2004年12月19日 アナログマンその64
「2004年」
今年も、残すところあとわずかとなりました。異様に時のたつのが早い1年でした。
年の初めは風邪でスタートして、十数年ぶりにインフルエンザにもかかり、体調が悪いのを痛切に感じましたが、後半は何とか体調も良くなってきて、運動不足も少しずつ改善されてきました。この調子で、体調維持に努めたいところです。
今年、私の妹が企画したあそびうたコンサートは、我が家にとっては大きな出来事でした。企画に協力することになり、家族みんなで力を合わせて頑張ることができました。子どもたちにとっても、ひとつのイベントを最初から最後まで見届けて、自分で手伝えることは手伝って、良い体験になったと思います。
この1年で、最も私が悩んでしまったのは娘のバスケットボールのスポ少についてでした。いろいろなことがありました。
いろいろなことを勉強させてもらった1年でした。40代になったのに、相変わらず子供じみた自分がおりますが、こればかりはどうにも治らないようです。体を動かすようになって体重が落ちたところ、顔つきもまた若造っぽくなってしまい、鏡を見てもなんだか違和感を感じます。髪はずいぶん白いのですが・・・・・。不惑どころか迷ってばかりの40代のスタートとなりました。まだまだこれからといったところです。
最後に、今年最大の収穫は、7年間にわたりとても悩んできた革の技術上の疑問にひとつの答えが出たことです。長く長く長い道のりでした。今頃なんでこんな事を悩んでいるんだろうかと思うようなことを延々と悩み、ひたすら回数を重ねて自問自答してきました。能力の無さを、時間でカバーしてきている私としては、今回もまた時間が私を助けてくれたと感じております。できれば、あまり悩むことなく、気楽に仕事をしていきたいと思っているのでありますが・・・・・。
思えば、災害や事件などの多かったこの年に、娘のスポ少のことで悩んだり、同じひとつの課題を何年も悩み続けている私は、すでに気楽すぎるのかもしれません。でも、いろいろな面で深刻な事態に遭遇しているこの世の中で、ここはやはり祈っておきましょう。
もうじきやってくる2005年が、「お気楽」な1年でありますように。
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2004年12月12日 アナログマンその63
「盲学校の生徒さん達と充実した講習会ができました。」

先日、盲学校の高等部の生徒さん達が工房に革の物作りの体験に来てくださいました。総合学習の一環で、生徒さん達がインターネットで私のサイトを見つけてくださり、講習会の打ち合わせをして実現の運びとなりました。
生徒さん達も、革は初めてでしたが、私も盲学校の生徒さん達とお会いするのは初めてでした。弱視の生徒さんが3人と、全盲の生徒さんが2人という、5人の生徒さんが来てくださいましたが、私は特別な準備をすることもなく、普通にいつもの講習と同じ気持ちと段取りで当日を迎えました。
付き添いの先生方も一緒に来てくださると伺っていたのですが、当日は良い講習会になるとなぜか確信していたので、特別な準備はしませんでした。工程も健常者と変わらぬ普通の内容です。
そして、実際に講習を始めてみると、みんな積極的にどんどん作業を進めてくれたのです。まずは、刻印で模様を打つ練習をして、実際に製作する物の材料に模様の構成を考えてもらい、そして刻印を施していきました。
打った模様を、手で確認したりルーペで見て確認したりと、私の行ういつもの講習とは違った様子もありましたが、模様の構成はバランスが良く、気持ちよいほどに作業が進んでいきました。みんな明るく積極的で、感覚が鋭く、そのパワーには感銘を受けました。
はじめの画像が、その時に作った作品です。左の方にあるのがメインの課題で、キーケース・小銭入れ・ネームタグなどです。トレー類は、最後に少し残った時間で作りましたが、仕上げまでする時間はなかったので、学校に持ち帰って仕上げをしていただきました。トレーではなくて、バラの花のオブジェを作った生徒さんもいましたよ。センスの良い創造性のレベルの高い講習会になりました。
3時間以上、ほとんど休み無く革の物作りを行いました。学校の授業よりも時間のたつのが早いと生徒さん達は話してくださっていましたから、楽しんでもらえたのではないかと思います。でも、ちょっとお腹はすきましたね。私もお腹ぺこぺこになりました。
