2002年から2007年まで、その時々の興味のあることを書いたページの記録です。
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アナログマン辻永 2004



2004年12月19日 アナログマンその64
「2004年」

 今年も、残すところあとわずかとなりました。異様に時のたつのが早い1年でした。

 年の初めは風邪でスタートして、十数年ぶりにインフルエンザにもかかり、体調が悪いのを痛切に感じましたが、後半は何とか体調も良くなってきて、運動不足も少しずつ改善されてきました。この調子で、体調維持に努めたいところです。

 今年、私の妹が企画したあそびうたコンサートは、我が家にとっては大きな出来事でした。企画に協力することになり、家族みんなで力を合わせて頑張ることができました。子どもたちにとっても、ひとつのイベントを最初から最後まで見届けて、自分で手伝えることは手伝って、良い体験になったと思います。

 この1年で、最も私が悩んでしまったのは娘のバスケットボールのスポ少についてでした。いろいろなことがありました。

 いろいろなことを勉強させてもらった1年でした。40代になったのに、相変わらず子供じみた自分がおりますが、こればかりはどうにも治らないようです。体を動かすようになって体重が落ちたところ、顔つきもまた若造っぽくなってしまい、鏡を見てもなんだか違和感を感じます。髪はずいぶん白いのですが・・・・・。不惑どころか迷ってばかりの40代のスタートとなりました。まだまだこれからといったところです。

 最後に、今年最大の収穫は、7年間にわたりとても悩んできた革の技術上の疑問にひとつの答えが出たことです。長く長く長い道のりでした。今頃なんでこんな事を悩んでいるんだろうかと思うようなことを延々と悩み、ひたすら回数を重ねて自問自答してきました。能力の無さを、時間でカバーしてきている私としては、今回もまた時間が私を助けてくれたと感じております。できれば、あまり悩むことなく、気楽に仕事をしていきたいと思っているのでありますが・・・・・。

 思えば、災害や事件などの多かったこの年に、娘のスポ少のことで悩んだり、同じひとつの課題を何年も悩み続けている私は、すでに気楽すぎるのかもしれません。でも、いろいろな面で深刻な事態に遭遇しているこの世の中で、ここはやはり祈っておきましょう。

 もうじきやってくる2005年が、「お気楽」な1年でありますように。
 

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2004年12月12日 アナログマンその63
「盲学校の生徒さん達と充実した講習会ができました。」


 先日、盲学校の高等部の生徒さん達が工房に革の物作りの体験に来てくださいました。総合学習の一環で、生徒さん達がインターネットで私のサイトを見つけてくださり、講習会の打ち合わせをして実現の運びとなりました。

 生徒さん達も、革は初めてでしたが、私も盲学校の生徒さん達とお会いするのは初めてでした。弱視の生徒さんが3人と、全盲の生徒さんが2人という、5人の生徒さんが来てくださいましたが、私は特別な準備をすることもなく、普通にいつもの講習と同じ気持ちと段取りで当日を迎えました。

 付き添いの先生方も一緒に来てくださると伺っていたのですが、当日は良い講習会になるとなぜか確信していたので、特別な準備はしませんでした。工程も健常者と変わらぬ普通の内容です。

 そして、実際に講習を始めてみると、みんな積極的にどんどん作業を進めてくれたのです。まずは、刻印で模様を打つ練習をして、実際に製作する物の材料に模様の構成を考えてもらい、そして刻印を施していきました。

 打った模様を、手で確認したりルーペで見て確認したりと、私の行ういつもの講習とは違った様子もありましたが、模様の構成はバランスが良く、気持ちよいほどに作業が進んでいきました。みんな明るく積極的で、感覚が鋭く、そのパワーには感銘を受けました。

 はじめの画像が、その時に作った作品です。左の方にあるのがメインの課題で、キーケース・小銭入れ・ネームタグなどです。トレー類は、最後に少し残った時間で作りましたが、仕上げまでする時間はなかったので、学校に持ち帰って仕上げをしていただきました。トレーではなくて、バラの花のオブジェを作った生徒さんもいましたよ。センスの良い創造性のレベルの高い講習会になりました。

 3時間以上、ほとんど休み無く革の物作りを行いました。学校の授業よりも時間のたつのが早いと生徒さん達は話してくださっていましたから、楽しんでもらえたのではないかと思います。でも、ちょっとお腹はすきましたね。私もお腹ぺこぺこになりました。

 私にとっても、充実した体験となりました。そして最後に、お手製の写真立てをプレゼントしていただきました。これがまた木製の素敵な作品でありまして、早速我が家で飾っております。写真はまだ中に入れていないのだけれど、写真立てを飾っているのです。この気分わかってもらえるでしょうか。

 講習に出てくれたみんな、また機会があったら革の物作りを楽しんでくださいね。私も、みんなに通じるような親父ギャグを身につけておきますからね。(今回は、半分はわかってもらえなかったもんね・・・。)
 

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2004年11月09日 アナログマンその62
「工具作りは、よく失敗する。」

 昨日は、午前中から夕方まで工具を作っていました。頭の中ではすごく使いやすい道具になるはずだったのですが、出来たものはダメ工具。がっくりと身体が疲れました。

 このまま終わると気分が良くないと思い、他の工具に少し手を加えてみようと思って作業を始めました。菱目打ちを何セットか持っているのですが、そのうちの一揃えの刃の研磨を始めたのですが、これが始めたらなかなか終わらないのであります。

 すっかり夜更かしになり、室内の鉄の汚染を防ぐための掃除にも時間が掛かってしまいました。異様に肩が凝りまして、そのわりには工具も進化しなかったようで、工具作り第2部も、何となく失敗感が漂ったのでありました。こういう時って、本当に疲れます。

 思いつきで、工具を作ったりする時が時々あるのですが、半分は失敗する物でありまして、失敗した工具類は適当な所にしまい込んでしまいます。片づけをしていてそのような失敗工具が出てくる時があり、「こんな物も作っていたのか。」 と我ながらあきれたりする時があります。昨日もまた失敗。しばらくは工具作りはしたくないのでありました。はあ〜〜・・・・・。



