以前書いたブログ「TUZIE-珈琲を一杯」の記録です。
TUZIE
辻永クラフト工房

TUZIE-珈琲を一杯
トップページ
一窓店舗 工房・教室 リンク
革物作り入門 工具について
革と福祉
メール
-TUZIE-

TUZIE-書庫トップへ





TUZIE-珈琲を一杯2012-02


2012年6月24日日曜日
「ポール・バーネットさん」


 協進エルのニュースに、上の画像の左の冊子が載っていて、表紙の模様の細工が見たかったのと、ポール・バーネット(Paul Burnett)さんらしき写真が表紙に載っていたので、ポール・バーネットさんの記事を期待して、この表紙の号を早速取り寄せました。

 ところが、ポールバーネットさんの記事は、2月にお亡くなりになったという追悼文でした。お亡くなりになったことを、記事を見て初めて知りました。私は詳しくは存じあげないのですが、独特のセンスをお持ちで繊細な仕事をされていた方だったのではないかと思います。

 画像の右側は、古いスタンピングの参考書ですが、上の黒い表紙は共著で、下の赤い表紙は著者として、ポール・バーネットさんのお名前があります。私が知る限りでは、最もセンスの良いスタンピングの参考書でした。

 Painting Cow.com というポール・バーネットさんのサイトがあり、このサイトではより新しい参考書なども紹介されています。様々な技法の作品も見ることができます。

 ポール・バーネットさんの著書「Pictorial definition, the fine art of leather carving」という本を、若い頃お金が無くて買いそこねたのをずっと後悔しております。廃盤になっている本ですが、いつか入手したいと思いながら、年数が経ってしまいました。

 革を始めた頃から、お名前を目にしていた方でした。思いがけずに、訃報に接してしまいましたが、ご冥福をお祈りいたします。


/////////////////////////////////


 工具の話に一区切り付けてから、地元のご近所記事などを連続して書いてまいりましたが、これからは1〜2週間に1度程度のペースで、ブログを更新する予定です。




2012年6月24日日曜日
「古地図」



 ぼやっとした画像ですいません。今の千秋公園、昔の久保田城のあたりの古い地図です。県立図書館の貴重資料がネットで公開されていて、その資料を加工して文字などを書き加えました。1828年頃の「羽州久保田大絵図」という地図だそうです。

 上が北の方角になります。現在の当工房は、内堀のあたり、ほぼ城の入り口のような位置に当たるようです。工房のすぐ前には、「穴門跡」という標柱が立っています。

 お堀には、現在北高があるあたり、あるいは工業高校のあるあたりから、取水していたのでしょうか。北高のあたりが中島町という由来が、この地図を見るとよくわかります。

 いまの駅前のあたりには、大きな水色がありますので、ここは大きな池だったのでしょうか。中央地下道の工事は、軟弱地盤にかなり無理をして行ったようなのですが、昔から水場だったのですね。

 このところ、千秋公園の水環境のことなどを何度か書きながら、歴史がどうのこうのと偉そうなことを書いてしまいましたが、実は自分では何も知らなかったりするので、せめてもと思い、昔のお堀の配置や水の経路などが、多少なりともわかる資料を探してみました。

 現在は、取り残された堀の跡が孤立してしまい、水環境の荒廃につながってしまったのがよくわかりますね。やはり、水の流れが必要ですね。


大きな地図で見る

以下、6/25追記

 秋田市環境基本計画の平成24年度版のpdf資料が公開されていました。序文的な部分の一部コピーです。以下の理念は、以前から唱えれていたもののようです。


/////////////////以下引用/////////////////


【環境都市あきた宣言の理念】

1 清らかな水とさわやかな空気のもと、健やかなくらしを守ります。
1 多様な自然をとうとび、身近な緑に親しみ、豊かな心をはぐくみます。
1 知恵と工夫で、限りある資源とエネルギーを大切にします。
1 世代や地域を超えてともに語らい、環(わ)となって取り組みます。
1 一人ひとりが秋田を知り、地球に学び、未来を想い、行動します。 


////////////////以上引用/////////////////


以上の5つの理念の中の1番目と2番目についての解説部分を以下に。


////////////////以下引用//////////////////


基本目標①
清らかな水とさわやかな空気のもと、健やかなくらしを守ります。

市民が健康で安全に暮らせることが必要です。
人の健康の保護と安全の確保にとどまらず、環境面での安心の確保をめざします。

● 本市は、全国的にみても、大気や水など汚染の少ない良好な環境を維持していますが、 先に市が実施した環境に関する市民アンケートの結果では、将来の秋田市の望ましい環境像として「公害のないまち」が 45.8% と第 1位にあげられています。こうしたことから、大気環境と水環境を良好な状態に維持し、一層の向上を図るための取組を推進します。

● 事業活動はもとより、日常生活の中においても、様々な化学物質が取り扱われており、 各種法令等による指導や規制を行うことにより、人の健康の保護と安全の確保を図ります。

● 都市・生活型の環境問題に対応するため、市民ニーズの変化の把握に努めながら、騒音や悪臭などの防止を図り生活環境の保全に努めます。


基本目標②
多様な自然をとうとび、身近な緑に親しみ、豊かな心をはぐくみます。

自然の浄化能力・再生能力が適切に発揮され、生態系が健全に維持されていることが必要です。

人間も生態系の一部として、自然から多くの恵みを受けていることを認識して、人と自然との健全な共生をめざします。

● 本市の豊かな自然は、良好な状態で将来に引き継いでいくべき市民共有の財産です。市民ニーズにも配慮しながら、自然の適切な保全と活用を図ります。

● 市域面積の約 8割を占める農地や森林は生産機能に加え、水資源の涵養、災害の防止、景観の形成など様々な公益的機能を持っており、これらの機能を持続させるための取組を推進します。

