以前書いたブログ「TUZIE-珈琲を一杯」の記録です。
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TUZIE-珈琲を一杯2011-02


2011年12月28日水曜日
「削って革包丁作り」

 前回の記事から日があいてしまいましたが、前回記事にも書いた単語「S字」とは日本語で言うと何と言うのだろうかと、その間に何度か考えておりました。で、思い浮かばないままなのですが、「S字」・「S字カーブ」・「S字ライン」 などを日本語古来の言い回しで何と言うのか、ご存知の方がいらっしゃいましたら教えていただけないでしょうか。どうしてもわからず、疑問が年を越してしまいそうです。


 さて、なんだか物騒に見えてしまいますが、料理用の包丁2本です。105円で購入した安物です。でも、値段の割には良い鋼材かもと思って購入したものです。マジックの黒い線が見えますが、その形に削って加工してみました。


 こんな感じです。ラウンドナイフを初めて試した時に、薄刃両刃全綱の革包丁も良いかなと思って、試しに削ってみたものです。結論としては、プロがちゃんと作ればおもしろい物になるのではないかと思いました。良い材料で作れば、良い道具になりそうな気がします。

 今年最後の記事がこれなの?と、自分でも物足りなさを感じつつ、でも、ブログ用に準備していた画像の中から、書きやすそうな物を選んだら、これになってしまったのでありました。2011年12月28日水曜日




2011年12月5日月曜日
「S字ラインの木ベラ」



 今年の春頃に作った木のヘラです。コバを磨いたりするときに使っています。手前のゆるいS字ラインの物がお気に入りです。使う人によって好みがある物だと思いますが、私にはこの形が合っているようです。




2011年11月21日月曜日
「革のテディベア」



 教室の生徒さんが結婚式で使ってくださるというので、革のテディベアを作らせていただきました。このような人形を作るのは初めてだったので、作り方も今ひとつわからず、作業を始めるのが遅くなってしまったのですが、参考書を眺めているうちにだんだんと頭の中も整理されてきて、形にすることができました。

 この3体のベアはスエードで作成した試作品です。ボディの型には特に工夫は無いのですが、顔の型はなかなか気にいる形にならず、何度か型紙を取り直しました。それぞれの大きさで微調整しましたが、どうにか私なりにかわいいと思える物になりました。

 実は、革製のテディベアの参考になるものはないかと、画像検索などをしてみたのですが、なかなかかわいいと思える物がありませんでした。その代わりと言いますか、何故かセクシー下着のキレイなお姉さん達の画像が何枚か出てきまして、「革 テディ」や「レザー テディ」で検索したときには、よりたくさんのキレイなお姉さんたちが現れたのでした。

 詳しくはわからないのですが、「テディ」という下着の分野があるのかもしれません。セクシー?な男の画像は出てきませんでしたので、男性用は無いのでしょう。(真面目に語るようなことではありませんが・・・。)


 こちらが、本番で作った革製のベアです。なかなかかわいらしいでしょ! 左が旦那様ベアで右が奥様ベアです。鼻と手足の革の色を変えてあります。真ん中の小さな子供ベアは、私からのプレゼントです。

 首にぶら下げたハート型のタグには、お二人に電気ペンで日付とお名前を入れていただきました。私の仕事はここまでですが、奥様がそれぞれにアクセサリーや衣装を用意してくださり、披露宴の会場で私の作ったベアもお披露目していただいたそうです。お二人のご両親も気に入ってくださったそうで、作った私もうれしいのでありました。

 初めての作業で、綿にも種類があって質感が違うことや、手足を固定するパーツにも種類があることなどを知ることができましたし、革の各部に綿を詰めてから口を閉じるときの合理的な方法なども検討することができたので、私にとってはとても勉強になりました。

 このテディベアの延長で、他にもいろいろな人形ができそうな気がしました。すぐにはできそうもありませんが、いつか他の人形も作ってみたいと思います。




2011年11月20日日曜日
「芝と放射線」



 9月~10月にかけてのニュースだったのですが、秋田市内の何か所かの芝から、通常よりも高い放射線が検出されたということがありました。県外で生産された芝でした。通常は毎時0.022〜0.086マイクロシーベルトなのだそうですが、その通常時の上限よりも高かったそうです。

 写真のちょっとだけ芝が写っているのはそのうちの一ヶ所で、私の工房から歩いて数分の場所にあります。この場所の放射線の数値は、地上1センチで毎時0.112マイクロシーベルトとのことでした。通常よりも高いとは言っても、決して大騒ぎするような数値では無いように思えます。


 この場所の芝は、数値が発表されてからしばらくして、全部はがされました。しかも、立ち入りできないように、簡易な柵が設けられています。迅速な対処と言えばいいのか、あるいは過剰な反応と言えばいいのか、正直なところ判断に迷います。

 この場所のすぐ隣の建物には、国会議員の事務所があって、その議員は前の秋田県知事でした。こういう人が側にいると、市や県は素早く動くのだろうかと、そんな漠然としたことを思ったりします。他の箇所も同じような対応をしたようですし、そんなことはないのでしょうが、私の貧弱な想像力では、そんなことが頭に浮かんだりします。


 同じ場所から、角度を変えて撮った写真です。昔の城の外堀だったという池の向こうにあるのは高校の建物です。この高校のさらに向こう側に、私の工房はあります。写真を撮ったのは10月でしたので、色づき始めた木々も写っておりますね。