私にとっても、充実した体験となりました。そして最後に、お手製の写真立てをプレゼントしていただきました。これがまた木製の素敵な作品でありまして、早速我が家で飾っております。写真はまだ中に入れていないのだけれど、写真立てを飾っているのです。この気分わかってもらえるでしょうか。
講習に出てくれたみんな、また機会があったら革の物作りを楽しんでくださいね。私も、みんなに通じるような親父ギャグを身につけておきますからね。(今回は、半分はわかってもらえなかったもんね・・・。)
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2004年11月09日 アナログマンその62
「工具作りは、よく失敗する。」
昨日は、午前中から夕方まで工具を作っていました。頭の中ではすごく使いやすい道具になるはずだったのですが、出来たものはダメ工具。がっくりと身体が疲れました。
このまま終わると気分が良くないと思い、他の工具に少し手を加えてみようと思って作業を始めました。菱目打ちを何セットか持っているのですが、そのうちの一揃えの刃の研磨を始めたのですが、これが始めたらなかなか終わらないのであります。
すっかり夜更かしになり、室内の鉄の汚染を防ぐための掃除にも時間が掛かってしまいました。異様に肩が凝りまして、そのわりには工具も進化しなかったようで、工具作り第2部も、何となく失敗感が漂ったのでありました。こういう時って、本当に疲れます。
思いつきで、工具を作ったりする時が時々あるのですが、半分は失敗する物でありまして、失敗した工具類は適当な所にしまい込んでしまいます。片づけをしていてそのような失敗工具が出てくる時があり、「こんな物も作っていたのか。」 と我ながらあきれたりする時があります。昨日もまた失敗。しばらくは工具作りはしたくないのでありました。はあ〜〜・・・・・。
先日、図書館でコピーしてきた本を少し紹介します。
「パリの職人」 竹原あき子
この本の中に ガルーシャ 鮫皮細工(本の中で皮の文字が使われています。)についてのページがあります。鮫皮と言っても、突起のある魚の皮の総称的に使われている言葉のようで、実際にはエイの革が素材の中心のようです。近年、エイ革素材がちまたでも流行っていますが、昔から日本の刀剣の柄や鞘などに使われていたようです。
本の中の数点の写真を見ると、実物の迫力が想像出来ます。漆とともに使われることが多かったようですから、さぞ美しい作品が研ぎ出されていたのではないかと思います。現物を見てみたいものです。 剣道をやっている知人の先生がエイ革の剣道の胴を持っているそうですが、その胴を付けた時には、練習相手は胴に打ち込んではいけないのだとか。その気持ちわかりますが、練習にはならないですね・・・・・。
パリの職人の本なので、パリのガルーシャ職人の記事であり、アールデコの鮫皮家具の紹介などがありますが、この本の中でもガルーシャの項だけは、日本の記述も多くなっており、日本の職人さんも紹介されています。興味深い記事ですので、機会がありましたら、読んでみるのもおもしろいかもしれません。
「アイルランドの手ざわり クラフトのつくり手を訪ねて」 中濱潤子
アイルランドの民族楽器のバウロンという太鼓を作る職人さんが紹介されています。この作者のバウロンが、映画「タイタニック」でも使われていたそうです。こういう太鼓を一度作ってみたいなーと思っておりまして、興味深く見た次第です。
この本では、他にブックバインディングの職人さんの紹介があります。
「北の匠・・・・・息づく伝統技術」 北海道新聞社
この本には、ソ○スの職人さんが紹介されています。また、太鼓の職人さんも紹介されています。どちらも、独特の世界観のある仕事のようですね。
「工芸の博物誌 手業を支える人ともの」 日本工芸会近畿支部
この本は目次をざっと拾っただけなのですが、私が興味のあったのは「布海苔」についてのページです。作り方なども写真でわかりやすく紹介されています。日本産の上質の物は入手が難しくなっていきそうですね。
以上、最近図書館で一部をコピーしてきた本の紹介でした。けっこう革以外の本でも興味深い記事の載っている時がありますね。コピーした時は良いのですが、後になってどの本に載っていた記事なのか思い出せなくて困ってしまう時が、けっこうあります。