 先日、図書館でコピーしてきた本を少し紹介します。

「パリの職人」 竹原あき子

 この本の中に ガルーシャ 鮫皮細工(本の中で皮の文字が使われています。)についてのページがあります。鮫皮と言っても、突起のある魚の皮の総称的に使われている言葉のようで、実際にはエイの革が素材の中心のようです。近年、エイ革素材がちまたでも流行っていますが、昔から日本の刀剣の柄や鞘などに使われていたようです。

 本の中の数点の写真を見ると、実物の迫力が想像出来ます。漆とともに使われることが多かったようですから、さぞ美しい作品が研ぎ出されていたのではないかと思います。現物を見てみたいものです。 剣道をやっている知人の先生がエイ革の剣道の胴を持っているそうですが、その胴を付けた時には、練習相手は胴に打ち込んではいけないのだとか。その気持ちわかりますが、練習にはならないですね・・・・・。

 パリの職人の本なので、パリのガルーシャ職人の記事であり、アールデコの鮫皮家具の紹介などがありますが、この本の中でもガルーシャの項だけは、日本の記述も多くなっており、日本の職人さんも紹介されています。興味深い記事ですので、機会がありましたら、読んでみるのもおもしろいかもしれません。

「アイルランドの手ざわり クラフトのつくり手を訪ねて」 中濱潤子

 アイルランドの民族楽器のバウロンという太鼓を作る職人さんが紹介されています。この作者のバウロンが、映画「タイタニック」でも使われていたそうです。こういう太鼓を一度作ってみたいなーと思っておりまして、興味深く見た次第です。

 この本では、他にブックバインディングの職人さんの紹介があります。

「北の匠・・・・・息づく伝統技術」 北海道新聞社

 この本には、ソ○スの職人さんが紹介されています。また、太鼓の職人さんも紹介されています。どちらも、独特の世界観のある仕事のようですね。

「工芸の博物誌 手業を支える人ともの」 日本工芸会近畿支部

 この本は目次をざっと拾っただけなのですが、私が興味のあったのは「布海苔」についてのページです。作り方なども写真でわかりやすく紹介されています。日本産の上質の物は入手が難しくなっていきそうですね。



 以上、最近図書館で一部をコピーしてきた本の紹介でした。けっこう革以外の本でも興味深い記事の載っている時がありますね。コピーした時は良いのですが、後になってどの本に載っていた記事なのか思い出せなくて困ってしまう時が、けっこうあります。



 先日、レザークラフトのカタログをスキャナで読み込んだ画像のページを作りました。このページへの入り口は、私のサイトの中でもごくわずかしか作りませんし、検索回避の設定をしているので、あまり人目につくことは無いと思います。ただ、私のサイトを見て、材料工具の注文をくださったり、革を始めることにしたというメールをときどきいただくことがあるので、販売抜きに用品・工具などの画像が手早く見られるページがあっても良いのではないかと思った次第です。

 画像は、全ての業者の全ページというわけにはいきませんでした。近年ニュースの発行のみでカタログを製作していない業者もあります。いろいろな条件が整えば、各業者の全ページを画像で載せることもあるかもしれません。

 でも、各社がそれぞれのサイトで商品情報を見やすい形で充実させてくだされば、それが一番良いですね。

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2004年10月30日 アナログマンその61
「たまには子どもの物も作るのさ。」


 これは、うちの子がデザインしたペンケースです。学校で使うというので作りました。デザインとサイズを渡された時には、かなり大きいという印象だったのですが、使い始めたのを見てみると、小学校で使うのにはちょうどいいようでした。

 作ってから2年以上の時間がたって、多少くたびれてきたかなと言う感じがしますが、まだまだ現役です。でも、もともとこのペンケースをデザインした子は、このペンケースに飽きてしまい、今は次の子が使っています。

 さて、このペンケースの最初の持ち主の子がいま使っているのは、100円ショップの布のペンケースです。その布のペンケースはチープな雰囲気ではあるけれど、シンプルで使いやすいデザインなので、気持ちはやや複雑なのですが、まずは許すことにしましょう。
 上の左の画像は、最近作ったやはり子供用の彫刻刀セットケースです。右の画像が中身です。革砥と滑り止めシートも入れました。革砥は丸刀の内側も当たれるように作ってあります。彫刻刀は私が子どもの頃からあった物と箱が同じでした。円空仏の写真の紙箱です。昔は200円くらいだったような気がするのですが、定かではありません。今は550円でした。値段なりのものではありますが、版画の授業程度には十分に使うことが出来そうです。

 学校で彫刻刀の注文を取ってくれたのですが、お勧めは1800円くらいのセットだったようです。商品の説明用紙では、高いセットだけは研ぐことが出来るというような説明をしていましたが、うちで買った安いセットには、ご丁寧に小さな砥石がセットされていました。もちろん、実用には耐えない砥石でしたが、何だかかわいらしく見えて、「安くても研げるよ」というささやかな自己主張がうれしかったです。高いセットは、柄もケースもプラスチックで、何だか嫌だったのであります。

 一応、刃を付け直して、柄に滑り止めの溝を彫って、専用の革砥も作り、TUZIE仕様のセットのできあがり。子どもが嫌がらずに使ってくれるので、少しうれしかったりします。でも、ときどき何かを作っても、物によっては 「いらない〜」 とあっさり返されてしまう時もあります。そういう時は本気でがっかりしてしまいます。「この良さがわからないのかー?」 子どもには早すぎるのでしょうか・・・。それとも、私に子供心がわからないのでしょうか・・・。



 昨日、知人から、「締まったねー」 と言われました。そう、順調に絞ってきています。前回のアナログマンでも書きましたが、無理のない運動と食事で体質改善中です。まずは8キロ減量できました。あと2〜5キロの範囲内で、身体と相談しながらもう少し絞ります。

 やはり前回アナログマンで書いた、10月には掲示板という件ですが、実現出来ませんでした。体調も良く、このところのサイト作りも適当に手を抜いてリフレッシュ出来てきたのですが、いくつか未解決の懸案があり、そちらを優先させました。予定よりもずれ込んだものの、ほぼ解決となりましたので、懲りずにまた書いておきます。期間限定掲示板を11月に設置予定です。(・・・・・・大丈夫か?) 