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 同じ頃、私の福島の友人からの便りには、子供たちのためにも近所の除染作業を行ったとありました。除染作業で集めた側溝の土砂などを入れた袋からは、毎時105マイクロシーベルトという数値の放射線が出ていたそうです。私の近所の芝の数値とは桁が違います。およそ1000倍と言っていいような高い数値です。

 この除染作業で集めた土砂は、行政では集めてくれないのだそうです。それどころか、集めると数値が高くなるから放置しろというような、行政側の対応なのだそうです。その頃のマスコミのニュースには、除染作業を進めるために汚染された土砂などの保管場所の確保ということが言われていましたが、実際のところ何も決まっていないような状況があったようです。

 国のレベルで除染を進めるという話をニュースで目にしていましたが、実際には除染のしようが無いというのが現状ですし、まだ原発からの汚染は続いているようです。また、一度除染しても汚染された物質は動くわけですから、きりがないとも言えそうです。マスコミの「除染」という単語が、ある意味たわごとであるという現実を、知っておかなければならないと思いました。

 私の工房の近所で、芝がはがされた話と比べると、同じ国の中なのにあまりの格差に考えさせられます。汚染の状況が広くひどすぎて、除染が追いつかない現実があるにしても、子供たちのことを思った身近で初期的な除染さえできないというのは、あまりにも関係機関の対応が遅いのではないかと思えます。福島県内であれば、原発近くに除染の土砂を集積するなどの、少しでも被曝を押さえるための対応が何故できないのか、不思議でなりません。

 秋田の芝の近くには、元県知事の国会議員の事務所がありましたが、東電の役員や多くの政治家やその家族が福島に住んでいたら、もっと早く話が進むのかもしれませんね。そんな、妄想とも言えそうな思いをもってしまうほど、現状は良くないように思えます。

 最近、朝日新聞の「プロメテウスの罠」という連載記事を読んでいるのですが、国の機関や役人・政治家の隠蔽体質や無責任な行動の見え隠れする記事を読むと、日本の危うさ・組織の危うさを感じますし、これからも期待を持てないのだろうと、そんな気持ちになってしまいます。

 食品などの汚染もこれからもっと広がりますし、様々なマイナスの影響はまだまだこれから出て来ることでしょう。記憶の風化を待つがごとくにのろのろと時間が過ぎていくのか、それとも対応が迅速になるような時がどこかで来るのか、残念ながら前者のような気がしてなりません。

 問題解決の停滞感を吹き飛ばすような、対策が急速に進む突破口が見える時が来ることを願っているのですが・・・。




2011年11月19日土曜日
「机の下駄」



 角材を重ねて、こんな台を作りました。4寸角の柱材を使ったので、2段重ねで高さ24センチほどになっています。良い方法がなかなか思いつかず悩んだ末に、このような物を用意したのですが、何になるかというと次の写真です。


 作業台にしている机の足にしました。下駄を履かせたようなものです。24センチプラスで、100センチくらいの高さになりました。以前、簡易式の立ち作業台のことを書きましたが、やはり立ち作業のほうが作業がしやすかったので、作業台自体を高くしてしまいました。

 これに合わせて、作業部屋を大改造しまして、ようやく作業がしやすい部屋になりました。仕事部屋を移してからのこの2年ほど、あまりの能率の悪さに悩んでいたのですが、今回の大改造で作業スペースが大幅に変わり能率も上がりそうですし、気持ちも新に革に取り組むことができそうです。




2011年11月18日金曜日
「ラウンドナイフ:4」



 ラウンドナイフの記事は、2回で終わるはずだったのですが、追加追加で4回目をむかえてしまいました。今回は砥石の話から。

 ラウンドナイフの形や角度を変えるときの研ぎは、ふだん革包丁を研ぐときに使っている水砥石を使って行いました。でも、日常的な研ぎは、刃先を整えながら先端部分を中心に研ぐような感覚で良いのではないかと思い、そのためにはオイルストーンを使うことにしました。硬い砥石で、砥石の変形も少なくて済みそうですし、刃先を整えるのにはちょうど良さそうです。

 写真には2つのオイルストーンが写っておりますが、「アーカンサス砥石」や「アルカンサスストーン」などと記述される、有名な砥石です。この砥石は、クボタクラフトの窪田さんから譲っていただいた砥石です。実は、私の下手な素人焙煎の珈琲を送ったところ、このような良い道具になって戻ってきまして、「わらしべクラフトマン」と言いましょうか、あるいは「砥石は天下の回り物」と言いましょうか、はたまた「棚から砥石」と言いましょうか、いえいえそんなことは言わないわけで、とにかくお言葉に甘えて、譲っていただいた砥石なのであります。

 「猫に砥石?」 「馬の耳に砥石?」 「豚に砥石?」 「つじえに砥石?」 ・・・ そんな言葉も無いけれど、マスタークラフトマン窪田さんから譲っていただいた砥石が不釣り合いにならないように、研ぎの腕を上げてしっかりと使いこなせるようになりたいと思います。

 この砥石、さすがに良質で、どちらの砥石も同じように良い感触が手に伝わって来るのですが、色の違いほど砥石としての機能には差異が無いような感じがします。そのため、どちらをメインに使うのか、ただいま相当に迷っているのですが、しばらくは交互に使って様子を見てみようと思っています。

