アナログマン辻永が、その時々の興味のあることを、適当に書いたページです。
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アナログマン2007


 辻永クラフト工房のサイトを作りはじめた2002年から書き始めたアナログマン辻永のページは、2007年7月でいったん終了いたしました。その後2008年に復活しております。



2007年07月28日 アナログマンその117
「ラストアナログマン」


 このサイトを作り始めた時から書いてきたアナログマンですが、ひとまず今回で最終回にすることにしました。

 PCのメインのOSをLinuxに変更したのにともなって、今まで使っていたHP作成ソフトが使用できなくなるので、別のソフトを使うことにしました。それにともなう最終回です。

 最近は仮想化ソフトが無料で公開されているので、一つのOSの上に異なるOSを走らせる事も簡単にできるようなのですが、Linuxに慣れるためにも、単純なマルチブートの状態にしておいて、完全に使い分けるようにしてみようと思っています。そのために、サイトを作成するソフトも替えてみることにしました。

 今まで作ってきたページは、基本的にはこのままにしておくつもりですが、トップページは作り直そうと思っています。それから、ときどき適当な事を書いていく、アナログマン的なページも作ってみようと思っています。

 これから使用するソフトは、Composer というソフトです。昨年まではMozillaSuiteに含まれていたソフトですが、現在ではSeaMonkeyProjectに引き継がれています。日本語ページでは、72文字ごとに改行コードが挿入されるなど、いくつかの欠点があるらしいのですが、私のサイトを作る程度には問題無さそうです。(Composerをベースにした、NVUやKompozer といったソフトもあるようなので、もしかしたらそちらにするかもしれません。)

 以上のようなことで、これからソフトの使い方を覚えるつもりです。アナログマンはひとまず最終回となりますが、今までおつき合いいただいてありがとうございました。また近いうちに似たようなページでお会いすることになるかもしれません。

 アナログマン最終回の画像は、フラワーセンターの味付けの検討中のものです。今年の春頃に検討を始めましたが、まだあまり吟味はしていないので、実用の域には達していません。機会を見つけて、バランスの良いパターンのデザインを見つけたいと思いますが、なかなか難しいと感じています。

 長い間アナログマンを読んでくださり、ありがとうございました。

 では、この次はまた別のページで!



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2007年07月01日 アナログマンその116
「幾何学模様の刻印」



 アメリカのレザークラフトのカタログを見ていたところ、幾何学的な模様を構成する刻印を打った例が紹介されていて、良いなーと思いました。日本の刻印だとこれかなと思い、上の画像の左側の刻印を加工して、右の刻印のようにしました。


 この刻印を打つと、上の左側の画像のようになります。円の中に同じ刻印を打つと、和柄の七宝のようになりますね。円の中に、花のような刻印を打ってみたのが右側です。

 刻印は適当に削ったものです。輪郭の内向きの円みはもともとの刻印なりに、だいたいで加工しましたので、円弧をきちっと削ったわけではありません。また、革に打つ時にも基準線は入れずに適当に打ったので、いびつなところがあるのですが、こういう幾何学的な刻印は良い雰囲気を出してくれるものだなーと思いました。

 見ていただいた人たちからは、けっこう好評でした。これは9ミリ角くらいの大きさなのですが、もっと小さい刻印もあると、便利に使うことができそうです。メーカーさんで作ってくださらないかなと、密かに思っています。(ここに書いたら密かじゃ無いけれど・・・)


 こんな刻印もありました。上の左の画像のなかの左側。なぜか工房の販売用の在庫の中にあったのですが、いったいどうやって使うんだろうか???と思って見ていました。単独?つなげる?・・・よくわからない・・・。いくつかの打ち方を試してみましたが、どれもぴんと来ません。

 何だか両側の円いところが邪魔そうだなと思って削ってみました。それをつなげてみたのが右側の画像です。もともとは、このような連続模様を想定した物ではないのかもしれませんが、こういう使い方であれば、私としては納得できそうです。叩いてつぶれる部分がベタのラインではなくて、もっと繊細にデザインされれば、おそらく使える刻印になるのではないかなと思いました。あるいは、中でクロスするラインがなければ、ロープ模様になりますね。