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2004年09月17日 アナログマンその60
「アナログマン、バスケットシューズを買う!?」

 さて、さて、さて、このところ私のサイトでは更新もあまり無く、ただ日々が過ぎていきます。しかし、私自身はこの春から少しずつ変身中なのであります。

 トップページの一行アナログマンにも何度か書きましたが、昨年の後半から今年の春にかけて体調が思わしくなく、身体に元気がありませんでした。原因は、パソコンの前に座ってばかりいた約2年の時間でした。初めてパソコンを購入し、今まで知らなかった世界に夢中になって、サイト作りをがんばってしまったせいですね。

 運動する気力もなく、体がだるく、疲れやすい。これが中年というものなのだろうかと思ったりもしました。このままどんどん老化していくのではないかという不安。気持ちがかなり下降しておりました。

 そんな私がこのところ身体を動かしております。きっかけは、子どものスポ小のバスケットボールの練習を見たことでした。5月頃に、子どもが入部してから1年以上たって初めて練習を見に行きました。そこで、いろいろと考えさせられることがありました。

 それから、ときどき子どもとバスケット遊びをするようになり、昔やった練習などを思い出しながら、自分でも身体を少しずつ動かすようにしていました。何をやっても長続きせずに、腰や膝を痛めるクセがあったのですが、今回は遊びとして軽く始めたせいか、腰も膝も痛めることなく体力が少しずつついてきました。

 この20年間はかなりの運動不足で、すっかり体力が衰えてしまっていましたが、もしかすると今回は少しは体質を改善出来るかもしれません。だんだん走れるようになってきました。

 8月には、自分のバスケットボールを買いました。外で遊ぶので千円もしないゴム製のボールです。それから9月になりもう一つ同じボールを用意して、中に砂を詰めて約10kgの重いボールに仕立てました。軽いウエイトトレーニングをバスケットの動作で行うとおもしろいと思ったからです。これはなかなか効果的で、鉄のウエイトとは違う感覚で使うことができます。

 それから、バスケットの本を7冊も注文してしまいました。昔、自分でもバスケットをやってはいたものの、忘れていることや知らないことがたくさんあるので、子どもに間違ったことを教えないように、参考書を用意したわけです。実際に、知らなかったことがいろいろと書いてあります。

 そして最近、ついにバスケットシューズを買いました。5月に初めて子どもの練習を見て以来、体育館に足を運ぶことが多くなったので、25年ぶりに自分のバスケットシューズを用意しました。軽くてびっくりしました。足首が丈夫とは言えないので、ハイカットのシューズにしました。たまたま、超安売りのシューズが足に合い、ラッキー!! 白に赤いラインです。やはり、シューズがそれなりの物になると、足の運びも楽になりますね。

 でも、トレパンが10年くらい前の物でありまして、今時はどこにも置いていないようなフォルムなのです。トレパンも新しい物にすればいいのかもしれないのですが、けっこういい値段がするようですし、ちゃんとした物は自分には似合わないように思えるのです。あんまりそれらしい格好になると、気恥ずかしいので、いい加減な方が気楽で良いような気がするのでありました。

 このように、この頃の私は運動を生活に取り入れているのであります。今まで、根暗に革のことばかり考えていたので、ここらでちょっと生活を変えてみるのは、なかなか気持ちよいことです。革についても、かえって迷い無く取り組めるような気がしています。

 体質改善・生活スタイルの改善のために、工房の営業時間も変え、あいかわらずわがままにやっている私です。40代の体力のピークを2〜3年後に持ってきて、その後はできるだけ体力維持に努めようと、実現があやしそうな計画を立てているのであります。

 ところで、私の体力はこのサイトを訪れた方にとってはどうでもいい事として、肝心のサイトの更新ですが、もっと秋が深まってからと言いますか、冬が近づいてからと言いますか、それはもう少し先になりそうです。

 新しいページではありませんが、10月には期間限定の掲示板を1年ぶりに設置してみようかと思っています。

 以上、バスケットシューズを買い、元気な「中年時代」を目指すアナログマンでした。

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2004年08月29日 アナログマンその59
「枯葉」


 先日の台風の、海から吹き付けた塩を含んだ強風の影響で、「塩害」の被害がかなりの規模で発生しているようです。

 農作物への被害も深刻なものです。全くお米の収穫出来ない田んぼも少なくないようです。私の妻の実家でも、稲が変色してしまいました。果樹の実も風で落ち、また葉も枯れてしまい、かろうじて残った果実も育たない見込みです。これから収穫の季節を迎える時だけに残念です。まだまだ、いろいろな影響が出てきそうです。

 工房の近くの公園の道は、写真のように枯葉のじゅうたんになっています。塩に水分を抜かれてしまい、葉っぱはからからに乾燥しています。湿気が全くない大量の枯葉が、ひらひらと樹木から落ち続けています。

 歩いていると、しゃかしゃかと心地良い音がします。気分は「秋」ですね。トゥーツ=シールマンズのハーモニカの調べが思い浮かびます。こんな道を歩くのは初めてのような気がします。半袖・半ズボンで、まだ夏の名残のある日差しの中を、「秋」の気分で歩く。不思議です。

 

 このところの気分が「秋」とは言っても、つい先日まで「夏」の暑さを感じていたわけでありまして、その中で「TUZIE実験室:番外編」をおこないました。

 何度か取り上げたことのある「シニュー」について、最近では本物の腱から繊維をとって使う人もネット上には登場してきています。そのサイトの記事を拝見してから、腱から繊維をとるのはどのような感じなのか私も体験してみたくて、夏の暑い時期におこなったのが、「牛スジから繊維をとる」という実験です。

 牛スジは、あの煮込んで食べる食用の牛スジです。まずは、肉屋に行って牛スジを購入してきました。思っていたよりも値段が高かったですね。冷凍で、適当にひとかたまりになっていて、どのようなスジが入っているのかは、わかりません。

 まず、家で解凍して、繊維の長くとれそうな部分を選び、何本か塩で揉み天日乾燥させました。数日間、日に晒しましたが、脂がじわじわとしみ出てきます。白から、半透明のややアメ色に変わってきます。

 乾燥後に、まず最初にやったのは、スジに付いていたわずかな肉を、食べること。 ・・・・・美味しいんです。干し肉名人になった気分。暑い日差しの中で、乾燥した牛スジにかじりついて干し肉を食う男。やや隣の家の人の目を気にしながら、「こりゃ、うまい!」と思ったのでした。

 さて、干したスジをあらためて水で戻します。たぶん、一度干したことで何かが変わったはずなのですが、いい加減な実験なので特に検証は無しです。水に戻したものをハンマーで叩いてほぐしていくと、繊維が現れてきました。

