以前書いたブログ「TUZIE-珈琲を一杯」の記録です。
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TUZIE-珈琲を一杯2010-03


2010年12月22日水曜日
「クジラのトレーと焼印と」

 先週15日に、小学校6年生とその保護者が一緒に参加する、レザークラフトの講習の講師をしてきました。その講習で作ったのがクジラの形のトレーです。一般的なボールペンなどが余裕で入るくらいの大きさです。

 生徒さんだけでも50人以上の講習でした。保護者の方も合わせると、今までで最も大人数の講習となりました。一般的なレザークラフトの道具が全く無い状態での講習でしたので、ちょっとした道具作りからスタートしましたが、皆さんしっかりした手つきで作業を進めてくださいました。無事に講習を終えることができ、会場にいらした皆様に感謝です。ありがとうございました。

 レザークラフトのほんの一部を体験していただいただけでしたが、革を少しでも身近に感じてもらえればと思います。そして、またいつか、革を使って物作りをしたいと思ってもらえればうれしいですね。

 トレーには、焼印で文字を入れて行きましたが、私の焼印入れの道具はこのような形をしています。あまり見慣れない形ですね。ハンダゴテのヒーターと、簡易型のドリルスタンドを組み合わせた道具です。簡易型焼印スタンド、あるいは簡易型焼印プレスとでも言えばいいのでしょうか。簡単な構造ですが、それなりに機能してくれる道具です。

 ハンダゴテとプレス機の組み合わせは、焼印では一般的な物ですが、私の道具が少し変わっているのは、ハンダゴテのヒーターを横にして使っていることです。横にしたヒーターは、ある程度の面積があるので、凸版などをセットしやすくなりますし、道具作りとしても精度が必要な作業が無いので楽なのです。

 この道具の弱点は、加工が楽なアルミ板を素材に使ったことです。版をはがすときに、毎回アルミのベースに傷を付けてしまいます。そのうちステンレス板に替えようと思っていますが、私の手工具だとアルミと比べて作業が面倒になるので、ついつい先延ばしにしてしまっています。

 こちらは、手持ち式の焼印用ヒーターです。使うことがありそうな気がして作ってみたのですが、なかなか使う機会がありません。これも、ハンダゴテのヒーターを横にして使っています。

 ヒーターを横にするというアイデアが気に入って、ついつい作ってしまったという感じです。そのうち、この形なりの便利な使い方を思い付けば良いのですが・・・。




2010年12月21日火曜日
「別たち:こんな使い方」

 革包丁を真似た形のカッターをこのような感じに加工して、教室用の突っ切りに使っています。1丁に2つの数字が書いてありますが、刃をひっくり返して使うとそれぞれの幅になります。

 刃は、ご覧のとおりに十字型になっています。安上がりでけっこう便利です。グラインダーで削るだけなので加工は簡単ですが、製品としてあっても良さそうなものですね。刃を折るための筋目を縦に数本入れて、幅を自由に変えられる替刃があると良いかもしれません。幅の変えられる別たち、いかがでしょうか。刃に穴が2つ開いているので、オプション部品を一つ考えれば、刃の固定には問題ないですね。




2010年12月11日土曜日
「NT 『KT-2000GP 革たち』」

 NTカッターから、「KT-2000GP 革たち」(以下「革たち」)という商品名の革包丁に似せた形の替刃式の刃物が今年の9月に発売されていました。レザークラフトの世界でも少しずつ取り上げられるようになってきたようです。

 画像の左側は、NTの「革たち」です。右側は、以前からあるオルファの「別たち」という製品です。持つという基本的な部分で、まったく違う設計がされているので、好みは分かれると思います。価格は、NTの「革たち」が3倍ほど高いです。

 NTの「革たち」は、ダイカストの金属ボディに、一部樹脂製のハンドルが取り付けられています。刃はオルファの仕様と基本的には同じです。共通の刃と考えて差し支えありません。製造元も同じなのではないかと思うくらいぴったりです。斜め刃もありますが、これは通常の刃を作る素材を斜めに切って、穴の位置も斜めにしただけのものです。刃の取り付け部分の余裕の違いで、オルファの「別たち」に斜めの刃をそのまま付けることはできませんが、ちょっと加工すれば利用可能です。

 せっかくの新製品なので、厚さが倍の1ミリくらいある替刃でも出して欲しかったなーと思ったりしています。漉き加工をするときに、この手の刃物の刃のしなりが、私はどうにも使いにくく感じます。実際のところ、仕事でこの手の刃物を使って漉き加工をすることはありませんが、刃が厚ければ使用感も変わってくるのだろうと、前々から思っています。

 刃以外のところでは、両社の製品とも、刃を止めるネジ類がほぼ同じ規格です。刃を止める金属のカバーのデザインは、今回のNTのほうが合理的にできていると思います。

 せっかく金属のボディを作ったのですから、製品を薄く仕上げるための工夫をすれば良かったのにと思いますが、ハンドルが分厚いので、薄く作るという意識は無かったのかもしれません。オルファと同じ仕様のネジで刃を留めなくても、本体に直接ネジを切るだけで、多少は薄くまとまるはずなので残念です。