先日、レザークラフトのカタログをスキャナで読み込んだ画像のページを作りました。このページへの入り口は、私のサイトの中でもごくわずかしか作りませんし、検索回避の設定をしているので、あまり人目につくことは無いと思います。ただ、私のサイトを見て、材料工具の注文をくださったり、革を始めることにしたというメールをときどきいただくことがあるので、販売抜きに用品・工具などの画像が手早く見られるページがあっても良いのではないかと思った次第です。
画像は、全ての業者の全ページというわけにはいきませんでした。近年ニュースの発行のみでカタログを製作していない業者もあります。いろいろな条件が整えば、各業者の全ページを画像で載せることもあるかもしれません。
でも、各社がそれぞれのサイトで商品情報を見やすい形で充実させてくだされば、それが一番良いですね。 |
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2004年10月30日 アナログマンその61
「たまには子どもの物も作るのさ。」

これは、うちの子がデザインしたペンケースです。学校で使うというので作りました。デザインとサイズを渡された時には、かなり大きいという印象だったのですが、使い始めたのを見てみると、小学校で使うのにはちょうどいいようでした。
作ってから2年以上の時間がたって、多少くたびれてきたかなと言う感じがしますが、まだまだ現役です。でも、もともとこのペンケースをデザインした子は、このペンケースに飽きてしまい、今は次の子が使っています。
さて、このペンケースの最初の持ち主の子がいま使っているのは、100円ショップの布のペンケースです。その布のペンケースはチープな雰囲気ではあるけれど、シンプルで使いやすいデザインなので、気持ちはやや複雑なのですが、まずは許すことにしましょう。
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上の左の画像は、最近作ったやはり子供用の彫刻刀セットケースです。右の画像が中身です。革砥と滑り止めシートも入れました。革砥は丸刀の内側も当たれるように作ってあります。彫刻刀は私が子どもの頃からあった物と箱が同じでした。円空仏の写真の紙箱です。昔は200円くらいだったような気がするのですが、定かではありません。今は550円でした。値段なりのものではありますが、版画の授業程度には十分に使うことが出来そうです。
学校で彫刻刀の注文を取ってくれたのですが、お勧めは1800円くらいのセットだったようです。商品の説明用紙では、高いセットだけは研ぐことが出来るというような説明をしていましたが、うちで買った安いセットには、ご丁寧に小さな砥石がセットされていました。もちろん、実用には耐えない砥石でしたが、何だかかわいらしく見えて、「安くても研げるよ」というささやかな自己主張がうれしかったです。高いセットは、柄もケースもプラスチックで、何だか嫌だったのであります。
一応、刃を付け直して、柄に滑り止めの溝を彫って、専用の革砥も作り、TUZIE仕様のセットのできあがり。子どもが嫌がらずに使ってくれるので、少しうれしかったりします。でも、ときどき何かを作っても、物によっては 「いらない〜」 とあっさり返されてしまう時もあります。そういう時は本気でがっかりしてしまいます。「この良さがわからないのかー?」 子どもには早すぎるのでしょうか・・・。それとも、私に子供心がわからないのでしょうか・・・。
昨日、知人から、「締まったねー」 と言われました。そう、順調に絞ってきています。前回のアナログマンでも書きましたが、無理のない運動と食事で体質改善中です。まずは8キロ減量できました。あと2〜5キロの範囲内で、身体と相談しながらもう少し絞ります。
やはり前回アナログマンで書いた、10月には掲示板という件ですが、実現出来ませんでした。体調も良く、このところのサイト作りも適当に手を抜いてリフレッシュ出来てきたのですが、いくつか未解決の懸案があり、そちらを優先させました。予定よりもずれ込んだものの、ほぼ解決となりましたので、懲りずにまた書いておきます。期間限定掲示板を11月に設置予定です。(・・・・・・大丈夫か?)
