以前書いたブログ「TUZIE-珈琲を一杯」の記録です。
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TUZIE-珈琲を一杯2010-01


2010年6月26日土曜日
「サイトの表紙:やや抽象的」


 唐草のパターンを少し抽象的に描いてみました。

 感覚的にこんなものかなというのを、教室が始まる前のちょっとした時間に描いたものです。理詰めに吟味した線ではないけれど、この大雑把な感じは好みです。




2010年6月22日火曜日
「SPONG コーヒーミル・・・2」

 30年来使っているコーヒーミルの、底の粉受け部分を外したところです。筒型のコーヒーミルはいくつも市販されていますが、このSPONGのコーヒーミルの大きな特徴は、本体そのものが臼の外刃になっているということです。

 一般的な筒型のミルは、ある程度の汎用性があると思われる臼のユニットを組み込んで、製品が形作られています。部品の準備やデザインの自由さという点で、ユニット式のほうが利点があると思われます。

 でも、本体そのものを臼の外刃にしてしまって、そこに内刃をはめ合わせているというこのミルの作りは、職人的なデザインと物作りを感じさせてくれます。

 粉の細かさは、上の画像で見えている本体内側中央の小さめのネジで調整します。これがなかなか調整しづらくて、微妙な感覚が必要だったりします。

 SPONGのミルは有名なのですが、このタイプはネット上にも画像などが少ないようなので、SPONG製の証拠の画像を最後に一枚。




2010年6月21日月曜日
「SPONG コーヒーミル・・・1」

 30年ほど前に購入したコーヒーミルです。鋳鉄製の鉄のかたまりのようなミルです。デザインに一目惚れしてしまいました。今はなきイギリスのSPONG というブランドの製品です。世界で最初にコーヒーミルを製品化したブランドだと、ネットの記事で見かけました。

 このデザインの製品は当時はそれほど数は売れなかったはずのものです。同じSPONGの製品に、他の売れ筋のミルがあったのです。私が使っているこのコーヒーミルは、豆を挽くにはちょっと力が必要です。豆が弾けて飛び出したり、最後の一粒がなかなか挽けなかったり、まあいろいろと気になるところはあります。

 でも、30年たった今でもお気に入りの製品です。




2010年6月19日土曜日
「Mr.SUGITANI」

 この写真の縫製作業中の人物は、私の親戚の杉谷武史氏です。母の兄さんの娘さんの息子さん・・・簡単に書くと、私のいとこの息子さんです。

 whole grain MUSTARD というブランドの製品の作り手です。ご本人とはお会いしたことはまだ無いのですが、私がまだ若かった頃に、一度ご実家の工房にお邪魔したことがあります。ご実家も革関係の仕事をされていて、さらに海外でも修行してきた本格派です。

 ご本人のブログ 杉谷武史の日々 BLOG には、日々の製作の様子や、最近のお弟子さんとのやりとりなどがつづられていて、楽しく拝見しています。

 革の物作りと言っても、私の分野とはまた違う世界の職人さんですが、いつかお会いしたいと思っています。




2010年6月7日月曜日
「スイヴェル等幅線引き」

 スイヴェルナイフに取り付けて使う、等幅の線を引くための道具です。ネジ捻と同じような用途だと思ってください。ただ、幅は固定です。

 画像の物は、カービングの時の等幅の線を作るときに使っているブレードです。前回の加工したネジ捻も、同様の用途に適していると思いますが、今回の道具のほうが使いやすいかもしれません。曲線へ対応する性能が違います。

 最初から等幅に2本の線を切るためのブレードと違って、刃は付けていません。まろやかな先端になっています。普通のブレードでカットした一本の線に沿って、もう一本の線を引いていくような使い方になります。この道具は曲線に沿わせやすい、回転する捻引きという方向で考えたものです。

 右利きの私が使うことを想定して、左右の長さを変えてありますが、どちらを長くするかによって、使い勝手はだいぶ変わります。私は用途に合わせて、右を長くした物と左を長くした物の、両方を作っています。カービング用途では、通常の捻とは長くする方を逆にしています。

 この道具はとても使いやすく、市販品があっても良いと思うくらいなのですが、道具や商品についての私の希望がかなうことなどほとんど無いので、永遠のマイナー工具だと思います。試してみたい人は自作してください。加工は簡単です。




2010年6月6日日曜日
「真似したネジ捻」
 「レザーカービング」についての本の新しいのが今年の初め頃に出版されたのですが、写真が豊富でなかなかわかりやすい本でした。その写真の中に出てくる、ネジ捻の形が良いなーと思って、ちょっと真似してみました。

 細身に削ったのですが、横から見るとサンマの頭のようにも見えますね。だからと言って、「サンマ君」みたいな名前は付けたりしませんが・・。

 本の中では、カービングの枠線を等幅に加工する時に使われていました。私の作業台の机の中にも、一応カービング用のネジ捻が入っていますが、実際のところはあまり登場回数は多くはありません。

 でも、スマートな形にしたので、少しは登場回数が増えるかも。




2010年6月5日土曜日
「スイヴェルナイフの刃」

 スイヴェルナイフの刃にもいろいろなものがありますが、これは私が使っている刃の一つです。必要に迫られてこのような形にしてみました。ちょっと変わった形状になっていますが、私にとってはとても重要な役目を果たしてくれます。どのような機能を持っている刃か、わかりますか。




2010年6月2日水曜日
「ふにゅふにゅの線」

 カービングパターンに均一で細かい波線がある時には、カットを省略して刻印だけで表現することがあります。上の画像で、時計回りに12時のところから順に見た工程で表現します。 もちろん波線のカットができないわけではありませんが、このような方法が良い場合もあると思っています。