 従来の日本の革の参考書などで紹介されるスタンピングというのは、どこか適当に打ってみましょう的なところがあるような気がするのですが、数学的な幾何学模様を構成できる刻印や、ボーダーの連続模様用の刻印が、もっと増えて欲しいと思います。

 この10年ほどの間に、シェリダンスタイルカービングが日本では定番的なカービングとして定着し、刻印もかなり充実してきました。若い方がカービングに興味を持ってくださる事も多くなったようです。ただ、カービングが必ずしも万人に向くものかというと、決してそうではありません。革の物作りはするけれど、カービングはちょっと・・・と言う人も少なくありませんね。でも、そう言う方でも、スタンピングで幾何学的な構成をやってみると、革に模様を打ち込む楽しさに気がついてくださることも多いようです。

 物作りのホビーの中で、パッチワークというものがあります。動植物などをモチーフにした具象的な作品もあるようですが、典型的なものとしては、幾何学的な構成のデザインがあると思います。そう言った、幾何学的な構成は、装飾デザインでは欠かすことのできないものですし、人を引きつけますね。レザークラフトの世界では、まだまだそういった分野に開発の余地があるように思います。私自身も、適当に好きなようにランダムに打ってみましょうというスタンピングよりは、幾何学的な構成美のあるスタンピングのほうに魅力を感じます。

 もちろん、カービング用の刻印を利用しても、いろいろな模様の構成はできますが、専用の刻印がもっとあっても良いように思います。今後、革の装飾技法を楽しむ人口が増えていくためにも、カービングとスタンピングのそれぞれの刻印が、より充実していってくれればと思っています。

 私も自分用には何本かボーダーなどに使えそうな刻印を加工しましたが、それを紹介して販売するわけにはいきません。レザークラフトを楽しむ方に紹介して販売もできる、市販の幾何学模様の刻印群がもう少し増えてくれるとありがたいと思っている次第です。

 「レザークラフトを楽しむ方に紹介して販売もできる・・」 などと書きましたが、本当は私が自分で欲しいだけと言う話しも・・・。

 私の頭の中では 「欲しいなー、欲しいな〜、欲しいな〜〜欲しいな〜〜〜・・・」 と山びこ状態です。



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2007年06月26日 アナログマンその115
「副産物刻印」


 ちょっと木のヘラが欲しくて、木製のキッチン用品で手頃な物があったので、切って削って好みの形に加工しました。その時に、材料の残りの木片が目の前にありました。ちょうど叩きやすそうな形をしている・・・。刻印になりそうな面もある・・・。十分に硬そうな木だし・・・。なんかできそうな感じ・・・。と言うことで、ヘラ作りの残材から副産物の自家製簡単刻印を作ってみました。下の画像がその印影です。



 さて、どうやって作ったか、検討はつきますか。


















はい、答えはこちら。
焼いて焦がしました。

 電気ペンという商品名でレザークラフトのカタログにも載っている、バーニングペンで焼き焦がして凹凸を付けた刻印です。煙が目にしみる作業になりますが、ジュワジュワ焼けて簡単に凹凸がついていきます。手の感覚で適当にやっただけの物ですが、簡単にできて楽しかったです。

 彫刻刀やハンドルーターでの加工もできますが、これは削らずに焦がすところがミソですね。でも、ヤケドには注意しなくてはなりません。たいへんな高温になりますので、ヤケドは深くなってしまいますから、木片を手で持たずにバイスで固定するなど、ヤケド防止策は必ず考えてください。

 ちょっと手書き風の物が欲しい時などには、けっこうおもしろいかもしれません。



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2007年06月23日 アナログマンその114
「スイヴェルベベラ」