 なるほど、市販の合成シニューはこの繊維に似ています。なかなか楽しい作業です。うちの子どもたちも参加してきます。たまたまその時に立ち寄った知人の子どもたちも参加してくれました。意味もなく、何となく楽しいのでした。

 これが、その時にとった牛スジの繊維です。一本一本はそれほどの長さはないのですが、かなり強度があります。むかし、弓の弦などに利用された理由がよくわかります。

 乾燥すると、硬くなりました。実際にこのような繊維を利用するには、もう少し工夫が必要なのかもしれません。

 むかしの人の、素材を徹底的に利用する知恵と労力は、やはりすごいものですね。自分の仕事にこれらの繊維を利用することはないにしても、本当にすごいと思います。

 現代では、他にも優秀な繊維がたくさんありますので、牛スジあたりはやはり食用にするのが良いかもしれません。私も実験の残りは煮込んで食べました。なかなかの美味。医療や化学薬品作りなどにも利用されているかもしれませんね。

 でも、この手の繊維を作業に使うという人は、ぜひいろいろと試してみてください。自分ではできないながらも、原始的な古来からの技術には、とても興味があります。



 もう一つ、晒しフノリ作りもおこないました。今年の春に作った時には、出来が悪く失敗でした。夏にはしっかりとしたものを作りたいと思って、フノリも良質なものを使い、道具も少し変えて作業性をよくしました。

 そしてできたのが、この晒しフノリ。今までで、一番納得出来るものでした。完全に自己満足の世界ですが、それがたまらなくうれしかったりするのです。


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2004年08月14日 アナログマンその58
「夏、今年も一日師匠になる」


 今年も一日師匠になって、子ども向けの革の講習会を行いました。例年だと幼稚園児から小学校の高学年まで、年齢の違う子に同時に講習することが多いのですが、今年は小学校4年生と5年生だけの講習だったので、進行が楽にできました。

 模様付けや、革の成形・磨きなどを体験できるように、革のトレーを作りました。模様はいくつかの技法を紹介して、デザインはそれぞれの好みにまかせました。

 思い思いの模様を付けて、いろいろな表情の作品ができました。机の引き出しの中の片隅でも良いから、ちょっとした小物入れに使って欲しいと思います。

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2004年07月19日 アナログマンその57
「どうして、無いのだろう?」


 「どうして無いのだろう?」 と最近思ったものがあります。それは、細い合成シニューです。(合成シニューは、ふだん私が勝手に使っている単語です。)

 私が合成シニューを自分の仕事で使うことはありませんが、このところ人気のある糸のようです。この糸は、裂いて自分の好みの太さにして使うことができるところが利点のひとつとのことです。

 でも、裂いて使うのは、太さの安定性や作業性の点で劣るのではないかと思われます。合理的に考えると、細い単糸的な製品を用意しておいて、それを何本撚りあわせるかで太さを調整した方が使いやすくなりそうな気がします。

 この合成シニューという糸は、べとべとした糸のようで、それほど撚りあわせなくても一本の糸として一体化しそうです。撚る手間もさほどかからず太さが安定するのではないでしょうか。

 細い合成シニューがあると、革の製品の宣伝文句も変わってくるかもしれませんね。
 「革の厚みや必要な強度に合わせて、○本撚りから◇本撚りまでのシニューを使い分けております。」 と言うのはどうでしょう。

 現在の糸の3分の1くらいの細い合成シニューがあると、使いやすいのではないかと思うのですが、合成シニューユーザーの方々いかがでしょうか。太さの調整が楽になるのではないでしょうか。

 自分では使っていない糸について思ったことなので、的がはずれているかもしれませんが・・・・・・。


 ところで話は変わり、この写真はTUZIEの工具箱その4で紹介している「銀スリ器」です。革の表面を荒らすための道具です。なぜ荒らすかというと、主に接着剤の効きを良くするためですね。

 いくつかある自作の小道具の中では、結構人気のある道具です。人気といっても、私の工房の教室の中での話ですが。

 実に簡単な作りの道具でありまして、たいした時間も掛からずに製作可能なのですが、なかなか人の分まで作る余裕がありません。

 「どうして無いのだろう?」までは行きませんが、この手の市販の工具があれば良いのになーと思っています。デザインも、もう少し合理的なものを考えているのですが・・・・・。



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2004年06月16日 アナログマンその56
「あそびうたは、楽しい!」


 先日、妹と妹の友人が主催した、あそびうたのファミリーコンサートがおこなわれました。左は、その時の写真です。写真のお二人は、仙台のアトリエ自遊楽校に所属している、あきらちゃん と りかちゃん です。

 妹たちが、コンサートを主催することを決めたのが、約5週間前の事で、準備の時間もほとんど無い状態でしたが、コンサートにはたくさんの方にご来場いただきました。なにせ、私も仕事そっちのけで宣伝活動をしましたので、ほっとした次第です。

 当日、私もスタッフの一人として、コンサートに参加してまいりました。ステージの下の奈落や、照明機材や演奏機材など、私にはふだん縁の無いものばかりで、興味深く見てまいりました。「このスポットの球は何ワットなんですか?」(答え:1000ワット)とか、「このステージを上げ下げする機械はおいくら?」(答え:ものすごく高い)などなど、コンサートとは関係のないことばかり、質問しておりました。

 で、あそびうたなんですが、これは楽しいものですね! 歌も振り付けもお話も、最高でした。幼児から大人まで、幅広い年齢層の人を楽しませてくれるステージに、釘付けでした。コンサートの翌日、私も思わず歌を口ずさんでおりました。そして、その歌の振り付けをマスターしている自分に驚きました。40代のおじさんも、思わず振り付きで歌ってしまうあそびうたのパワーは予想以上のものでした。

 コンサートの前から、CDでずっと曲を聴いていたので、私にとっては馴染みの曲も多く、出演者のお二人の写真も毎日拝見しておりましたので、お二人とは初めて会ったのにずっと前から知っているような気持ちになっておりました。

 あきらちゃんは、私が拝見していた写真通りのお顔でありましたが、メガネの奥のまなざしが印象的な人でした。意外だったのはジャンプ力。振り付けの中でぴょ〜んと跳ねておりました。歌のお兄さんに加えて、体操のお兄さんもいけそうでしたね。