 こういったカービングパターンに出てくる波線。英語の名称で呼ばれる場合も少なくないようですが、私は「ふにゅふにゅの線」というでたらめな言い方をしています。

 「ふにゅふにゅの線」の表現方法は多様で、なかなか奥深いものがあります。




2010年5月30日日曜日
「フキの唐草・・・3」

 フキの葉の上に置いてある革は14センチ四方くらいの大きさです。秋田フキと言って、大きく育つと大人の背丈ほどになるものもあるようなのですが、これは自宅にある腰の高さくらいのフキです。カービングのデザインとしては、モチーフの参考にする程度で、リアルにすることは考えていません。

 前の練習の2作から少しラインを変えて、今度はいつも通りに着色はしない前提でのカービングです。すこし、革の唐草らしくなったように思います。モチーフがいろいろあって、ちょっと遊んでいる感じがありますね。




2010年5月29日土曜日
「フキの唐草・・・2」

 フキの唐草の2回めのカービング。葉をフキっぽくして、あとは適当に。民芸品の模様のような雰囲気の仕上がりになりました。




2010年5月28日金曜日
「フキの唐草・・・1」

 フキの唐草を描いてみたいと思い、2月ころから少しずつ考えていました。秋田県の花が「ふきのとう」なので、公的なマークや工芸品などにフキの葉のデザインが多く、子供の頃から身近に見ていて、フキは正直なところ格好良くないモチーフだと感じていました。

 昔は食べ物としてのフキも嫌いだったのですが、近年は年齢のせいなのかフキを食べておいしいと感じるようになってきて、おいしいと思ったら何だかフキに興味を持てるようになってきたのです。

 あまりフキっぽくないデザインにしたいと思いますし、民芸品みたいなデザインにもしたくないのですが、なかなか唐草のパターンにまとめるのも難しくて、とりあえず描いてみたのが今回のパターンです。彫り方にもかなりの迷いがありますね。全体の印象は「下手でしょぼい」ですし、それぞれのモチーフのバランスもいまひとつですが、もっと数を描いて吟味すればちゃんとしたパターンを作ることができると思います。

 アンティック仕上げと言われるペースト染料での着色を行いましたが、今回はペースト染料の拭き取りに「OXカスタム」と言う商品を使いました。大阪のレザークラフトショップ「フェニックス」さんで販売している商品です。詳しくはこちらのブログを見てください。

 アンモニア臭があるので、通常は水に溶けない成分を水溶性にして乳化させているのだと思います。革に使うものでペースト染料用とくればカゼイン系のものかなと思います。定かではありませんが、薄めのカゼインエマルジョンだと思って使いました。

 フェニックスさんのブログに書いてある通りに、ペースト染料を乾かしてから拭き取り作業を行いましたが、たしかに簡単に拭き取りができました。界面活性剤として働いて、しかも革に残る成分は革と相性の良いカゼイン。なるほど合理的ですね。ペースト染料をよく使う人は、試してみても良いのではないでしょうか。 




2010年3月24日水曜日
「色を塗る道具3:水筆ペン」

 筆ペンを使ってみようと思って、最初は、フェルトみたいな筆先の筆ペンのボディーを引き抜いて、中のインクを洗ってきれいにしてから革の染料を入れて使ってみました。書きやすかったのですが、準備も面倒ですし、染料の補充も満足にできないので、実用にはなりませんでした。

 その後に試してみたのが、こちらの呉竹の水筆ペンです。水彩画などのぼかしの水を使うときに便利という道具です。アルコールを含む染料が、この筆ペンの構造や材質に適しているのかどうかは怪しいのですが、オイルダイを入れて使ってみています。

 このペンに期待するのは、バックグラウンドへの色差しです。染料を足さずに作業したいと思うのです。実際やってみると、調子が良ければ問題なく作業ができました。

 調子が良ければと書いたのは、調子が悪い場合もあったということなのです。実は、染料がボタボタ落ちて来たことがありました。おそらく気圧の問題なのでしょうね。ペンの中の空気が温められて膨張してしまった時に、それが発生したのではないかと思われます。これは、決定的な失敗になりますね。

  一度ボタ落ちを経験してから、使用前にペン先を上に向けて、ボディを押して空気抜きの動作をしてから使うことにしました。そうしてからは、ボタ落ちは発生していないのですが、まだ十分に信頼できるところまではいきません。そのうちまた失敗するような予感が少々ありです・・・。染料が少なくなると危ないかなー!?
 
 さて、3回にわけて紹介した、スポンジ・万年筆・筆ペンを使って、染色をしてみました。細かいところもそれなりに作業できたという感じです。染料の出し入れも少なくて済み、道具の洗浄も考えなくて良いので、これだったら私でも多少は染色ができるようになるかもしれません。でも、万年筆と筆ペンはチョコレート色用しか準備していないので、いつも同じ色になってしまうかも・・・。

 上の画像は、最初から染色の試しとしてカービングしたものだったのですが、全体画像はあまりにもひどいので、一部分の画像を使いました。試しの染色が前提だったこともあり、かなり雑です。

 私は上の画像をじっと見ていると、バランスの悪さに気持ち悪くなってくる部分があります。自分で彫っておいて気持ち悪いと言うのも無責任ですし、それをブログに貼り付けるのもまた無責任ではありますが、3点セットで染めたカービングのサンプル画像がこれしか無かったのでご容赦を。