 参考に、NTとオルファの両製品とも、ネジ部分の厚みはおよそ13ミリです。私はオルファの製品のネジを削って、この部分を10ミリまで薄くしています。今回のNTの素材だったら、デザインからちゃんと考えれば、もう少し薄くできるのかもしれません。もともとの革包丁は、この部分の厚みは2~3ミリ程度でしょうから、替刃式ももっと薄さを意識してデザインされても良さそうに思います。

 製品の印象としては、全体を見ずに、ハンドルだけデザインしてしまったと感じてしまうのですが、このデザインが大好きという人もいらっしゃるかもしれません。ちなみにこのハンドル、北国の冬の朝一番に持つと冷たいです。

 刃の付近を見てみましょう。ネジはこの向きで付いてきます。でも、革を漉く作業も考慮すれば、ネジは逆に差し替えたほうが、多少は有利になります。NT のこの製品のパンフレットのPDFファイルを見ると、切る作業の時と、漉く作業の時では、刃を裏表入れ替えて写真撮影をしているように見えます。ネジの高さが邪魔になるからですね。漉き台を使うということでも良いと思いますが、ネジを逆にするだけでかなり改善はされますね。とは言っても、ハンドルが厚すぎるので、角度的には厳しい面があるかもしれません。

 斜め刃は、カーブが切りやすいというのが売りのようです。製品のパンフレットでカーブを切っている画像がありますが、あまり厚くない革の場合は、かなりカーブも切りやすいと思います。でも、それほどカーブが得意という刃物では無いと思うので、厚い革で細かいカーブを切るのは難しいかもしれません。

   革包丁式の構造は、力を入れやすいのも利点ですから、厚い革でもカーブが切りやすい替刃があると、もっと良いかもしれませんね。ひっくり返して両側を使うという規格を捨てて、片側だけ使えれば良いという考えにすれば、もっといろいろな刃を作ることができそうですね。もちろん、今回の斜め刃のように元の素材を斜めに切って出来上がりというわけにはいきませんから、作ったとしても刃の値段は高くなってしまうかもしれません。

   私なりに、いちおう両面使えるという形で、カーブ用の刃を作ってみました。この手の刃はけっこう作り慣れているので、かなり雑に加工した物ですがそれなりに切れます。見本に切った革は、厚みは3ミリで硬めのものです。

   もう少し細かく考察したのですが、まずはこの辺で。

   重厚感がありながら、丸みを帯びたかわいいデザインでもあります。持った感じが気にいる人は、裁断作業もやりやすいと思いますので、一度手に取ってみてください。




2010年12月9日木曜日
「活字ホルダー」

 もう何年も前の話になりますが、工房から徒歩数分の距離のところに、鉛活字を自社で作りながら印刷をしている会社があり、その頃に活字や活字ホルダーを分けてもらっていました。ある時気がついたら、その会社はもう営業をしていなくて、活字も活字ホルダーも、急に貴重品になったような気がして、あまり使わなくなりました。

 こういう仕組みで使うことができる道具が、レザークラフトの世界にも定番としてあれば良いなと、時々思います。画像の活字は鉛活字なので熱を加えるのには不向きですが、ある程度熱を加えることができて、なおかつ強度のある活字があると便利ですね。ホルダーも、刻印のように叩いて使ったり、熱を加えて箔押しや焼印に使ったりできれば、実に応用範囲が広がって楽しいだろうなと思います。

 アルファベットや数字の利用を考えると、一文字あたり最低でも5文字程度ずつ必要になるでしょうから、道具として販売されたとしてもそれなりに高額になるかもしれないですね。実際、だいぶ前に製本道具のカタログで見たセットは、かなり高価でした。

 でも、そこは生産コストの安い国もあるわけですし、鋼材に打つような硬度は必要ないわけですから、何とかやりようがあるのではないかと思ったりするわけで、便利な道具を使う妄想を広げております。

 前回まで紹介した、マイペンアルファのような、電気で加熱するようなホルダーも良いかもしれないですね。ヒーターを横に広く入れて、通常の向きでは活字をセットできて、ホルダーを90度横にして側面を使うと凸版が貼り付けられて・・・・。妄想はどんどん広がっていきます・・・・。

 マイペンアルファのまとめページを、サイトの工具のページに作りました。書いてあるのはブログの内容と変わりません。1ページにまとまっているというのが唯一の違いです。その分、長いページになっています。




2010年12月8日水曜日
「マイペンアルファ:10 『ヒーター位置とヘラ型部品』」

  前回、電気モデラ用途でペン先を削った画像を掲載しましたが、実はペン先を削る時には、少々注意が必要です。というのは、ヒーターが本当にペンの先端近くにあるからです。上の画像は、ペン先がどのようなものか、叩いたり引っ張ったりしているうちに壊れてしまった様子なのですが、ヒーター部分はご覧のような位置にあります。