 今は販売されていないのか、見かけることの無くなったような気がする、スイヴェルナイフのボディに取り付けて使う、ベベラ道具です。

 一番左のものが、ずいぶん昔に購入した、市販品だったものです。ほとんど使うことがなかったのですが、急にこの道具がいくつか欲しくなりました。

 販売されていると思って、日本やアメリカのカタログを見てみましたが、掲載されていませんでした。角度を変えたものを複数用意するつもりだったので、がっかりしてしまいました。ネットで探すと出てくるのかもしれませんが、作った方が早いかなと自作に気持が向かいました。

 ところが、なかなかうまくいきません。この用途に適する素材が最初はなかなかわかりませんでした。いくつか失敗してから、やっと実用的に仕上がったのが、画像の中央と右の道具です。画像の3種類はそれぞれ角度を変えてあります。


 唐草などのカービングよりも、今回はボーダーの枠を押さえる用途で使いたいと思って作りました。実は、ボーダー用の刻印をいくつか作ったのですが、それらの刻印を打つ時に、使いたいと思ったのです。

 それぞれの角度の違いで、枠を押さえた時の雰囲気が変わります。もちろん、手加減でもずいぶんと雰囲気は変わってきます。

 滑りがよく使いやすい道具になったので、まずは満足です。見た目もすっきしして、手元に置いてもしっくり来そうな感じです。

 今回使用した素材は、いろいろと工夫すれば、他にも使い道のありそうな樹脂ですが、まずは試しにコバ磨き用のヘラを一本作ってみました。作ってはみましたが、今のところ良いんだか悪いんだか、よくわかりません。まだ、あまり使っていないのです・・・。


 この手の道具を最も簡単に自作するとすれば、ベベラを一本切ってしまうことです。B203を先端から35ミリくらいの長さで切断すれば良いでしょう。

 スイヴェルナイフのブレードの取り付け軸は、直径が5,5ミリほどですが、B203の軸の直径は約5ミリです。少し細めなんですね。そのままでもかまいませんが、アルミやステンレスのテープを巻いて、太さを調節しても良いでしょう。

 金属と樹脂では、使用感や革に対する作用が違いますが、どちらも問題なく使うことができると思います。とは言っても、あまり使い道の無い道具なのかもしれませんので、悪しからず。

 スイヴェルナイフのボディに取り付けて使うことのできそうな道具・・・、あと何があるかなー。
 う〜ん、スイヴェルアートグルーバーなんてどうかな。軸の径、合わないかな。

 さて、それで何をすればいいのか?

 翌日・・・、アートグルーバーの軸の径は5ミリでした。
 でも、使用する角度がスイヴェルナイフのボディとは合わない感じ。使い道無し・・・・・。



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2007年06月18日 アナログマンその113
「おっ!新しいバスケット刻印」



 C社の新しいバスケット刻印2本です。X500-2 とX501と言う2本が追加されました。両側のラインの傾斜部分の角度が考慮された作りになっています。また、サイズの段階が整えられました。

 X812・X502-2・X500-2・X501・X510。以上の5段階のサイズのバスケット刻印が揃ったことになります。今までは、X500のライン部分の角度に難があったのと、X501のサイズが無かったので、その点が改善されした。

 この刻印2本がカタログに載っているのを見た時には、けっこう驚きました。「おっ!」と言う感じ。国産のバスケット刻印の構成を整える、開発者の気持を感じますね。

 中央のロープ部分の形状は、今までの刻印にならったものになっているようです。上下の平行な枠部分はもう少し細くても良いと思いますので、調整も簡単ですから少し細く削っても良いかもしれません。



 X500-2ができたことで、今までのX500は、バスケット刻印としては使い道が少なくなってしまうかもしれません。そのうち姿を消すのかもしれませんが、幾何学的な構成模様などにはおもしろく使えるのではないかと思います。ライン部分の角度が浅いことを利用した、刻印の使い方もあると思います。

 私はちょっと加工してみました。両側のライン部分を削ってしまい、中央部のロープ部分だけにした刻印にしました。その刻印で叩いたのが上の2枚の画像です。他にもいくつか組み合わせ方があります。小さくてかわいい印象の刻印になりました。