2010年3月18日木曜日
「色を塗る道具2:かわdeまんねんひつ」

  万年筆で革の染料を使う。もちろん、革を染めるために。すぐに試せそうな物が手元にあったので、昨年から遊びでときどき使ってみています。

 結論から言うと、細かい部分の染色には使えるのではないかなと思います。金属のペン先なので、湿った革には負担になるのは間違いないと思うのですが、それでも、細かい部分の着色に、染料の継ぎ足しなしで安定して使うことのできる可能性はあるのかなと思います。

 画像のペンは、105円で売っていた、セーラーの百均用商品です。これにコンバーターを付けて、染料を吸い上げて使ってみました。ペン先は、画像の上の方向にグッと曲げたのですが、もともとセーラーには「ふでdeまんねん」という笑えそうで笑いにくい?商品名の万年筆があります。このペン先は、ものすごい角度で曲がっていまして、ユニークな使い方のできる万年筆として人気があります。私も持っているのですが、この様にペン先を曲げると、革にも使えるなと思ったわけです。

 でも、革用の染料を吸い込ませるのは気が引けて、105円で売っていたペンを使うことにしたのです。本家「ふでdeまんねん」ほどの角度には曲げておらず、曲げる角度はあっさりしたものですが、それでも通常のペン先よりはだいぶペン先が広く接する角度になっています。

 もうほとんど、ただのペンです。ご覧の通りで、サインペンで書いたようにしか見えませんね。でも、色を使うときに、筆に染料を付ける手間さえも私は好きではないので、サインペンのように使えるのはありがたいと思うのです。

 正直なところ、普段の私の作業ではほぼ出番は無いのですが、ごく細かいところの着色には、もしかしたら本当に便利に使えることがある道具なのかもしれません。

 本体105円、コンバーター525円、染料はオイルダイのチョコレート。ペン先を曲げてから、#8000の研磨シートで研磨。本体が圧倒的に一番安いという組み合わせです。




2010年3月12日金曜日
「色を塗る道具1:メラミンスポンジ」

 なにやら変な物が写っている画像ですが、これはコバに着色する時などに使っています。染料でも塗料でも、液体を塗るのに便利です。含みが良く、1度に長い距離の着色が可能です。

 白い部分は、スポンジです。汚れ落としなどとして販売されることの多い、メラミンフォームです。吸水性が良い素材ですし、安定して塗りやすい密度と腰があります。ただ、腰があるといっても、どちらかというと弱いものです。また、もろさのある素材なので、このように細く切ったときには、あまり力を入れないように気をつけましょう。

 汚れ落としで革に色を塗って大丈夫かと、心配する人もいるかもしれません。でも、メラミン樹脂の硬さと、フォームのもろさを利用した汚れ落としとしては、それなりの力を加えないと機能しませんので、軽く色を塗る程度では革に傷などは付きません。

 スポンジを挟んでいる銀色の部品は、髪留めです。ダッカールというのかな?100円で2本組で売っていた安いものですが、形は使いやすそうな物を選びました。挟む部分の形状などは、しっかりと選んだほうが良いです。

 染料を浸み込ませるとこの様な感じです。先端を斜めに切っているところが使いやすさのポイントになります。斜めに切った方が、革へ接する面が自然な角度になることが多いと思います。

 色を塗る道具は、できれば手を汚さずに使えて、安価に使い捨てにできる物を使いたいので、最近はこのスポンジを使っています。小さくカットされた製品も売られていますし、また大きなブロックでも簡単にカッターで切ることができます。100円でいろいろな製品が選べるのが、ちょっと楽しいところです。

 やや大きめにカットすると、革の表面の染色にも十分に使うことができると感じます。腰が弱いので、技術的な制約はありますが、それなりに使い道があると思います。

 私にとってはなかなか便利な道具です。




2010年3月6日土曜日
「幅切りカッター」

 一窓店舗でも紹介した幅切りカッターです。定規部分は市販の状態からはかなり作り変えています。いくつか試した中では気に入った形です。

 幅切りカッターのカッター部分は、基本的にはごく普通のカッターですから、切れ味が特別良いというわけではありませんが、作業台の上で普通に裁断作業ができるところが良いかなと思っています。

 定規部分の加工が必要ですし、使い勝手も好みが分かれるところがあると思いますが、機会がありましたらお試しください。
 ところで、この画像の定規部分のアルミ素材の接着には、 高性能の接着剤を使いました。最近の高性能接着剤はとても便利です。


革と金属の接着などにも適しているので、アクセサリー系の金具を使うときなどにも重宝します。レザークラフトの定番アイテムに、近年の高性能接着剤も加えたいですね。




2010年3月1日月曜日
「丸紐づくりの道具」

 前回の丸紐を作った道具は、このような感じです。丸い穴がたくさん開いていますね。大きな穴から、少しずつ小さな穴に移行していけば良いわけです。(もちろん、いろいろな段取りがあるわけですが・・・。)

 硬くてすべりが良くて厚みが適度であれば、道具の素材は様々な物が使えるはずです。硬い木に、穴を開けるだけでも良いと思います。

 画像の白い板は、ポリアセタールの板です。何年か前から、気に入っている素材です。画像の道具は、丸紐を作るために専用に作ったわけではありません。もともとは、革を磨く板として作りました。素材の特性と厚みなどが、ちょうど丸紐作りに合いそうだったので、後から穴を開けました。

 やや無計画に穴を開けたので、穴の配置は少々混乱ぎみですが、自分で使う分には問題ありません。穴の大きさを表す数字も、消えないように彫ってあります。それぞれの用途での使用感も実用的なものだと思いましたが、強度と耐久力はまだ十分に検証していません。

