2012年6月29日金曜日
「長い検討中」
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近くの池をはじめ、千秋公園の周囲の堀跡の池の状態があまりにもひどいので、具体的にどのような対処をするのか、市に質問のメールを送りました。
超立派な理念を掲げていた環境部に、ものは試しとメールを送りましたが、返事は3日後に建設部の公園課から来ました。
ご丁寧な返事をいただきましたが、具体的な対処はやはり検討中ということのようです。その後、電話でもお話ししました。来年度からは、今までよりも積極的に水質浄化に取り組む予定はあるそうです。2014年の国民文化祭向けの一時的な施策ではなくて、恒久的な水環境の再生を目指すものであることを願います。イベントに向けてのやりっ放し事業は嫌ですね。
私の悪い予想では、広小路沿いの堀跡の池の浄化が最優先され、もっと環境悪化の進んでいる、ほかの3つの池は後回しにされます。私の、予想が大外れになり、千秋公園の水環境全体の抜本的で恒久的な改善策が、早く始まれば良いのですが・・・。
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千秋公園の堀に生息していると言われていた、絶滅危惧種の淡水魚ゼニタナゴは、広小路沿いの堀では、平成15年度以降は確認されていないそうです。ほかの堀で確認されたという情報はあるそうです。絶滅したとも生息しているとも言えない状況だと理解しました。
広小路沿いのお堀については、水質浄化の要望が多数寄せられているそうです。お堀の中では、最も人目につくところですからね。この堀については、昔からあまりきれいな印象は持っていませんが、ほかの堀はもっと汚れています。(堀は水の流れもないし、個人的には池と言いたいのだけど、通常は堀と言われており、メールでも堀と書かれていたので、この段では堀と書きました。)
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私の仕事部屋から40歩の池では、シナイモツゴという絶滅危惧種の淡水魚が生息しているそうです。貴重な淡水魚がいることは知っていましたが、ゼニタナゴなのかなと思っていたので、シナイモツゴという名の魚だというのは、初めて知りました。残念ながら、千秋公園のシナイモツゴの情報は、検索しても見つけることができませんでした。情報量が少ないのでしょうね。
(水がきれいになった後に、子供たちの人気者になるリストに、シナイモツゴっちも入れておかなくちゃ!今まで知らなくてごめんよー。)
急な環境変化は、シナイモツゴの生存を脅かすため、早急な浄化は出来ないということが考えられているようです。しかし、池の生物を採取し保護し飼育した上で、早急に水を浄化はしなくてはならないと、私は考えます。専門家も、今の池の状態を見て、シナイモツゴのために良い環境だとは言えないはずです。(今すぐ見に来て!と言いたい。)たとえ、この状況で生息しているという事実があったとしても、環境が悪くなりすぎています。また、広小路の池(堀)は、一度水を抜き底を掘って地下道工事を行いました。それと比べれば、はるかに小規模な対処でできることです。
浄化による急激な変化は、現在の生態系に影響を与えるということは、私にも十分理解できます。きれいでも汚くても、そこには生態系があります。ただ、現在の堀跡の池に、人が過去に何度も大きな変化を与えてきたということは忘れてはならないと思います。旭川からの水の流入経路は無くなったわけですし、湧き水なども無くなり、堀に水が全く流入しなくなるような大きな環境変化を、今まで放置してきたわけです。現在のドブ池状態も、急激に悪化しています。それをどう考えるのかと、問いたいです。
ドブ池状態を放置せず、水が流入する状態を作り、堆積したヘドロをさらい、水を浄化することは、生態系を以前の状態に近づけることになります。この池を長年見てきた者としては、現在のこの池の生態系が大切だと言われても、少々理解に苦しみます。私が知る限りでも、こんな汚い池ではなかったのですから。
浄化による環境への影響を慎重に検討する必要がある、というようなことが、ご返事のメールには書かれていたのですが、これはある意味では本末転倒と言えるものです。順番から言えば、現在までの環境悪化がどのように生態系への影響を与えてきたか、この池で何が失われてきたのかを、まずは検証するべきだと思います。今の悪い状態を基準にされては困ります。
私が何気なく見るだけでも、ヒシという水生植物は無くなってしまいました。ほかにも消えてしまった生物や植物が、きっとたくさんあることでしょう。シナイモツゴが生き残るように万全を期すべきですが、それは現在の環境をそのままにすることではありません。検討している間にも、さらなる水環境の悪化により、シナイモツゴそのものが、消えてしまうかもしれません。そのぎりぎりまで環境は悪くなっていると、私は思っています。もはや、堀でも池でもなくなりつつあります。好天が続けば、湿地になるかもしれません。