 もう一つ、逆に中央のロープ部分を削り、両側のライン部分だけにした刻印も試してみました。叩いてみたのが、この2枚の画像です(ちょい雑なのはご容赦)。 ライン部分の角度が浅いから、このような表情になります。特に良いというわけではありませんが、同じ刻印からどの部分を抜き出すかで、ずいぶんと表情を変えるものですね。

 中央のロープ部分の刻印は、だいぶ前に作っていたものです。
 両側のライン部分だけの刻印は、今回の新刻印の発売を機会に作ってみました。

 どちらも、加工に失敗した刻印があったからです・・・。


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2007年06月10日 アナログマンその112
「切り抜きナイフ、その後」

 アナログマンその108で紹介した、切り抜きナイフ。その後私は、軽量なブレードホルダーに取り付けて使っています。取り扱いがかなり楽にできます。使いやすい上に、手頃な価格でこの刃を使用できますので、なかなかのお勧めです。

 刃の研ぎ方も、使い始めの頃よりも少し繊細にしました。刃の初期状態とは、だいぶ違った雰囲気の面構えの刃になっていると思います。切れ味も良く、小回りが効きます。小学生の子供が、フリーハンドで薄い革からアルファベットを切り出して遊んでいましたので、子供の手にも使いやすい仕上がりのようです。


 刃の研ぎには、左のような空き缶を利用した研ぎが楽で良いかもしれません。ごく普通のコーヒーの空き缶です。

 研ぎでは、耐水ペーパーを缶の胴に当てて、油を垂らして刃を磨きます。薄刃なので、1000番程度のペーパーで、簡単に研ぐことができます。刃の当て方でアールの大きさが変わりますので、様子を見ながら刃の当て方を調整しましょう。

 切る時に使うのは、主に刃先のですから、刃先付近を研ぐだけでかまわないと思います。必ずしも、刃全体を磨く必要はありません。

 缶に床を巻き付けておいて、円筒型の革砥にしておけば、刃の仕上げは楽にできます。この作業は、円筒形の革砥でなくても、通常の平らな革砥でも十分にできます。

 丸い空き缶の上で刃研ぎというのは、作業のイメージがしにくいかもしれませんが、やってみると簡単です。もともと薄い刃ですので、それなりに鋭く研がれていればちゃんと切れますので、気楽にやってみてください。普通の刃研ぎとはまた違う感覚で、おもしろいですよー。



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2007年06月01日 アナログマンその111
「ちょっと磨こう」
 上の2枚は、クラフト社のKSヘリオトシの#4の画像です。この工具は安定した仕上がりの製品だと思っているのですが、先端の形状などの細かいところは、いまひとつの時もあります。画像の製品も、先端の状態が良くありません。

 もっと良い仕上がりが望ましいのはもちろんですが、工具類に完璧は期待しない方が良いかもしれませんね。特に最近は工具を作る工場が少なくなってきていますので、この工具のシリーズのような新たな工具類は貴重です。それに、先端が乱れているだけで基本構造には問題ないので、これで十分なのです。工具は自分で仕立てるものですので、ちょっと磨いてあげましょう。

 この製品は、刃の角度がかなり鈍角にできています。それでも切れ味は鋭く、作りの合理性を感じます。ただ、私の好みの角度はもっと浅いものなので、全体的な形も変えてしまいます。金工用のヤスリや、ハンドルーターに取り付けた軸付き砥石を使って加工します。
 上の画像が加工したものです。左の画像では表の溝の形状が変わっているのがわかると思います。これはまだ加工途中の画像で、このあとじっくりと刃の角度や幅を整えました。