 この手の道具があれば、定番的な道具の一つになりそうな気もするのですが、いかがなものでしょうか。丸紐を自分で作るというニーズは、あまりないかな。

 余談ですが、ポリアセタールを入力しようと思って変換すると、毎回「ポリ汗タール」になってしまいます。なんだか、あせってしまいます。ブログ書いている場合じゃないだろと怒られているような、そんな気持ちが一瞬よぎる・・・。「汗」という漢字には、何か独特の雰囲気を感じます。




2010年2月25日木曜日
「ステッチ入り丸紐」

 ステッチ入り丸紐を作ってみました。太さは、だいたい6ミリです。縫い目は、溝に収まっていますので、ある程度は擦れに対しても耐久性が見込めるのではないかと思います。

 手間をかけて作る割には、それほど目立つわけでもなく、地味でさりげない感じなのですが、こういう美観は好みです。ステッチは、もう少し目立つ色も良いかもしれません。小物用の革紐に、時々は使ってみようと思います。




2010年2月22日月曜日
「昔のパターン」

 1982年2月22日の日付のあるデザインです。ちょうど、28年前の今日ですね。まだ高校生のころにスケッチブックに描いたものです。当時は真剣に描いたのですが、カービングしてみたら自分でも情けない出来にしかなりませんでした。

 まだ見よう見まねで、本を参考に一人でカービングをしていた頃ですが、この頃のデザインやカービングは、何故か鮮明に記憶しています。先日、作った道具の確認のためのカービングをするときに、このパターンを再構成してカービングしてみようと思いました。

 その時のカービングがこの画像です。現在のサイトの表紙にも使っています。最初は、もっとシンプルな形にしていたのですが、道具の反応をいろいろと見るために、ちょっと変更をしました。

 最近の洗練された細身のラインのカービングと比べると、もっさりした感じがあるかもしれませんね。パターンの輪郭に沿って枠線があるのが、ちょっと変わった点かもしれませんが、枠線を引く道具も試したかったので、枠線を付けやすい形にしました。

 このパターンに密着するような枠線は、染色の配色を考えるときに利用できると思い、ずいぶん前に試していたものです。自分ではほとんど染めることが無いのですが、染めないながらも染料の試験などをしていた頃があって、その中で今回の枠線の3倍くらいの幅の線を設定して試したりしていました。なかなかおもしろい色使いができたように記憶しています。

 このカービングでは、他にもいくつかの道具を試していて、刻印を叩かずに他の道具で表現を試みている部分もあります。それなりに可能性がありましたが、まだ使いこなす手段が定まらず、中途半端な効果になっています。何度か試すうちに、もう少し良くなるかもしれません。

 さて、だいぶ年数が経ってからの再構成なので、雰囲気はだいぶ変わりました。またいつか、同じようにデザインしなおしてみたいと思います。




2010年2月21日日曜日
「細切りナイフ」

 この道具は、机の引き出しを整理していて、最近見つけたものです。自分で加工したのに、作ったことを忘れていました。多分、ステッチンググルーバーが新しくなって発売されて間もなく、使い途の一つとして考えて加工していた物だと思います。道具の引き出しにしまって、そのまま忘れていました。

 刃は、デザインナイフやサークルカッターに使われる細いものです。真鍮の丸棒を削った物にはさむ形で固定しています。細くて薄い刃なので、使用中にブレないように、ガイドの反対側の真鍮は長くなっています。これで、かなり安定感が増しているはずですね。ガイドはざっと削っただけのようなので、もう少し使いやすく削ることができそうな気がします。

 使うに当たっては、ちょっとした操作のコツがありますが、慣れると安定して使うことができそうです。細紐を切る以外に、どのように利用するかを具体的には考えてはいないのですが、なにか便利な使い方があるのではないかと思います。

 固定と定規の2つの部分がある物は、ガイド付きの汎用のホルダーとして考えると、使い途が広がります。どうせなら、太い替刃式のグルーバーにガイドが付いていれば、固定する部品の幅が広がって、もっといろいろな使い途が考えられるかもしれませんね。




2010年2月19日金曜日
「保冷リュック」

 ナイロンのリュックです。外観だけではわかりませんが、保冷リュックになっています。フェリシモの「kraso 2009-'10 秋冬号」という通信販売のカタログに掲載されているものです。読者のアイデアで商品を作るという企画の一つで作られたものです。折りたたみ式で、外のポケットに収納してコンパクトになります。

 どうしてこの製品を紹介するかと言いますと、アイデアを出した読者の一人が、私の妹なのです。本人は、どんなデザイン画を送ったのかも忘れてしまったし、コピーもとっていないとのことでした。そのずさんさは、私と似ています。血のつながりを感じてしまう・・・。

 さて、このリュックの最も大切なポイントの保冷部分です。これが無かったら、ただのナイロンリュックですね。アイデアとして採用されたのは、まさにこの保冷リュックというところです。

 なかなか機能的で便利なリュックです。3月頃までは注文できるようですので、よかったらお一つどうぞ・・・と書きたいのですが、毎月1個ずつ6回届くというシステムなのです。よかったら、6個いかが!?




