以前書いたブログ「TUZIE-珈琲を一杯」の記録です。
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TUZIE-珈琲を一杯2012-01


2012年5月26日土曜日
「スプリッター」


 これは、革を薄くするときに使う、スプリッターです。簡単な構造の割に値段が高いので、なかなか購入する気にならずに、ずっと入手することが無かったのですが、やはり一度使ってみたいという気持ちになって用意しました。

 使ってみた感想は、「どうしてもっと早く買わなかったのだろうか!!」というものでした。想像以上に切れますし、便利でした。主に、ベルトの部分漉き用途で使っておりますが、とても気に入っています。

 新品の状態で刃の研ぎに甘い部分があったので、すぐに研ぎましたが、刃の研ぎ角度はおよそ15度でした。通常の水砥石で研ぎました。砥石からはみ出る長い刃ですが、刃を持って研ぐのはそれほど難しいものではありませんでした。(研ぎに慣れていない人には、難しいかもしれません。)


 六角レンチがいくつか必要ですが、それぞれインチサイズです。インチサイズの六角レンチにも、手頃なセット品がありますね。




2012年5月25日金曜日
「小さな花の壁紙」


 パソコンで最近使っている壁紙の写真です。近くの池のそばに咲いていた、とても小さな花です。肉眼では、細部がどうなっているのかわからなかったのですが、壁紙にして大きくして見ると、こんな形になっていたのかという驚きがあります。

 花は、ぱっと見た時の感じと、じっくり見た時の感じが、全然違う時がありますね。




2012年5月20日日曜日
「菱ギリ作り」


 菱ギリを作ってみました。これを作る前に、普通の菱ギリを使って何本か加工したのですが、焼入れ後に安易に力を加えてみたところ、ボキボキと3本ほど折ってしまいました。油断してはダメですね。

 画像の物は、2度目の加工の物ですので、焼入れ後の焼戻しも行って、ちゃんと硬さと粘りがあるような状態になっています。


 今回の菱ギリの元になった道具はこれです。木工用の四つ目ギリ。菱ギリを何本か破壊してしまい、妻には呆れられてしまったので、失敗しても気がつかれないように、素材を外部調達したのであります。(ハハハ)

 木工用のキリは、硬い木にもグリグリと穴を開ける道具ですから、硬さや粘りは十分にある素材なのです。

 ところで、菱ギリに加工したときに、焼入れと焼戻しはどうやったのか忘れてしまいました。柄を付けたままだっけ?柄を外した記憶は無いけれど、柄が付いたままでどうやって焼戻ししたんだろう?

 また作ることがあったら、そのときに考えることにします。




2012年5月13日日曜日
「細口のペンチ:マイクロヤットコ」


 左側の黒いハンドルの細口のペンチがお気に入りでした。現在は製造されておらず、同じ製品を購入することはできません。それでも、似たようなペンチが欲しいと思い探したのが、右の緑のハンドルの製品です。かなりのそっくりさんですね。


 横から見ても、ほとんど同じ。これが欲しかったのです。細かい作業をする時にとても使いやすく、はさむ物に傷の付きにくいギザなしの口です。全体のバランスが良いのか、似たようなサイズのヤットコと比べても操作性が良いように感じます。


 私が以前から使っていた細口のペンチの、ブランド名と品番の部分の画像です。検索で調べてみると、すでに製造会社は無くなっていました。


 こちらが、新たに購入した細口ペンチのブランド名と品番の部分です。商品名は「マイクロヤットコ」です。画像の製品は、口の先端が1ミリ幅の製品ですが、先端の幅がやや広い3ミリ幅タイプも製造されています。また、私の画像では外しているのですが、取り外し可能なバネがついています。

 使いやすいのはもちろんですが、ちょっと華奢なその姿も気に入っています。




2012年5月6日日曜日
「辻永式新型面取り:2」

 辻永式と書くはずだったのに、前回の記事でTUZIE式と書いてしまっておりましたので、修正致しました。他のブログの記事でもTUZIE式と書いてある道具がいくつかあったので、統一し修正することにいたしました。


 前回紹介した面取りに引き続き、こちらも辻永式面取りの一つということにしました。今まで作った面取りの中では、最も簡単に作ることができるものです。左側は、細幅の面取りです。右側は、やや幅広の面取りです。この画像は刃の裏面で、革に押し当てられる側になります。


 そして、こちらが刃の表面です。ご覧の通り、基本的には真っ平らです。通常の面取りにはある、表側の溝がありません。また、表側からは、刃先には角度を付けていません。表側は、刃物の裏押しと同じで、平らに研いでいるだけです。ベタ裏状態ですね。

   面取りの作りにもいくつか構造があるので、必ずというわけではありませんが、表の溝には面取りの幅を決める役目もあります。その表の溝が無いと言うことは、幅は裏側からの研ぎで決めるということになります。今回の試作では、細幅の面取りは、三角ヤスリで基本の加工を行いました。やや幅広の面取りは、丸棒ヤスリで基本の加工を行いました。三角か丸かで、幅を変えているというわけです。繊細とは言えないダイヤモンドヤスリを使って加工しましたので、三角ヤスリでの加工は小さな丸面になっていると思ってください。


 側面から見ると、このように真っ直ぐになっています。通常の面取りですと、どこかで曲げ加工が行われていることが多いと思いますが、今回の面取りは曲げ加工をまったく行っていません。裏からの研ぎで、先端に多少丸みを付ける程度です。

 この面取りに先立ち、前回紹介した数本の面取りを作りましたが、刃をいくつか作りながら、面取りに必要な刃の最低限の構造は何だろうかと考えました。その中で、今回の表側が平らな形状の刃で良いのではないかと、思い至りました。表は平らでも、裏の溝に丸みがあるので、面は丸く切れる構造です。

 実際に使ってみると、このような刃の形状でほとんど問題は無いように思われました。表側が平らで、全体の形状も曲げ加工の無い真っ直ぐなものなので、切れ味の良い刃を作りやすく研ぎやすい構造と言えます。

 真っ直ぐな見た目なので、曲線には対応しにくいと思われるかもしれませんが、裏からの刃の付け方で曲線にも対応しやすい刃にすることは可能です。


 さて、この画像を見て、予想通りと思った人もいらっしゃるかもしれません。今回の面取りは、ドライバーを削りました。右の面取りもドライバーから作りましたが、柄は変えました。今回は熱処理は行っていないので、単に先端を削っただけです。ちなみに、ドライバーなのでマグネットになっていますから、削っていると先端に削った鉄粉のヒゲが生えてきます。

 切れ味も良く、作りやすい構造です。普段の手入れも簡単です。連続して作った数本の中では、最も実用的に仕上がったと言っていいかもしれません。また、前回紹介した、押し引き兼用あるいは引き切りタイプの面取りでも、この構造の刃を使うことができそうな気がします。

 辻永式新型面取りの紹介は以上です。


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【追記】
 新型面取りと書きましたが、今回の表が平らな刃は、構造としてはより単純なものなので、もしかしたら先祖帰りしたのかもしれません。革の道具の歴史には詳しくないので、過去の道具についてはわからないのですが、現在主流の形状になる前に、表が平らな形状も存在したかもしれませんね。あるいは、私が知らないだけで、現在もあるのかもしれません。

 私にとっては新型ということにさせてください。




2012年5月4日金曜日
「辻永式新型面取り:1」


 新型の面取り各種です。それなりにユニークな構造なので、全部まとめて辻永式としておきます。元になった素材は、すべて菱目打ちです。

 製作するときに課題としたことは、刃が研ぎやすいことと、引いて切る構造にすることです。


 最初に思いついた形はこれでした。片持ち式の面取りです。刃は前後に付けてありますので、押しても引いても作業ができます。表の溝を研磨するときに、ヤスリなどの道具が軸に当たることがないので、刃の加工がしやすいようになっています。普段の手入れは、軽く耐水ペーパーを当てるくらいで済むと思います。表の溝は、基本的には水平な溝で良いのですが、適当に加工したものですので、少し角度がついています。

 この面取りは、細幅の面取り用として調整しました。手持ちの面取りでは、最も細い物になりました。


 次は、刃の後ろに穴を開けてその部分で曲げるという構造です。ヤスリの先端が穴を通り、成形や研ぎが楽にできるという形です。やはり、刃は前後に付けてありますので、押しても引いても面取りをすることができます。