 右の画像では、手を加えていないKSヘリオトシと並べてみました。裏から見た時の雰囲気や全体の幅の違いがわかると思います。もちろん細い方が加工した工具。

 私は自分の好みの形状に加工しましたが、実のところこの製品は手を加えなくても十分に切れます。刃先が鈍角なぶん剛性感もあります。工具の加工に慣れていない方は、手を加えない方が無難かもしれません。下手に手を加えると、もしかしたら使えない工具になってしまうかもしれませんので、ご用心!少なくとも初期状態と同程度の切れ味に自分で加工するためには、それなりの感覚が必要になるかと思います。

 でも、工具の加工に慣れたい方は、挑戦してみましょう。まずは、1000円以下の低価格のヘリオトシを加工してみることをお勧めします。


 ところで、このKSヘリオトシの加工をする時に、金工用のヤスリなどをかけると、まずすぐにメッキ(塗装?)がはがれます。左の画像のように、ピラッとはがれてしまうのです。ここであせらないでください。こういうものだと思えばいいのです。

 自分で加工する時には、素地から研磨して仕上げるので、製品の表面の仕上げがはがれても問題はありません。自分で磨いて仕上げれば、工具に対する愛着もますます深まることでしょう。

 でも、あんまり磨きに懲りすぎて、工具フェチ・研磨フェチにならないように気を付けましょう。

 私? 私は多少の傷はおかまいなし。使い心地が良ければ研磨度にはあまりこだわりません。ただ、研磨をしっかりした方がサビも出にくいですし、滑らかで使いやすくなる工具が多いようですよ。



 ところで、この面取り工具ですが、私は木工的な作業をする時にも使う時があります。使い道を増やせば、いろいろな分野で販売できそうな気がするのですが、いかがなものでしょうか。面取りって、革に限らず、物作りの基本だと思うんですよね。

 ま、余談でした。



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2007年05月23日 アナログマンその110
「シリコン型」


 革のクラフトをしていると、何種類かのロウを使う時がありますね。それぞれの分野や作り手によって、好みのものが作られているのではないかと思います。

 私もロウを調合する時がありますが、調合したロウを固めるのに使う型で、最近気に入っているのが、製菓用のシリコン型です。型からロウをはずすのがとても楽にできます。

 製菓用のシリコン型というのがあるのを、私は知らなかったのですが、たまたま100円ショップで目にする機会がありました。そう言えば、金属のロウを使った鋳造の時、ロウ型はシリコンゴムの型で作ることもあることを思い出し、試しに購入してみました。

 実際に使ってみると、とても使いやすいものでした。今までプラスチック製のプリンの型などで作っていたのですが、断然シリコン型が楽です。耐熱温度も200度以上ありますので、安心して使うことができます。画像では四角い型を紹介していますが、丸いマドレーヌ型などもあります。100円ショップで売っているものは格安で、一般的にはもっと高いもののようですが、機能的には格安の製品で十分でした。

 難点は、必ずしも自分の好みのサイズや形が、見つかるわけではないと言うことでしょうか。私も丸形で自分の好みの製品がないか探してみたのですが、残念ながら今のところ見つけることができません。自分でシリコン型を作る気力と技術は無いので、そのうち好みの型が見つかるように、気に掛けていようと思います。

 製菓用の型には、お花の形ができる製品などもあるのですが、お花の形のロウがレザークラフトショップで販売されていたら、ちょっとおもしろいかもしれませんね。でも、すぐに変形してしまって、かえって印象が悪くなってしまうかなー。



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2007年05月13日 アナログマンその109
「久しぶりに使ってみました」


 クラフト社の新しいカタログが発行され、私の所にも届いたので、何となく久しぶりに使ってみる気になって、クラフト社で取り扱っている革包丁を仕立ててみました。

 この銘の革包丁は、私が革をはじめた頃から、値段がほとんど変わっていなかったような気がするのですが、今回は数百円の値上がりとなったようです。

 値段は長い間ほとんど変わらなかったのですが、その作りは時期によって変わってきました。私がこのサイトを作り始めた頃は、この革包丁はとても薄身の作りとなっていて、私はその剛性感のない薄さが嫌いでした。裏を押す時にも、簡単に刃が湾曲してしまうような感じの製品で、私の使い方には合わなかったのです。