● 市民が気軽に利用できる公園の適正配置や歴史的景観の保全、都市河川の親水性の向上など、身近な水辺や緑の創出についても検討し、都市の発展の方向と調整を図りながら、人と自然が健全に共生していくための取組を推進します。 市民が健康で安全に暮らせることが必要です。 人の健康の保護と安全の確保にとどまらず、環境面での安心の確保をめざします。


//////////////////以上引用//////////////////


 まったくその通りで、素晴らしい理念です。この通りにしていただければ、街の中心部であり、秋田市の歴史的な顔とも言えそうな千秋公園の水環境など、すぐに良くなることでしょう。





「御隅櫓(おすみやぐら)」



 千秋公園の御隅櫓(おすみやぐら)という建物です。平成元年に造られたそうです。久保田城や佐竹藩の資料などが展示されています。最上階に行くと、市内が一望できます。ちなみに、入場料は100円かかります。ジョギングや散歩中で、小銭も持っていないのに天気が良い時などには、無料だったら景色を今すぐ見たいのにーと思ったりすることもあります。


 公園の近くは、マンション街と言ってもいいくらい、マンションが多いところです。これは、南西の方角。もう少し風情のある景色があれば良いのにと、少々残念です。画像のマンションが立ち並ぶ向こう側には川が流れているので、川沿いの土手が望めるような感じだと、良い雰囲気だったのでしょうね。もっとも、川沿いの土手というのも、実際には無いのですけどね。でも、水のある景色が見えると気持ちいいものですよね。

   360度どの方角も展望できますが、北側は山のある方角になり、東側と南側は、樹木などに遮られ、公園の外の景色はあまり見ることができません。


 ミニチュア風に撮影したら、こんな感じでした。遠くに日本海を望む、西の方角です。夕日の撮影会でも行えれば良さそうな感じですが、閉館が午後4時半と早いので、一番きれいな景色は見られません。残念ですね。夕日のきれいなスポットで宣伝できそうなものですけど・・・。でも、日暮れの早い季節には、もしかしたら夕日が見られるかもしれませんね。

   テレビ番組などに、ここからの映像が使われることがあるそうです。秋田市内ではかなり見晴らしの良い所だと思います。


 急な屋根の上には、命綱用と思われるリングが取り付けてありました。なるほど!と関心した次第です。だって、こんな屋根の上を見ることって、普段は無いですもの。

 こういうメインテナンス対策を見ると、何故かほっとします。




2012年6月24日日曜日
「表門」


 千秋公園や水環境のお話は前回で一応終わったのですが、身近な画像がどうしても多いので、今回も公園の画像です。

 千秋公園の階段を登り切ったところにある、本丸の入り口に当たる表門です。たぶん、10年くらい前に造られました。以前は、階段を登り切ると、広い空が出迎えてくれる感じで好きだったのですが、門ができて空の出迎えは無くなりました。階段の間口も狭くなってしまいましたね。

 屋根の雪が落ちるので、冬季は通行止めになります。門を造って道が通れなくなるなんて、支離滅裂な感じですね。それとも、門の本来の機能と言えば良いのでしょうか。夜にライトアップされているのですが、そのライトアップをやめて、公園の暗い部分にもう少し明かりを増やしたり、冬季の表門の融雪に電気を使えば良いのにと、一人勝手に思っています。


 表門のすぐ下の場所です。ここには、昔は秋田蕗が植えられていました。私も子供の頃からなんて大きな蕗なんだろう思って見ておりました。城跡公園の整備ということで、秋田蕗は撤去されてしまったのかもしれませんが、秋田独特の物を見ていただくという意味では、千秋公園で秋田蕗を見ることができたのは、とてもいいことだったように思います。

 もしかしたら、何億円も掛けた門よりも、自然な驚きがあったかもしれませんね。どうでしょう、また秋田蕗を見られるようにしてみては。




2012年6月21日木曜日
「かたつむりスクロール」


 ゼンマイみたいな、くるくるの芽は、毛だらけのことが多いみたい。


 中には、葉っぱの子供がこんなにたくさんあって、かわいらしいのもある。


 そんでもって、かたつむりが生えているのも、あったりする。こんな形は考えたことも無かったけれど、自然ってすごいな。かたつむりスクロールが、有りなんだな。




2012年6月20日水曜日
「公園の桜」


 ちょっと季節外れの桜の写真です。4月に撮影したものです。工房近くの千秋公園の桜の頃は、ほかにもきれいな花がたくさん咲き始めますし、嫌な虫もまだ少ないので、気持ちの良い季節です。


 ただ、心配なのは、桜の木の状態です。この木は幹が腐り、樹皮がかなりの部分ありません。

 この木も幹はぼろぼろです。


 幹が空洞になり、空が見えます。このように痛んだ桜が公園には多いのです。


 こちらの桜もそうです。やはり、幹は腐れて、表面は苔むしています。


 こちらはどうでしょう。やはり幹が空洞になり、穴から向こう側が見えています。この状態になってからでは、樹勢の回復は無理ですね。朽ち果てようとしているように見える桜は、公園内に他にも何本もあります。(桜以外の樹種でも、虫に食われたり幹が朽ちつつある木はあります。)

 公園の桜はソメイヨシノが多いようなのですが、ソメイヨシノは接木などで増える植物で、種から芽が出て増えていくものではないのだそうです。そのため、全国のソメイヨシノは、単一の遺伝子から生まれものと言えると言う事が、ネットで読んだ記事には書いてありました。

 病気などには強くない樹種だそうですし、一般的には数十年で樹勢が衰えることが多いようです。寿命は80年ほどという話を、以前ラジオで聞いた記憶があります。手入れによっては、もっと長生きするらしいのですが、少なくとも千秋公園の痛んだ桜は、もはや手遅れの状態なのではないかと思われます。