 りかちゃんは、本物の方が写真よりも数段かわいらしい人でした。よく通る声で歌ったり振り付けの説明をしてくださいました。本格的なダンスの演技も拝見したかったなーと思っています。聞くところによると、ダンスの名手らしいのです。

 個人的に期待していながら当日聴くことのできなかった、「かあちゃん音頭」や「あやまり戦士☆ごめんライダー」・「ドライブする〜?」・「かいてんずしにつれてって」などの曲も、いつか生で聴きたいものです。

 コンサート後に、「楽しかった」という感想や、保育園や幼稚園からは「あきらちゃん&りかちゃん を園に呼びたい」と言う声もいただいておりまして、コンサートを開催した成果も目に見える形でありました。素人が突然思い立って始めてしまったコンサートの企画でしたが、まずは成功と言って良いようです。

 来場者・出演者・スタッフ・主催者、みんながいたから成功したコンサートでした。事前のチラシ配りやチケット販売など、宣伝活動に協力してくださった方々のおかげでもあります。コンサート会場の担当者にも、会場のセッティングでお世話になりました。感謝感謝です。心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 私もおもしろい体験ができて、楽しかったです。そして、子どもたちの楽しそうな姿が、何よりでした!




 上の写真は、コンサートで来場者全員に配った記念品です。ゴムを使った簡易ブレスレットです。簡単な作りのわりには、かわいらしく仕上がりました。製作担当は、私の妹でした。




 さて、最後に左の写真は、まさちゃん&ゆきおちゃん。(妹のだんなと私です。)あきらちゃん&りかちゃん がステージにいない時に、記念に?娘に撮ってもらった写真です。

 このあと、だれかが、「あきらちゃんのマイクを勝手に触ると、怒られるわよ。」と言っていたような いなかったような、そんな気がするような しないような、そんなひとときでした。

 ちなみに、まさちゃん(左)は 空気イス。ラグビーで鍛えた足腰で、踏ん張っております。私は、レザークラフトで座り続けているへっぴり腰で、かろうじて立っております。機材の箱を運んだ時に、腰がぎくっとしたことは、私だけの秘密にしたような しなかったような、っていう言い方は あきらちゃんの口癖だったような じゃなかったような・・・・・。

 ここで誰かにつっこみ入れて欲しいような 欲しくないような・・・・・。 

 

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2004年05月22日 アナログマンその55
「プロの条件?」

 何年か前の事ですが、文化庁の企画で、高校の文化部に講師として教えに行くという事業に参加したことがあります。実施内容は、各校からの希望に基づいて、各県が窓口になって決めることになっていたようです。

 この時に、講師のランクわけというのがあって、私は はじめに「素人」にランク分けされました。何故かというと、団体に所属していなかったからです。

 「プロ・アマ」 といった言葉は使われていなかったのですが、簡単に説明すると団体に所属していればプロ扱い、団体に所属していなければ半人前のアマ扱いというように、資格について書いてあったようです。「ようです」というのは、文章の書き方が悪く、何だか意味のよくわからないものだったのです。

 もし、キャリア何十年というその道の名人が講師に呼ばれても、その人が団体に所属していなければ「素人」。キャリア1年でも団体に所属していれば「プロ」扱いなのです。

 おかしいんじゃないかと申し入れたところ、文化庁からかえってきた答えがすごいのです。県の担当者が、私のことを芸術家だと判断したら、プロにランク分けするというのです。県の職員が、私に「芸術家ですか?」と尋ねてきました。資格のランク分けの文章には、芸術の「げ」の字も出てこないのに・・・。ナンセンスな質問に笑ってしまいました。

 おまけに、資格のランク分けの文章は秘密なのに、見せたのはけしからんと文化庁から怒られたそうです。ランク分けと、講習の単価の書いてあった文章ですが、そんな文章が秘密とは、情けない「文化」庁です。「文化庁の標準的な仕事」だったのかもしれませんが、もう少し文化的にできないものかと思ったものでありました。

 団体云々というのは、いかにもお役所的ですが、文化庁は家元制度などのある組織ともきっとつながりがあるのでしょうね。

 最終的な結果としては、私は「プロ」に分類されました。きっとうるさいやつだと思われたのでしょう。ランク分けが変わった理由は示されませんでした。とにもかくにも、役人の思考回路にはついていけない私でありました。

 でも悲しいことに、私自身がプロである何らかの要件を満たしているのだろうかと、我が身を振り返った時、私に見えてくるのは素人くさい自分です。技術も感覚も未熟で仕事も遅く、心に思い描く「プロ」の姿からはほど遠い自分がいます。

 そういう自分のことは自覚しているのですが、まともに文章も書けないような役人の書いた紙切れ一枚に、「おまえは素人だ」ってな具合に言われると、腹が立つのでありました。

 あの文章を書いた人の人件費は高かったのでしょうか?あんな文章で給料がもらえるとは、なんてうらやましいことでしょう。

 そうだ、アナログマン書いても誰も給料はくれないんだった。

 今夜も無給なので、このへんでー。



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2004年05月02日 アナログマンその54
「表示は正しいほうが良いかな」

 ときどき、革の物作りに関係したいろいろなサイトや掲示板にお邪魔して、どんなことが書いてあるのかを拝見することがあります。最近の感覚がどのようなものなのか、参考にさせていただいています。

 その中で、どうにも気になってしまうのが、手縫いの糸として紹介されている「シニュー」です。「sinew」→「腱」のことです。丈夫な動物性の繊維で、昔の弓の弦などに使われていたようです。本物は写真でしか見たことがありませんが、切れにくい強靱な繊維なのでしょう。

 で、ここでのシニューですが、これは本当の腱ではなくて、化学繊維の製品のことです。もともとの英語の記述では「Artifical  Sinew」となっている製品です。「Artifical 」には「人工・人造・模造」などの日本語が当てはまります。でも、日本のレザークラフトのカタログでは、単に「シニュー」となっています。

 化学繊維のフィラメント糸ですから強度があるのでしょう。また、荷造り用の平らなテープにも似た、撚りを掛けていない形状なので、適当に細くして使うことが出来るというところが、良いとされているようです。(当然のことながら、撚りを掛けた製品もあります。)