   油断すると、内部のヒーター部分まで削ってしまうこともあるかもしれませんので、ペン先の加工をする場合は、注意しておこなってください。

 さて、マイペンアルファの連載10回目。最後はこの画像です。スリーブを介してですが、やや大きめのヘラ型の部品を付けてみました。コバの処理などに、ロウを溶かし込む作業をする人もいらっしゃいますので、そういう時に使えないかと試した物です。特に違和感は無く使うことができました。

 マイペンアルファのいろいろな使い方を試してみましたが、電気ペンとしてだけでは、高価過ぎて今ひとつ欲しい気持ちにはならない道具ですが、ある程度の幅の作業が可能であれば、作業台の脇に置いておくのも悪くないと思っています。

 もしかしたら、クラフト用の汎用電熱工具として成立する可能性もあるかもしれないと思い、少々長めに紹介させていただきました。

 以上で、マイペンアルファの紹介シリーズ終了です。




2010年12月8日水曜日
「マイペンアルファ:9 『電気モデラとヘアラインペン』」

 電熱系の道具と言えば、レザークラフトでは電気モデラという道具も昔からありますね。電気モデラとしては、かなり小さめの物ですが、N型のペン先を削ってモデラとして使えるようにしてみました。

 拙くて恐縮なのですが、ザッと線を描いてみました。水気が無くてもそれなりに凹凸が付いてくれます。水を使えない場合などには、重宝するかもしれません。フラワーゴテなどのように、たくさんのオプションが使えれば、マイペンアルファの用途もさらに広がるのかもしれませんね。

 レザーカービングでは定番道具の一つ、ヘアブレードをマイペンアルファに付けてみました。バーニングによる絵は、細いペン先で繊細な表現をすることが多いと思うのですが、細かい線をいっぺんに何本かまとめて引くことができるかどうか、試してみました。

 拙いモデラにさらに拙いバーニングという感じで、見本として載せるのも気が引けるのですが、試したのはこれだけなので仕方ないというのがこの画像です。革では、ご覧の通りでヘアラインを描くことができました。相手が木になると、もっと温度が必要になると思うので、革とは結果が異なるかもしれません。

 革でヘアラインを焦がして表現したいという願望があるわけでは無いのですが、とりあえず思いついたことを試してみました。




2010年12月5日日曜日
「マイペンアルファ:8 『凸版での焼印や箔押しなど』」

 マイペンアルファのペン先に、凸版を貼り付けるための土台が欲しかったので、金具の打ち台の丸いタイプを削ってみました。画像でネジが付いている長方形っぽい形の鉄の固まりが、それです。思っていたよりも、加工しやすい素材でした。

 版の固定には専用のテープもありますが、ごく普通の事務用の合成糊でも固定できます。PVAL(ポリビニルアルコール)という成分の糊で、スポンジの塗り口が付いているタイプが多いです。高温になると焦げますので、はがすときにはそれなりに面倒です。

 熱を加えて焼印にしてみました。従来は、比較的大型のハンダゴテが利用されることが多かったと思います。マイペンアルファのヒーターは小形ですが、ペン先に仕込まれている分、それなりに温度が上がるようです。

 凸版の焼印の回りには、前に紹介したバーニングスタンプの方法で、三角を並べて丸い枠を作ってみました。間隔は大雑把に適当にやっています。決まった形の焼印に、ちょっとアクセントがつけられるというところです。

 もちろん、凸版を使った箔押しと素押しもできるようです。焼印の時よりも、ずっと低温で作業しています。手で力を加えているので、手加減が少々難しいです。慣れれば手作業でも大丈夫だと思いますが、常用に向くとは思えません。簡易プレススタンドでもあれば良いのでしょうね。マイペンアルファならではの、スマートなスタンドがデザインできそうな気もします。基本的な構造は頭の中にあるのですが、今のところどうしてもという必要性が無いので、形にすることは無さそうな気がします。誰か作ってくれたら使ってみたいなという、他力本願な気持ちはあるのですが・・・。

 焼印や箔押しには、他の道具を使えば良いので、無理にマイペンアルファを使う必要は無いのですが、その気になれば、ある程度のサイズでは十分に使うことができそうだという紹介でした。

 メーカーの想定外の利用法かもしれませんし、実際に熱くなり温度も下がりにくくなりますし、火傷の心配もありますので、試してみたいという人は、くれぐれも気をつけて、そして自己責任でお願いします。

 無責任に、試してみたことを紹介しているだけですので、悪しからず。

 マイペンアルファの記事は飽きてしまったと思うのですが、あと2回だけお付き合いください。




2010年12月5日日曜日
「マイペンアルファ:7 『こんな部品が欲しい』」

 タイトル通りで、「こんな部品が欲しい」と思う物を作ってみました。ネジがかっこ悪いですが、買い置きはこれしか無くて・・・。

 これは大雑把に作った物ですが、捻引き用に加工する土台となる部品です。自分で加工するとすれば、この程度の形の部品があれば十分だと思います。もちろん、もっと加工された完成品もあると良いとは思いますが。