2010年2月15日月曜日
「シェラック樹脂


 シェラック樹脂のフレークです。精製の度合いによって色が違い、何種類もグレードがあります。私が持っているのは、左が「オレンジ」右が「ブロンズ」というグレードで販売されていた物です。

 ロウ分を含んだままの未脱脂のものと、脱脂してロウ分などを取り去ったものがあります。体感ですが、ブロンズのほうが溶けるのが早いように感じています。

 アルコール100ccに対して、12gのシェラックを溶かすのが、「1カット」という基本的な分量なのだそうです。100ccに対して24gになると「2カット」となります。私は、2〜3カットくらいで木工用のニスとして使っています。「オレンジ」はかなり黄色味のある塗装になります。アルコールが溶剤の染料と混ぜることもできるので、オイルダイなどと混ぜてカラーニスとして使うこともできます。

 レザークラフトの世界では、油性の硬化剤がシェラックではなかろうかと思っています。でも、業者に問い合わせるのは億劫で、確認したことはありませんので、信用しないでください。ちなみに、松ヤニもアルコールに溶解し、似たような色になります。

 シェラックは、ラックカイガラムシの分泌物から採取されるもので、アルコールに溶かして、「セラックニス」などの名称で市販もされています。同じ虫からラックダイ色素なども採取されるようです。また、コチニール色素なども、同じカイガラムシの仲間から採取されるそうです。食品の色素にも使われたりしますから、商品のパッケージに注意していると、コチニール色素の名を見ることがあるかもしれません。

 シェラックは古典的な仕上げ剤です。家具の塗装やパイプの塗装などにも使われていますが、意外と身近なところでは薬の錠剤のコーティングなどにも使われています。シェラックは熱で溶けるので、ホットボンド的な利用法もあるようです。

 合成樹脂が盛んに使われる現代ですが、天然樹脂の中にもまだまだ手軽で使いやすい物がありますね。市販のセラックニスはあまり好みではなかったのですが、自分で濃度を決めて溶かしたシェラックニスはとても気に入っています。

 革への使い道も、探ってみたいと思います。




2010年2月11日木曜日
「ワックスコートの中身は・・・」

 これは、私のサイトの一窓店舗で紹介してみようと思っている仕上げ剤です。さて、この画像の2つの仕上げ剤の共通点は何でしょうか。「ワックスコート」 と「タンコート」、どちらも商品名に「コート」がつく。ということでないのは、もちろんのことなのですが・・・。

 私が「ワックスコート」という仕上げ剤を知ってからまだそれほど時間は経っていないのですが、別の名称で以前からあった仕上げ剤だそうです。アンティック系のペースト染料の色止めとして販売されていたようです。

 商品説明では「高級天然ワックス仕上げ剤」ということになっています。私もワックスのエマルジョンだと思って試しはじめました。しっかりした艶が出て、液の色は褐色がかっているので、カルナバの低グレードの色が濃い物が原料なのではないかと見当をつけてみたのですが、成分の確認で問い合わせた販売元からは、思いも寄らない油脂の名称が出てきたりして、それは違うのではないかと疑問を持ち、何か違和感を感じました。
 
 そして、何度か使ってみて、これはワックスではない何か別の物だとというのが、私の判断でした。反応がワックスのものでは無いというのが、試してみた私の感触だったのです。では、何なのかというのが問題になるわけですが、業者からは正確な情報がなかなか得られない様子だったので、自分なりに答えを探し始めました。

 この仕上げ剤は、乾燥が早く、高い艶が得られて、色止め効果が高いものです。また、使い方を間違うとムラができたり、仕上げ面が白化したような感じになることもありました。ガラス板に塗っておくと、意外と硬そうな塗膜が確認できます。その塗膜はアルコールで溶けるように見えました。容器に入れて乾燥させると、褐色の固形物が残ります。

 以上のようなことから、おそらく何らかの樹脂であろうと見当をつけました。茶褐色でアルコールに溶ける天然樹脂ということで、私の中での第一候補はシェラックでした。そして、固形のシェラックを取り寄せて、アルコールで溶かして試してみましたが、塗膜が脆くて革の仕上げ剤にそのまま使うには不向きな感じでした。でも、艶は出ますし、色も止まります。ただ、柔軟性が足りませんでした。水溶性のシェラックも試しましたが、やはり同様です。

 前置きが長くなってしまいましたが、実はその後いろいろありまして、成分がやっとわかりました。私の予想は大ハズレでした。「ワックスコート」は、どうやらカゼイン系の仕上げ剤のようなのです。詳細は伏せますが、成分を分析していただくことができました。私には専門的な知識もなく、自分で分析したわけではないので、販売している会社が「ワックス」だと説明しているものを、違うとは断言できませんが、カゼインという結果に私個人は納得できました。

 さて、最初の2つの仕上げ剤の共通点の問題の答えですが、それは「カゼイン」でした。どちらもカゼイン系の仕上げ剤ということです。でも、あくまでも私が個人的にそう思っているということです。私が勝手に言っていることですので、販売元の会社は一切関知していないことです。私がまたくだらない独り言を書いたと思ってください。ネットによくある、不正確な怪しい情報の部類だと思っておいていただければ、書いた私は気楽でいられるのでありがたいです。

 カゼイン系仕上げ剤で仕上げたあと、艶出しの磨きを試してみるのもおもしろいかもしれません。革の質感が変わります。また、同じカゼイン系だとしても、「ワックスコート」と「タンコート」では、効果にずいぶん違いが感じられます。カゼインの硬さや、溶液中の濃度も違いますので、興味のある方はお試しください。 カゼインは古典的な仕上げ剤ですが、工夫次第で使い道はあるのではないかと思われます。革の表面やコバなど、いろいろと試してみてください。

 「ワックスコート」を使用するときは、牛脚油・馬油などの後に施すのは問題ないようです。おそらく浸透性の良い油は大丈夫です。ワックスを含む保革油などの後には適さないようです。ワックス分は要注意のような気がします。通常のワックスエマルジョンだと思って使うと、問題が発生する可能性があるように思います。成分がなんであれ、使用条件をいろいろと試しながら使ってみてください。

 古い記憶ですが、だいぶ前に自分でカゼインの水溶液を作ったことがあります。アンモニアなどを使って水溶液にするのですが、革に使える状態にはできませんでした。PHの調整が必要だったのだろうと、今にして思います。やはり、しっかりと革用に作られた市販品のほうが、間違いないようです。