 この銘の製品も、昔は鍛接して鋼と地金を合わせていた作りでしたが、現在は、鋼材メーカーが最初から合わせにした材料で、作られるようになっていると思われます。刃の厚みの調整は、比較的簡単なはずなのですが、それがとても薄くできていたのです。

 でも、しばらく前から刃の厚みが増していて、以前よりも格段に剛性感のある作りになってきていました。もともと鋼の質や熱処理の状態は安定した物があったので、剛性感が出るとぐっと好感の持てる製品になってきます。初期状態の刃の付け方も、以前よりも良くなっていると感じました。

 久しぶりに仕立ててみたこの革包丁は、裏押しなどもやりやすく、コストパフォーマンスの高い製品に仕上がっていました。販売価格が高くなったのも問題なく、鋼の状態も含めて、十分な仕上がりだと思います。


 一つだけ、私の個人的な希望としては、柄の尻の部分に刃のサイズのスタンプを押さないで欲しいと思っています。何と言うことはない希望なのですが、私は革包丁を道具立てに立てて置いています。そして、柄の尻に書いた記号でどの革包丁なのかがわかるようにしています。この記号を書く時に、スタンプの文字がけっこう消えにくいのであります。落ち着きがない性格のせいなのか、この数字を消す作業にイライラしてしまう私です。

 メーカーさんが、サイズ表記の他の方法を考えてくださるとありがたいなー。



 ところで、新しく発行されたクラフト社のカタログですが、今回初めて当工房のユーザーの皆様にも、クラフト社のカタログを提供します。今までは、私が必要と思う一部の工具類は工房で扱っておりましたが、クラフト社のほうでぜんぜん売る気がなかった様子で、私の所には商品のニュースも来ない状態でした。一部の工具類以外は、この10年以上使ったことがありません。現在のクラフト社で取り扱っている革のことも、今のところはまったくわからずです。

 クラフト社の送料などの経費の設定は、私の希望するものとは隔たりがあり、私のところでユーザーに積極的に商品を勧めていく条件にはないのですが、カタログを見たユーザーが必要と思えば、クラフト社の商品の割合も増えていくのかもしれません。もう昔のことになりますが、クラフト社に商品を注文した最初の頃には「よそで買えば」 と冷たくあしらわれたものですが、これからはまともな関係が構築できれば良いなと、私のほうでは思っています。

 新しいカタログの中の商品についてですが、刻印などいくつか興味のある工具がありました。まだ販売用の製品が完成していない工具もあるようなので、そのうち使ってみようと思います。良い物がありましたら、この欄で紹介いたします。



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2007年04月13日 アナログマンその108
「切り抜きナイフ」


 表紙の画像にも使用した、カービングパターンのバックグラウンドを切り抜いた物です。大きさの目安に1円玉と一緒に撮影しました。この切り抜きに使用した刃物が、右側のナイフです。協進エルの新しいカタログに掲載された工具ですが、今まで使用したことがなかったので試してみました。

 感想は、「こんなに小回りの効くナイフは初めて!」です。刃が薄いので、あまり厚い革を切るのは大変かもしれませんが、薄手の革ではかなり細かなカットが可能でした。アートナイフ・デザインナイフと呼ばれる細工用のカッターよりも、私個人ははるかに使いやすく感じました。 最近の一押し工具です。

 刃の部分を見てみましょう。左の画像の刃は、先端を研いであります。実は、附属してきた刃があまり切れなかったのです。3本セットの替え刃があるのですが、替え刃は切れ味の良い物でした。その違いは研ぎ角でした。

 右の画像の3本の刃は、上が替え刃で購入した物です。下の左側がその替え刃を研いだ物です。先端の雰囲気が少し変わっているのがわかるでしょうか。刃先はわざと丸くしてあります。そして、下の右が最初に附属してきた刃です。角度が悪かったのでよけい研がなくてはいけなかったので、その分きれいになっています。