 根からは、ほかの植物の成長を妨げる物質を出すそうで、同じソメイヨシノでも、その土では次の木が育たないのだそうです。木の更新には土から入れ替える必要があるという事も書かれておりました。

 いい状態を保つのが、難しい樹種なのだなと思いましたが、幹が腐ってきて朽ち果てようとしている木を、いつまでもそのままにしておくわけにはいきませんね。

 まだ生きている木を、他の木に替えるのは抵抗を覚えることだとは思うのですが、朽ち果てようとしている木ならば、早めに手を打つのも一つなのではないでしょうか。

 朽ち果てそうな木を見て、頑張って生きているなと思うよりは、この姿で放置しているのが、かわいそうな気持ちになります。超高齢化の秋田といえども、桜は若々しくしても良いのにという気がいたしますね。

 千秋公園は自然の山ではなくて、人工的に造られた公園でありますし、観光スポットとされている場所ですから、もっと積極的な対策を取っても良いように思います。桜の木を更新していくのか、あるいは、ほかの樹種を導入するのか・・・・・。選択肢はいくつかあるのかもしれないですね。


 さて、これは公園の隅のほうにある、桜の大木です。中は腐ってきているのではないかと思うのですが、まだ元気な姿を見せてくれています。このような木には、できるだけ長生きできるような手を施す甲斐があると思うのです。花見の時に、人が大勢来る場所ではないので、踏みつけられて痛むことが少ないのかもしれません。大事にして欲しい木です。


 こんな表示板もありました。千秋公園には、「さくら名所100選の地」という肩書きもあったのですね。ソメイヨシノの管理は、全国で問題になっているようなのですが、千秋公園も、この表示板にふさわしい桜の状態を維持・管理していくことができるのか、大変難しい時期になっていると思われます。



 一部では、樹勢回復試験が行われているようなのですが、この状態になってから数年、進展があるのかどうか、私にはわかりません。素人目には、手遅れに見える木が多いというのが、私の実感です。

あの枯れ果てそうな桜たちをどうするのか、専門家の監督のもとで良い方法を探り、対策を実施していただきたいものと願っております。




2012年6月19日火曜日
「近所の池」


 近所のことを、短期集中で3回ほどの予定で書きます。

 画像は工房から徒歩1分以下の距離になる池です。千秋公園の入り口に当たる位置にあります。私は最近は池と言うようにしていますが、通称はお堀です。昔の城の掘の跡なのですね。周囲には黄色のショウブが咲き、池の中には蓮が咲き、一見きれいに見えるかもしれません。


 最初の画像の中央付近、池の中の蓮の群生をよく見ると、その真ん中になんとショウブが咲いています。水の中に? いえいえ、水がほとんど無いからなのです。


 池に水が流れ込むところは、このようになっています。ほとんど水は流れ込んでいないのですね。もはや池とも言えません。沼か湿地です。池の周囲のヨシ?は以前は無かったのですが、夏場に一番水が少なくなる頃には、池を人の視線から隠してしまうほどになります。そして今では、水のない池の中央部にも生えています。


 池の排水口のところは、こんな状態です。干上がって来ているようです。雨が降っても、この様子はあまり変わりませんので、水がどこからか抜けていると考えるのが妥当かもしれません。ここから徒歩2〜3分の広小路沿いの池の真下あたりでは、地下の大工事が行われて、自動車専用の中央地下道が造られました。この工事は、実は軟弱地盤に無理をして行った工事です。

 その工事の頃から水位の低下が顕著になりましたので、その地下道工事の影響もあるのかもしれません。もしかしたら地中で水がダダ漏れ状態になっていて、広小路に面した池(堀)と、この池の水位のレベルが合っているのではないかと思ったりもします。水や土砂が地中で動いている可能性はないのでしょうか?万が一にも、道路が突然陥没するようなことがなければ良いのですが・・・。

 私が思うには、この池はもう半分以上死にかけています。水も汚くて、暑い季節には臭いがします。水質は最悪です。ヘドロがたまり、木の棒を挿すとぼこぼこと泡が立ちます。あと数年放っておけば、堆積物と水の減少によって、池でさえなくなるでしょう。これが、一応観光地とされている、千秋公園の入り口あたりの様子です。

 他にも似たようなの池はありまして、千秋公園に隣接する秋田県成人病医療センター・秋田県立脳血管研究センター・秋田県総合保健センターという、県を代表する医療・保健・衛生などに関係すると思われる施設の前にも、2つの池があります。その池もまた汚くて死にかけた池のように見えます。きれいな水環境があれば、これらの医療・保健施設にもぴったりなのに、汚い水で残念です。

 実は、その池の1つでは、水の浄化試験らしきものが行われているのですが、堆積物で水位が浅く水も汚くて、その効果は私の目には全くわかりません。正直なところ、意味のある試験には見えません。やはり、池としての限界を迎えつつあるように見えます。

 ちなみに、千秋公園のこれらの池(堀)のどれかはわからないのですが、ゼニタナゴという絶滅が危惧されている淡水魚の、北限の生息地だったそうです(つい過去形で書いてしまいました)。秋田の自然の豊かさを象徴するとか、保全しなくてはならないとか、ネット上にお役所のいくつかの文書が散見されます。でも、池は今このとおりです。まだ、ゼニタナゴは生息しているのでしょうか。

 モリアオガエルなどもおりますし、もっときれいに保てば、良い空間になると思うのですが・・・。カモも毎年ここで産卵し子育てしますが、ここまで水が少なくなり、堆積物が土と化してくると、それも難しくなるかもしれません。カラス・ネコ・ネズミ・ヘビなど、子育ての邪魔をしそうな生物は公園にもおりますので、水が少なくなると、危険も高まるのではないかと心配です。数日前は、カモの断末魔なのではないかと思うような、カモの鳴き声も聞こえてきましたし・・・。今年もカモの親子の姿はみられるのでしょうか。