それともうひとつ、生態系を考える時には、一つの池の生態系だけではなくて、公園全体の生態系を考える必要がありますね。古くはそれぞれの池は、別個のものではなく、城の堀として旭川とつながっておりました。公園のすぐ側を旭川が流れていたと言っても良いでしょう。私の工房の所在地も、その水辺に接するあたりだったようです。それが今では、旭川とのつながりは断絶されて、公園内の水源も失われた上に、湧き水なども無くなったようです。生物にとっての生存の基本であり、生態系を考えるときにも基本となる、水の環境が公園全体として大きく損なわれたということを、大きな前提として考えなければならないのだと思います。個別を見ると同時に、全体を見て判断する必要がありますね。明治時代に千秋公園ができた時には、今とは全く違う水環境だったはずです。元には戻せませんが、原点を見つめ直すことは必要なのではないでしょうか。
水環境が損なわれたために、池の中の生物だけではなく、広く陸生の生物も打撃を受けた可能性がありますね。公園のそばに住んでいる同級生が、ムカシトンボがいると、子供の頃に言っておりました。明徳小学校のあたりは湿地で、モウセンゴケなども生育していたはずですね。最近はリスを見なくなりましたが、もういなくなってしまったのでしょうか。しばらく前まではいたタヌキの一家はどこに行ったのでしょう。私よりも目上の方々に話しを聞けば、失われたものがたくさんわかるはずですね。もっとも、いろいろな会合を行なっているようですから、担当課はすでに多くの情報を把握しているとは思いますが・・・。
直接あるいは間接に、水の環境は様々な影響を周囲に与えているはずです。人の心や健康にも、影響があるのではないでしょうか。少なくとも、私は近所の汚れた池を見ると、気が滅入ります。きれいな水環境だったら、そこから元気をもらえる人は、少なくないことでしょう。
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市では、それぞれの池の水質検査を、年に何度か行なっているそうです。その情報が見当たらなかったので、全く知りませんでした。何年か前に、たしかカヌー乗りの人たちが、自主的に水質検査をしていましたが、その時も市では水質検査の情報を持っていたということでしょうか。
検査の結果の詳細はわかりませんが、私の仕事部屋から40歩の池が、やはり最も汚れているそうです。
水質検査の結果や、この汚い水の中でシナイモツゴという貴重な淡水魚が生息していることは、積極的に公表するべきではないかと、担当者には伝えました。検査の数値などから、市の担当部署が様々な判断をすることは大切ですが、市民にも公表して、市民が検討し判断するための情報を提供することも大切だと思います。こんな汚い水を放置しているのかと、あるいは貴重な生物の生息環境がこんな物で良いのかと、市民からは批判されることになるかもしれませんが、そういった声が大きくなったほうが、関連予算も確保されることになるでしょう。
検査結果の公開にあたっては、事前に注文をつけておきたいと思います。ただ数値を表示するだけでは、私達には意味がわかりません。具体的にわかりやすい比較や例を上げて、それがどれだけ汚れているのか、素人にもわかるようにしていただきたいです。汚いことを直視することから始めて、市民も行政も水環境を考えていくしかありません。
広小路沿いの池には旭川から取水されていて、お話を伺った感じだと、取水量は増やすこともできるようです。その水で、公園周りのほかの池にも水を供給することはできるのでしょうか?それがもっとも早く実施できる方法であるならば、早急に試すべきだと思います。(本当は、私の妄想:矢留水道計画が一番だと思っているんだけど・・・。)
それから、広小路沿いの池の噴水みたいなのは、水がきれいになるまでやめてほしいです。水質検査の結果を知っている職員は、噴水でまき上げられた水が風で顔に飛んでくるような所で、弁当を食べたり、ゆっくり長い時間を過ごすことができるでしょうか。私などは、ただ歩いて通り過ぎる時でも、水の飛沫が飛んでくると、息を止めて歩こうかなと思う時があります。もっとも、息が続かないので、すぐにあきらめますが・・・。
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脳研前の池の浄化試験は、ある程度効果が見られたということでした。でも、池は堆積物で浅くなり青い藻も発生しています。県立大学や企業なども協力している、産学官の連携で行なっている試験だそうですが、産学官が連携すればそれが直ちに素晴らしいものだとは限りません。水が大変少ない状態で試験しても、実践的な意味がどれほどあるのか、これが実用的な設備になるのか、私には疑問です。浄化の実験装置は、教科書通りのことを形にしてみました、という物のように思えます。取水装置などは景観を損なっているので、早めに撤去しても良いのではないかと、思っていたほどだったのですが・・・。
水の少ない状態のままで、浄化の結果の数値が上がっても、それに意味があるのかどうか、私にはわかりません。でも、水が増えたら効果が薄れることは、素人にもわかります。まずは、堆積したヘドロを除去し、水の深さを回復させて、以前はあった水の流れを取り戻すのが、本筋ではないのでしょうか?