 ビソネットエッジャーという名称の面取りで、穴を開けたその両端が刃になっているという、やはり前後に動かして使うことのできる物があります。私が作った面取りも、穴が開いているというところは、ビソネットエッジャーと似ているかもしれませんが、発想のスタートはちょっと違います。私の場合は、一般的な押して切る刃の構造を基本にしながら、加工や研ぎが楽にできて、なおかつ引いても切れるようにしたいという考えから作り始めました。

 刃の部分は薄めに作ってありますが、薄目の板状の構造から作ると、よく切れる面取りを作りやすいようです。


 これは、替刃式です。やはり、押しても引いても面取りをすることができます。片持ち式と似たようなものですが、刃をネジで交換できるようになっている、替刃式というところが画期的な面取りですね。替刃取り付け用に刃に穴を開けなくてはいけないということを意識しすぎて、刃をやや厚くしてしまいました。そのため、刃の成形にはちょっと時間がかかりました。

 これも、押しても引いても切ることができる構造です。こういった構造は、必要ならば、押すと引くで幅の違う面取りにすることもできます。細い面取りと、広い面取りを、一本にまとめるということが可能ですね。(それが機能的かどうかは、使い手によると思いますが・・・。)

 替刃の構造は、今回作った物以外にもいくつか考えていますが、実際に作る予定はありません。替刃式なのに、刃が一本きりとはこれいかに、というところです。

 この替刃式面取りは、菱目打ちを2本つぶして作りました。刃で1本、柄で1本です。


 次は、グルーバーの刃と似たような構造の面取りです。グルーバーとは、刃の付け方が違っていますね。これは引く方向でのみ使う前提で作りました。持ち方も、一般的な面取りとは違います。最初は切れる角度などがわかりにくいかもしれませんが、コツをつかむと快適に面取り作業ができます。

 刃の加工や手入れは、意外と簡単です。


 このT字型の面取りも、手前に引く方向のみで使うつもりで作りました。やはり独特の持ち方で使うことになります。これも、使い方のコツさえわかれば、快適に使うことができます。刃の手入れなども行いやすい構造です。


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 さて、ひと通り紹介が終わりましたが、もしかしたら引いて面取りするということを、具体的にイメージできない方もいらっしゃるかもしれません。画像として見ると、このような感じになります。教室の生徒さんたちに試しに使ってもらいましたが、使いやすいという感想が多かったです。

 ノコギリやカンナなど、日本の道具は引いて使うものが多いといわれておりますので、革の面取りにも、引いて使う構造の物があっても良いのではないでしょうか。ただ、私の試作では小回り性が十分には出ていない物がありますので、刃の作りについては吟味する必要がありそうです。

 引いて切る面取りは、ずいぶん前から作ってみたいと思っていたのですが、今回ようやく構造を思いついて作りました。作り始めたらいつもの妄想の連鎖で数が増えてしまいましたが、どれもそれなりで、使えないものはありませんでした。

 研ぎやすくて、押しても引いても切れる。
 こういう面取りも悪くはないですよね。


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 今年の10月で、サイト公開から丸10年になります。丸10年を機会に、サイトやブログの在り方を考えなおそうと思っています。まずは、意識的に多く書いてきた、私なりの工具の話を終了する予定です。この10年で、レザークラフトの工具環境はずいぶん変わりましたので、私なりの工具の話はもういいかなと言う感じです。今まで何度かやめようと思いながらも、惰性で続けてきてしまいましが、今回はきちっと終わりたいと思います。最後に、少しは参考になるような話を書いて終わりたいですね。(終了後も、市販工具の新製品情報くらいは書くかもしれません。)

 この終盤で何の工具について書くか、いくつかピックアップしたところ、あと10話くらいにはなりそうです。楽しんで読んでくださる人がいればうれしいです。




2012年5月2日水曜日
「表紙のカービング2012年5月」


 サイトの表紙のカービング画像を変えました。ふくよかな感じのパターンです。感覚で流れを決める、こういうパターンを描いているときは、楽しいです。お財布用のパターンですが、パターンを描いていると、いくらでも描けるという気持ちになってきます。それはもちろん、一時の気の迷い・錯覚の類ですが、パターンを描くだけの仕事があれば良いのにと思うほどです。でも、自分で彫らないとわからないことも多いのですよね。このパターンでも、彫ったことで修正を試みるべき部分が見えてきました。

 このパターンにバックグラウンドのスペースが少ないのは、意識してそうしているのもありますが、私のパターン描きの傾向なのかもしれません。「線」に対してはもちろんですが、「塊」に興味を覚えてしまう所があり、肉厚になる傾向もあります。でも、今回のパターンには一つ試したことがあって、いつもとは意識的に変えて描いた部分もあります。


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 最近、出版された「レザークラフトvol.8」(出版:STUDIO TAC CREATIVE)に、日本を代表するレザークラフトマンのお一人である、エル・ゴメ先生の記事が掲載されていました。エル・ゴメ先生は、カービングの指導をしてくださった恩師でありまして、私のカービングは、エル・ゴメ先生の独自性の高いパターンの影響を強く受けております。影響を受けたと言うよりも、先生の特徴的なモチーフの真似からカービングを始めたと言ってもいいほどです。私にとっては、先生のカービング イコールレザーカービングでした。マルチな才能の方ですが、レザーカービングにおいても、革新的なパターン構成を編み出した天才だと思っています。

 私のカービングを見て、先生のお名前を上げられた方が今まで数人いらっしゃいます。見る人が見れば、すぐにわかる部分があるのです。でも、自分では先生のお名前をネット上に書いたことはありませんでした。メディアへの露出は多くありませんし、ネット上の先生の情報も限られていたので、私が勝手にお名前を書くことは考えられませんでした。でも、日本の書籍に紹介されたのを機会に、初めて今回お名前を書かせていただきました。「レザークラフトvol.8」の記事は貴重なものだと思いますので、ぜひ皆様もご覧ください。

 実は、エル・ゴメ先生のデザインは、日本の革の参考書の中にも存在しております。それは、レザークラフト・レザーカービングの世界に、今日まで影響を与え続けてきております。


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 私のカービングには先生のモチーフが含まれているので(明らかに真似の部分があります)、ネットに載せるパターンにはいつも迷いがあったのですが、先生が日本の書籍で紹介されたことは、私の気持ちに何か影響を与えているようで、これからは迷いなくできそうな気がしております。




2012年5月1日火曜日
「ハトメ抜きに自己融着テープ」


 前回の記事で、LANケーブルの屋外配線の話を書きましたが、その時防水処理をしなくてはならない箇所があって、自己融着テープを使いました。


 私は、自己融着テープを、ハトメ抜きの太さ調整にも使っています。ハトメ抜きを少し太くすると、革から抜くのが楽になるのです。以前使っていた自己融着テープは強く引っ張っても大丈夫でしたが、今回使った自己融着テープは、あまり引っ張りすぎるのは良くないようです。引っ張りすぎると、粘着層と表面層がずれて、ベタベタしてしまいます。

 見た目はあまり良くないのですが、ハトメ抜きの太巻きは意外と便利です。穴をたくさん開けるときには、おすすめです。




2012年4月28日土曜日
「ミラフレキでLANの屋外配線」


 なんとも味気ないと言いますか、色彩感に乏しいと言いますか、そんな画像であります。この画像を見て、何かわかる人はほとんどいらっしゃらないのではないかと思うのですが、これは屋外配線などに使う、未来工業のPF管ミラフレキという名称の製品です。(販売店の包装ではミライカンと表示されていました。)

 画像は、屋外から屋内に線を引き込む部分です。モルタルを一度割ってから屋内への引き込み穴を開けたので、配線後に再びモルタルで補修しました。通常は、このようにモルタルで埋めるような部品ではありません。

 ミラフレキは、ある程度の屈曲性のある配管チューブと、各種ジョイント部品との組み合わせで、いろいろな施工ができるようになっています。私が行ったのは、LANケーブルの屋外配線です。屋外用LANケーブルというのもあったのですが、強度的にはそれほど強いとも思えない構造だったので、普通のLAN ケーブルをミラフレキに通して配線しました。