 池は、このようにとても残念な状態で放置されております。貴重な生物がいるかもしれない池の生態系は、無残に変わってしまいました。最近流行りの「エコ」という言葉は、エコロジーすなわち生態学ですから、こういった生態系に配慮するという意味でしょうし、単に省エネということではないはずなのですが、これではエコポイントゼロですね。

 工房のそばの池も、昔は水が澄んでいたんです。昔見た、水底のエビの姿を、今も忘れません。でも、数年前まではたくさんいたアメリカザリガニでさえも、今はほとんど姿を見かけなくなりました。

 このまま池をつぶして駐車場か広場にでもするのか・・・。そんなことを真剣に考えてしまう、池の現状です。


/////////////////////////////////////////////


 千秋公園は、秋田市内の代表的な観光スポットということになっているのですが、その入口にある池の状態は、本当にひどくなってしまいました。私個人としては、池の水を見るのは嫌いですし、わざわざ人にお見せしたいとは思いません。池のこの有様というのは、恥ずかしいことだと思っています。史跡として誇りに思う気持ちを持つのも難しいことです。ですから、お堀と呼ぶのはやめて、池と呼ぶことにしました。

 あまりの水の汚さに、子供たちには池にあまり近づかないようにと、小さい頃から何度も話してきました。観光スポットとして、自信を持って人をお招きすることなど、到底出来そうにありません。

 また、公園内はヒトスジシマカが毎年大発生します。解説を探して読んでみると、感染症を媒介することがあり、湿疹なども起こすそうです。感染症についてはよくわかりませんが、刺されるとひどく腫れてかゆいですね。蚊が多い季節には、ゆっくり歩いていられないほどに、すぐに蚊が集まってくるのですが、水環境の悪さも影響しているのではないかと想像しております。観光スポットとしても、決して良いことではありませんし、衛生の問題としても考えるべきことかもしれませんね。(カラスの大群も住み着き、時間や場所によっては、散歩していても気味悪く恐いと感じる時があります。)

 水環境については、もう保全というには手遅れの状況と言いますか、新しい環境を作る手立てを人が考えるしかないように思えます。近くの旭川の水を引き込んで、水の流れを作るしかないと思います。昔の堀にどのように水を引き込んでいたのか、歴史的な考察も必要だと思いますが、何かいい方法があるはずです。千秋公園を繰り抜いた、千秋トンネルを造ったあたりが、水環境破壊のダメ押しだったように思いますので、人の手で何とかするしかありません。

 今でも、千秋公園のはずれのほうには、昔の配水場の痕跡があります。千秋公園に揚水して水を流すのも、歴史的な整合性があるように思いますので、一法かもしれません。

 導水が実現すれば、箱物や道路造りから、環境を優先した街づくりに、お金の使い方もちょっと変わるということにもなりますので、街づくりの考え方自体も変わるかもしれませんね。(導水にあたり、地下道絡みのトラブルだけは心配です。)

 水のデザインは、街や人の根幹に関わるものですから、水環境は一日も早く良くなってほしいです。




2012年6月17日日曜日
「かぼちゃソフトクリームの花」


 かぼちゃソフトクリームみたいな黄色い花のつぼみ。可愛らしいですね。たくさん花を付ける植物で、家の裏や千秋公園のいたる所にありました。かぼちゃソフトクリームの大安売りみたいですが、一口で軽く10個は食べられるサイズです。


 このような花が咲きます。春の明るい気持ちにぴったりでした。そう、撮影したのは、だいぶ前なのです。

 「何やら写真館」というブログのラベルを作りました。その時々気の向いた写真を載せてまいります。全然タイムリーじゃない、季節を無視した写真も多い、そんな写真館になる予定です。




2012年6月16日土曜日
「新旧美術館」


 工房から歩いて3分くらいのところにある、県立美術館です。平野政吉美術館という、個人のコレクションを展示する美術館と、ひとつながりの建物です。なかなかユニークな建物です。

 この美術館も、間もなくお役御免となります。


 歩いて1分ほどの所に、新しい美術館が建設中です。池の向こうの横長の長方形に見える建物がそうです。この一角は、日赤・婦人会館跡地と呼ばれて、10年以上放置されていた土地でした。以前にもちょっと書いたことがあります。

 150億ちかいお金を掛けた開発なのですが、美術館・商業施設・公共施設・住居棟などが作られているそうです。でも、完成する前から、漠然としたがっかり感があります。街に箱物ができて、小綺麗になって、そして寂れていく。そういうおかしな構図がまた繰り返される不安感でしょうか。

 公共施設の呼び名は、なんだか理解しがたくて、「Au」と書いて「あう」だそうです。エーユーかエヌティーティーソフトバンクから、何か言われそうな名称ですね。確か「にぎわい交流館」と書かれていたので、そのまま「にぎわい交流館」と言えば良いのに、変な名前を付け過ぎですね。本来の名前の大切さを損なうことが多いと感じますし、こんなワンパターンは止めれば良いのにと思います。「広小路のにぎわい交流館」で問題は無いはずなのですが、押し付けがましい愛称を付けたがる人が、どこかにいるのでしょうね。

 2014年に国民文化祭という行事が秋田で行われるらしいので、それまではきっとイベントなどを一生懸命にやって、賑やかさが演出されるかもしれません。行事に合わせて、隣接するホテルに皇族の方がお泊りになられる時には、街の活性化の例としてこの開発を説明するのだろうなと、そんな場面も想像しています。