 窪田さんからは砥石を譲っていただき、大塚さんからはラウンドナイフを譲っていただき、合わせ技で一本!というくらいの感じで、道具が揃ってしまいましたので、これはラウンドナイフをちゃんと使ってみろという啓示なのではないかと勝手に思うことにして、使い方を練習するつもりです。


 ところで、私が非常識な行動で、大塚さんからお借りしたラウンドナイフを破壊・改造してしまったことを以前の記事に書きましたが、大塚さんからうれしい連絡がありました。

 改造したナイフについては、理想に近い形の改造という感想を頂戴しまして、たいへん気に入っていただくことができたようです。しかも、その後実際に愛用の一丁に加えていただいたとのことでした。

 いやー、うれしいですね。何とかなるさと思って柄を切ってみたところ、何ともならなくなってしまい、どうしようかと考えてしまいましたが、今回は結果オーライということになりました。良かった!助かった!

 よし、また同じようなことがあったときには、こんどは年季の入った黒檀があるから、黒檀ハンドルで・・・・・。

 ・・・少しは懲りて反省しなさいと、今度はそんな啓示がありそうな・・・。


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 今回ラウンドナイフを使ってみて、刃の厚みや研ぎ角について参考になるところがあって、革包丁の研ぎも試しに変えてみました。今までは、基本的な研ぎ角を11度~12度くらいにしていたのですが、今回は6度くらいの研ぎ角を基本にしてみました。ずいぶん浅い角度なので、革に食い込む部分の厚みもかなり薄くなります。ただ、このままの角度で研ぎ上げると、刃先がかなり弱くなりそうですから、刃先だけは角度を変えて研いでいます。

 今のところ、良さそうな感じなのですが、こちらもしばらくは様子を見てみようと思っています。
 



2011年11月13日日曜日
「ラウンドナイフ:3」



 ラウンドナイフの話題は、2で終わる予定でしたが、急にナイフの形を変えてしまったので、3を追加します。画像のように非対称に片側を削り落としてしまいました。

 よく切れるナイフなので、漉きにも使いたいと思ったのですが、漉きに使うときには、片側の刃を落としてしまった方が使いやすくなりそうな気がしました。それで、こんな形です。

 まだ微調整はするかもしれませんが、まずはこのような形で使ってみようと思います。




2011年11月12日土曜日
「ラウンドナイフ:2」


 ダマスカス綱っぽい積層模様が見える鋼材を使用した、ラウンドナイフです。これも、Taka Fine Leather Japan の大塚さんから貸していただいたラウンドナイフのうちの1本です。日本のレザークラフト業者さんのカタログでも紹介されているものですね。

 あまりバランスのよろしくない製品らしく、実際手に持った時に感じる重さのバランスが気持ち良いものではありませんでした。他の何本ものナイフと比べることができたので、他の製品とは違うという感じでした。

 刃の研ぎ方も角度の段が強く出ていて、理想的なものではないようでしたし、柄の長がさの調整ができないというのも、ラウンドナイフとしては、欠点になるようです。そういった、欠点などがわかってしまうと、中がどうなっているのかが気になってしまいます。

 気になって、気になって、気になって、ついに人様からお借りしている道具なのに、非常識な行動に出てしまった私です・・・・・。



 ええ、壊してしまったのです。ご覧の通りです。私でも取引先から簡単に仕入れられるという安心感から、大胆なことをしてしまったわけですが、無断でこの状態にしてしまった私は、やはり非常識であります。

 画像を見てわかると思いますが、積層鋼材の部分は、見えるところだけで、柄に隠れる部分からすぐに、細い軟鉄が溶接されています。この溶接の質は高くなくて、軟鉄の棒には穴の開いている部分もありました。積層鋼材の値段が高いのか、材料をギリギリしか使っていない仕様です。

 もちろん、キレイに見せるための作りとしてはしっかりしていて、柄の素材も木質素材に樹脂を含浸させた物のようですし、柄の口金も尻止めの金具も重量感のあるものが使われています。でも、かんじんの道具としては、この作りはどうなのだろう?と思ってしまうところがありますね。少なくとも、最初の一本としては、変則的な作りと言えそうです。柄尻にある金属キャップをもう少し小型にして、さらにネジ留め式であれば、柄の長さが可能になりますし、重量バランスも良くなりそうな気はします。



 さて、壊してしまっただけでは、あまりにも無責任過ぎるので、あらたに柄を付け直してみました。柄の素材には、20年前から持っていたローズウッド系の木材を使ってみました。枯れていて、変形は少ないはずですね。でも、柄の接着が完全ではなくて、隙間が少し開いてしまいました。

 さらに、積層鋼材から先の軟鉄部分が貧弱なので、柄の中での収まりが悪くて刃がグラグラしてしまいました。そのため、一本の予定だった固定用のピンが、3本になってしまいました。しかも、ピンの並びが曲がっています。う~ん、でたらめ。

 刃は研ぎ直して、だいぶなめらかなテーパーになりました。切れ味もそれなりですが、鋼材の剛性感などは、最初から悪くない感じでしたので、刃物としては十分に使える物なのではないかと思います。

 無断で破壊してしまい、かなり不完全な柄を付けてしまった私ですが、大塚さんはこのまま使ってくださるということで、私の非常識な行動の罪は問わないでくださったのでありました。これに懲りずに、また道具のことをお尋ねしたいなーと思っている私は、もしかしたら、かなり図々しいオッサンなのでしょうか。若い頃は、恥ずかしがり屋さんだったのに・・・・・。本当です。