 ミラフレキはかなり強度がありそうなので、降雪のある地域でも、比較的安心して使うことができるのではないかと思います。値段も手頃なものでした。




2012年4月21日土曜日
「木箱パソコン:2」


 パソコンを作る前に、「自作パソコン」や「木製パソコン」のキーワードで検索をして参考に見てみました。工芸品のよう素晴らしい細工のパソコンもありましたし、私の木箱パソコンと同じような日曜大工的なパソコンもありました。

 その中に、木製のケースは熱がこもりやすいと書かれているページがあったので、排熱には気を使ったつもりだったのですが、パソコン使用後に天板が暖かくなっていることに気がつきました。電源の熱が原因です。

 そのため、上の画像のように、天板に放熱用の穴を開けました。自然放熱の窓を確保しただけですが、使用後に天板付近が暖かくなる現象はほとんどなくなりました。目隠し的にステンレスのメッシュを取り付けましたが、天板と電源の間のちょっとした隙間をふさぎながら、多少は放熱にも貢献してくれるのではないかという期待もあってのことです。


 パソコンと同時に、モニタも以前よりも大きめの物に変えました。帳簿を付けるときに、広く表示ができるようになって、入力が楽になりました。でも、パソコン机が狭く感じられるようになったので、パソコン机の天板・キーボード台・上棚を、それぞれ大きくすることにしました。その結果が上の画像です。よくあるパソコン机の割には広々とした感じになったのが伝わるでしょうか。

 天板の例ですと、幅750ミリ→910ミリ・奥行き500ミリ→600ミリというように大きくなりました。キーボード台も広くなった分、モニタとキーボードの位置関係を、使いやすい配置にすることができました。また、上棚にはスリム蛍光灯を取り付けて、照明もちょっと改善されました。

 使用した板は、子供たちにオイルフィニッシュで仕上げてもらいました。やってくれたのは良いものの、作業中は文句ばかりでうるさくてたいへんでした。教え方が悪いとか、滑舌が悪くて何言っているかわからないとか、見本見せたのに見てないとか、そんなこと聞いていないとか、ず〜っとそんな感じでうるさいのです。

 オイルフィニッシュの説明で、何回も塗りを繰り返す高級塗装なのだと教え、でもその作業は大変だしこれは自分で使う物だから、いま2回くらいやってくれれば良いよと、そう話したのですが、こんな何気ない説明にすら突っ込まれる始末で・・・。

 曰く、「2回しかやらないなら、高級塗装じゃなくて、貧乏塗装だね」と。う〜ん、それは言えてる。そうか、俺は貧乏塗装をしていたのかと、妙に納得してしまいました。木箱パソコンも貧乏塗装だし、革の道具もよく貧乏塗装しているなー。しっとりなめらかな仕上げにはならずに、ザラッとした感じが残っているもんなー。「貧乏塗装」の4文字が、頭から離れなくなってしいました。高級塗装のはずだったのに・・・。

   ところで、画像には前面配線の様子も写っていますが、このデザインは許せないという人もいらっしゃるでしょうか。私はほとんど気になりませんし、どちらかというと便利だと感じているのですが・・・。


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 木箱パソコンはほぼ予定通りにできましたが、システム(OS)の導入では思いがけなく時間がかかってしまいました。2010年から使ってきたシステムが、今回使用したマザーボードに対応していなかったために、代わりに最近のシステムをインストールしました。この新しくインストールしたシステムのデスクトップの操作系が、以前とは全く変わっていて、自分にとって使いやすい状態にするためのカスタマイズに、かなりの時間がかかりました。

 年内に、もう一度システムの更新を予定しているのですが、その時には、もう少し短時間で簡単に行いたいのですが、さてどうなることでしょうか。




2012年4月16日月曜日
「木箱パソコン:1」


 2007年から使ってきたパソコンが、爆音をたてるようになってきたので、いつかトラブルを起こすのではないかと不安になりまして、パソコンを変えることにしました。ベアボーンは以前に使ったことがありましたが、今回は自作パソコンにしました。

 名付けて、「木箱パソコン」です。

 見たまま、木箱の中にパーツが入っているというパソコンです。通常は、背面側に設けるリアボードを、前面に設置するように作りました。前面のUSBの差込口を、別に用意する必要がありませんし、前面で配線するのは意外と便利なのです。見た目は良くないかもしれませんが、私には気になりません。それから、ステンレスメッシュを取り付けた、大きめの吸気口を前面に設けました。

 スイッチは、しっかり押しこむタイプです。パソコンショップでは、スイッチは売っているのに、スイッチのキャップは売っていなくて、キャップは電気部品のお店で買ってきました。

 パーツの構成は、Mini-ITX規格のマザーボード、USB3.0付き。CeleronのデュアルコアCPU。メモリ2G×2。ATX電源。12センチ静音ファン。以前から使っていたハードディスク。以上のような感じです。スイッチやLEDランプなどの細かいパーツや、木箱の材料も含めて、22000円くらいかかりました。

 性能は、私にとっては十分なものですが、ファン付きのCPUが3500円程度でしたので、現在の性能としては低めのものだと思います。


 背面です。上に電源の排気口。下には12センチのケースファン。たぶん、電源ファンの排気だけでも十分だと思うのですが、12センチファンを付けてみたかったのです。スースー排気されますので、熱はこもりません。でも、CPUファンの音が、けっこううるさいです。ハードディスクのアクセス音もカリカリと響きますので、静音PCとは言えません。


 後ろ側を開けてみると、このような感じです。木箱の中は、上に電源で、下にマザーボードとハードディスクという配置です。マザーボードとハードディスクの間が、風の通り道になっています。前面のステンレスメッシュの吸気穴から、背面の12センチファンと上面の電源ファンの力で空気が吸い込まれますので、まさに風の通り道という状態ではないかと思われます。

 今回のパソコンに光学ドライブはありません。私は光学ドライブはあまり使わないので、USBの外付けドライブで十分に間に合います。

 パソコンのサイズは。幅190ミリ 高さ307ミリ 奥行き240ミリ です。

 2〜3年後に、今回の大きさの3分の1程度の大きさのパソコンを一台作る予定です。その頃には、おそらく店舗で使っているパソコンが更新時期を迎えると思われます。2〜3年後には今よりも良いパーツが販売されているはずですので、そこそこ使える小型パソコンが、安価に簡単に製作できるのではないかと期待しているのです。

 その時作る小型のパソコンは、「木箱パソコン」ではなくて、「革パソ」になる予定です。デザインは、すでにだいたい決まっています。


 今回のパソコンは「革パソ」ではないのですが、内部の配線をまとめるために、革を使いました。ほんの一部でも、革を使うということが、私にとってはちょっとしたポイント。こんな細かいところでも、革って役に立つ超便利な素材です!

 1つ前の背面からの写真をよーく見ると、ファンの配線を留めるところでも、革をちょっと使っています。




2012年4月9日月曜日
「最近使っているカメラ」


 パソコンの入力環境や変換ソフトなどを変えたので、動作の確認を兼ねて2日連続で書いております。

 画像は、リコーのCX4というカメラです。2012年の1月に購入しました。現行機種がCX6という機種でしたので、私が購入したCX4は2代遅れの機種でした。2代前といっても、半年ごとに新機種を発売していた様子でしたので、13.300円というお手頃価格になっていた割りには、最新機種との性能差はそれほど無さそうな感じでした。

 28-300mmの10.7倍ズームで、全域マクロ撮影が可能という、ちょっと変わった性能が魅力でした。小さな物の撮影をすることが多いので、私にとってはたいへん使いやすく便利な機能です。ズーム全域でのマクロは、CXシリーズの大きな特色です。

 リコーには、ユニークなユニット交換式のGXRというカメラがあるのですが、そのカメラのユニットに、CXシリーズと全く同じと言ってもいい仕様のユニットがあります。撮像素子のサイズからレンズの仕様まで全く同じで、その他の機能もほぼ変わりません。コンデジと全く同じ仕様のユニットというのは、どこか微妙な気もするのですが、CXシリーズのコンセプトをリコーの開発陣が気にいっている証拠なのかもしれません。


 CX4の背面の操作ボタン部分です。ADJ ボタン(アジャストボタン)という、ジョイスティックみたいな動きをする操作ボタンが特徴です。このボタンの操作性は快適で、素早く簡単にいろいろな設定などが行えるようになっています。カスタマイズできる部分も多くあり、使いやすい設定にすることができました。