 私の所からは最も近い食料品店ができることになるので、便利に利用できれば良いなと思っています。そして、いい意味で裏切ってくれる施設だとうれしいですね。間もなく、7月上旬にはオープンする施設もあるそうです。すこしでも有効に活用される場になってくれると良いですね。


/////////////////////////////////////////


 ところで、私の「妄想開発事業」では、ここは、広い緑の広場があって、その周りに2階建てくらいの背の低い商業施設を作り、商店街的に歩いて過ごせる空間になっておりました。余裕のある空間と低い建物の組み合わせは、デザインが自由になる部分が多く有りますね。

 竿燈祭りの時の昼竿燈は、この緑の広場で上げるとかっこ良いのではないかなと思い、リアルな情景を思い描いておりました。アスファルトの上の竿燈よりも絵になりますよね。2階建ての建物の屋上まで幅広の階段のある部分があって、イベントの時のちょっとした観覧席にもなります。屋上も便利に使っちゃいますよ。(階段下の店舗は家賃を安くして、若者がチャレンジしやすい物件にしますよー。)

 それから、曇りでグレーが多い秋田の空の下でも、明るい気持ちにさせてくれる建物の色が良いですね。建物の色は、グレーは嫌なのです。子供心をワクワクさせる、そして大人は明るい気持ちになる色が良いなー。緑の広場があれば、色もちょっと冒険できますね。

 環境面では、千秋公園の周囲の5つの池(昔の城の堀跡)をつなげる水路を作り、旭川から導水して、隣接する池も一度底をさらってきれいにします。何せ、千秋公園の周囲の池は、超汚いのです。放置されているのが信じられないくらいに。(過去にも導水の計画があったような気がするのですが、実現はされていません。)

 水は、千秋公園に揚水してから流すという手もありますね。昔は配水場が千秋公園にあったそうですから、歴史的にも違和感のない構想になります。最短距離で旭川から取水・揚水すれば、費用も抑えられるのではないでしょうか。千秋公園は蚊の発生が多くてゆっくり歩いていられないのですが、公園内の水環境も整えて蚊の発生も抑えます。水は街の顔っていう気がしますし、水のデザインって大事ですよね。昔から、街も田舎も水のデザインがあってこそ存在しているわけで、水のデザインは人の生活の根幹とも言えそうです。(使われていない工業用水も、たしかたくさんあるので、それも使えるかも。)

  秋田市の中心街区は古い街を捨ててしまったので、商店街的な空間の再構築が必要だと思っております。また、今後も続く超のつく人口減少と高齢化の中でも継続して使うことのできる、低投資で維持することができる、環境にも悪影響の少ない街のデザインが必要なのでしょう。従来型の箱物造りをしいる場合では無いような気がします。例えば、秋田を訪ねてくれる人が、秋田に来た時に何かを感じてくれる街って、きっと箱物で構成された街ではないんですよね。

 妄想だけなら私にもできるけど、リアルな街のデザインって、誰の仕事なのでしょう? おそらく、立派な青写真がどこかで作られているのでしょうね。でも、あんまり立派じゃないデザインが、これからは必要なのかもしれません。




2012年6月9日土曜日
「工具の記事これにて終了」


 この画像は、磨き用のヘラなどを適当に並べたものです。木・樹脂・ガラス・骨・角・セラミックなどの素材が混ざっていますが、細かく分けると15種類くらいの素材がありそうです。それにしても、何故?と思うほど数がありますね。もちろん、全部使っているわけではなくて、ふだん気に入って使っているのは、この中の一部です。

 市販品を購入してそのままの物も何本かありますが、ほとんどは何らかの加工をしたか作ったものです。適当に作ってみて、良ければ使うし、ダメなら出番がない。そんな道具作りをしてきた証拠写真のようなものです。無駄な時間を使ってきたとも言えますので、これからは本当に必要なものだけを作るようにしたいと思っています。


//////////////////////////////////////////


 さて、サイトやブログに、工具についての記事を今までたくさん書いてきましたが、今回の記事を一つの区切りといたします。市販の工具などについては、紹介記事を書くことがあるかもしれませんが、私なりの工具作りや工具の仕立て方についての話は、今回で終了です。

 私が工具の記事を書き始めた10年ほど前には、まだまだレザークラフトの工具の情報は少なくて、販売されている工具にはお粗末な物もありました。また、工具についての要望があっても、業者にまともに取り合ってもらえることは皆無でした。今と比べても閉鎖的な業界でしたし、首を傾げたくなるような工具もありましたので、「それなら俺が好き勝手に書いてやるー」という気持ちもあり、工具について自分なりに書き始めました。

 私の工具記事の書き始めには、業者に対する反発心のようなものもあったということなのですが、その先には、業界の工具の平均値の向上という密かな目的もありました。それは、一人勝手な思い込みではありましたが、ネット上に自由に書くことができるという事は、誠に画期的なことでありました。

 それから、私は若い頃にはとにかくお金が無かったので、その頃からの屈折した心理なのか、高価な工具があまり好きではありません。現在は、高価な工具についての情報が以前よりも多くなっていますが、私と同じように、工具を買うお金に苦労する人も中にはいるのではないかと思い、そういう人への隠れメッセージを、工具の記事には込めていたつもりです。

 高い工具が良いものばかりとは限らないし、自分で工夫すれば技術や知識も広がるし、やり方はいろいろあるよということを言いたかったのです。そんなことで、私はいまだに工具のブランドなどには無知なままですが、それで困ることはありません。困っていることといえば、いまだに工具を買えないひがみ根性がそのままで、定評のある道具にもなかなか手を出す気にならないということです。(良い工具がたくさんあることは、わかってはいるのですが・・・。)

 工具の記事には、私のショップで工具類を購入してくださるユーザーへの情報提供という意味合いも強く、業務としては、そのためにネットに工具の記事を書いていたと言っても良いかと思います。今でも、工具を購入してくださったユーザーへの説明の代わりに、ネットに書いた記事を便利に利用しています。