 とても人気があるようなのですが、もしも日本のカタログに「人工シニュー」と書いてあったら、少し様子が変わっていたのではないかと、思う時もあります。ユーザーもあることですので、私の工房にも少しだけ在庫するようにしましたが、ふだん私は「合成シニュー」という言葉を使っています。ちなみに、私の工房内では人気はありません・・・。

 使う人、それを使った製品を購入する人、それぞれが正しい認識を持ち納得していればいいのですが、どこかイメージに流されているところがあるのではないかと、気になるところもあるのです。

 世間での認識のされ方の実際のところはよくわからないのですが、まずはカタログでの表示は、正しいほうが良いのではないかと思う次第です。例えば、「合成皮革」を単に「皮革」と表示していたらまずいわけで、それと同じではないかと思うのです。

 それとはまったく別の話ですが、合成皮革などを「レザー」と呼ぶ昔からの慣習のような物が一部にあるようなのですが、この用語のために、工房に来るお客さんと話がかみ合わなくて 「?」 になってしまうことが時々あります。なにせ、こちらは「レザー」は本物の皮革のことだと思っていますからね。



 ところで、腱はいわゆるスジのことなのでしょうか。

 牛スジなどは、食べた方がおいしくて良いのではないかと思ってしまう。そんな自分がやや悲しいかな・・・。

 (本当の腱は、良質のコラーゲン繊維だと思うので、薬品の原料などにもなっているかもしれませんね。)

 

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2004年04月18日 アナログマンその53
「収納上手アナログマン。(でも後片付けは苦手。)」


 消費税を含む価格表示が義務づけされたこの4月。世の中の物の価格が高くなったと思ったのもつかの間、もう新しい価格表示に慣れてきてしまいました。ことを進めた役人の思惑通りに、早くも慣らされてしまったということなのでしょうか。

 さて、この写真は何かというと、100円ショップで売っている材料で作った「三面くるくるボード」です。そのまんまの名前ですね。コルク板3枚と食卓用回転台というのを組み合わせています。(コルク板同士は革で接着しています。)工房で7台ほど使っています。

 製品などをピンでぶら下げて展示するのに使っています。今までは、「100円ショップで買った物で、全部で400円で出来ているんだ。」と言っていたところを、これからは、「105円ショップ買った物で、全部で420円で出来ているんだ。」と言うように慣れなくてはいけないかもしれませんね。(・・・ってそうなのか?)

 支払う金額は同じなのに、表示価格が変わると言い方も変えなくてはならないような気がしてしまうのは、なぜなのでありましょうか。

 ところで、私の工房でお客様から最も好評なのが、このような適当に作った収納アイテムなのです。悲しいかな、私の革製品よりも受けが良いのであります。なにせ、狭いスペースにいかにして物を納めるかが大問題でありまして、そのためのいい加減な工夫が随所にあるのです。


 上の左の写真は、刻印ラックです。もともとはCDケース。仕切を作って刻印ラックとして使っているものです。

 右の写真は、ネット・スライド式の収納棚です。5層になっていて、狭いところに物をぐちゃ〜っと押し込んでおります。スライドはネットの上下に取り付けた、カーテンレールによるものです。こういうお金を掛けない収納の工夫をあれこれとしています。ちなみに、フックはアルミの針金からの自作品。今まで何百個作ったかわかりませんが、型板を作ってあるので簡単に出来るのです。

 材料や工具を求めに来る人が増えてきて、何とか対応しなくてはならないのに、物を置くスペースは広くはできないので、このように重層化しての収納をあれこれ考えるのであります。



 私が材料・工具を扱い始めたのは、10年ほど前からです。ユーザーからの問い合わせが思いのほか多かったのです。また、私の地元では、当時はとある中央のクラフト業社が100%に近いシェアを持っていて、風通しの悪い材料流通の形を作っていたので、それにも疑問を感じてのことでした。当初は、個人ユーザーからも、公立の施設からも、その会社の注文が多くて困りました。当の会社からは、「他社で買ってはいかが」 と言われたりしたものです。もちろん、勧められたとおりに出来るだけ他社を利用するようになりましたが、売る気のない営業ほど、つまらない相手はいないものですね。

 この10年、私なりにレザークラフト材料の流通について、あるいは商売について考えさせられることがいろいろとありました。なかなか勉強になった10年でした。必ずしも好意的な業者ばかりではありませんが、多少は風通しの悪さを改善できたと思っていますし、新しく革を始める人も増えているので、レザークラフトの世界が廃れることなく、このまま愛好者の多い物作りの一分野として、発展して欲しいものと思います。



 さてさて、最初に紹介した「3面くるくるボード」は、このように使っています。

 写真ではコンチョを下げています。コンチョのことは、私はあまり詳しくないのですが、いろいろな種類のコンチョを製作してくださる人がいらっしゃいまして、内容は全部おまかせで製作していただいています。

 他ではあまりお目にかからないようなコンチョもあるんですよ。私も好きな図柄の物が何点かあります。仕事でコンチョを使うことがほとんど無い私ですが、好きな図柄のコンチョを使って、何か自分用に作ってみたいと思っています。

 100円ショップの材料で作った割には、コンチョを下げても違和感なく、それなりの存在感のある「3面くるくるボード」です。

 そうそう、100円ショップで最近なかなか思い通りの物が買えなかった物に、私の髪を結う時の、黒いゴムがあります。細いのは必ずあるのですが、太いのがなかなか無いのですね。それで、縫製資材を仕入れている業者さんにゴムを頼んだところ、30メートル巻の綛で入荷しました。予想以上のボリューム感に、どこから切ればいいのか迷ってしまい、届いてから10日以上立つのに、まだ手を付けられずそのままにしています。綛繰り器にセットして巻き直そうかなー。そろそろやらなくちゃ、ゴムがあと2つしかない。

 でも、髪を結うゴムを用意するのに、わざわざ綛繰り器を使う自分が嫌だなーと思うのであります。その前に、髪を切れと子どもたちには言われますが、髪を切ると顔が締まらない顔なので、「若造」っぽくなってダメなのです。もっと渋い表情になってみたいものです。

 あー、今回もだらだらとこの欄を書いてしまった。髪を切るより、早く文章を切れといわれそうですね。では、また、次回と言うことで、マル。

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2004年03月26日 アナログマンその52
「パソコン机が、小さくなった」