 Fnボタンには、マニュアルフォーカスを割り当てています。距離や対象物によっては、ピントが迷うこともあるので、マニュアルフォーカスへの切り替えが早くできると、便利な時があるのです。

 ボディの質感にも高級感があり、今まで何台か使ったコンデジの中では、最も気に入っています。でも、気になることもひとつあります。それは、ズームの駆動音がとてもうるさいのです。この駆動音には、心底がっかりしてしまいました。製品のグレード感を損なっているのですが、メーカーも認識している仕様のようでした。ステップズームという、固定された刻みでズームが変わっていくモードにすると、多少は音が気にならなくなりますが、精密機械らしい音の演出が欲しかったと思います。


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【2012年4月19日に追記】

 CX4で気に入っている機能について書き忘れたことがありました。それは、広角側での近接撮影で顕著に現れる樽型の歪曲の補正です。作品の撮影等でも、直線が湾曲してしまい困ってしまうことがあるのですが、その歪みを適度に自動補正してくれる機能が気に入っています。

 また、高速連写性の高さも、この機種の特徴のひとつかもしれません。結構おもしろいです。他にも、様々な機能がありますが、他のメーカーの機種と似たりよったりなものなので、それらについては省略します。

以上、追記。


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 もう一台は、数年前の機種ですが、ニコンのD40です。モニタを見ながらの撮影はできず、ファインダーを覗いての撮影しかできません。画素数は600万画素と控えめですが、高感度特性があり写りも悪くないという評価をされていた機種です。デジタル一眼初期の普及機の中の名機と言ってもいいのかもしれません。コンパクトな仕上がりに、操作性も合理的にできていて、使いやすいカメラです。

 最近は、40ミリf2.8マクロを付けて使っています。このマクロレンズを用意してから、D40を使う機会が少し増えました。

 このところ、レンズ交換式のカメラは、ミラーレスの機種が多くなりましたね。私もコンパクトなミラーレス機の仕様などは興味を持って見ていますが、ミラーレスのレンズ交換式カメラを欲しいという気持ちは、あまりありません。できれば、レンズ交換という行為をしないで、楽〜に撮影を楽しみたいと思うからです。

 お気に入りのボディに、お気に入りのレンズを付けっぱなしにして使うか、あるいは、撮像素子が大きめで明るいレンズの付いた、性能の良いコンパクトデジカメがあれば、自分にとっては十分だと思っています。でも、これだ!という機種は、なかなかありません。

 これだ!が見つかるまでは、リコーのCX4とニコンのD40の2台体制で行く予定です。




2012年4月8日日曜日
「2012年4月4日強風につき」


 2012年4月4日の未明、風の強さに目が覚めました。近所の千秋公園は、強い風の時は木の枝が折れたりして危ないので当日は行かず、翌日5日に千秋公園に行ってみました。その時の写真です。

 二の丸から本丸に登る階段をふさぐ形で、松の大木が根っこから倒れていました。


 こちらは、二の丸です。あずま屋に向かって、2本の木が根っこから引きぬかれたような形で倒れています。写真ではわかりにくいですが、木は2本です。

 他にも何本も倒れた木があったようですが、一部の木はすでに輪切りにされておりました。こんな千秋公園の風景は初めてです。


 公園を管理している事務所の屋根のトタンも飛ばされていました。飛ばされたトタンは、ロープで木に結わえられていました。


 千秋公園では、近年カラスの大群が住み着いておりまして、夕方などは怖いくらいにカラスが群れています。これから巣作り・子育てとカラスの繁殖行動が進んで行きますが、巣立ちの頃を迎えると、親鳥が威嚇行動をとるようになるので、なおさら怖い存在になります。

 写真を撮った時、私の存在を警戒したのか、カラスが一斉に木から飛び立ったのですが、そのうち逃げもせずに向かってくるようになるのではないかと、賢い鳥だけに漠然とした不安を感じたりします。カラスの群れには、何か私の心を不安にするものがあるようです。


 公園の西側、夕日が沈む日本海の方角です。これから枝葉が茂ると、この位置からは夕日がはっきりとは見えにくくなりますが、今はまだ遮るものがあまりありません。私の目には、もっともっと赤く輝く太陽が見えていたのです、写真をモニタで見ると、その鮮やかな赤のかけらも感じられず、残念な写真になっていました。


 地平線に沈む間際です。ほんとうは、もっと真っ赤な太陽でした。太陽の少し右の丸い建物は、市立体育館です。バブルの頃に、無駄にお金をかけて建てられた建造物です。体育施設の集まる地域で、球場も太陽の左側に確認できます。県営プール・武道館・スケート場なども付近にあります。

 この日、風は収まり普通に過ごしておりましたが、風の被害の大きかった地域もあり、その後2〜3日停電の続いたところもあったようです。この季節のこれほどの大風は記憶にありません。風の災害が近年増えてきておりますが、季節を問わずとなると、ますます気を付けなくてはなりませんね。

 4月になっても、まだ小雪のちらつく日が続いておりますが、季節が足踏みをしていても、暦は早足で進んで行ってしまいます。今年もすでに4分の1が過ぎてしまいました。その実感が無いのに・・・。




2012年3月21日水曜日
「大きな面取り(へりおとし)」


 左端が市販の面取りで、中央と右端は自作したものです。かなり大きな面取りです。中央は、菱目打か何かをつぶして作ったものです。右端は何で作ったか忘れていたのですが、柄からはずして見たところ、スイヴェルナイフの刃を加工したものでした。道具作りはその時々適当なので、何を材料にしてどうやって作ったのかなど、忘れてしまうことが多いのです。もしも、2回目作るとしたら、その時はまた考え直すような感じなのですが、それでも初回よりは早く考えがまとまります。

 中央の面取りには10、右端の面取りには15という番号をつけているのですが、その番号は単に目印みたいなもので、これといった意味のある数字ではありません。ただ大きいよ、という印ですね。


 実際に面取りしてみた画像です。右から、面取り無し・面取り1号・面取り10・面取り15となっています。実際の製作で、このような大きな面取りをすることは、あまりありません。


 断面が正方形に近い革紐の面取りをしてみました。断面がかなり丸くなっていますね。この状態ですと、布を当てて磨くだけでも、かなり丸い形状の紐になります。この延長で、遊び的な技法をちょっと思いついているので、そのうちやってみようと思っています。

 それから、細~い面取りの簡単な作り方も一つ思いついているので、そちらもいつか作ってみるつもりです。できれば、引いて使う面取りも欲しいと思っているのですが、こちらはまだ構造も思いついていません。自分で作ることができて、使いやすそうな形を思いつくことができれば良いのだけれど・・・。




2012年3月10日土曜日
「金具打ち台の皿」


 各種の金具を打つときに使う打ち台の画像です。二つ並べていますがその違いがわかるでしょうか。色の違い?ええ、たしかに色も違うのですが、もっと他のところです。この画像を撮影した私が見てもわからないので、わからなくて当然なのですが、実は皿の深さ・形状が違っています。大雑把に言うと、左側の打ち台のほうが皿が浅くできています。右側は私が以前から持っていた打ち台で、左側が最近入荷した打ち台です。


 ジャンパードットボタン(大)の頭の金具を打ってみました。最初の画像の右側の打ち台を使って取り付けた金具の画像がこちらです。普通に撮影してもわかりにくかったので、できるだけわかりやすいように、光を反射させて撮影してみましたが、金具の頭が変形しているのがわかるでしょうか。従来、こうなってしまう打ち台が多かったのです。


 こちらは、最初の画像の左側の打ち台を使って取り付けた時の画像です。入荷した製品の皿が浅くできていたので、試しに使ってみたのですが、不自然な変形は出ていませんね。この様に、ジャンパードットボタン(大)の頭の金具の変形しない角型の多機能打ち台と出会ったのは、私にとっては今回が初めてのような気がします。私の勘違いでなければ、ジャンパードットボタン(大)の頭の金具変形は、長年の欠点だったように思います。