 以上のようなことで、意識的に工具の記事を多く書いてきましたが、近年は男性ユーザーも増えて、レザークラフトの工具の情報が以前よりも豊富になりました。私の工具の話もそろそろやめる潮時だと思いながら、なかなか区切りを付けられずにいたのですが、書き始めてちょうど10年になりますので、今年はちょうどいい節目だと思いました。


//////////////////////////////////////////



 では、私なりの工具の記事最後の画像です。何回か前の記事で書いたベルトのスタンドですが、記事を書いた後に思いついたことがあって、少し仕様変更しました。

 ベルトの幅に対応するためのスペーサーを使う時に、スペーサーがスタンドから外にずれてしまうことがあったので、スペーサーのストッパーになる小さな部品を取り付けました。ベルトスタンドの初代と2代目の構造は、スペーサーが必ず固定される構造だったのですが、3代目と4代目のベルトスタンドには、新たな機能を追加した反面、スペーサーを固定する機能がありませんでした。今回のちょっとした部品の追加で、固定とまではいきませんが、ずれ防止はできるようになりました。使わない時には、横に回しておけば邪魔になりません。

 このような感じで、簡単にできる細かい改良は、思いついた時にちょこちょこと行なっているのであります。ちょっとしたことに気がついて小さな部品を付けただけですが、こういうのがけっこう楽しかったりします。

 では、私の工具の記事はこれにて終了です。工具について紹介した記事や画像の中には、私なりの各種の工夫や裏技的なものもありましたが、それなりの情報量で公開したつもりです。

 長らくお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
 ブログやサイトの運営はまだ続ける予定です。
 しばらくは、ご近所写真ブログにでもなるかもしれません。




2012年6月8日金曜日
「ブレードの片側をつぶす」


 デコレーションカットの時に使っているブレードです。刃の片側をつぶしてあります。すぐに意味のわかる人もいらっしゃることでしょう。

 カービングをして革に凹凸ができると、スイヴェルナイフでカットするときに、切る刃の反対側で革に傷を付ける失敗が増えます。特に革が厚くなると凹凸も深くなり、失敗の可能性が高まります。そういう、思わぬ失敗には、がっかりしますね。

 スイヴェルナイフを持つ角度である程度の対応はできますが、傷を付ける反対の刃をつぶしておけば、より簡単に失敗を防ぐことができます。前回の記事に書いたアングルブレードにも、同様の効果は期待できますが、私は平らなブレードでのカットに慣れているので、ブレードの片側をつぶしているのです。

 片側をつぶす。単純ですが合理的な加工だと思っています。
 ま、下手なりの工夫ですね。




2012年6月7日木曜日
「アングルブレード」


 アングルブレードの画像です。私は、アングルブレードは使いにくいと、長年の間思っていました。その考えを改めたのは、昨年のことです。革をはじめて30年。アングルブレードを使ってみた時間は、ほんの数分程度だったかもしれません。ちょっと使って、すぐ使うのをやめていたのです。お恥ずかしい話です。

 個人的には、なんて使いにくいブレードなんだろうとずっと思っていたのですが、研ぎ方を変えてみたところ、格段に使いやすくなりました。

 その研ぎ方が、画像のような研ぎ方です。刃の先端に丸みを付けて研いでいます。市販の状態のように尖っていると、私には使いにくく感じました。以前、廻し切り包丁を布川刃物の布川さんと開発した時と同じような考え方で、アングルブレードの先端や側面を成形しました。小回りを効かせるための基本は同じなのですね。

 画像はセラミックのブレードです。私はセラミックのブレードの使用感が好きなので、セラミックの細い刃を加工しました。角度調整器を使わずに、手持ちで適当に削ったので、綺麗な仕上がりではありませんが、切れ味は問題ありません。

 セラミックのブレードは、たしかに硬いのですが、ごく普通の鉄のブレードと同じで、耐水ペーパーで加工することができます。金属のブレードよりも加工に時間はかかりますが、一度しっかり研ぐと長持ちします。


 このようなブレードも作ってみたことがあります。右側は、冒頭のセラミックと同じような加工を施した、薄身のブレードです。左側は、剣先型と言えば良いのでしょうか、ちょっと変わった形をしておりますね。

 左側のブレードは、操作する時の回転の軸と切っ先がほぼ一緒になるので、回転性はとても良いです。ただ、どうにも進みが悪い。こういう形状のブレードが一般的ではない理由は、使ってみるとわかります。もしかしたら、頭の良い人だと考えただけでもわかるのかもしれませんが、私は使ってみて初めてわかりました。もしもですが、ほとんど進まないで細かい波線を切りたいというような用途があれば、そういう用途には最適な形状です。何せ、なかなか進みません。

 先端の角度を変えてやると、少しは使いやすくなるのかもしれませんが、使いやすくなったとしても、それは普通のアングルブレードで間に合ってしまうような範囲での話です。今のところ改良されることも無く、また一度も活用されることも無く、ブレードを保管しているケースにしまいっぱなしです。

 こういう訳のわからないようなブレードが、何本も入っています。




2012年6月5日火曜日
「スイヴェルナイフのブレードの回転性」


 刃の中央部を薄く削った作りのブレードです。このように中を漉いたブレードに、小回りが効くという解説が付けられたカタログを、目にしたことがある記憶があるのですが、実際にはただ中を薄くしただけでは、回転性が良くなることは無いと思っています。画像のブレードは幅の広い製品ですので、そもそも高い小回り性を求められるような製品ではありません。