【追記】
 個人的には上記の通りで「ワックスコート」はカゼイン系の仕上げ剤だと思っているのですが、名称の通りにワックスなどとの混合物なのかもしれません。成分の分析と言っても、構成する内容物をすべて詳細に調べたということではないので、大雑把な情報であることをご承知置きください。




2010年2月7日日曜日
「ステッチンググルーバーのデザイン」

 2008年に発売された、新型のステッチンググルーバーですが、ガイドの角棒の形が今ひとつ好みではないので、画像のように削っています。見た目だけではなくて、機能的にも利用範囲が広がるのですが、その点についてはまた機会をあらためて。

 この製品が発売された時に、私のサイトの紹介記事で「合理的に設計された製品だと思います。」と書いていたのですが、最近パソコンに入っている画像を整理していたら、下の画像が出てきました。

 自分で描いたのを忘れていたのですが、ほぼ同じ道具を自分でも考えていたようです。画像を保存した日付は2004年の11月になっていました。

 記憶の糸を手繰り寄せると、たしか業界の人と、工具の改良について少しばかり意見を交わしている時に準備した画像でした。メールに添付して送ったものでしたが、その時のメールに書いた私の文章には、下記のようにありました。

 「・・・SGの刃とガイドが逆になった物です。やはり先端部品は専用品です。スケールとかを全く考えないで描いているので、実物を作るのは難しいかもしれませんが、これも右利き左利きの区別が無く、意外と使いやすい物になるのではないかと思います。ガイドをはずすと、単独のグルーバーや捻になってしまうので、他の工具とかぶってしまいますが、けっこう専門工具らしいたたずまいになるのではないかと言う気もします。・・・」

 手描きで適当に描いた図についてのコメントですが、実物ができる前からこの道具の特徴をとらえていましたね。完全に忘れていたので、図と文章を見て少々 驚きました。

 新型のステッチンググルーバーを作っている会社は、私が工具の改良について意見を交わした人とは関係のない会社です。いろいろな経緯を考えると、もしかしたら私が描いたこの図を目にする機会のあった人材がいたかもしれませんが、憶測の話になってしまいますし、業界の細かいことを書くわけにはいかずです。

 でも、もともとあった製品から合理的に考えていけば、自然に出てくるデザインでもありますから、私と同じ考え方をした人が、製造した会社にもいらっしゃるのでしょう。

 人様との専門的な話を公に出すのは筋が通らないので、当時はこの画像を公開することなどは考えてもいませんでしたし、その後すっかり忘れていましたが、すでに同じデザインの製品が発売されているので、ここに出しても問題は無いかなと思います。




2010年2月6日土曜日
「革漉き機設置完了」

 テーブルとモーターの到着を待っていた革漉き機の設置が、先日完了しました。最初に工房に来たときと比べると、見違えるようになりました。

 本体はサビを落として磨き、交換が必要な部品は交換しました。色が剥げていた部分には、艶と塗装の厚みがちょうど良い感じかなと思い、カシュー塗料を塗りました。テーブルにもそれなりの手を加えて、工房の狭いスペースに収まるように加工しました。

 どうやら、1969年に作られた革漉き機のようなので、私よりは年下ですがそれなりに古い機械です。はじめて見たときには、どうなることかと思いましたが、しっかりと動くようになってくれました。

 ただ、刃がちょっと怪しい感じです。もともと付属していた刃を、そのまま使っていますが、刃の底の部分が歪んでいます。旋盤加工の不良のように思えるのですが、定かではありません。構造を考えたり、製造工程を想像してみても、どうしてこんな歪みが出るのか今ひとつ理解できません。でも、刃先や刃の胴は歪んでいないので、当面はこのまま使ってみようと思っています。

 厚み調整のダイヤルには、ヤスリで溝を彫ってカシューの黒で着色しました。厚み調整の目安にしています。

 今回は、自分で組み立てて調整したので、今ひとつ信頼感が持てなくて、まだとりあえず試運転中というところです。これから調整の部分もいくつかあるのですが、今後しっかり働いてくれそうです。




2010年2月4日木曜日
「PC操作環境」

 パソコンを操作する私の環境は、この画像のような感じです。キーボードを載せるスライド天板の中央付近にキーボードを置いて、左側にトラックボールという配置です。キーボードの右側が開いているのですが、電卓を置いたりするのに使ってます。

 画像の右側の黒くて長い物体は、リストレストです。長さがおよそ60センチあります。手首をスライドさせて移動させやすいように、スライド天板の端から端までリストレストがある状態にしています。前後の奥行きも10センチ以上あり、手の前後の動きにも対応できるようにしました。とにかく、手や肩への負担を軽くしたかったのです。

 このリストレストは自分で作りました。素材は、トレパンです。もう使わなくなったトレパンの、片足分で一つできます。適当にミシンをかけて縫っただけのものですが、入り口はベルクロで開閉できるようになっているので、中身のクッションは交換できるようになっています。

 現在クッションに使っているのは、メラミンスポンジです。よく汚れ落としとして販売されているものですね。厚さが20ミリ程度のものを入れてあります。ゲル状の物を試してみたい気持ちもあるので、CMCを手軽に密閉して使う方法を思いついたら、CMCでゲル状のクッション材を作ってみたいと思っています。

 左手でトラックボールを使うようになってから、キーボードのショートカットも以前よりも覚えるようにしました。できるだけ少ない操作でパソコンを使いたいと思っています。それまでは、マウスの操作ばかりで、今思うと能率の悪いことをしておりました。