 私のパソコン机です。一昨日、急にパソコンの移動をすることになり、このようになりました。

 これ以前には、180センチ×90センチほどの作業台を一つ、パソコン机として使っていたのですが、こんどのは、幅75センチで、奥行きもあまり無いパソコン専用の机です。得意のつり下げ式収納を用いつつ、コンパクトに収めました。

 モニターの上や右の棚は、プリンタなどを置いている上部の天板からつり下げています。本当は下から積み重ねていく収納棚なのですが、つり下げても便利に使う事ができますね。ちなみに、我が家でも工房でも、つり下げ式収納は活躍しています。

 今回は、作業台を3台譲り受けて、そのための室内の配置換えにともない、このパソコン専用の机を使うことになりました。このパソコン机も、前に人から譲り受けていたたものです。

 私の家には、今回いただいた物を含めてテーブル・机類が12台あり、家族全員が一人2台以上の机類を使っています。しかも、ほとんど譲って頂いた物でして、どうしたものか作業台にだけは不自由しません。

 さて、私が前に使っていた大きな作業台は、晴れて本来の用途である作業台に復帰して、その上に載っていたパソコンもまた、晴れてパソコン専用机に収まりました。最初は、パソコンがあまりにもこぢんまりとしてしまって、何だか違和感を感じましたが、それもつかの間、何度かパソコンの前に座るうちに、とても使いやすくなってきました。

 パソコンは、2年前に購入した、N社の入門機です。今ならば、低価格ではるかに高性能のパソコンが手に入ります。機能的に、現在のパソコンが物足りなく感じる時も少なくないのですが、私の用途ではさしたる不都合もないので、まだしばらくはこのパソコンを使っていく予定です。


 さて、この画像は、パソコン廻りのコンセントの一部です。モニターの右につり下げている棚の下段にあります。私のパソコンの廻りは線だらけでありまして、結果、このようなたこ足となってしまいます。

 画像のタップは、実は奥にあるもう一つ別のタップから引いてきておりまして、「たこ足から、また、たこ足」 状態です。合計でも300ワット程度なので、問題はありませんが、電源以外にもケーブル類は多く、とにかく線の多さには、手を焼きます。





 ところで、話はまったく変わりまして、トップページのアクセスカウンターが、本日40000を超えました。当サイトをご覧いただいている皆様、ありがとうございます。いつも行き当たりばったりのページ作りで恐縮ですが、これからも少しずつ内容を充実させていきたいと思っております。

 さて、早速の行き当たりばったり具合となりますが、前々回のアナログマンに、相互リンクについての話を書きましたが、リンクについてはもう少しオープンにやっていくことに、方向を修正しました。

 40000アクセスという何となくきりの良いところで、リンクページの構成も新たにしました。また、相互リンクを受け付けていないと言う一文は削除しました。といっても、必ず相互リンクしますというわけでもなく、相互リンクに懐疑的な部分があるのはあいかわらずです。

 具体的にどのようにしていくのかは、説明がうまくできないのですが、革が好きで革物作りを楽しんでいる人のサイトには、リンクさせていただく機会が従来よりも多くなるのではないかと思います。

 私なりに、あれこれと考え、思いを巡らせてみたのですが、最初に漠然と決めたことに自ら縛られて、息苦しく感じるのは良くないと思い、もう少し気を楽にしてやっていこうと思った次第です。

 そんなこんなで、これからも行き当たりばったり、修正してばかりのサイト作りになると思われますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。 

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2004年03月14日 アナログマンその51
「解説系ページ作りは一段落」


 これは何でしょうか?正解は最後に。

 さて、この数日、毎日更新をしてまいりましたが、毎日更新は今日で終了です。そして、工具などの解説ページもこれにて一段落で、当面は新しい解説系のページは作らない予定です。

 私のサイトは工具類に関しての解説ページが多いのですが、もともとは地元のユーザーへの説明代わりに作ったページです。工具や材料を求めに来てくださったお客様に、詳しいことを説明する時間が十分とは言えないので、サイトを見てもらえばわかるようにしたものです。そのために必要なページは、今回でほぼできたような気がしております。

 技術的な解説ページは、あまり作っておりませんが、技術的なことはある程度の解説本がありますので、そちらに任せることにしております。技術は、われわれクラフトマンの仕事の種でもありますし、一人一人が独自に工夫している部分です。簡単なアドバイスはさせて頂きますし、教室では出来る限りのことを教えてはおりますが、趣味で革を楽しむ方々にも、じっくりと工夫して頂きたいものと思っております。

 材料・工具の販売者としての説明責任は、基本部分ではサイトのページに任せることができる程度には充実させたつもりです。ここまで、けっこう長く時間が掛かりました。今後は、サイト製作に掛ける時間を縮小し、革の仕事に掛ける時間を、より多くしていくつもりです。

 サイトについては、解説系ページも、また必要に応じて作る時があるかと思いますが、当面はアナログマン・一窓店舗・一窓展示会などを少しずつ更新していきたいと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

 冒頭の画像ですが、答えは革巻きガラス製文鎮でした。文鎮の下からライトを当てて撮影した画像です。中身のガラスは、手作り磨きガラス板を作って頂いている、鎌田さんが準備してくださったものです。

 そのガラスに、抜き型で模様を抜いた革をかぶせました。最近検討した、スポッツ金具の構成にも通じる、スタンピング感覚の抜き型構成です。カービングがパターン描きから神経を使うものなので、こういったものは、革の上で一発勝負でやってしまうのが好きです。

 革のクラフトの一発勝負的な部分は、ある意味心地よいものです。失敗してもやり直しのきかない緊張感や、失敗した時の大きな落ち込み感。うまくいった時の達成感。どれも革のクラフトの一要素だと感じています。

 「革って一発勝負だよなー」と言うと、妻には「自分の人生もでしょ」と言われます。いやいや、世の中みんな一発勝負みたいなものですね。

 CMの「ファイトー!いっぱ〜つっ!」の一発は、このことを言っているのかしら・・・・? ドリンク剤飲んで、一発勝負にのぞみましょうか!