 今回試した皿の仕上がりの浅い打ち台は、皿の表面の仕上げが今ひとつで、金具の頭に点々と傷が付きました。そこで、ルーターにシリコンポイントを付けて皿を研磨したところ、点々の傷も付かなくなりました。本当は、もっと精度を上げるように改善を要望すべきなのでしょうが、その手の話はなかなか通じませんので、自分で解決できることは自分でやってしまった方が早いと思っております。もしも、作る人や卸す人がこの記事を見ることがあったら、より良い製品を作ってくださいね、ということで・・・。

 同様の製品を各社で販売しておりますが、今回ジャンパードットボタン(大)の頭の金具をきれいに打つことができてのは、誠和から仕入れたものでした。各社の製造元については、私は確認していません。

 それから、今回仕入れた打ち台の皿の状態が、この先もずっとこのままなのかはわかりません。打ち台も打ち棒も、今まで何度も仕上がりが変わってきているので、今後の製品の安定度は不明です。今後入荷する実物で確認していくしかないですね。

 打ち台の皿という細かい所の話でした。




2012年3月4日日曜日
「バーナー2台目」


 新富士バーナーのパワートーチRZ-840という、カートリッジ式のガスバーナーです。この機種が気にいっておりまして、2台目の購入です。ガスと空気の調節つまみが備えられていて、着火はトリガーを引くだけです。いちいちガスのバルブを開くという操作も必要ありません。トリガーを放すと消化しますが、トリガーを引いた位置で固定するボタンがあるので、トリガーを放しての連続燃焼も可能です。またトリガーを引けなくする、ロックボタンも付いています。

 道具の加工の時などに使っていますが、ガスボンベの残量が少なくなってくると、炎が弱くなってきてボンベを交換しなくてはなりません。ボンベにはまだガスが残っているので、できれば使いきりたいと思うわけです。そこで2台目の購入となりました。ボンベの附属しない本体だけのパッケージを購入しました。


 パッケージの裏面の用途の説明欄です。2台目のメインの用途は、「あぶり」「焦げ目付け」にしてみようかと思っています。この刺身をちょっとあぶってみようかなー、とか。あるいは、ソーセージに焦げ目付けたいなー、といった用途で使ってみようかと。

 以前は、ブローパイプを使うために都市ガスの契約をしていたのですが、店舗には他にガスを使う器具がありませんでした。そのため、使用頻度が少なくほとんどガスを消費しないのに、毎月の基本料金がかかってしまうという状態でしたので、ガスの契約を止めてしまいました。その時からこのバーナーを使うようになったのですが、なかなか優秀なバーナーだと思っています。

 用途はいろいろ、使いやすいバーナーです。




2012年2月26日日曜日
「珈琲豆焙煎とコンロと」

 あいかわらず珈琲焙煎の趣味は続いておりまして、私にしては珍しく長続きしております。その珈琲焙煎に重要な役割を果たすガスコンロを昨年新しい物に替えたのですが、センサー無しの古いコンロから、センサー付きの新しいコンロへの交換だったので、少々戸惑ったりしておりました。実は、センサー解除機能付きのコンロを注文したつもりが、どこでどう間違ったのか、センサー解除のできないタイプを購入してしまったのです。


 火口の画像です。中央に立っているのがセンサーのようです。今までステンレスのネットを載せて火を拡散させるようにして使っていたのですが、ネットを載せて火を付けるとすぐにセンサーが反応して火が小さくなったり消えたりしてしまいます。しかも、真ん中に大きな開口部があって、ここに珈琲のチャフが落ちてしまいそうです。


 そこで、開口部をステンレスのワッシャで塞ぎ、ネットの中央に穴を開けてセットしてみました。これだとセンサーの反応は起こりにくくなりますが、完全に反応を抑えることができず、時々焙煎中にセンサーが働き火が小さくなってしまいます。


 それまでの方法では思った通りにできなくり、最初は少し戸惑いましたが、もともとネットを必須とは考えてはいなかったので、その後ネットの使用はあきらめて、ネット無しの直火での焙煎に切り替えることにしました。それでもセンサーが反応する可能性はありますし、中央の開口部にチャフが落ちるのも嫌なので、ご覧のようなキャップをかぶせることにしました。小さなロートをちょっと加工したものです。

 これで快適に焙煎ができるようになりました。ネットで熱が拡散しない分、熱のロスも少なくなり豆に伝わる熱の量も増えるように思います。また、今回の画像には写っていませんが、熱のロスを防ぐための円筒形の風防は、以前と変わらず利用しています。焙煎にはだいぶ慣れてきたので、多少熱源が変わっても、ほとんど失敗せずに焙煎ができました。もしかしたら、ネット無しのほうが前よりも上手に焙煎できているかもしれません。

 最近は、直火・強火・短時間という方向で焙煎しています。2週間に一度程度の割合で、毎回250~300グラムの生豆の焙煎を2セット行います。ぼ~っとして半分立ったまま居眠りしたような状態で焙煎網をフリフリしているのですが、たぶんちょっとしたストレスの発散になっています。




2012年2月19日日曜日
「新型革包丁:替刃式革包丁でひとまず完結」

 新しい革包丁の形が何か無いかと考えていて、革包丁を真似たカッターではなくて、替刃式の革包丁と言えるような機能とデザインの道具があれば、レザークラフトの世界には需要があるのではないかと思うようになりました。

 私にとっては、ちょっとした言葉が重要だったりするのですが、「替刃式革包丁」という言葉で、頭の中の整理ができました。キーワードというものですね。カッターと大して変わらないのだけれど、浅い角度にしても問題ない形状というのが重要な点になります。


 前回の木製の本体から、今度は金属を使った試作になりました。「別たち」の刃のカバーを利用しています。刃のカバーのデザインは、「革たち」のほうが薄さのためには合理的なのですが、手持ちの数に余裕があるのは「別たち」だったので、「別たち」のカバーを利用しました。

 金属は3ミリ厚のアルミを使っているので、ネジ穴部分の実用的な強度が足りないかもしれません。刃の固定部(ネジ部分)の厚みは6ミリ弱ですが、同じような構造でも素材や形状の少しの工夫で、厚くても4~5ミリに収めることが可能だと予想しています。

 それから、革包丁をもしも左右対称に作ったらどうなるのだろうかと、そんなことがふと思い浮かんだので、左右対称の形に作ってみました。でも、伝統工具の形には意味があるといいますか、やはり通常の非対称の革包丁の形が使いやすいように感じます。そして何よりも、左右対称にするともろにスクレーパーのデザインになってしまいます。利点もあるとは思うのですが、革包丁を使い慣れた身には少々違和感があり、何だか格好悪いような気がしました。


 あれこれ考えたときの落書きです。「発売10周年で高級木質ハンドル仕様販売!!」 と、訳のわからないことが書いてあります。柄は使いやすく削ったり、自由に装飾したり、自分好みに改造できる要素があると、おもしろいですね。


 刃の形です。今回使用した替刃の構造は安定感に欠けるので、固定箇所を2つに増やします。刃の厚みによっては、固定用のカバーは不要になります。また、全体に厚い刃があれば、木彫や木版でも利用される可能性がありますね。

 刃の交換は、ネジを緩めて差し入れるという動作になるので、ネジを完全にゆるめてはずすという、無駄な手間はかかりません。二つのネジの操作くらいは、我慢しましょう。刃は片側だけです。替刃式ではありますが、研いで使うのが前提です。革包丁を真似たカッターではなくて、研ぎながら使う替刃式革包丁ということが大事なのです。

 ・・・・・とそのようなことを言う割には、1枚210円とか6枚で1050円とか、替刃の手頃な価格設定をしておりますが・・・・・。ええ、もっと値段が高くても、より良い刃が望ましいです。でも、10ミリ程度しか研ぐ余裕がないかもしれないので、手頃な価格で高品質が一番です。研ぎが苦手でどうしてもダメという人は、完全に使い捨ての替刃式も可能な価格が良いのかもしれません。様々なレザークラフト愛好者を想定すると、替刃一つも難しいですね。


 替刃の基本的な構造は、そのまま細身のトリミングナイフにも転用されます。せっかくの新製品開発なので、製品はシリーズ化できるように目論んでいるのであります。仮称「レザーナイフシリーズ」。替刃式革包丁とトリミングナイフや突っ切り類、何本も欲しくなっちゃうでしょ!作戦です。