 キーボードの設定も変えました。フルサイズのキーボードが好きなのですが、そのテンキーのあたりのキーを、この画像のように変えています。他には、キーボードの左端の caps lock は ctrl キーに、space キーの右となりに back space を設定しています。また、いくつかのショートカットキーは、マウスを使わなくなった右手で操作しやすいように設定しています。

 パソコンを使い始めて数年で、やっとショートカットキーを覚えはじめ、ようやく使いやすいように自分なりの設定を考えるようになってきたというところです。

 タッチパネルで操作するような、便利な機械が次々に発売されていますので、今頃になってショートカットキーというのも、ちょっと遅すぎるのかもしれません。でも、もう少し工夫して使ってみたいと思っています。




2010年2月2日火曜日
「Orbit Trackball with Scroll Ring」

 スクロール機能付きの、手頃な価格のトラックボールがないものかと探したときに、新製品として発売が決まっていたのがこの画像の製品です。日本国内での正式発売は、2009年の年末頃のことです。ケンジントンの Orbit Trackball with Scroll Ring という製品です。

 昨年のうちに注文していたのですが、今年の1月に手元に届きました。不便だったスクロールも、この製品を使うことによって自由に行えるようになりました。青いボールの回りにある、グレーのリングを回すと、スクロールが行えます。一般的なマウスのスクロールホイールとは違って、横に回します。名称もスクロールリングです。

 クリック感は無くて、スムーズにリングは回ります。指先で弾くと、慣性で少々回りますので、素早いスクロールもお手のものです。クリック感がないのは、操作の負担も軽減してくれているようにも感じます。shiftキーを押しながらリングを回すと、横スクロールにもなります。(OSはLinuxを使用。WindowsやMacでも同じかはわかりません。)

 スクロールに関しては、とても満足できましたが、ボタンの操作には残念ながら少々不満を感じました。まず、以前使っていたトラックボールよりもボタンが硬いのです。製品による個体差があるかもしれませんし、あくまでも私個人の感覚ですが、もう少し軽く押せるボタンが好みです。でも、使い込むうちにボタンの操作感も変わってくるのかもしれません。

 そしてもう一つ、ボタンが本体とフラットになっていて、ボタンの位置が以前の機種よりも手で感じにくくなっておりました。ボタンの位置自体も、以前の機種よりも机上面に近い低い位置になっていることもあり、左手の小指や薬指のあたりで左ボタンを押す操作をする私にとっては、左クリックが特に行いにくいと感じられました。
 
 スクロール機能付きの、手頃な価格のトラックボールがないものかと探したときに、新製品として発売が決まっていたのがこの画像の製品です。日本国内での正式発売は、2009年の年末頃のことです。ケンジントンの Orbit Trackball with Scroll Ring という製品です。

 昨年のうちに注文していたのですが、今年の1月に手元に届きました。不便だったスクロールも、この製品を使うことによって自由に行えるようになりました。青いボールの回りにある、グレーのリングを回すと、スクロールが行えます。一般的なマウスのスクロールホイールとは違って、横に回します。名称もスクロールリングです。

 クリック感は無くて、スムーズにリングは回ります。指先で弾くと、慣性で少々回りますので、素早いスクロールもお手のものです。クリック感がないのは、操作の負担も軽減してくれているようにも感じます。shiftキーを押しながらリングを回すと、横スクロールにもなります。(OSはLinuxを使用。WindowsやMacでも同じかはわかりません。)

 スクロールに関しては、とても満足できましたが、ボタンの操作には残念ながら少々不満を感じました。まず、以前使っていたトラックボールよりもボタンが硬いのです。製品による個体差があるかもしれませんし、あくまでも私個人の感覚ですが、もう少し軽く押せるボタンが好みです。でも、使い込むうちにボタンの操作感も変わってくるのかもしれません。

 そしてもう一つ、ボタンが本体とフラットになっていて、ボタンの位置が以前の機種よりも手で感じにくくなっておりました。ボタンの位置自体も、以前の機種よりも机上面に近い低い位置になっていることもあり、左手の小指や薬指のあたりで左ボタンを押す操作をする私にとっては、左クリックが特に行いにくいと感じられました。

 そこで、この画像のように、ボタンに革を貼りました。ボタン下側のヘリの裏面には革紐を1本貼り付けて、少し盛り上がるようにしました。この下端がせり上がる感じが、クリックする時にとても具合が良いのです。ボタンの押し込み方向は、ボタンに垂直でも机に垂直でも押せるようになっていて、押し込み方向が割と自由なのですが、特に机に垂直方向に押し込むときに、ボタンの下端のせり上がりに指が掛かって押しやすくなるのです。

  革を1枚貼り付けただけですが、ボタンの位置の指先での確認や、ボタンの押しやすさはほぼ満足できるものに改善することができました。接着は、酢酸ビニール系の接着剤で、仮に着いているような状態になっています。操作していて、簡単にはがれることは無いと思いますが、はがそうと思えば簡単にはがすこともできます。

 左手での操作が、以前よりも楽にできるようになりました。新製品と革のおかげです。革って、本当に便利な素材ですね。

 ここでは紹介しませんでしたが、このトラックボールにはリストレストも付属します。リストレストをセットすると、何か甲虫をイメージしてしまうような姿になるのですが、とても使いやすくなります。

 手首が楽。スクロールができる。左右どちらでも使える。けっこう便利。興味のある方はお試しあれ。
あれ。




2010年2月2日火曜日
「Orbit Optical」

 昨年、腱鞘炎になり箸も持てないほどだったのですが、もちろんパソコンのマウスも扱えませんでした。その時に用意したのが、画像のトラックボールです。ケンジントンのOrbit Opticalという製品です。