試験だ検討だと言っている間に、県の保健施設の前にある隣の池の不衛生状態も、どんどん進んでいます。水を入れれば、2つの池の浄化は同時に進みます。以前は、水が流れ込んでいたのですから、環境を元に近づける作業をするという事です。現在の汚れた生態系への影響をどれだけ検討するべきなのか、私にはわかりません。私だったら、生物や植物を採取して万一に備えた上で、さっさと水を入れる方向で「検討」します。
今の池は、常識を超えて汚いと思っています。担当課の人は、慣れて鈍感になっていないか、考えてみてください。もちろん、市長も知事も、水環境に鈍感になっているようですから、しっかりして欲しいです。市の文書には、「県都の顔」と千秋公園のことが書かれていますが、「県都の顔」がこれではね。知事公舎なんて、すぐ近くなんだから、頭に来ちゃう。知事も、その前は秋田市長だったんだから。
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浄化設備です。左上が濾過槽で、そこから植栽浄化の部分が続き、写真手前の方に水が流れてきます。
はっきり言って、これは自然にやってもらえば良いことです。太平山の山並みや旭川の水や植物の、自然の浄化の力を借りれば良いのではないでしょうか。旭川の水を入れて、水の流れを作りましょうよ。
大学や企業のデータ取りには良いのかもしれませんが、これで実際の浄化はおそらくあり得ません。だって、この池は、汚いままですもの。
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この写真の右上が、浄化された水が出てくる塩ビ管です。水が出るあたりは水深が浅く、一部水は澄んでいるとは言えますが、池がきれいとは言えません。写真左上の部分は干上がって土になっています。確か、私が子供の頃は水の流入口があったような気がするのですが・・・。千秋トンネルあたりが水源の一つになっていたのではないかと思うので、水源を人が工事でつぶしてしまったのでしょうね。
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水が出てくるあたりを、もう少し寄って撮影しました。水は少なく、汚いです。浄化試験の結果はこれです。浄化された水が出てくるあたりの、上澄みの水はきれいになっているのかもしれませんが、それが池全体の浄化にとって、どれだけの意味があるのでしょうか。
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浄化された水が出てくるあたりは、とにかく浅くなっています。水の出口からはだいぶ手前のほうで、鯉のお腹が底に引っかかって、もぞもぞしていました。水から出てしまった、鯉の背中が見えるでしょうか。
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浄化された水が出る所とは正反対の位置にある、取水装置です。ご覧の通り汚いです。この状態を放置する感覚が、私には理解できません。こんな状態でも、浄化試験の書類ができれば、効果があったと書かれるのでしょう。
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すぐ隣の池です。昔は一つながりだったのでしょう。不透明なよどんだ緑色です。がっかりします。私の仕事部屋から40歩の池は、これよりひどいですが・・・。全て、後手に回っていますが、早く積極的な水の環境改善に取り組むべきですね。
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「千秋公園さくらファンド」についても、少し話を伺いました。これから、宣伝するそうです。千秋公園の花見は好きではありませんが、桜は好きですし、公園の桜のひどい状態はわかっていますので、協力できればと思います。ポスターなどを作るならば、うちの店の窓にも貼りますし、チラシも置きますよ。
できれば、名称はファンドじゃなくて、募金にして欲しいですね。「千秋公園さくら募金」で良いと思います。必要以上にカタカナの外来語を入れると、うちの子供でさえ何でそんな言い方するんだろうと、首を傾げます。日本語でわかりやすい名称にしませんか。そして、もっと手続きを簡単に。いくらで何ができるかの目安の説明も、ぜひ。
桜に限らず、水や土も含めて、豊かな環境のある公園にして欲しいですね。
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おそらく、この堀跡の水環境の件は、少なくとも過去20年間以上は検討中です。結果、お役所の言う検討中は、何もやりませんの意味であることが多いのです。様々な問い合わせに無難に応えられるように、周辺の文書等は徹底的に整えられています。素晴らしい返事があっても、何も変わらないという事が、圧倒的に多いわけで、お役所に期待は禁物です。実態よりも、言葉ははるかに素晴らしいです。史跡の保存、環境の保全、街づくりの基本、などについて述べられた、市の書類の美しい言葉を看板に書いてみたいです。そして、私の仕事場から40歩の池に設置してみたいです。やってもいいなら、土と化した池の真ん中に自費で設置します。悪い冗談を絵に描いたような、現代美術の屋外作品になることでしょう。
もう検討中はやめなくてはなりませんね。
池の劣化は、今年は特に顕著になっています。
一刻も早く恒久的な効果のある対策が実行されることを「期待」します。
以上、散漫な文章ですが、取り急ぎの報告でした。
追加追加で書いてしまいましたが、もう十分すぎるくらい書きましたね。
頑張って書いた分、どうか池がきれいになりますように。
(私が頑張った分だと、全然足りないか・・・。)
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