 では、何のための中漉きかというと、刃物では通常平面性の維持と刃の研ぎやすさのために、刃の中ほどが削られます。革包丁はもちろん、カンナやノミや出刃包丁なども、刃裏は中が削られていて、研ぎの時には必要なところだけが砥石にあたり、少ない労力で正確に平面に研ぎやすいようになっています。おそらく、スイヴェルナイフのブレードの中漉きも、基本的には同じような目的なのではないかと私は思っています。

 では、ブレードの回転性は、どこで決まるのでしょうか。一般的には、まずはブレードの幅ですね。幅が狭いブレードの方が、切っ先が回転軸に近くなり回しやすいので、細かい図案用には、幅の狭いブレードが販売されています。スイヴェルナイフ本体が細身だと、回転性はさらに良くなりますね。ブレードの厚みも関係するかもしれませんが、厚みは線の繊細さやボリューム感に対しての影響のほうが大きいような気がします。また、ブレードの厚みが薄くなると、細かいデザイン線の視認性が良くなるというのは、大きな利点です。

 他に回転性に影響するのはどこでしょうか。回転性には、実はブレードの側面の形状が大きく影響します。側面の形状はとても重要なのです。


 この画像を見るとわかると思いますが、側面を丸く加工してあります。丸く加工し角が無くなることで、小回り性能が良くなります。ただし、側面を丸くした場合には、線の幅が少し犠牲になる傾向があります。

 側面の幅や角があることによって、線に変化を付けることが可能になりますので、回転性が向上して小回りが効くようになっても、それが必ずしも表現のプラスになるとは限りません。線にメリハリを付けにくくなる面があるのです。画像のブレードでは側面全体を丸くしてありますが、角を少し丸くするだけでも、使用感や線の表現には、変化が現れると思います。

 側面の形状によって、カットした線の表情も変わりますから、用途や目的とする表現によって、刃の微妙な形状を検討してみるのも、おもしろいかもしれませんね。

 市販のブレードは何種類もありますが、中には、ブレードの側面が荒れている物もあるかもしれません。刃物ですから、側面の加工をしない通常の場合でも、ブレードを研ぐ時には側面の研磨も考えたほうが良いですね。

 スイヴェルナイフのブレードの、細かい形状についての記述を読んだことがないので、私の工具の記事の最終盤には、スイヴェルナイフのブレードの記事を選びました。今回を含めて3回書きます。




2012年6月3日日曜日
「ベルトのスタンド」


 なんだかわからない道具が写っておりますが、これはベルト用のスタンドです。長さは120センチ以上あります。


 使い方はこんな感じです。生成のベルトはベルトを立てた状態で加工するときの位置です。黒いベルトは、平らなところにおいて加工するときの位置です。ふた通りの使い方ができるようになっているというわけです。

これが4代目のベルトスタンドなのですが、作るたびに少しずつ改良しているので、初代よりはだいぶ使いやすくなりました。量産向きのものではなくて、手作業をやりやすくするためのスタンドです。生成用と着色用の、2台を使い分けています。ベルトの幅に対応するためには、スペーサーを何種類か作ってあります。

 地味ですが、あると便利な道具の一つです。




2012年6月2日土曜日
「ボール盤から道具2種」


 ボール盤を分解した成れの果てと言えばいいでしょうか。このような形になってしまいました。

 右側は、モーターを外した残りの部分です。何度か改造してきたものなので、支柱なども変なことになっておりますね。これは、一応は簡易プレス機として使うことができます。私の仕事ではあまり活躍の場はありませんが、金具の打ち棒を使えばプレス式で金具を取り付けることができますし、菱目打ちを使えば、静かな手縫い用の穴あけにもなるでしょう。スクリューポンチをちょっと改造すれば、プレス式のハトメ抜きにもなります。でも、本来のプレス機と比べれば、強度は無いので、あくまでも簡易型です。

 左側は、モーターを利用した回転工具です。手回しのキーレスチャックで、素早く先端工具を交換できるようになっています。ボール盤と違って、変速はありません。50hzで1400rpmといったところです。


 このようにして使います。ドラムサンダーやコバ磨きなどが自由に取り付けられます。道具の交換作業は、10秒程度でできます。私が作ったインチキ電動工具ですが、これがなかなか便利です。こういう道具のシステムがあれば、市販品としても行けるんじゃないかと思うほどです。

 難点は、先端の道具も全部自作なので、芯ブレしていて気持よくないことです。旋盤加工でちゃんとしたものを用意したほうが良いのですが、旋盤は持っていないし、何種類も特注するのも大変そうで、とりあえず芯振れした自作のままなのです。

 もともとは、ボール盤で同じ作業をしていましたが、変速も必要ないし、道具の交換作業は上向きのほうが行いやすいかなと思って、ボール盤をばらして、このような形にしてみました。サイズもコンパクトになりました。

 設置台や集塵の掃除機も含めて成り立つ道具です。




2012年6月1日金曜日
「模様入りハンマー」


 私のサイトの作業補助具のページのあたりに書いたことがあると思うのですが、地模様を打つためのハンマーです。金工で使われている道具を見て、革用に作ってみたものです。大雑把な表現になるところがありますが、それなりに便利に使うことができる道具です。

 10本のハンマーにそれぞれ2つの模様で、全部で20種類の模様を作ってあります。ごくたまにしか使いませんが、模様入りハンマーを多用した何か新しい表現技法なども、もしかしたら考えられるかもしれません。

 ずいぶん前に作ったものですが、加工するときに鉄の粉がたくさん出て大変だった記憶があります。丸みを付けて打面を削り、そのあとで模様を彫っていくので、作るのはけっこう手間と時間がかかります。