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 たくさんのラウンドナイフを紹介し販売されていて、今回参考にさせていただいたLLツールさんのページに再びリンクを貼らせていただきます。まずは、LLツールさんが初心者向けにお勧めとしている、Weaver のラウンドナイフです。

 Weaver のラウンドナイフの紹介ページへのリンク。

 こちらは、大塚さんも最初の一本としてお勧めできる製品とのことでした。実際に使ってみましたが、なるほどシャープで剛性感もある刃物でした。刃物を柄の木材で挟んだ構造なので、柄を加工するときには金属と木材を一緒に切削することになりますが、それほど難しくなく加工できるのではないかと思います。

  もう一つ、お手軽価格のラウンドナイフの紹介ページへのリンク。

 こちらは、私が大塚さんから譲っていただいたナイフに似ているものです。前回の記事でリンクさせていただくことをお願いした、LLツールのY氏が教えてくださいました。初心者が試しに購入するには手頃でちょうど良さそうな気がするナイフのように見えますし、柄も簡単に短く加工できそうです。他にもたくさんのナイフが紹介されていますので、お気に入りを探してみるのも良いかもしれませんね。私は、非対称な形のナイフが、ちょっと気になっています。


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 今まで一度も使ったことのなかった、ラウンドナイフ初心者の私ですが、実物をまとめて何本も見ることができたので、最低限の知識は得ることができたのではないかと思います。貴重な道具を貸してくださった大塚さんに、感謝であります。




2011年11月10日木曜日
「ラウンドナイフ:1」



 革を始めてからだいぶ時間が過ぎてしまいましたが、この間、一度もラウンドナイフを使ったことがありませんでした。どこか使いにくそうで、切れなさそうなイメージを持ってしまって、興味を持つことも無く過ごしてきました。

 ところが、人が使っているのを見たり聞いたりしているうちに、どのようなものなのか知りたくなってしまい、Taka Fine Leather Japan の大塚さんに、何かお勧めいただけるナイフはないですかとお尋ねしたところ、なんとナイフの実物を何本も貸してくださいました。

 上の画像は何本かラウンドナイフを並べてみたものですが、実際には8本のラウンドナイフを送付していただきました。この画像は、イメージ的に並べたもので、送っていただいたナイフがそのままという物ではないのですが、送っていただいた中には、有名な故ドン=キング氏が所有していたというナイフもあり、ラウンドナイフの仕立ての最高の見本として参考にさせていただくことができました。柄の形状や刃の形状など、このナイフに必要な要素を、目と手から直接学ぶことができました。

 自分だったら、こんなに道具を人に貸すことができるだろうかと考えてみると、たぶん無理だと思います。大塚さんの度量の広さに感謝です。

 初ラウンドナイフの感想は、まず思っていた以上に切れるということです。こんなに切れ味の良いナイフだとは思ってもいませんでした。悪い思い込みの例ですね。完全に予想を裏切られる切れ味でした。

 構造的には、刃が思っていたよりも繊細で薄く、研ぎ角が浅い割には刃の粘りがあって丈夫そうな感触でした。また、小回りが効くように細部の研磨が考えられていて、気配りの効いた作りのナイフでした。構造的な合理性では、日本の革包丁よりも上と思われるところもありました。

 ただ、何せ持ち慣れない、使い慣れない道具なので、私が上手に使えません。これが最大の難点です。下手なのを我慢して使いつづけないと、上達しそうもありません。使っているうちに、何かコツをつかめる時が来るような気がするのですが、そこまで使うことができるかどうか、ちょっと自信がありません。


 2枚目のこの画像は、大塚さんから私が譲っていただいたナイフです。薄刃で切れ味も良く、ラウンドナイフ初心者が使ってみるにはちょうど手頃で良い感じのナイフです。ラウンドナイフは使うのも初めてでしたし、研ぐのも初めてでしたが、大塚さんから貸していただいた実物を参考にしたり、アメリカの「Leathercraft TOOLS」という本を参考にしたり、輸入工具の取扱いが豊富な LLツール さんのサイトを参考にさせていただいたりしました。

 LLツールさんのラウンドナイフの参考ページへのリンク。

 上のリンクのLLツールさんの解説ページにもある通り、オイルストーンで研ぐのが一般的なようなのですが、私は、普段使っている水砥石を使って研ぎました。私にとっては、使い慣れが水砥石が、最も研ぎやすく感じるようです。動作は、オイルストーンで研ぐときと同じだと思います。


 そして、これが自分なりに調整してみたナイフです。柄は少し短く切りましたが、長さは、LLツールさんの解説ページの方法を参考に決めました。また、刃に近い柄の端を薄く削るともっと良いのですが、このナイフの金属製の柄の口金の構造上は、切削しないほうが良いようです。刃の形も少し変えました。ラウンドナイフの小回り感を出すためには、けっこうポイントとなる面取りもあって、和でも洋でも刃物の共通性があるのだなと思いながら加工しました。

 十分に薄くて浅い角度に仕上がっている刃だったのですが、最初よりも刃の角度をなだらかに研ぎなおしました。ついでに。ピカピカに研磨された刃だったのを、曇った状態にしました。ピカピカだと、どうも目が疲れそうだったのです。この刃はステンレスの刃物綱のようです。もう少しだけ剛性感のある鋼の刃も試してみたいと思いましたが、まずはこのナイフを私が使えるようになれるかどうかが先立つ問題です。