 極力右手を使わないようにしたかったので、このトラックボールを左手で使うことにしました。左手で、正確にカーソルを動かすのが難しいと感じる時もありましたが、それなりに扱うことができました。ボールは軽く動きますし、本体よりも少し盛り上がっているボタンも押しやすくできています。

 ただ、一つ難点がありまして、それはスクロール機能が無いことです。ソフトによっては、左右のボタン同時押しでスクロール機能を呼び出すこともできますが、スクロールに関してはお世辞にも使い勝手が良いとは言えませんでした。

 トラックボールは気に入ったので、あとはスクロール機能が欲しいと思ったのですが、手頃な価格のスクロール機能付きの製品が見つからず、新製品の発売を待つことになりました。




2010年1月29日金曜日
「等幅ブレード:2」

 カービングで等幅の枠線を切るときに使うブレードを、私なりに作ってみました。このブレードでカットできる幅は、約2ミリです。基本的には、薄刃を2枚立てるという考え方で作っています。グルーバーの替刃を削って作りました。構造と実用性を確認しただけの物ですので、姿形はほどほどの仕上がりです。

 中央の溝は丸く削るのではなくて、深く垂直に削ります。平行に深く削るので、刃を研いでも幅を安定させやすくなると思います。溝の深さはある程度欲しいのですが、画像の刃は手作業で適当に削ったものでしたし、刃の研ぎ方を試行錯誤しているうちに刃が短くなってしまい、溝の深さは3ミリ程度しかありません。もしも機械加工ができるとしたら、少なくとも5ミリから1センチほど削りたいところです。

 2枚の刃を立てるイメージですから、刃の研ぎ方も通常のブレードと同じように考えました。外側からと内側からそれぞれ同じような角度で研ぎ、刃先の角度は60度くらいを狙っています。

 2枚の刃の間に空間があるという単純な考え方なので、寸法も決めやすく製造も楽なのではないかと思います。実際に使った感じも悪くありません。

 中央に浅めの丸溝という作り方が多いのかもしれませんが、間をあけて刃を2枚立てると考えるのも合理的なのではないかと思われます。製造法やデザインもいろいろと考えられますし、新しい構造の製品を作り出すことができそうな気もします。

 この手の道具の構造について、今まで何度か考えてきたのですが、私なりの一つの答えがこの薄刃を2枚という考え方でした。




2010年1月27日水曜日
「等幅ブレード:1」

 等幅の枠線をカットするためのブレードです。協進エルからしばらく前に発売されていた物です。国産では初の製品になると思います。発売後すぐに仕入れてはいたものの、最近になってようやく試してみました。

 幅が2種類あるのですが、画像は幅の広い方で、商品説明では2.5ミリ幅ということになっています。幅が狭い製品は、2.0ミリ幅です。それぞれ使ってみましたが、それなりに使えるようです。
 
 中央の溝が浅いのですが、この工具を使用するときの角度を考えると、溝の端を加工しておいたほうが良いのではないかと思います。そこで、ダイヤの丸棒ヤスリで削り、上の画像のようにしてみました。溝の深さは変えておらず、端の方を斜めに削っただけです。

 それから、刃先がちゃんと合っていないので、刃先にはバリがある状態でした。中央の溝の内側からも少し研磨して、刃先をもう少し合わせておいた方が良さそうです。




2010年1月26日火曜日
「スイヴェルナイフの素材」

 サイトの「アナログマン辻永」に書いた最後の記事が、協進エルから発売されたスイヴェルナイフのボディの新製品についてでしたが、書いてから約半年ほとんど使うこと無く放置しておりました。数は間に合っていたので、短く加工するのが面倒で・・・。

 最近、ようやく自分の手に合わせて短く削りました。画像の左側が協進エルから発売された製品です。右側は以前からあったクラフト社の製品です。画像を見ると断面の色の違いに気がつかれると思いますが、これらの製品は材質が違っていました。

 左の製品は、鉄製です(ヨーク部分は違う素材)。右の製品は真鍮製のようです。どちらが良いということはありませんが、削った部分には塗装はしていないので、鉄製はサビが出やすいかもしれませんね。

 右と左で胴の長さが違っていますが、それぞれ組み付けると長さはほぼ同じになります。ベアリング圧入部分の長さが違っているのです。後から発売された製品の方が、ベアリングを取り付ける部分を深くしたようです。

 よく見ると、右側の製品のネジの頭を削った跡があるのがわかるでしょうか。実は、ネジを締め付けた状態で、頭がほんのわずかに出っ張る状態だったので、少しだけですが削りました。後発の製品は、ネジの頭はネジ穴の中に収まっています。こういう小さな改善は、うれしかったりしますね。

 でも、やっぱり全体の長さ。あと5ミリ短く作ってもらえないかな。




2010年1月21日木曜日
「革漉き機磨き」

 古い革漉き機を調整中です。革の先輩から譲っていただくことになったものですが、思っていたよりもサビなどが出ていて、痛んでいる部品もありました。

 以前は、教室と自分の仕事用の革漉き機を兼用していましたが、使用する場所を昨年変えたために、教室用の革漉き機が無くなっていました。今回の革漉き機は、主に教室のときに使う予定です。

 自分でできる範囲でバラしてみて、サビを落として磨きました。いままで分解したことの無かった部分も、今回は分解してみたので、機械について以前よりも少々理解ができるようになりました。塗装部分もコンパウンドで磨き、下の写真のような状態になりました。

 けっこう綺麗になりましたが、時間もかかりました。このあと、Vベルトなどを交換して、本体は組みあがった状態になっています。モーターが本体の後ろ側に設置されて場所を取る形だったので、ペダル式のテーブルとモーターの中古のセットを注文し、仕上がりを待っているところです。



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