 少しでも作りやすいように生の鉄の金槌を使ったので、錆びやすいのが欠点です。サビ対策はいろいろやってみましたが、最近は錆止め塗料を塗っています。

 金工では、ハンマーで模様を打つというのは、特別なことでは無いと思うのですが、あるとき教材カタログを見ていたら、金工用の模様入り金槌が実用新案製品として掲載されていました。それを見た時には、こんな道具で実用新案を取るのは、反則技みたいなものだな〜と思いました。でも、もしかしたら使い勝手を良くする工夫や、特殊な製造工程などの、特別な何かがあったのでしょうかね。




2012年5月30日水曜日
「プレス機」


 オーストラリア製のハンドプレスクリッカーです。カメラ用の革製品を作っている業者さんが、日本の総代理店になっているようですが、レザークラフト業界では協進エルから販売されています。

 ちょうど、この道具向きの仕事があった時に、用意してみました。最初に届いた製品の動きにおかしな所がありまして、動作不良を認めてもらうのに時間がかかりましたが、交換していただきました。2台目に届いたのは、土台としてついてきた木の台が破損して届き、これまた不安なものでしたが、こちらは問題なく使うことができました。

 画像のように、移動可能な台に載せてあり、使うときだけ引っ張り出せるようにしてあります。狭い仕事部屋なので、こういう細工が大切なのです。

 この製品に付属する説明書が、実はめちゃくちゃな翻訳だったので、直してもらえるように伝えたのですが、その後どうなったのかはわかりません。少なくとも、修正版は届いておりませんので、もしかしたらそのままということもあるかもしれませんね。

 レザークラフト業界用としては、型抜き以外にも、成形や版押しにも使うことができるという説明で販売されているので、下の台と上の昇降盤は平行にできているものと思い込んでいたのですが、実際には平行にはできていません。奥と手前では、1.5ミリほど高さが違っています。例えば手前を合わせたとすると、奥では1.5ミリの隙間が空くという感じで、手前と奥で高さが違います。

 電動クリッカーも含めて、複数の人に確認をお願いしましたが、クリッカーはどれも同じように平行にはできていませんでした。クリッカーとしては、刃を平行に食いこませると、おそらく切れないのでしょうね。でも、大きな版を押す時などには、版押しの深さの違いが生じます。その修正のために、私は複数のステンレス定規を使っています。0.5ミリと1.0ミリの厚さの定規の組み合わせで、抜き台の下3箇所に定規を入れて、下の台と上の昇降盤を平行にするようにしています。

 安いものではありませんが、それなりの大きさとパワーがあるので、用途が広く便利に使うことができる道具です。




2012年5月29日火曜日
「ワックスコートとレザーフィックスの追加記事」


 今回の記事とは関係ないのだけれど、画像が無いのはさみしいので、木の肌にできていた小ピラミッド。可愛らしかったので、写真を撮りました。


///////////////////////////////////////////


 以前、誠和のワックスコートという仕上げ剤の成分について記事を書きましたが、4月に誠和の技術部の方から成分についての情報がありましたので、掲載いたします。

 私は、過去にワックスコートについて誠和から正確な成分の情報をいただくことができなかったので、信頼できる企業のラボに成分を調べていただきました。その結果は、カゼインが主成分であるということでした。その結果から以前の記事は書きました。

 それに対しまして、4月の誠和の技術部の方の話では、ワックスコートの主成分は、カルナバワックス、セラック、シリコーン であるとのことでした。

 これで、2つの情報が並んだわけですが、私はどちらが正しいのかを書くことができません。私が、自分で成分を調べる方法を持っていないからです。最初の自分の勘では、シェラック系だと思っていたので、誠和の技術部の方の話には納得できる部分があるのですが、カゼインという分析結果を否定する材料も私は持ち合わせていないのです。

 とりあえず、2つの情報を書いておくしかありません。

 私の記事を読んで、成分の知識が混乱してしまう方もいらっしゃるかもしれません。いずれが正しいとしましても、私の書いた記事が不正確な記述になっていることは間違いありませんので、お詫び申し上げます。


///////////////////////////////////////////


 それから、こちらの記事の中で、レザーフィックスの変化があって云々ということを書いていたのですが、この件についても情報をいただきました。私がレザーフィックスについての変化に気がついたのは、昨年2011年のことでしたが、成分の変更が行われたのは、2007年の事だそうです。

 私は、自分のサイトの2005年2月の記事で、レザーフィックスについて書いていたのですが、その2年後には成分変更があったということになります。普段の仕事で、この手の仕上げ剤を使うことがほとんど無いので、製品の変化に気がつくのが随分遅くなってしまっていたようです。無責任に、成分変更に気が付かずに販売していたことになります。(メーカーからも情報提供はしていただきたいですね。)
  
 誠和の技術部の方の説明によると、レザーフィックスは丈夫な事はもちろんですが、初心者の方でも斑になりにくい使いやすさと、抑えた自然の艶をコンセプトに作っているとのことです。私にも、再度試用を勧めていただきましたが、また改良があった時に試してみたいと思います。

 私が書いた記事の内容は、あくまでも、私の主観による判断で取り扱う仕上げ剤を変更したというものであります。今まで購入していただいた方々への責任もありますので、取り扱い製品の変更についてお客様向けに書かせていただいたという事です。

 さて、今回のような記事は、どう書けば良いものやら迷うものですが、まずは情報をいただいたことをそのまま書くことにいたしました。

 今後また何か情報を得た時には、追加の記事を書かせていただきますが、現状では中途半端な記事になっておりますこと、お許しください。

 私が以前書いた記事は、誠和の技術部の方には、きっと納得のいかない内容になっていたと思うのですが、たいへん丁寧なご連絡をちょうだいいたしました。今後も、レザークラフトに役立つ薬品・用品の数々を、開発・販売していただきたいと思っております。



TUZIE-書庫トップへ


トップページ
一窓店舗 工房・教室 リンク
革物作り入門 工具について
革と福祉
メール

-TUZIE-