 研ぎには多少の慣れが必要かもしれませんが、試してみても損はない小回り性能です。ただし鉛筆持ちした時には、柄に重心があるのと握る位置の形状に多少気になるところがあります。私はこの点も解決済みなのですが、公開するには現時点では問題があるかもしれませんので、非公開にいたします。ごめんなさい。また別の機会に紹介できればと思います。

 ところで、カタログ上の製品名が「ナイフセット」だったのですが、もう少し機能面を強調した名前があっても良いかもしれません。



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2007年04月02日 アナログマンその107
「クリップも使いよう」




上の画像は、ステンレス製のクリップです。
右のクリップはつまむところを切断しているのが、わかるでしょうか。
さて、何に使うかと言いますと




 上の画像のようにして使います。クリップではさんでいる白い物は、はままつクラフトさんで発売している「らくぬーり」と言う圧縮したフェルトの、コバなどを染めるための道具です。レザークラフトの材料を扱っているショップで入手可能だと思います。アナログマンで以前に一度紹介したことがありましたが、ホルダーに固定するために針を使ったりして、いまひとつしっくり感が無かったのですが、このクリップにしたところ、違和感がずいぶん無くなりました。

 染料がにじみにくく、長い距離の色差しができる便利な物ですので、お試しください。



こんな感じにしてみました。


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2007年02月20日 アナログマンその106
「あれこれと」


 コバ磨き用の木製の円盤が市販されていますが、この道具はどうなのかと、工房に来たユーザーから質問されることがあります。私は、この道具を普段使っていないのですが、溝の形状を変えたほうが使いやすいのではないかと思っています。

 画像の右側が市販のノーマルな状態で、左側が溝を浅く広いアールに加工したものです。私の感覚では、おそらくこのような大きめの溝が、いろいろな厚さの革に対応できると思います。あるいは、いろいろな形状の溝の木製円盤を、いくつか用意すると良いのかもしれません。

 円盤形の道具の利点のひとつは、中心に穴をあけると動力で回して使うことができることだと思いますが、最近の木製円盤には中心の目安になる旋盤の軸の跡が無いようなので、中心がわかりにくくなっているようです。


 いまも市販されているのかどうか、最近扱った記憶がないのですが、白い樹脂製の円盤もありましたね。この製品は中心の穴が確か直径4ミリだったと思います。4ミリのネジを通すだけで、ボール盤などの動力で回すことができるものでした。

 動力で回して使う道具もいろいろと考えられますが、樹脂製の円盤は、手軽に試すことができて良い道具だったような気がします。画像は、やはり溝を広く加工したものです。

 私は、動力を使って磨くことはほとんど無いですし、いまひとつ上手く作業ができないのですが、円盤型の道具を使っている方は、一度は動力で回すのも試してみても良いかもしれませんね。


 円盤型の道具は使っていませんが、木のブロックを少し加工したものは使っています。ただ、溝を付けただけの木のブロックですが、まずまず使いやすいものです。

 ただ、毎度この道具を使っているわけではありません。いろいろな道具の中から、そのときどき、対象になるものにあわせて、相性の良さそうなものを使っています。

 コバの磨きの時だけではなくて、床やぎんの磨きの時も、そのときどきに合いそうなものを使います。私のサイトでは、特製の磨きガラス板を販売していますが、ガラス板以外にも必要に応じて使いやすそうで結果の良いものを使っています。臨機応変。何でも有り。結果オーライです。



 さて、私のサイトについて少し。

 サイトの更新はできるだけ継続的にやっていこうと思っていたのですが、実際には新しい記事はほとんど書いておりませんし、サイトの更新を続けるのも難しいものです。こういう状態が今後も続きそうなので、「サイトの更新はしなくても良いのだ」と、考え方を変えることにしました。やらなくても良いと考えている方が楽な気持でいられるので、ストレス防止のようなものです。書くことは好きなので、まったく更新しなくなるわけではありませんが、いままでにも増してのんびりした気持でやっていきたいと思います。