 スリーブを介して部品を付けるよりも、ペン先に部品を直接付けた方が、熱の効率が良くなりますし、先端までの距離も短くなるので、使いやすくなるのではないかと思います。もちろん、ヘッドが大きく作られている純正のペン先があればもっと良いのでしょうが、残念ながら純正のペン先のヘッドは小さめです。

 このサイズで、ネジ捻のように幅を変えられる部品があっても良いと思うのですが、さすがにネジ捻式は無理のあるサイズですね。おそらく、ステッチンググルーバー式の定規を組み込めば何とかなると思います。これも構造の確認のためだけに加工してみたものですが、いかがでしょう。それなりに、実用的になりそうな気がするのですが・・・。

 ところで、今回のこの部品、何を材料にして作ったかわかるでしょうか。材料に使ったのは、使わなくなった、カシメの打ち棒です。よく見ると、ちょっと痕跡が残っていますね。形を作ってみただけで、実際に仕上げて使うつもりは無かったので、グラインダーで荒削りしたところで終わっています。

 この程度に荒く作るだけならあまり時間は掛かりませんが、必要な分を何本も土台から作って仕上げていくとなると面倒で、今のところやる気がまったくありません。それで、このような部品を誰か作ってくれないかなと思っているわけです。

 マイペンアルファの記事も回を重ね、長くなってきました。でも、まだ続きます。試したことを一通り紹介するとなると、あと5回も続きます。少々飽きてきましたが、どうしましょうか。

 とりあえず次回は、打ち台を加工した部品とその使い方を紹介する予定です。




2010年12月3日金曜日
「マイペンアルファ:6 『捻引き』」

 これが本命だったのですが、簡単に捻を使い分けられたら良いなーと思い試してみました。スリーブで取り付けられる部品をいくつかと、N型のペン先を直接加工してみた物です。

 まずは、普通に使えるようです。もともとこのような用途を考えて作られている道具では無いと思いますので、強度が少々不安ですが、試してみた感じでは、それなりに耐えてくれそうな気がしています。もっと剛性感のある替えペン先をメーカーが作ってくだされば安心ですが、それもなかなか難しいかと・・・・・。

 スイヴェルナイフ用に用意してある物ですが、いくつかをマイペンアルファに合わせて加工してみました。こういう、スリーブを介しての使い方は、決して良い方法だとは思っていないので、次回はこんな部品が欲しいなーというのを紹介します。




2010年12月1日水曜日
「マイペンアルファ:5 『箔押し』」

 箔押し、あるいはホットスタンプといわれるものの一種ということになりますが、前回、刻印によって革を焦がして表現したものを、転写箔の上から使うとこうなるという見本です。レザークラフトのスタンピング技法と同じような感覚でやってみました。

 転写箔の上から熱した刻印を押し付けますが、マイペンアルファの電源部のコントローラーは、焦がすときよりもかなり低温にします。「3」前後が一つの目安だと思うのですが、革の塗装をバインダー代わりに利用したので、塗料の性質によって調整が必要でした。

   転写箔が冷めてからゆっくりはがすと、まあまあ上手く転写されていました。革装丁などの金彩を思い出しますね。卵から作る接着剤と金箔とブラスの刻印の組み合わせでしたっけ? 位置決めはどうするのでしょう?本で読んだことがあるというだけで、内容についてはあやふやな記憶しかありません・・・。ん~、接着剤は卵白だけ使うのでしたっけ? メレンゲ泡立てるのは得意なんだけど・・・。

 普段、刻印は渋鞣しの革を湿らせて叩くものと思って使っているので、まったく同じ形が金色になって塗装された革に施されているというのは、ちょっと不思議な感じです。転写箔を使った手描きと、刻印を使った箔押しを組み合わせると、それなりに遊べるかもしれませんね。




2010年11月29日月曜日
「マイペンアルファ:4 『バーニングスタンプ』」

 前回の続きですが、スリーブを介して刻印をマイペンアルファのペン先に付けてみました。「バーニングスタンプ」と、思い浮かんだ適当な言葉を今回のタイトルにしましたが、焼印の一種ですね。レザークラフトのスタンピングと同様に、刻印の組み合わせによる表現をの要素があるので、「スタンプ」という単語を入れたかったのであります。

 三角の刻印を並べてみました。三角形を並べるのが、何故か好きなんです。刻印でも抜き型でも、ついつい並べたくなってしまいます。今回の焦がす方法は、刻印や抜き型と違って、ほとんど力を入れなくても焦げて色が着くので、不思議な感じがするほど作業が楽でした。

 これは、スタンピングの定番的な構成ですね。三角形よりも刻印が大きくなった分、力の入れ加減が少し難しくなりました。ムラになった所もありますが、やり直しは刻印がズレて傷を広げることになりそうなので、ムラになってもそのままにしています。簡易式のドリルスタンドみたいな補助具があれば良いのかもしれません。

 忘れていたのですが、普及型の刻印のヘッドは鋳造でした。電源のコントローラーを最大の「10」にしていたら、プシュッと溶けてしまったのがこの1本。コントローラーのダイヤルが「8」くらいであれば、おそらく大丈夫だっただろうと思います。

   マイペンアルファのペン先の温度は、最大550度という仕様になっているようなので、刻印が溶けるということは、まったく考えていませんでした。刻印の素材の融点は、かなり低いようですね。どういう合金なのでしょう?