 慣れるほど使うには、しばらく時間がかかりそうですが、少しは手に馴染むようにしていきたいと思っています。自信は無いのですが、ちょこちょこと少しずつ慣れていこうと思います。




2011年11月3日木曜日
「ツブフラージュ」



 前回の記事に書いた、"CARVE TO ENCOURAGE(カーブ トゥ エンカレッジ)"に参加させていただいたカービングの部分的な画像です。枠の周囲に施した刻印は、今年の夏に作っていたものです。

 有名メーカーの製品群に使われているのを目にする機会が多くなったためなのか、ツブツブのマットやベベルを使う人が多くなったように思います。私も良い雰囲気だなーと思いながら拝見しておりましたが、どうもそのまま真似するのも気が引けるものでありまして、ツブツブと使い慣れたカモフラージュを合わせたような刻印にしてみました。ツブツブ+カモフラージュ=ツブフラージュ。タイトルを考えるのが面倒だったので、これをタイトルにしてしまいました。

 この刻印の感じはなかなかのお気に入りになりました。ツブツブだけではなく他のテクスチャーでも同様の刻印を何本か作ってみました。刻印はもう十分間に合っていると思っていたのですが、いくらでも新しい刻印は作ることができるものなのですね。

 でも、もう刻印はできるだけ増やさないようにして、手持ちの刻印でなにができるかを工夫していきたいと思う、この頃の私です。




2011年11月2日水曜日
「"CARVE TO ENCOURAGE"」


 「信」という漢字の目立つカービングですが、"CARVE TO ENCOURAGE(カーブ トゥ エンカレッジ)"という、Taka Fine Leather Japan の大塚さんが立ち上げた企画に賛同して製作したものです。

 この企画のページへのリンク。

 上記のリンク先のページに、寄せられた作品が紹介されておりますし、企画の詳細な説明ページへのリンクも設定されておりますので、ご覧ください。一人でも多くの方にご参加いただきたい企画ですね。

 被災されたクラフターを激励するという意味合いの強い企画の中で、どのような文字をカービングに組み込もうか少々悩みましたが、私は「信」という一文字を選びました。また、パターンの流れは「わ」という平仮名の形を基本にして構成してあります。文字を選んだ意図などは、大塚さんが作成してくださったページでご確認いただければと思います。

 このカービングをご覧になって、どこかまとまりに欠けると感じるかもしれませんが、確かに一つの作品としてバランスを考えたデザインにはなっていません。文字を入れるというテーマがあったので、「信」と「わ」を組み込んだ画面にするということと、近年主流のシェリダンスタイル的なものではないことと、自分が若いときから憧れているモチーフを織り込むことを考えて、「わ」の流れのままにパターンを描いていき、そのまま修正作業もせずにカービングしました。

 わかりやすい構成でもありませんし、ぱっと見て整って見える構成でもありませんが、この企画にはいろいろな物があったほうが良いと思いました。ああ、こんな組み込みもあるんだなとか、こんな叩き方もあるんだなとか、質の違った様々なものが集まった方が良いのだろうなと、私なりに思いました。

 それで、いくつかのモチーフと組み込み方を入れながら、手の動くままに線を描きました。それらは、私が若い頃から憧れているものでもありますし、こんなパターンの構成も有りなんだと感動したものなどであります。私の技量では十分ではありませんし、全体の構成が良くなければそういったものは伝わらないものかもしれませんが、これからカービングに取り組む人などに、なにか一つでも引っかかるものだったり印象に残る物があれば幸いだと思っています。


 さて、大塚さんの主催する講座と、大塚さんとお仲間のプロのクラフトマンの展示会が、本日11月2日から開催されます。"CARVE TO ENCOURAGE(カーブ トゥ エンカレッジ)"に寄せられた作品の展示も同時に行われるそうです。

 詳しい案内ページへのリンク。

 残念ながら私は行くことができないのですが、質の高いカービング作品をまとまった形で見ることのできる、またとない機会だと思いますので、ぜひ足をお運びください。




2011年10月29日土曜日
「逆さなんだけど・・・」


 時間の経つのは早いものでありますが、なんと10月が終ろうとしております。なぜ?もう11月になってしまうの?もっとゆっくりでも良いじゃない!! そんなことを誰かに言いたくなってしまう、今年も何も達成できていない私です。

 10月は全然ブログを更新できませんでしたが、書こうかなと思ったことはいろいろありました。掲載できそうな写真もあれこれ撮ったのですが、データはまだカメラの中にあり、写真を利用する準備ができておりません。でも、10月中に一度も書かないのもどうかと思い、ブログ用の画像を適当に貯めているフォルダからの1枚とともに、10月最初で最後の投稿です。

 ご覧の通りで、鉋が逆さまになっております。鰹節削りを思い出す人もいらっしゃるかと思いますが、これはベルトの端をちょっと薄くするときに使う鉋なのです。ある時ふと思いついてやってみたのですが、これがなかなか上手く漉くことができるのです。逆さにしても役立ってくれる、偉い道具ですね。

 本来は木を薄く削るための道具ですから、革を厚く削るための仕様にはなっていないのですが、しっかり刃研ぎをするとかなりキレイに革漉き加工ができます。他に、刃口の幅なども調整してあります。