 薄刃で厚い革も楽に切れる。薄刃なので研ぎが簡単。片刃に研いでも両刃に研いでもOK! 右利きでも左利きでも同等に使用可能。替刃式でも革漉きをこなす高い機能性。固定用のネジ部分の厚みの影響が無く、裏も表も自在に使える。十分な剛性感。シンプルで飽きないデザイン。各種替え刃も充実・・・するはず。いかがでしょうか・・・・・。

 ・・・・・完全に妄想に入り込んでおります・・・・・。実は、似たようなことを教室でも時々やっております。今年の冬は、秋田名物きりたんぽの新製品開発会議を教室内で行っておりました。海外にも売り出す予定ですが、その内容は秘密です。みんなで一緒に妄想をふくらませていくのですが、けっこう真面目に考えますし、楽しいですよ。


 さて、横からの比較画像です。

 左端は革包丁。替刃式であればネジのあるあたりの厚みは、約2ミリです。柄も薄く削っています。道具としての機能は、やはり革包丁が一番ではないかと思います。替刃式を考えるに当たっても、何よりも良い見本です。

 左から2番目は、今回の試作です。横から見ると、柄の構造がよくわかりますね。ネジのあたりは6ミリ弱です。刃の形状の工夫やカバーの有る無しなどにより、4~5ミリの厚みには収まるはずです。ステンレス・真鍮・高剛性樹脂素材などなど、どんな素材が合うのか考えるのも楽しみの一つですね。

 中央は木製の試作。ネジ部でおよそ9ミリです。持った感じは、とても良いです。軽く、手への当たりが何とも優しいです。このデザインで薄く仕上げるための素材があれば、なかなか良い道具になりそうな気がします。

 右から2番目はオルファの「別たち」です。ネジ部は12ミリほどでしょうか。でも、画像の物は私が加工してあるので、10ミリほどになっています。ホームセンターでは、スクレーパーのコーナーにあったりしますね。

 右端はエヌティーの「革たち」です。後発なので薄く作るという選択肢もあったと思うのですが、一番体格が良い製品です。ネジ部の厚みも最も厚いように思います。


 市販のカッターのネジの部分の画像です。やはり厚いですね。カッターは手軽に道具無しで刃の交換ができることが大切ですが、替刃式革包丁はそれほど頻繁に刃を交換する必要はないですし、ドライバーや六角レンチを使う前提で良いのです。そうすると、設計はより自由になりますね。

 私がいくつかデザインを考えた中では、刃の固定部分の厚さは4ミリというのが一番薄いものでした。専門メーカーの専門家が考えてくだされば、さらに薄い物が期待できそうです。


それから、カバーは簡易的なビニル製の物があれば十分かもしれません。少なくともレザークラフト用途では、しっかりしたカバーが必要であれば、自分で作るということで良さそうに思います。


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 このようなすクレーパーがありました。ステンレスの刃なので、それほど硬さは無いと思いますが、一応研いでみました。


 刃の厚みは1ミリほどでしたが、カッターの刃と比べれば刃を付けにくい素材のように感じました。単純に厚い分研ぎにくいということもありますし、革包丁のように研ぐ楽しさは無いので、研いだ印象が良くないということもあるかもしれません。

 柄も一緒に削ってしまっているのですが、この程度の柄でも十分なようにも思いました。安っぽいですが、厚ぼったいよりは良いかなと思う次第です。


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 自分用としては、普通の革包丁で十分に間に合っていますので、「別たち」や「革たち」を普段の作業で使うことはほとんどありません。でも、もっと研ぎが楽にできて機能も高く、初心者から専門家まで広く使うことのできる刃物もあると良いのではないかと、あれこれ考えてしまいました。「別たち」で間に合っている感がレザークラフト業界にはあるのかもしれませんが、改善の余地があるのではないでしょうか。私個人は、ネジの部分がどうしても好きになれません(ただの個人的な感想なんだけど・・・)。

 実際には、自分でこのような刃物を企画して製造することはできませんが、どこかのメーカーさんが、より機能的な製品を作ってくださるとうれしいですね。

 「妄想新型革包丁開発プロジェクト」、これにて終了です。




2012年2月11日土曜日
「新型革包丁:二つめは木製カッター式」

 ラウンドナイフを自分でも手にするようになってから、薄刃で研ぎやすい革包丁があると良いなという考えが頭から離れずに、それはいつの間にかカッター式にイメージが変わってきました。

 すでに、オルファとエヌティーから、それぞれ「別たち」「革たち」という製品が販売されておりますが、革包丁の形を一部真似したカッターという印象しか持っていませんでした。

 「別たち」「革たち」の替刃の切れ味はそれなりの物ではありますが、ちょっと研いであげると格段にシャープな切れ味になります。「別たち」「革たち」のデザインや構造については、個人の感想としてはあまり使いやすい物ではないと思っているのですが、いくつかの問題が解決されれば、使いやすい道具になる可能性があるとも思っています。


 とりあえず、作ってみたのがこれです。木製です。シンプルですね。


 木に切り込みを入れて、そこに刃を差し込みネジで固定しています。ちゃんと作れば実用的な工具になる構造だと思います。


 刃は十分に薄いので、刃を固定する本体側を薄く作るというのが目的でしたが、木製なのであまり薄くはできていません。金属や剛性のある樹脂などを利用すれば、かなり薄い形状で製作が可能なはずです。

 「別たち」と「革たち」の弱点は、厚みにありますので、それを改善したかったのですが、木製のため刃の固定部(ネジの部分)の厚みは9ミリほどあります。「別たち」と「革たち」は12ミリ程度あります。5ミリ以下にしないと実用的にはならないと、私個人は考えています。




2012年2月10日金曜日
「新型革包丁:最初のイメージ」


 ラウンドナイフを手にしてから、こんな革包丁があれば良いなと思った最初のイメージです。柄は、刃からつながる金属を木や樹脂で挟み込む構造で、柄を自由に薄く削ることができるという想定です。

 画像にある刃の黒い線から先端の部分の厚みは、0.5~0.8程度。刃先から2センチくらいが薄く作られている特殊な形状です。ラウンドナイフの構造を革包丁でもという形です。革を切り裂く時の抵抗が少なくなるはずですね。

 こんな革包丁があればおもしろいと思いましたが、製作の難易度や使用中の刃の状態の維持を考えると、不都合なこともいろいろありそうです。

 画像は、おおよその形状を見るために、スクレーパーとしてホームセンターなどで売られている「皮スキ」の柄を削ってみたものです。もちろん裁断には使うことができませんので、そのうち何かの塗装はがしにでも使ってみます。


 横から見た画像です。柄を薄く削ることができるというのが大切な点です。通常の柄も同様に削ることはできますが、構造的にはどうも不安なんですよね。




2012年2月5日日曜日
「浅い角度で研いでみたり」


 手元にあるラウンドナイフの構造を見てみると、刃先にかけてカッター並の薄さに調整されております。薄いほうが革を切り裂く時の抵抗が軽くなりますし、研ぎも楽にできるということなのだと思います。

 ラウンドナイフとは鋼の質が違いますので脆さへの不安はありますが、薄さの利点が感じられるように、革包丁の研ぎ角度を浅くして試しています。10度以下の角度定規を作っていないのでちゃんと確認はしていないのですが、10度の定規に当てるとはっきりと隙間が開く、かなり浅い角度です。上の画像でも、しのぎ面が広くなっているのがわかると思います。刃先は今まで通りの2段研ぎなので、刃先だけは13~15度程度の角度ではないかと思います。

 剛性が十分なものなのか、少々心配をしながら使っておりますが、切れ味はたいへん良いです。

 右端の刃のしのぎ面はそれほど広くありませんが、もともと刃の薄い作りになっているからです。画像ではわかりにくいと思いますが、全綱の刃物なので、軟鉄と鋼の境がありません。


 こちらは、刃が斜めになっていますが、よくある曲線切りを意識したものではなく、ラウンドナイフの切っ先に近い角度で研いでみたものです。ラウンドナイフについて何かわかるかもしれないと思ったのですが、実際には特に感じることはありませんでした。

 やはり浅い角度で研いでありますが、軟鉄側を薄く削ってあるので、しのぎ面はそれほど広くなっていません。軟鉄と鋼の厚みがほぼ同じくらいに見えていますね。

 革包丁を持つと、小指が身の丸みの部分に当たりますが、薄くなっているので指への当たりはやや気になります。薄い革包丁は、革を切り裂くためには有利な形状ですし、研ぎも少し楽にはなりますが、持ちやすさの面では少々不利になるように思います。




