ・クラブからiPhonesまで−ナノテク製品のカラフルで探しやすいリストが下記ウェブサイトから無料でアクセスできる。 http://www.nanotechproject.org/inventories/consumer/

 PENの目録には、Hummer H2を含む35種の自動車製品がある。

 ナノスケールの銀は最もよく引用されている。それは143製品あり全目録の20%以上を占める。カーボンナノチューブとフラーレンを含む炭素は2番目に多く引用されるナノスケール材料である。その他のナノスケール材料で明示的に製品に含まれていることが示されているのは、亜鉛(酸化亜鉛を含む)とチタン(二酸化チタンを含む)、シリカ及び金である。

 世論調査によれば、ほとんどのアメリカ人はナノ技術についてほとんど知らないか全く知らないが、昨年はナノ技術は880億ドル(約9兆3,000億円)に相当する製品に導入されていた。ラックス・リサーチは2014年までに、2兆6,000億ドル(約280兆円)に相当する製品、あるいは全製品の15%にナノ技術が導入されると見積っている。2006年、全世界で124億ドル(約1兆3,000億円)がナノテクの研究開発に投資されているにもかかわらず、ナノ技術の潜在的な環境、健康、及び安全リスクの検証には相対的にわずかしか費やされていない。

 ”公衆の信頼はナノ技術の将来における不気味な存在である”と証言においてリジェスキーは述べている。”もし政府と産業がナノ技術について公衆の信頼を得るために働かなければ、消費者は将来、’ナノ不使用’のラベルを求めるかも知れず、投資家はその金をどこか他所に回すかもしれない”。

 リジェスキーによれば、”消費者製品でのナノ技術の使用と産業への適用は急速に成長しており、PENの目録に挙げられている製品は氷山の一角である。真のそして知覚されたリスクについての公衆の認識は大きな経済的影響をもたらす。食品、電子機器、健康関連、衣類、車などにおけるこれらの初期製品に消費者がどのように反応を示すかは、将来、より広い市場がナノ技術を受け入れるかどうかのリトマス試験紙である”。



化学物質問題市民研究会
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