 ↓ 前回アナログマンについても少し。

 納豆ネタは、その後捏造ネタへと変わってしまい、納豆ネタなど書かなければ良かったと後悔しつつも、また新たな納豆メニューに挑戦しました。「アボガド納豆天ぷら」。教室で話しをしても、誰一人としておいしそうとは言ってくれません。でも、なかなかいけるんですよ。

 今日の教室では、精進料理のバナナの天ぷらも話しに出ました。私は食べたことがなかったので、さっそく挑戦。みなさんおいしいとおっしゃっていたけれども・・・。う〜ん、微妙だ。

 

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2007年01月15日 アナログマンその105
「納豆メニュー」

 納豆が、ダイエット効果があるとテレビで紹介されたというので、たくさん売れているそうですね。納豆は、吸収率が良いので、栄養がたくさん効率的にとれますし、とても体に良いですね。

 子供の頃には、納豆を毎日のように、しかもたくさん食べておりました。最近は、それほど好んでは食べていませんが、ときどきすごく食べたくなる時があります。

 さて、教室のレッスン中には、よく食べ物が話題になるのですが、納豆の食べ方も何度か話題になっています。その中で、生徒さんのおすすめで最近試したのが「納豆ステーキ」です。

 納豆+みそ+砂糖+片栗粉+みりん → 焼く → 食べる。混ぜる量は好みで適当にで良いようです。初めて食べましたが、家族全員から好評でした。私は粒の方が好みでしたが、子供たちは挽き割りが好みでした。ご飯にもお酒にも、どちらにも合うと思いますので、お試しください。


 もう一つ、何度か食べてみてまあまあ気に入ったのがコレ。「キムチ納豆」です。

 ついてくるタレがキムチ風味なのですが、なかなかおいしいです。この納豆に片栗粉を加えて焼いてもおいしいのではないかと思っているのですが、まだ試していません。

 テレビ番組の影響で急に増えた納豆需要ですが、このキムチ納豆を作っている秋田の山田フーズでは、通常の生産量が日産50〜60万個だそうです。「ダイエット特需」に応えるために、生産量を大幅に増やしているそうです。

 全国的に急に生産量がふえると、原料の大豆も急に売れていると言うことでしょうね。ここで、「みそ・しょうゆ・豆腐」などもダイエットに効果があるとテレビで放送さえたりすると、大豆不足騒動が起きそうな・・。世の中テレビの影響で、「せーの!」で動いてしまうところがすごいですね。いや、ダイエット需要がすごいのか・・。



 教室での納豆に関しての話題の中では、ほかに「納豆チャーハン」 「アボガド納豆」 などが生徒さんたちからおすすめメニューとして上がりました。

 私のおすすめは、「納豆茶漬け」です。少し濃いめに塩で味付けした納豆をご飯の上にのせます。そこに煎茶を入れるだけ。薬味などはお好みで。子供の頃に、祖母がよく食べさせてくれました。

 私が他に試してみたのは、「納豆オムレツ」・・・コレはまあまあです。「納豆サンド」・・・コレはいまひとつ。「ささみの納豆焼き」・・・料理に興味を持ち始めた子供の頃に、ささみの上に納豆をのせて焼くというのを本を見てやってみたのですが、最悪にまずかったです。私の作り方が良くなかったのだとは思いますが、今まで食べた中のワーストの有力メニューです。


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2007年01月08日 アナログマンその104
「2007年」


 また新しい年になってしまいました。2007年もよろしくお願いいたします。

 雪の無い年末年始を過ごしましたが、昨年は大雪だっただけにある意味で拍子抜けです。過ごしやすいのですが、何だか不気味でもあります。異常気象じゃない年はないと言うくらいに、気候が落ち着かなくなってしまったようです。

 さて今回の画像は、教室のレッスン中に、こういうのも簡単にできますよーという見本に作ったものです。使い道の無い見本のその画像。なんとなく、アナログマンのページにでも置いてあげようかなと言うところです。


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