2010年11月26日金曜日
「マイペンアルファ:3 『N型ペン先とスリーブ』」

 マイペンアルファを、汎用のヒーティングツール(こんな単語あるかな?)として、いくつかの使い方ができないかということを試しましたが、昔からハンダゴテを様々に使うという例がありますから、特に目新しい発想ではありません。

 ただ、昔ながらのハンダゴテと違って、ハンドルからコテ先までの距離が短いですし、ヒーターが先端にあることによって、余計な部分が熱くなりにくいというところで、より積極的に利用してみる価値があると感じたので、思いついたことを一通り試しました。

 画像のペン先は、使用者が加工して使うことを前提に販売されている、N型というペン先です。このペン先にある程度の大きさがあれば、革の加工に利用できる部品に加工しやすいのですが、残念ながらペン先の直径は4.2ミリしかありません。

 メーカーがもっと大きなヘッドのペン先を発売してくださらないものかと、願う気持ちはあるのですが、とりあえずは自分で何とかするしかありません。

 ペン先が小さいために、加工の可能性が少ないですから、何かを取り付けてしまうのが手っ取り早いですね。そこで、スリーブを介して他の部品を取り付けてみることにしました。幸いN型のペン先は、このような利用法に適した形をしていました。

 利用したスリーブは、ワイヤーを固定する部品として販売されていたものです。N型のペン先とスイヴェルナイフの替刃の寸法に合わせて、スリーブの両端の内径を加工調整しました。簡単な加工ではあるのですが、少々削り難くてちょっと面倒でした。

 画像の左側に写っている、先端の部品3点は、レザークラフトではよく目にするものですね。上と下は、刻印を切断して差し込み部分の直径を調整した物。中央はヘアブレードを捻引きに使えるように加工したものです。

 使い方は、だいたい想像がつくと思いますが、利用の実例はまた次回以降に。




2010年11月26日金曜日
「マイペンアルファ:2 『箔文字・箔模様』」

 従来からある電気ペンとマイペンアルファのペン先の比較です。従来からある電気ペンのペン先はワイヤー製ですが、マイペンアルファのペン先はハンダゴテタイプになっています。

 ペン先までの距離は、従来からある電気ペンのほうが短いので、単に革を焦がすだけでしたら、マイペンアルファよりも従来からある電気ペンの方が、扱いやすいと思います。でも、マイペンアルファのペン先には、ある程度力を加えても大丈夫な強度があり、簡単にペン先が交換できるという、大きな利点があります。

 ペン先の強度を利用して可能になる技法の一つに、転写箔を利用した箔文字・箔模様があります。見本の画像は黒い革に金色の転写箔を使って描きました。普通の電気ペンは、ペン先の強度がこういった技法には不足していましたし、焦がすという表現方法の限界があって、黒い革にはっきりとした表現などは不可能でした。でも、マイペンアルファを使えば、濃色の革に様々な表現が可能になります。

 転写箔は、金色や銀色だけではなくて、白・赤・青・黄色・レインボーなど、様々な色の製品があります。それらに、購入しやすくパッケージされた製品があれば、手軽に転写箔を使った表現を楽しむことができるようになりますね。この手の国内の製品を探してみたことがあるのですが、手頃で上質で強度なども納得できそうな製品は、なかなか見当たりませんでした。

 適切な転写箔があれば、マイペンアルファと合わせて、箔文字などの定番商品になる可能性があると思います。レザークラフトの商社あたりが、箔のパック商品を用意すれば、レザークラフト以外の分野からも引き合いがあるかもしれませんね。

 そのためには、転写箔のバインダーが重要になると考えているのですが、見本の画像では、熱によって革の塗料が軟化して、転写箔を定着させるためのバインダーとして働いています。この方法が、どんな革にでも有効かと言うと、実際には塗料の質も様々で、調整が微妙であったり、なかなか定着させることのできない革もあります。

 試験的には、転写箔の裏に合成樹脂やビニルなどの塗料や接着剤を塗ってみて、バインダー代わりに使ってみました。それなりに、接着力はありましたが、それが必ずしも良い結果ばかりを生むというわけではありませんでした。もちろん転写箔専用のバインダーも市販されていますが、どちらかというと印刷的な使い方が想定されている物が多いようで、電気ペンで描いた部分を転写させるという使い方を想定したものではないかもしれません。

 できることならばバインダーが施されていて、各種の素材に定着しやすい転写箔が望ましいと思われます。私は詳しい商品知識を持っていないのですが、転写箔にも様々な製品があるはずですので、しっかりした強度の確保できる、より使いやすい転写箔があれば、利用範囲が広がっておもしろいと思うのです。
 
 転写箔で描いた見本は、細・中細・太といった感じの太さの違う見本にしてみました。そのために使ったのが、この3本のペン先です。

 左端が細いペン先ですが、これは加工用の太いペン先から私が自分で削った物です。私が購入したときに、0.5という細いペン先がメーカーでも在庫切れだったので、自分で加工した方が早そうだったので自作しました。

