2013年07月28日(日)-8月4日に画像と文を追加-
「手仕事File:PAIL SHOP
桶屋」
|

へぎ重

盛器
|
秋田タウン情報 8月号の「秋田手仕事File」に、PAIL SHOP
桶屋の清水さんの記事を書かせていただきました。清水さんの作る桶は、箍(たが)の無いデザインが特徴です。天然秋田杉製の桶製品は、すっきりしたフォルムとデザインの自由さが感じられます。そしてもうひとつ、「へぎ目」という独特の表現があります。上の2点の器の側面もへぎ目で仕上げられています。
|

|
この画像は、フタの部分のアップですが、へぎ目の独特の凹凸がわかりやすいと思います。へぎ目はナタで割って作られるのですが、木工をやったことのある人ならば、それがどれだけ難しい技法か想像していただけるのではないかと思います。独特のへぎ目の表情と、磨かれた木目の表情のコントラストが、なんとも言えず美しいですね。
|

|
桶作りは、小さな部材を組み合わせて、円や楕円の容器を作るために特化された技術ですが、若い人の中には、もしかしたら桶の構造を知らない人もいるかもしれません。仮組み用の針金の中に、部材を並べて形を作る様子ですが、これをご覧になれば、桶の構造がわかりますね。それぞれの部材のはぎ目の角度が正確に作られているのです。ちなみにこの画像の作品は、東京のエステサロンで使われる足湯桶の試作とのことでした。
|

|
実は、私は子供の頃から桶が形になるのが不思議でなりませんでした。だって、細い棒が大きな桶になるのですもの。角度を合わせるのも難しそうで・・・。そのことを話すと、清水さんが自作の木製コンパスで製図してくださって、基本的な考え方を教えてくださいました。なるほど!!
自分でできるかと言えば、おそらくできないだろうと思いますが、子供の頃からの謎が少し解けてうれしかったです。
|

|
桶作りに欠かせないのが、曲面を削る道具です。何丁もの特殊な鉋が使われていました。同じ曲面を削るにしても、荒・中・仕上げと3丁の鉋が必要な場合もあり、道具の仕立てだけでもかなりの手間がかかりそうです。センなども使われますし、道具の使い方や手入れ法について、詳しくお尋ねできればよかったのですが、今回はゆっくりとお話を伺うことができませんでした。また機会があればいろいろ教えていただきたいと思います。
|

|
仕事場はとても素敵な建物でした。その壁に大きな桶が掛けられていました。その場では、この大きな作品について教えていただかずに帰ってきてしまったので、後日電話でお尋ねしたところ、これはテーブルの試作品なのだそうです。直径は約85センチ。大きいですね。
清水さんは、コップやお重や水差しなど、様々なものを製作されていますが、下の写真のようなスツールなどのインテリアも製作されています。桶の技法は応用の幅が広く、いろいろな物を作ることができるのですね!!
|

スツールの穴の中、何が入っているかな?
|
|