 刃をかなり出した状態で使うため、素手で革を押さえるのは危ないので、木の板で革を押さえて削ります。刃物には気をつけなくてはいけませんね。これは、自分のための言葉でもありまして、昨日は左手の親指の先端を2ミリくらい爪とともにカッターで切ってしまいました。次の作業はカービングを予定しているのですが、かなり痛いのではないかと、少々不安なのであります。皆様も刃物にはくれぐれもお気を付けくださいね。




2011年9月15日木曜日
「超絶ブログと立ち作業台」



 作業台の上にもう一つ作業台を載せて、最近は立って作業をしています。以前も立ち作業台で仕事をしていたのですが、2年ほど前に仕事場を移してから、部屋の広さや収納棚の位置などの都合で、立ち作業台を設置できずにいました。でも、どうも能率が悪くて調子が出ないのです。

 2~3ヶ月前でしょうか、このブログからもリンクさせていただいた、クボタクラフトの窪田さんのブログを知り、幸いにもネットでのお知り合いになることができました。その窪田さんのブログに、やはり立ち作業をしているという記事が掲載されて、私もあらためて立ち作業ができる環境が欲しくなりました。

 そこで作ったのが、画像の簡易的な作業台というわけです。理想的とは言えませんが、とりあえず立ち作業はできるようになりました。作業台の上に、四角いちゃぶ台を置いたようなデザインになってしまいましたが、収納スペースも少し増えたので、ある意味では一石二鳥とも言えます。

 窪田さんは、レザーカービング製品業界の第一人者の方ですが、そのブログは楽しくて勉強になり、作業中の動画なども公開されています。驚くべき早さで刻まれる職人技に驚嘆してしまいます。超絶技巧を惜しげもなく紹介してくださっているブログでもあります。それは、長いキャリアの中で習得された技だと思いますし、合理的な思考に裏付けられたものでもあると思います。ここまで公開していただいて、後進のクラフトマンが見ないわけにはまいりませんよ!と思う高密度なブログ&動画です。

 同じような技量を身につけるのは難しく大変なことですが、自分の作業に取り入れられる方法や感覚もあり、たいへん参考になりますので、レザーカービングに興味のある方はぜひ窪田さんのブログをご覧ください。窪田さんの驚異的な技術と感覚を目で見て勉強することができます!!

 クボタクラフトのクラフトな毎日

 自分ではカービングをしないという人も、作品を見ると目の保養になりますよ!
 それと、きっと健康志向になれるブログです!(見ればわかるはず!!)
 作業台の前に座りっぱなしの方にもおすすめのブログですー。
 明日から走ろうと思っちゃうかも。




2011年9月1日木曜日
「パラレルブレードかな!?」

 異形という感じですが、スイヴェルナイフ用のブレードを一つ作ってみました。昨晩作ったので、まだ作ったばかりの新作です。ご覧のように2枚の刃が平行に並んでいて、2本の線を同時に切ることができます。ビーダーブレードという、2本線を切る専用品と似たような機能だと思っていただければ良いのですが、ビーダーブレードとはまた違った利点などもあります。平行ブレードといった形状ですが、何か良い名前はないでしょうか。

 構造はいたって単純で、平らな刃が2枚並んでいて、それがネジでジョイントされているというものです。ネジが2本付いておりますが、刃先に近い1本が固定用で、もう1本は刃のずれを抑えるための位置決め用です。(加工精度が悪いので、狙い通りの仕上りにはなっていないのですが・・。)

 2枚の刃がぴったりくっついた状態では、幅が約1.5ミリの等幅線を切ることができます。それ以上の幅の線にするときには、任意の厚みのスペーサーを刃と刃の間に挟んで固定します。最初の画像では約2ミリの厚みの革をスペーサーとして挟んでおりますので、約3.5ミリの等幅線を切る事ができます。スペーサーには下の画像のような形の物を使いました。

 このブレードの利点はいくつかありますが、まずは2枚の刃を任意の間隔に設定することができます。幅の調整はスペーサー式ですので、設定した幅の再現性が高く、設定作業は簡単です。刃を増やすと、3本線を切ったりすることもおそらく可能です。また、それぞれの刃の研磨を普通のブレードと同じような方法で行うことができます。それから、刃の加工によっては、2本線を切るのではなくて、定規付きの1本切りという使い方も可能です。でも、定規としての性能は限られたものになりますね。(スイヴェルナイフ用の定規の良さそうな構造も思いついたのですが、自作は難しそうなので、形になることは無さそうです。)

 朝に思いついて、その夜に作ったものなので、とりあえず作ってみましたという感じですが、使ってみた感じは悪くありません。この方向で細部を吟味して詰めると、市販品としても十分に機能的な物ができるかもしれません。構造的にも量産は難しくないと思いますが、いろいろな作り方や構造が考えられるので、刃の構造やスイヴェルナイフのボディの構造などをいくつか試してみたいところです。といっても、私はこの1本でもう十分時間をかけましたし、素材も工作機械も無いので、私の試作はこれで終わりです。(単純な物ですが、加工はけっこう面倒なのです。)

   本当は、もっと複雑な構造の物を考えていたのですが、結局は小さな部品らしく単純な構造で、自作が可能な物になりました。この思考過程はいつも同じで、あれこれ考えてはみるものの、最後は一番単純と思われる物になって行くことが多いです。自分で作ることが前提なので、仕方ないですね。そのおかげで、単純明快な物に行き着くこともあるのかなとも思います。