 中央は標準で附属してくる、1.0という太さのペン先です。

 右端は、2.0という太いペン先ですが、1.0と2.0の間には、1.5という太さのペン先も販売されています。太さの違いが大きい方がわかりやすいと思って、今回は2.0を用意したので、1.5の線の太さは確認していません。

 このようなペン先の交換が素早くできるのは、マイペンアルファの良いところですね。熱くなったペン先を抜くための、専用のパッドも附属してくるので、本当に簡単にペン先の交換作業ができます。

 さて、転写箔を利用した箔文字・箔模様はいかがですか。おもしろいことがいろいろできそうなので、良い関連商品がレザークラフトの世界でも流通してくれれば良いなと思っています。




2010年11月20日土曜日
「マイペンアルファ:1 『購入してみました』」

 2010年6月に発売された、白光株式会社の新型の電気ペンです。左側が定価6300円の「マイペン」。右が定価15750円の「マイペンアルファ」です(価格はいずれも発売時)。「マイペン」も「マイペンアルファ」も、ペン先は共通ですが、「マイペンアルファ」は電源部にコントローラーとしての機能があります。消費電力は、「マイペン」が7.5ワット 「マイペンアルファ」が45ワットです。「マイペンアルファ」のほうがパワーがあります。

 ただの電気ペンとしては、どちらも割高です。従来の電気ペンの方が低価格ですから、この新製品に、レザークラフト用の電気ペンとしてのコスト的なメリットは無いと思います。ペン先が変わり、電気ペンとしての性能は上がっているようですので、それをどれだけ評価するのか、個人により違いがあるのかもしれません。でも、ペン先の形状が従来の電気ペンとは違っていることで、工夫次第では単なる電気ペン以上に利用範囲が広がる可能性があります。

 利用範囲が広がれば、価格についての考え方も変わってきますね。そして、より利用範囲を拡張することのできる可能性があるのは、パワーがありコントローラーもある「マイペンアルファ」のほうです。「マイペン」にも市販の電圧コントローラーは使用可能ですが、電圧を下げると、従来の電気ペンと違って電源部から音が発生して、少々気になります。(音が発生しても、電源部そのものに悪い影響は無いと言うことは、メーカーに確認しました。)

 私は、作業台の側の壁の棚に置いて使ってみることにしました。私の仕事部屋の中では、この棚は道具の特等席です。特等席に収まったのは、ご覧のとおりで、やはり「マイペンアルファ」です。

 この「マイペンアルファ」ですが、電源部のスイッチが側面にあるのが、私にとっては少々不満でした。側面にスイッチを操作するための隙間が必要になり、置き方が自由にはなりません。また、スイッチが前面にあるデザインの方が、操作がもっと楽だっただろうにと、少々残念でした。

 白光株式会社の他のステーション型のハンダゴテと同じデザインの流用のようなので、もしかしたら、ハンダゴテの場合には、電源のスイッチが側面にあることの利点が何かあるのかもしれませんし、操作感については単に私の好みということなのですが・・・。

 さて、なぜ「マイペンアルファ」を特等席に置いてみる気になったのかというと、いくつかの使い方を試した上で、これは仕事でも使えそうだと思ったからです。これから何回かにわたって、私が試した利用法などを紹介してまいりますが、まずは初回は顔見せです。オレンジがなかなか良いでしょ。




2010年11月17日水曜日
「NTヘアブレード」

 静岡のレザークラフトショップクラムさんのホームページでいろいろな作品や道具などを拝見して勉強させていただいていたときに、工具の紹介ページでちょっと気になる物を見つけました。「NTヘアブレードホルダー」です。

どのような道具かはこちらのページでご覧ください。

  「NTヘアブレードホルダー」が掲載されている道具のページ

  クラムさんのホームページ

さっそく注文して送っていただきました。おお、これはすごいアイデアと思いながら手に取って、その後私なりにちょっと改造させていただきました。

 まずは、刃を出した状態。そう、刃がたくさん重なっているのです。何と7枚刃。カッターのボディに刃が7枚も入るなんて、これに気がついたのはすごいことですね。現物を見たときには驚いて、思わずニヤニヤ笑ってしまいました。楽しいですねー。

 この道具の初期状態では、ボディの頭とお尻を逆にして使うことになるのですが、私の改造はカッターのボディの先端を切断し、通常と同じ向きでこのヘアブレードホルダーを使用するというものです。

 ただ先端を切断するだけでは改造はできませんので、興味のある方は、クラムさんの「NTブレードホルダー」を購入してみてください。ネットの画像だけではわからない工夫や大切なポイントに気がつかれると思います。

 それから、私は、7枚の刃がズレないように接着剤で固定してしまいました。それと、両端の刃が他の刃よりも食い込みがちになるので、両側の刃が少し短くなるように、刃の側面(刃を折った断面側)から角を少し丸く削っています。(わかりにくい書き方ですね。言葉でうまく説明できません・・・。)