2012年1月29日日曜日
「ラウンド2」


 ラウンドナイフ2本目です。また人様のお力を借りて入手したものです。「Weaver」の定番的なラウンドナイフのようです。

 ハンドルの切削がどこか素人が加工したような仕上がりで、直線と曲線のつながりのところが角張っていたり、厚みが片寄っていたりしたので、修正しました。グラインダーで金属と木を一緒に削ってしまい、あとは紙ヤスリで整えました。長さは問題なさそうだったので、ちょっとした形の修正だけです。

 木のハンドルには、最初ピカピカの塗装が施されていましたが、加工後はオイルフィニッシュにしたので落ち着いた雰囲気に仕上がっています。

 刃は右と左で厚みが違っていたようなので、厚く感じた側を削ってみましたが、研ぎにはまだまだ慣れません。研いでみて感じたのは、けっこう柔らかい鋼材だと言うことです。全体を薄く作っておいて、刃先は適当に研げば切れるという感じの作りなのかもしれません。薄くても脆くない程度の硬さなのでしょう。

 ラウンドナイフ2本目で、私の頭の中にはラウンドナイフから刺激を受けて思いを巡らす革包丁の新たな形が、モヤモヤと思い浮かぶのでありました。




2012年1月29日日曜日
「レザーコートという仕上げ剤」



 レザークラフトをやっている多くの人が知っているであろう、「レザーコート」 という水性のアクリル樹脂仕上げ剤です。以前はクラフト社からの仕入れが思うようにできなかったので(今でもちょっと意地悪だけど・・・ほんのちょっとだけね・・・大部分は親切)、あまり扱うことが無かったのですが、最近はお店に常時在庫するようになりました。

 というのは、以前は「レザーフィックス」という仕上げ剤を勧めしていたのですが、2011年に以前と質が変わっていることに気がついたのです。その後、「レザーコート」を少しずつ導入してきました。「レザーフィックス」は良い仕上げ剤だと思いますが、私が良いと思っていたところがいつの間にか感じられなくなっていました。でも、仕入先を通じて成分の変更の確認などをお願いしたところ、中身は変わっていないということでしたので、もしかしたら私の感覚がおかしくなったのかもしれませんね。

 さて、「レザーコート」も良い仕上げ剤でありまして、たいへん扱いやすい仕上げ剤です。近年はつや消し仕様のマットも販売されております。マットタイプはつや消し剤として体質顔料が加えられているようですので、使用前によく混ぜてから使うことが大切ですね。

 協進エルの「水性ラッカー」もなかなか良い仕上げ剤なのですが、こちらは100cc入りの製品だけで、500cc入りの選択肢が無いのがちょっと残念です。




2012年1月22日日曜日
「焼印と刻印どちらも良い仕上がり」


 マイペンアルファという電熱道具を以前何度も紹介しましたが、そのマイペンアルファ用の焼印を、プロに製作していただきました。上の画像に二つ並んで見えますが、左側は発注前に私が自作したテスト用の焼印です。右側のマイペンアルファに取り付けている焼印が今回製作していただいた物です。

 もちろん、プロが作った物の方が、格段に格好いいです。マイペンアルファを取りつけるための部品も特注で作っていただいたものなので、ペン先の寸法に対してベストと思われる仕上がりになっています。穴のサイズも絶妙にできていて、とても気に入っています。

 私の試作は無駄な体積があり、熱の伝わり方も良くないので、スイッチを入れてから黒く革が焼けるまで4分ほどの時間が掛かりましたが、プロが製作した焼印では2分以内で同じ程度の温度に上がるようです。待ち時間が少なくて良いですね。また、一般的なハンダゴテと比べてコンパクトで軽いので、持ち方も自由になり操作がとても楽にできます。

 いつも作業台の側に置いてある道具で、手軽に焼印ができるのは、合理的ですし快適に感じています。利用範囲が広い割にコンパクトに収まる良い道具ですね。今まで焼印にはあまり興味が無かったのですが、気が向いたときにすぐに作業に取りかかることができるので、これからは時々使ってみようと思います。


 初めて焼印を試した時の革片です。スイッチを入れてからの時間を計りながら、焼け具合を確認しました。1分半から2分で実用範囲の温度に上がるようです。スイッチを入れるときは調温のダイヤルは10ですが、温度が上がってからは8~9にするようにしています。

 このマークは、私が使っている中では最も古い物です。あっさりとしたかわいらしさがあるので、使いやすいと思っています。鳥と獣は革のクラフトの素材になってくれる動物を表しています。中央の植物柄は、タンニンを供給してくれる植物。また植物の両側にあるのは月と太陽です。月や太陽を見上げるのが好きですし宇宙の広さや人の小ささが感じられて良いなと思うのですが、このマークでの月と太陽は主に時間を表しています。時間は、革を鞣すための時間であり、また革が使われ始めたであろう太古からの歴史的な時間でもあります。ときどきこの説明を教室などで話すと、「後から考えたんでしょ」と生徒さんに突っ込まれたりするのですが、いえいえ、そんなことは無いのです。ちゃんと考えながら描いたのです。


 同時に刻印も作っていただきました。これも良い仕上がりです。深く鮮明に打つことができます。長さは私の好みに合わせて、90ミリ~93ミリでお願いしました。そして、93ミリで仕上がってきました。私にとっては、とても使いやすい長さです。

 鋼鉄製なので、冬の寒い仕事部屋では刻印が冷えきってしまい、使うときに手に持つと指先が痛いほどです。それで、刻印には革を巻きました。薄い革ですが十分な効果が有り、指先の冷たさはあまり感じなくなります。

 パターンに対して外形の左右の余裕が少し違っていたので、ダイヤモンド砥石で削って修正を試みたのですが、あまりの硬さに途中で止めてしまい、完全には修正できていません。でも、私なりの許容範囲には収まりました。ちなみに、この作業でダイヤモンド砥石は研磨能力が落ちてしまいました。私が力まかせに削ろうとしたせいで、研磨材が剥離してしまったのだと思います。それにしても刻印は硬く仕上がっており、加工の確かさを感じました。彫金にも使うことのできる硬さがあるそうです。

 ちょうど、ダイヤモンド砥石はそろそろ次の物をと考えていた所だったので、新しい物を購入しました。近年は廉価な製品があるので、消耗品と割り切って使っています。
 



2012年1月15日日曜日
「前言撤回めっき男」

 うまいことを言っておきながら、後でその言葉を都合のいいように撤回して、すっかり めっき がはがれてしまった男のお話・・・・・ではありません。

 まずは、1月1日に「自分の本サイトのトップページに、一言日記欄のような部分があるのですが、今年はその欄の更新は当面は控えるつもりです。その代わりというわけでもありませんが、このブログは定期的に更新できればと思っております。」 と書いたのですが、この部分を撤回いたします。サイトのトップページの一言欄には、更新しなくてはならない理由があることを、すっかり忘れておりました。今年もまた、ときどき更新します。

 一応その理由というのを書きますと、この更新をまったく止めてしまうと、検索したときにものすごく下位になってしまう可能性があるのです。過去に経験したことなのですが、このことをすっかり忘れておりまして、今年はトップページの更新を控えようと考えてしまいました。大事なことをすぐに忘れてしまう「にわとり回路」が、私の頭脳には埋め込まれているようです。でも、ふとしたときに起動する「復元回路」も備わっているので、ある日ある時突然に記憶が呼び覚まされたりするときもあります。今回がまさにこのパターンでした。ありがたいことに、あの欄の更新を楽しみにしていただいているというお言葉を、絶好のタイミングで頂戴する機会もありまして、「望まれて」という言い訳も「成立」したのであります。

 「・・・・ブログは定期的に更新・・・・・」という部分については・・・・・やっぱり適当に更新ということで・・・・・。・・・・・説明が長くなってしまいましたが、元旦に決めたことを、わずか2週間で撤回という報告でした。お恥ずかしい。