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2004年09月17日 アナログマンその60
「アナログマン、バスケットシューズを買う!?」
さて、さて、さて、このところ私のサイトでは更新もあまり無く、ただ日々が過ぎていきます。しかし、私自身はこの春から少しずつ変身中なのであります。
トップページの一行アナログマンにも何度か書きましたが、昨年の後半から今年の春にかけて体調が思わしくなく、身体に元気がありませんでした。原因は、パソコンの前に座ってばかりいた約2年の時間でした。初めてパソコンを購入し、今まで知らなかった世界に夢中になって、サイト作りをがんばってしまったせいですね。
運動する気力もなく、体がだるく、疲れやすい。これが中年というものなのだろうかと思ったりもしました。このままどんどん老化していくのではないかという不安。気持ちがかなり下降しておりました。
そんな私がこのところ身体を動かしております。きっかけは、子どものスポ小のバスケットボールの練習を見たことでした。5月頃に、子どもが入部してから1年以上たって初めて練習を見に行きました。そこで、いろいろと考えさせられることがありました。
それから、ときどき子どもとバスケット遊びをするようになり、昔やった練習などを思い出しながら、自分でも身体を少しずつ動かすようにしていました。何をやっても長続きせずに、腰や膝を痛めるクセがあったのですが、今回は遊びとして軽く始めたせいか、腰も膝も痛めることなく体力が少しずつついてきました。
この20年間はかなりの運動不足で、すっかり体力が衰えてしまっていましたが、もしかすると今回は少しは体質を改善出来るかもしれません。だんだん走れるようになってきました。
8月には、自分のバスケットボールを買いました。外で遊ぶので千円もしないゴム製のボールです。それから9月になりもう一つ同じボールを用意して、中に砂を詰めて約10kgの重いボールに仕立てました。軽いウエイトトレーニングをバスケットの動作で行うとおもしろいと思ったからです。これはなかなか効果的で、鉄のウエイトとは違う感覚で使うことができます。
それから、バスケットの本を7冊も注文してしまいました。昔、自分でもバスケットをやってはいたものの、忘れていることや知らないことがたくさんあるので、子どもに間違ったことを教えないように、参考書を用意したわけです。実際に、知らなかったことがいろいろと書いてあります。
そして最近、ついにバスケットシューズを買いました。5月に初めて子どもの練習を見て以来、体育館に足を運ぶことが多くなったので、25年ぶりに自分のバスケットシューズを用意しました。軽くてびっくりしました。足首が丈夫とは言えないので、ハイカットのシューズにしました。たまたま、超安売りのシューズが足に合い、ラッキー!! 白に赤いラインです。やはり、シューズがそれなりの物になると、足の運びも楽になりますね。
でも、トレパンが10年くらい前の物でありまして、今時はどこにも置いていないようなフォルムなのです。トレパンも新しい物にすればいいのかもしれないのですが、けっこういい値段がするようですし、ちゃんとした物は自分には似合わないように思えるのです。あんまりそれらしい格好になると、気恥ずかしいので、いい加減な方が気楽で良いような気がするのでありました。
このように、この頃の私は運動を生活に取り入れているのであります。今まで、根暗に革のことばかり考えていたので、ここらでちょっと生活を変えてみるのは、なかなか気持ちよいことです。革についても、かえって迷い無く取り組めるような気がしています。
体質改善・生活スタイルの改善のために、工房の営業時間も変え、あいかわらずわがままにやっている私です。40代の体力のピークを2〜3年後に持ってきて、その後はできるだけ体力維持に努めようと、実現があやしそうな計画を立てているのであります。
ところで、私の体力はこのサイトを訪れた方にとってはどうでもいい事として、肝心のサイトの更新ですが、もっと秋が深まってからと言いますか、冬が近づいてからと言いますか、それはもう少し先になりそうです。
新しいページではありませんが、10月には期間限定の掲示板を1年ぶりに設置してみようかと思っています。
以上、バスケットシューズを買い、元気な「中年時代」を目指すアナログマンでした。
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2004年08月29日 アナログマンその59
「枯葉」

先日の台風の、海から吹き付けた塩を含んだ強風の影響で、「塩害」の被害がかなりの規模で発生しているようです。
農作物への被害も深刻なものです。全くお米の収穫出来ない田んぼも少なくないようです。私の妻の実家でも、稲が変色してしまいました。果樹の実も風で落ち、また葉も枯れてしまい、かろうじて残った果実も育たない見込みです。これから収穫の季節を迎える時だけに残念です。まだまだ、いろいろな影響が出てきそうです。