 画像にもあるクリップが附属してくるのですが、このクリップも優れもので、クリップを付けることで刃の遊びが抑えられて、使いやすくなります。
 
  刃を収納するときは、少し刃を出したままにしてクリップを取り付けるようにしています。クリップを別にすると、使いたいときに探すことになってしまいそうなので、取り付けたままにしました。

 この画像のように、革にヘアラインを入れる時に使う道具ですが、スイヴェルナイフのヘアブレードよりもシャープでしっかりしたラインを入れることができます。動物などの毛並みを表現するときに重宝しますね。

 クラムさんのサイトには、フィギアカービングの作品もたくさん紹介されておりますので、使用例はクラムさんのサイトでご確認ください。様々な技法や作品、そして様々なアイデアが紹介されております。




2010年11月9日火曜日
「焙煎豆冷却器:2」

 前回に引き続き、焙煎した珈琲豆を冷やす冷却器です。実際に使うときには、このように裏ごし器を載せて、この中に熱い豆を入れて冷まします。裏ごし器には取っ手が付いていなかったのですが、アルミと木で作った取っ手を付けてあります。器具の改造はいつも短時間で済ませてしまうので、取っ手の木などは切ったときの傷だらけですし、アルミの板は適当に手で曲げた物ですが、十分に役目を果たしています。

 焙煎直後の豆の温度は200度を越えているので、ファンの風向は上に排気です。樹脂製のファンに、毎回高温の空気が当たるのは良くないですからね。でも、問題が一つありまして、チャフという珈琲豆の皮が豆に混ざっているのですが、それが風で舞い上がってしまうときがあるのです。

 そこで、チャフが舞い上がるのを防止するために、豆を入れた裏ごし器の上に、平らな網を載せてみることにしました。効果ありですが、油断するとどこかの隙間からチャフが舞い上がってしまうこともあります。冷却器一式の中で、この平らな網の値段が一番高かったのですが、この形で安価なものは見かけませんでした。

 このブログを書き始めた頃は、珈琲の焙煎はしておらず、タイトルに「珈琲」の文字が入っていただけでしたが、タイトルに引きずられたのか、珈琲焙煎に関連した記事が多くなってきました。その焙煎は、一時期あまりにも不味くて困っていた時期があったのですが、最近はどん底の不味さからは脱出して、時々おいしく感じるようになってきました。

 疑問があるとつい試してしまう性分から、手網などの簡単な焙煎器は8種類ほど試してしまいました。市販の製品を改造したり自作したりした器具です。自分なりの解釈で工夫してみたその他の器具もありますので、珈琲関連の記事はもう少し書いていこうと思っています。




2010年11月4日木曜日
「焙煎豆冷却器:1」

 見慣れない物ですが、何かと言うと、珈琲豆を焙煎した時に豆を冷却する器具です。以前知人から譲っていただいていたファンがあったので、作ってみました。下から吸気で上から排気です。吸気のために器具の下側に余裕をとってあります。ファンの上下には、指が入らない程度の金網を念のため取り付けました。

 上から見るとこのような感じです。上のステンレスの丸い枠は、裏ごしの網をはずした物です。実際に使用するときには、この中に一回り小さな裏ごしを置き、その中に焙煎直後の豆を入れて冷却します。

 今回、トグルスイッチを初めて使ってみましたが、なかなか使いやすく気に入りました。また何か道具を作る機会があれば、トグルスイッチを使ってみたいと思います。

 珈琲豆の冷却には、 最初は扇風機、次はドライヤーを使いましたが、専用の冷却器がやはり使いやすいようです。




2010年10月27日水曜日
「刻印の入れ物とスタンド」

 作業台の側の棚に、このようなコルクとタッパーが置いてあります。見た目があまりよろしくないですが・・・。

 コルクがスタンドで、タッパーはアルファベット刻印と数字刻印の入れ物となっています。それなりに見やすく使いやすいですし、使わないときにフタができるのも良いところです。




2010年10月24日日曜日
「近所の空き地」

 工房から数分、秋田駅からも数分のところにある空き地です。「立入禁止・中心市街地整備活用地」という看板が立っています。以前は、赤十字病院と婦人会館という施設があった場所です。日赤が郊外に移転してしまい、その後衰退に拍車がかかり、すっかりさびれた区画です。十年以上空き地のままで、再開発もできずにおりましたが、最近になり再開発計画が決まりました。

 総額150億円以上の計画らしいのですが、マンションと美術館と物産館みたいな内容のようです。すぐ近くに、美術館と物産店の入ったビルがすでにありますが、こちらが閑散としているのに、また似たような計画ですし、時代錯誤というのかどこかズレているような感じです。以前近くに建てられたマンションも、なかなか売れなかったし・・・。

 地権者などが集まった民間の開発組合が基本計画を作り、そこに秋田市と秋田県が協力するという形があるようなのですが、実は開発組合の組合員の7割は、開発後は保証金をもらって権利を手放しこの場を離れる予定なのだそうです。(以前新聞の記事で読みました。)ある意味、再開発の計画というよりは、保証金をもらうための計画のように思えますが、このような計画が進められていることに、心の底からがっかりしています。