 さて、平行ブレードを紹介しましたが、それとは別に、ビーダーブレードを自作するときの、鋼材の株もあると良いなと思っております。画像は、ジュラコン製のベベルブレードを作るために用意した株ですが、鋼材のこういう原形が手に入れば、いろいろな幅のビーダーブレードをはじめ、様々なブレードを作ることができますね。彫金の世界などでは、タガネの株として安価に鋼材が販売されているので、レザークラフトの世界にもそういうのがあっても良さそうなものですね。




2011年8月28日日曜日
「昔ながらのホチキス」

 今はステープラーと言うようになりましたが、子供の頃から大人になるまでホチキスと言っていました。最近の物は機能も良くなってきていて、軽い力で使用できたり、フラットに針が折れたりしますね。

 機能強化された分、口の部分がなんだかゴツくなってきて、本来の針で止めるという最低限の機能を考えると、なんだか大げさな見かけになっているような気もします。画像の左側は、比較的近年の製品です。右側は、最近購入したものですが、ダイソーで売っていた昔ながらの構造の格安製品です。同じサイズの針を使うのに、ずいぶん見た目が違いますね。

 昔ながらの構造の製品の、下アゴになる部分を、画像のように金属板一枚にしてしまいました。もともとはプラスチックで先端まで化粧されていたのですが、最低限の機能はこの金属板一枚で十分です。強度的には、もう少し補強があっても良いとは思いますが、できるだけ薄い口のステープラーが欲しかったので、この形で好都合です。

 狭いところに口を入れてステープラーで止める作業に使いたかったので、この様にしてみました。意外なところで、古いタイプの製品が役に立ってくれることが有り、何でも新しい機能のものばかりになると困ってしまうなと、思ったりします。

 昔のまんまですというのが、ありがたい時ってありますね。




2011年8月23日火曜日
「オルファの補修部品」

 しばらく前の話ですが、使用しているオルファのカッターの、刃を固定するためのネジの頭のプラスチックが割れてしまいました。たぶん、どこかで落としてしまった時だと思うのですが、こうなるとやはり使いにくいですね。使っていないオルファのカッターが何本かあったので、そちらからネジだけをはずして使おうと思ったのですが、規格が合わなくて利用できませんでした。

 そこで、オルファ株式会社に問い合わせたところ、通常販売品ではないけれど、補修部品を分けていただけるということで、部品代と送料を合わせた金額で刃の固定部分の部品を入手することができました。念のための予備を含めて2組送っていただきました。

 親切に対応していただいて、ありがたかったというお話でした。




2011年8月8日月曜日
「デンマークの水性シェラック!?」

 先日のことですが、デンマークで服飾などのデザインやパタンナーの仕事をしながら、革製品も作っているという人が訪ねてきてくれました。もう20年もデンマークで活動されているそうです。秋田出身の方で、偶然にもその人の姪御さんと私の娘は同級生なのです。

 さすがデザイナーの作った革製品でありまして、私が発想するものとは一味違った革製品を見せてもらいました。そして、上の画像のデンマークの薬剤と、日本の革製品用の仕上げ剤を物々交換しました。

 ラベルに何と書いてあるのかは、よくわからないのですが、「shellac」の単語が印刷されており、中身は水性シェラックだと思われます。コバや床を固める用途の薬剤として販売されているそうです。私も日本で作られた水性シェラックは試しておりましたが、使用感はほとんど変わりません。

 コバを仕上げたり硬化剤として使うことができますし、シェラックは塗料として使うこともできます。アルコールに溶かしたシェラックよりも、柔軟性のある塗膜が形成されるような気がします。

 たぶん、日本でも革用分野の製品があると思うのですが、いわゆるレザークラフトのアイテムとして、少量で販売されている物は無いようです。油性の硬化剤として販売されている物が、アルコールで溶いたシェラックではないかと想像してはいるのですが、水性シェラックは思い当たる物がありません。

 個人的な好みとしては、硬化剤として使うには、水性シェラックはなかなか使いやすいと思っています。塗布に使った筆などの手入れも簡単ですし、やや柔軟性があるので、屈曲割れにも強そうな気がします。また表面に塗った場合でも、革の色を変えてしまう度合いが少ないような気がします。水性シェラックは、クスリの錠剤のコーティングなどにも使われておりますので、安全性も高いと思われます。

 というわけで、レザークラフトの業者さんなど、水性シェラック製品の研究などはいかがでしょうか。手早く作業ができる可能性がありますし、けっこうおもしろそうな気がするのですが・・・。

 さてさて、次なる画像は何かと言いますと、これはデンマークのお菓子だそうです。揚菓子ですね。見た目はカールにそっくりです。このお菓子は何を揚げたものなのか、わかる人はいらっしゃるでしょうか。

 考えてもなかなかわからない物だと思いますので、答えを書いてしまいますが、このお菓子は豚の皮を油で揚げたお菓子です。ビールのつまみ等にぴったりとのことです。皮下脂肪がたっぷりと付いた物もあるとのことでしたが、いただいたこの画像の製品は、皮だけのあっさり目の仕上がりだそうです。

 お菓子としては食べ慣れない感じの風味でしたが、どこかで食べたことのある味ではありました。ところ変われば、いろいろなお菓子があるものですね。




2011年8月3日水曜日
「こんどの表紙画像」

 先日、またサイトの表紙の画像を変更しました。今回のは大きめのパターンです。矢継ぎ早に3回も表紙の画像を変えてしまいましたが、いくつか試したり確認したいことがあってカービングした物を使いました。