工房の近くの公園の道は、写真のように枯葉のじゅうたんになっています。塩に水分を抜かれてしまい、葉っぱはからからに乾燥しています。湿気が全くない大量の枯葉が、ひらひらと樹木から落ち続けています。
歩いていると、しゃかしゃかと心地良い音がします。気分は「秋」ですね。トゥーツ=シールマンズのハーモニカの調べが思い浮かびます。こんな道を歩くのは初めてのような気がします。半袖・半ズボンで、まだ夏の名残のある日差しの中を、「秋」の気分で歩く。不思議です。
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このところの気分が「秋」とは言っても、つい先日まで「夏」の暑さを感じていたわけでありまして、その中で「TUZIE実験室:番外編」をおこないました。
何度か取り上げたことのある「シニュー」について、最近では本物の腱から繊維をとって使う人もネット上には登場してきています。そのサイトの記事を拝見してから、腱から繊維をとるのはどのような感じなのか私も体験してみたくて、夏の暑い時期におこなったのが、「牛スジから繊維をとる」という実験です。
牛スジは、あの煮込んで食べる食用の牛スジです。まずは、肉屋に行って牛スジを購入してきました。思っていたよりも値段が高かったですね。冷凍で、適当にひとかたまりになっていて、どのようなスジが入っているのかは、わかりません。
まず、家で解凍して、繊維の長くとれそうな部分を選び、何本か塩で揉み天日乾燥させました。数日間、日に晒しましたが、脂がじわじわとしみ出てきます。白から、半透明のややアメ色に変わってきます。
乾燥後に、まず最初にやったのは、スジに付いていたわずかな肉を、食べること。 ・・・・・美味しいんです。干し肉名人になった気分。暑い日差しの中で、乾燥した牛スジにかじりついて干し肉を食う男。やや隣の家の人の目を気にしながら、「こりゃ、うまい!」と思ったのでした。
さて、干したスジをあらためて水で戻します。たぶん、一度干したことで何かが変わったはずなのですが、いい加減な実験なので特に検証は無しです。水に戻したものをハンマーで叩いてほぐしていくと、繊維が現れてきました。
なるほど、市販の合成シニューはこの繊維に似ています。なかなか楽しい作業です。うちの子どもたちも参加してきます。たまたまその時に立ち寄った知人の子どもたちも参加してくれました。意味もなく、何となく楽しいのでした。 |

これが、その時にとった牛スジの繊維です。一本一本はそれほどの長さはないのですが、かなり強度があります。むかし、弓の弦などに利用された理由がよくわかります。
乾燥すると、硬くなりました。実際にこのような繊維を利用するには、もう少し工夫が必要なのかもしれません。
むかしの人の、素材を徹底的に利用する知恵と労力は、やはりすごいものですね。自分の仕事にこれらの繊維を利用することはないにしても、本当にすごいと思います。
現代では、他にも優秀な繊維がたくさんありますので、牛スジあたりはやはり食用にするのが良いかもしれません。私も実験の残りは煮込んで食べました。なかなかの美味。医療や化学薬品作りなどにも利用されているかもしれませんね。
でも、この手の繊維を作業に使うという人は、ぜひいろいろと試してみてください。自分ではできないながらも、原始的な古来からの技術には、とても興味があります。
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もう一つ、晒しフノリ作りもおこないました。今年の春に作った時には、出来が悪く失敗でした。夏にはしっかりとしたものを作りたいと思って、フノリも良質なものを使い、道具も少し変えて作業性をよくしました。
そしてできたのが、この晒しフノリ。今までで、一番納得出来るものでした。完全に自己満足の世界ですが、それがたまらなくうれしかったりするのです。
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2004年08月14日 アナログマンその58
「夏、今年も一日師匠になる」

今年も一日師匠になって、子ども向けの革の講習会を行いました。例年だと幼稚園児から小学校の高学年まで、年齢の違う子に同時に講習することが多いのですが、今年は小学校4年生と5年生だけの講習だったので、進行が楽にできました。
模様付けや、革の成形・磨きなどを体験できるように、革のトレーを作りました。模様はいくつかの技法を紹介して、デザインはそれぞれの好みにまかせました。
思い思いの模様を付けて、いろいろな表情の作品ができました。机の引き出しの中の片隅でも良いから、ちょっとした小物入れに使って欲しいと思います。
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