 赤字のビルができて、市や県が税金で補填するという、今までの箱物行政のままの計画のようです。恥ずかしくもなく、よくもこんな計画を公にできるものだと思ってしまうような内容に思えます。

 駅前あるいは中心街区と言われた地域はすっかり寂れてしまいましたが、このようなビルを建てても活性化にはならないように思います。秋田市全体の構成を考えると、老朽化した秋田市役所を移転してこの地に建てるなど、商業ビル以外の計画が必要なように思われます。いまの市役所のある地域は、スポーツゾーンとして開発されている区画に隣接しておりますから、現在の市役所の区画をスポーツゾーンに組み込むという選択肢があっても良いようにも思います。

 などなど、個人的に思うところはいろいろとありますが、お金のための工事とも思える計画が、また確実に進められていきそうです。秋田県の人口は毎年1万人も減っているし、こんなことをしていたら、どうなってしまうんでしょう・・・。




2010年10月21日木曜日
「駅前無策」

 2010年10月11日。秋田駅前のイトーヨーカドーが閉店しました。閉店の日に写してきた写真です。良い天気の日でした。

 赤字による撤退です。かつては最も賑やかで栄えていた駅前の衰退は著しく、回復の兆しはなかなか見えません。急激な人の流れの変化が起こったと思われますが、郊外の開発などの行政の誘導により、このような結果になったようにも思います。

 こちらは、同じ日の秋田市民市場前の写真です。実はこの日は市場はお休みです。でも、自転車の列は、写真の奥の方まで続いています。イトーヨーカドーから徒歩数分のところにある市場ですが、イトーヨーカドーなどの駅前に用事のある人が自転車を止めているのです。写真に人が写っていないのは、この場所に用事がある人が来ていないということだと思います。

 平日でも、同様な自転車は少なくないと思って見ておりますが、イトーヨーカドー最後の営業日のこの日は、特にたくさんの自転車が止められていました。なぜこの様になるかというと、駅前周辺は自転車の駐輪が禁止されていて、不便で使いにくい有料の地下駐輪場しかないからです。

 秋田駅前は、私が子供の頃よりもずっと整理されて、綺麗になりました。昔と違い、道の脇に自転車がたくさん止められていることもありません。でも、人が少なくなり、街のエネルギーは感じられなくなりました。どこかスカスカ感のある空間になっています。そして、居酒屋だけが増えました。

 道行く人も少なくなり、寂しいです。余計なところにお金をかけて、人が来にくい街にした。そんな感じがしています。




2010年10月18日月曜日
「珈琲豆工作」

 珈琲豆が載っている小皿が珈琲豆の工作。飲んだ後の粉に木工用の接着剤を混ぜて固めました。乾燥してから削って磨いて完成。試しに作ってみた手のひらサイズの小さな物ですが、なかなかおもしろい質感です。乾燥したときのザラザラした質感と、彫刻刀で削った跡の質感と、ペーパーで磨いた質感が、それぞれわかるようにしてあります。

 仕上げの塗装などはしていないので、水気には弱いと思いますが、まずは珈琲の粉も工作の材料になりそうですね。




2010年10月15日金曜日
「フノリ:こんな違いも


 どちらもフノリが入った容器です。溶いてからしばらく(2ヶ月くらい)棚に放置してあります。左の容器のフノリは二層に分かれ、糊分が沈殿しているように見えます。右の容器は、ほとんど沈殿は見られません。左の容器も、振ると右の容器と同じような見た目に混ざります。

 左はフクロフノリ、右はマフノリです。

 食用の状態から板フノリにする、私の作り方に問題があったのか。

 溶き方に問題があるのか。

 それぞれのフノリの性質の違いなのか。

 理由はいくつか考えられますが、詳しいことはわかりません。ただ、今回だけのことでは無いので、フノリの種類の違いが影響しているものと思ってはいます。

 ずいぶん違った様子を見せていますが、革の磨きに使ってみると、見た目ほど大きな違いは感じられません。本当は使用感も違っているのに、それがわからないくらいに、私が鈍感なのかもしれませんが・・・。




2010年10月13日水曜日
「クリーミーフノリ」

 白く泡立っているのは、溶かしたフノリのです。表面だけではなくて、容器の底まで完全に泡状になっています。

 普通に溶かしたものは、もちろんこうはなりません。実は溶かしたフノリをミキサーにかけています。フノリをよく溶かすためには、それなりにじっくり火にかけなくてはならないわけですが、あまり熱を長時間かけるのは、フノリの腰が弱くなり良くないと感じる時があるので、ミキサーを補助的に使ったりしております。

 溶かす前に微粉末にしたかったのですが、微粉末にする道具が自宅に無かったので、後からミキサーにしてみました。

 これが本当に良いのかはわかりませんが、使ってみて支障は無いようです。念のため書いておきますが、熱いフノリは危ないので、煮溶かしたフノリが冷めてからミキサーにかけています。

 ミキサーをかけると、元に戻るのか心配になるほど泡立ってしまうのですが、時間が経つとこの通り普通のフノリに戻ってきます。



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