 そして めっき男ですが、これは めっきする男・・・新年の私のことです。まずは めっきという言葉ですが、滅金という漢字表記の日本語からの言葉ですので、「メッキ」ではなくて「めっき」が適切なのだと、めっきの資料で読みました。私のうろ覚えですが、昔は水銀に金を溶かして、それをめっきする金属に塗り、火で熱して水銀を飛ばした後に金が残るという技術だったようです。危険なので、屋外の作業で風上に立つようにしたと、金属の色の加工の本で読んだ記憶がかすかにあります。

 それが、現在ではお手軽なめっき器具も販売されていて、誰でも簡単なメッキであれば自宅でもできるのです。私が使ったのは下の画像のような器具一式です。


 その名も「めっき工房」と言います。製造元によりますと、もう20年も前から販売されている製品だそうです。角型9Vの乾電池を電源に使う電気めっき装置で、筆めっきと言われる技法になるそうです。

 長年の間に刻印の本数も増え、自分で加工した刻印にサビ止めを施したいと思っていたのですが、簡易めっきが効果的かもしれないと思い、今回手持ちの刻印にめっきをする作業を行いました。

 研磨→脱脂→銅めっき→ニッケルめっき→洗浄 というのが私が行った一連のめっき作業です。お正月のうちにと思い、50時間の予定で作業を始めたのですが、研磨などの下準備に思いのほか時間が掛かり、さらに今年は雪が多くて雪かきでくたくたになり、まったく思い通りには進みませんでした。それでも、どうにか作業を終えました。おそらく500~550本くらいの、何らかの加工を施した刻印にめっきを施したと思います。乾電池は15個くらい使いました。連日明け方までの作業になってしまいくたびれました。

 製造元に電話で問い合わせて、銅めっき→ニッケルめっきでサビ止めの効果はあると確認はしたのですが、私の作業が適切に行われたのかという点には自信がありません。冬は刻印のケースを開けたときに、どうしても結露してしまうことも多いので、効果があってくれれば良いなと願っています。耐久力も含めて、これから実際に使ってみての判断になります。

 誤解の無いように書いておきますが、しっかり研磨して仕上げれば、軽くオイルを施しておく程度で、通常の使い方で刻印が錆びることはほとんどありません。私の場合は本数が多いのと、研磨が難しい刻印などもあるために、何らかのサビ止めの必要性を感じたということです。20年以上前から何か手を打ちたいと思いながら、今年ようやくというところです。


 銅めっきをかけた画像です。溝が深い刻印もありますが、「めっき工房」は溝が深い刻印にも比較的めっきがしやすい仕様になっています。


 銅めっき後にニッケルめっきをかけた画像です。おそらく めっきというと、ピカピカの表面を思い浮かべる人が多いと思いますが、私の施しためっきはピカピカにはなっていません。下地の処理が十分ではないからです。美観よりも、単にサビ止めとして機能してくれれば良いというめっきです。

 ちなみに、銅めっき後に研磨工程を一つ入れると、おそらくそれなりの艶のあるめっきになりやすいのではないかと思われます。でも、そのような手間を掛ける気力がありませんでした。

 また、この簡易めっき面は、硬質めっきでは無いので、決して硬いものではありません。通常の刻印のめっきは、金工ヤスリも掛かりにくい硬さがありますが、私が施しためっきは薄いですしヤスリも簡単にかかります。

 余談になりますが、「めっきがはがれる」という人物評的な言葉がありますが、今回自分で簡易めっきをしてみて、「良いめっきの人だ」という誉め言葉があっても良いのになと思いました。どういうことかというと・・・・・う~ん、今日の記事はもう長くなったので説明は省略です。

 せめて、良いめっきの人と言われるようになりたいと思ったり・・・・・。
 いつもの妄想ですが・・。

【追記】
 刻印にめっきをしたことについて書きましたが、本当はステンレス製の刻印に置き換えることができればと思っています。前にも書きましたが、自作用の刻印の株があるとおもしろいですね。形状やサイズ違いで3種類程度あれば、かなり便利に使うことができるはずなのですが・・・。




2012年1月9日月曜日
「PCだったり雪だったり」


 キーボードが汚れてきたので新しい物に変えました。いつもフルサイズのキーボードですが、前のキーの配列とは一部違うところがありました。キーマップの変更の調整が少しだけ必要でしたが、上の画像のあたりを一番変えております。

 テンキーを使ってのカルクソフトでの入力に便利なように、タブキーやバックスペースキーを設定しています。このキーボードのキーの配置だと、私はプリントスクリーンキーを間違って押してしまうことが多いので、キーを無効にしました。そして、その上に配されていたWakeと書かれたキーは、私のパソコンのシステムでは機能していなかったので、ここにプリントスクリーンキーを設定しました。

 他にも何か所か変えてありますが、忘れてしまうことがあるので、画像のようにシールを貼って置かないと不安なのであります。数字を書いてあるのは、そのキーのキーコードです。


 それから、プリンターを購入しました。この数年は、モノクロのレーザープリンターしか使っていなかったのですが、インクジェットを久しぶりに購入しました。Linux用のドライバが確実に公開されているブラザーの製品です。最も安い機種ですが、私にとっては十分な機能でした。

 本当は、もう一つ上の機種が欲しかったのですが、同じシリーズの中でその機種だけは何故か発売が今年の春となっていて、まだ販売されていなかったのです。

 今年の春は、OSの更新も予定しているのですが、いま使っているUbuntuでいくか、それとも他のOSを試してみるか、いまから少々迷っております。ネットのいくつかの記事によると、Ubuntuの標準のデスクトップに変更があったようで、Ubuntuの人気が少し低下しているそうです。その代わりにMintというやはりDebian・Ubuntu系のOSの人気が高くなっているようなのですが、春と限定せずに年内という長めの期間を見て次のOSを検討したほうが良いのかもしれません。

 Windowsと比較すれば、ちょっとした便利機能が使えない時もあったりして、Linuxは少し不便だと感じる部分もあるのですが、最高に便利にできていなくても、十分に使うことはできるのであまり問題は無いのです。まだ試したことの無い人は、ちょっとした不便を体験するべくLinuxを使ってみませんか。少々不便でも大丈夫なものですよ。


 さて、この冬は思っていたよりも雪がたくさん降っております。先週の土曜日も雪かきを4時間ぶっ通しで行いました。運動代わりには良いのですが、時間もたくさんかかりますし、少々バテてもきております。

 上の画像は市立図書館の前から当工房へ続く道です。一方通行ですので、こちら側からは車では入っていけません。雪のためにずいぶん道幅が狭くなっています。以前は道路脇にある池(堀)に除雪した雪を寄せることができたのですが、変な縁石が設置されてしまい、除雪作業が十分にはできなくなったようです。

 道路の両脇に、人が歩ける程度の細い道をつけるように心がけてはいるのですが、他にもたくさん雪かきをしなくてはならない場所があるので、けっこう大変です。近所の高校の冬休みが終れば、機械で除雪してくれると思うので、それに期待です。


 これは、図書館前から見ると道路の右側にある、工房近くの池(堀)の写真です。中程にほぼ真横に伸びている松の木があるのですが、今年はそこまで雪の橋が掛かるかもしれません。除雪した雪をここに集めていますが、池の中に向かってどんどん伸びて行きそうです。

 池の脇の短い坂が車では登りにくくなっています。駐車場を利用する方は気をつけてください。池側への脱輪にも注意してくださいね。駐車場の除雪は十分に行っていますが、屋根の雪にも気をつけてください。

 まだまだ降るのかもしれませんが、やるしかないですね。頑張りましょう!




2012年1月1日日曜日
「辰年・・良いことありますように」



 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。今年は年男です。いい歳になってしまいましたが、いい年にしたいと思います。

 自分の本サイトのトップページに、一言日記欄のような部分があるのですが、今年はその欄の更新は当面は控えるつもりです。その代わりというわけでもありませんが、このブログは定期的に更新できればと思っております。

 さて、年男ということもあり、小さな革の龍を作ってみました。平面の革を適当につまんだりして立体的に見せる、よくある作り方の物ですが、こういうものはほとんど作ったことがありません。経験値が低いところで、展開図を適当に想像した一発勝負の型紙だったので、なんだか変なプロポーションになった部分もあるのですが、とりあえず龍に見えるので良しとしました。

 工房の片隅に置いておきます。
 今年は良いことがたくさんありますように。



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