 どちらかというと古い感じがするカービングかもしれません。近年流行の構成ではありませんが、カービングしていて自分でおもしろいと思える要素や雰囲気が、あれこれ入っております。




2011年8月1日月曜日
「アメヤ珈琲のカフェオレベース」

 このブログからもリンクしている、友人の自家焙煎珈琲店「アメヤ珈琲」のカフェオレベースです。おいしいですよ。我が家の子供たちも、これで牛乳をたくさん飲んでいます。ラベルがおしゃれでかわいいですね。ラベルのイラストのような素敵なお店で営業中です。ぜひ訪ねてみてください。

 画像の中、カフェオレベースが立っているのは、使い始めて2日目のビニール板です。2日目なのでまだキレイです。ビニール板を使い始めるときは、全面に#600くらいのペーパーをかけるようにしています。照明の映り込みを和らげるためで、ずいぶん目が楽になります。




2011年7月24日日曜日
「普及型→ベアリング入りスイヴェルナイフ」

 壊れたスイヴェルナイフのベアリングを修理するついでに、昔から販売されている普及型のスイヴェルナイフにも、ベアリングを取り付けてみました。奥が普及品の標準状態で、手前がベアリングを取り付けた物です。
 
 ヨークを付けて実際に使う状態にしてみると、見た目はごく普通のスイヴェルナイフとほとんど変わりありませんが、回転はとてもなめらかです。私が使っている、国産のベアリング入りスイヴェルナイフと比べても、回転は軽くなめらかに感じられます。

 今回自分で加工した物と比べると、手持ちのベアリング入りスイヴェルナイフの中の何本かは、回転にどこかゴリゴリした感じがあります。たぶん、ベアリングに無理か掛かっているのだと思います。ベアリングの内径か外径に対して、スイヴェルナイフの部品のサイズがちょっときついのか、あるいは、ベアリングの取り付け時に無理な負荷を掛けてしまっているのかもしれません。

 ベアリング部分のちょっとした加工をしただけでしたが、スイヴェルナイフ自体が単純な構造なので、全体を自作することもできそうです。

 でも、市販の道具が手頃な価格で販売されていますから、買った方が早いし確実ですね。




2011年7月23日土曜日
「スイヴェルナイフのベアリング修理」


 どんよりとした写真ですが、どこか物悲しげに見える壊れたスイヴェルナイフです。クラフト社のベアリング入り製品の、ベアリングが付いていた部分です。

 ずいぶん前に、この製品が発売された頃に購入した物ですが、数本のうちの一本が購入当初からベアリングの調子が悪く、どうなっているんだろうかと思いながら触っているうちに、壊してしまいました。壊れたついでにあれこれやってみて、写真のように完全に使い物にならなくなってしまいました。

 基本的には使いやすい道具ですので、こんなに壊してしまうようなことをせずに、さっさと交換依頼をしておけば良かったのですが、いつも要らぬ手をかけてしまいます。

 スイヴェルナイフとしては使うことができませんから、しばらくはブレードを加工をする時などのホルダーとして使っていたのですが、最近ふとベアリングを取り付ければ良いのだと気がつき、いつものデタラメな加工をしてみました。

 さて、ベアリングを取り付けた画像ですが、奥が市販の状態の標準品で、手前が今回私がベアリングを取り付けたものです。穴を開けたり、棒を立てたり、ベアリングをはめ込んだりという作業で、精度は度外視の行き当たりばったりの手作業となりましたが、それほど時間も掛からず簡単にできました。

 中心がズレているのですが、実際に使ってみたところ違和感は無く、市販品と遜色ないように感じられました。自分用としては、許せる範囲です。

 ふと思いついて行った修理でしたが、回転も軽く、まずは成功です。




2011年7月16日土曜日
「小さな刻印でカービング」


 このページからもリンクさせていただいておりますが、CRAMの藤田さんのブログの小さな刻印製作の記事に刺激を受けて、私も小さな刻印を作ってみました。最初は、自分には製作不可能なサイズのように思えたのですが、何とか作ることができました。

 その刻印を使って試しにカービングしてみたのが、この画像です。サイトの表紙のカービングにも使いました。

 細かくてはっきりと見えない部分もありましたが、ごまかしながらカービングをしました。出来はあまり良くないので、次の表紙のカービングに、早めに切り替える予定です。

 小さくても、正確で味わいのあるカービング、それができたら良いのですが、難しいものですね。もっとフォローラインを長くすると、最近のカービングっぽくなるかな・・。



2011年7月16日土曜日
「サークルスイヴェルナイフ」



 円を切ることができるスイヴェルナイフです。幅決めのガイドを作ったときに、スイヴェルナイフのボディに部品を取り付けて機能を追加するのは良い方法だと思って、幅決めと来たら次は円ということで、円切り用のスイヴェルナイフを作ってみました。
 
 2本のスイヴェルナイフをネジでつなげた形ですが、軸になる方が長くなっているところが、使いやすさのポイントです。垂直にしてカッティング作業をすることになるので、ブレードはアングルブレードを使うことになります。

 ブレードを切りやすく仕立てることができれば、操作性は悪くありません。

 中心に穴が開くのは、欠点になるときも利点になるときもあると思います。

 直径の設定は簡単です。


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