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2004年02月29日 アナログマンその50
「短時間営業」

 3月から、工房の営業時間を午後1:30〜午後6:00とさせていただきます。このところ製作時間が十分に確保出来ず、困った状況になっておりました。そこで、製作に集中出来る時間を確保するために、営業時間を変更させていただきます。

 実際のところ、工房では営業時間以外にも仕事をしておりますので、時間外でもいままで通りの対応はできると思います。ただ、ブラインドなどを閉じている時があると思いますので、営業時間は上記のようにいたします。

 不真面目でやる気のなさそうな営業時間の設定ですが、仕事時間不足に悩んだ結果決めましたので、どうかお許しくださいませ。



 ところで、相互リンクの依頼というのが、今年になっていくつかありました。私は、相互リンクという制度にどこか違和感を持っておりまして、申し訳ないと思いながらも、相互リンクはお断りしております。

 以前は、相互リンクの依頼など無かったので、相互リンクについてはサイトに何も記述していなかったのですが、このたび相互リンクを受け付けていない旨の一文を入れておきました。

 私自身は、自分のサイトを作り始めた時から、相互リンクの依頼はしないと決めておりました。自分のリンクのページは、自分で紹介したいと思ったサイトを紹介するためのページにしたいと思いましたので、こちらからの一方的なリンクで良いと思っています。

 相互リンクは、きっと良い制度なのだと思うのです。でも、どこか「自動的」・「受動的」・「強制的」・「義務的」な雰囲気も感じられて、しっくりと来ないのです。お許しください。

 このように、相互リンクにどこか否定的な私ですが、このサイトを紹介したいなーと思った時に、リンクさせていただきたいと言うことをメールで連絡させていただくと、リンク先の管理人様が私のサイトにリンクしてくださることが多いですし、私もリンクの連絡をいただくと、もちろんリンクの検討を必ずします。そういう中で、自然と相互リンクの形になることも少なくありません。

 そういう、コミュニケーションの中で自然と生まれる相互リンクは良い感じだと思うのであります。この微妙な線引きを、わかっていただけるでしょうか。

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2004年02月22日 アナログマンその49
「私の工房に、革の花。これは画期的だ!」


 こ、これは、革の花ではありませんか。わ、わたしの工房に革の花・・・・・・か、画期的ですー。

 あの、豚の生皮という素材ですね。いや〜、きれいなものですねー。

 私どもの教室の生徒さんが製作されたものですが、この手のお花は、教室始まって以来初めての物でした。もちろん?いまだに私はこのようなお花を作ったことがありません。

 私が作ったことのない物でも、教室のみなさまは、自分で試行錯誤しながら作ってくださるのであります。このお花も、「テキストにこんな事が書いてありますよー。」とか、「ここは、こっちの作業を先にしてみましょうかー。」といった程度のことを、私がちょっと口を挟むだけで、生徒さんが自分で試行錯誤しながら作ってくださいました。

 口だけ出して、手は出さないという指導方針の当教室では、私が作ったこともないし予想もできないような物が、生徒さんによっていろいろと作られるのであります。実は、指導するはずの私の方が、勉強させてもらっているのです。月謝をいただいて、そのうえ勉強までさせてもらって、感謝感謝でございます。

 それにしても、私のがらじゃないかもしれないけれど、お花を作ってみたいなーと思いました。きれいなんですよねー。でも、私が作ると、きれいにはできない可能性もあるかなぁ。そんな悪い予感もするなぁ。



 さて、こちらの写真は、最近試作のできた手縫いバイスです。外注で製作していただきました。私が以前作っていた物よりも、機能が良くなっています。

 この線で販売用のバイスを仕上げる予定です。工房ではすでに注文を受けているのですが、昨年も手縫いバイスの販売を予告しながら、実際には販売に至らなかったと言うことがありましたので、歯切れ良く「一窓店舗で近日中に発売」などとは間違っても言えない私です。

 詳細は、しっかりと販売用が仕上がってからにいたしますが、充実した機能で使いやすく仕上がりそうです。

 まずは、イスに座って使うタイプを先に作っております。お座敷で使うタイプのデザインはまだまとまっていません。いろいろと検討すべき点がありまして、これから煮詰めていくところです。

 機能は、イスに座って使うタイプの方が良いのですが、畳の部屋に座って使うお座敷用の要望も少なからずあるので、うまく形にしたいものと思っています。

 何をするにも時間のかかる私ですが、時間が掛かっても実行すると言う面もありまして、いつかそのうちきっと形にできることでありましょう。

 では、歯切れは悪いけれども、いちおうPRでした。
 おまけに一応 「こうご期待!・・・・・って、ご期待が小さくなっているぞ〜〜

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2004年02月06日 アナログマンその48
「こりゃひどい、鼻毛ゆきだるま」
 左の写真のゆきだるま、顔に鼻毛しかありません。うちのチビッコが作ったものです。モデルは身内のものらしいのですが、誰かは内緒。最近テレビで見た、鼻毛ネタのあるアニメの影響もあるのではないかと思うのですが、こりゃひどすぎますね。

 右の写真はトナカイ君だそうです。こちらはけっこうかわいくできました。1年前と比べると、ずいぶん上手になりました。



 13年ぶりにインフルエンザになりました。普通の風邪の時と違って、全身のだるさと痛みがあって、すぐに病院に行きました。いまは、特効薬があって、発症後48時間に薬を飲むと劇的に効果があると言うことです。薬の効果もあってか、あまり苦しくありません。

 子どもたちだけは予防接種をしていましたが、親は予防接種をしていなかったので、見事にやられてしまいました。子どもたちには2回ずつ接種させたのですが、けっこうお金が掛かるのですよね。もっと、安くならないものかと思います。

 病院によって、ずいぶん費用が違うようなのですが、秋田では平均1回で3000円くらいのようです。ワクチンの使用量の少ない子供だけでも安くして欲しいですね。

 さて、今日はずっと寝ていて、いま晩ご飯を食べに起きてきました。食欲はあるのです。でも、頭の回転は悪いので、この辺で失礼します。

 秋田では、「インフルエンザ流行警報」が出ているようです。私も珍しく流行にのってしまいました。みなさまも、インフルエンザや風邪にお気をつけください。

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2004年01月08日 アナログマンその47
「2004年もよろしくお願い申し上げます」


 1月もすでに8日となり、1年が始まったばかりというのに、もう月日の流れの速さを感じているところでございます。

 写真は、1月1日に近所の神社に初詣に行った時の写真です。私のお正月の外出はこの初詣だけで、あとは風邪で自宅で休んでおりました。「もう1年分休んだね。」と妻からは厳しいひとことをちょうだいしているのでありますが、これが1年分の休みではあまりに寂しすぎるのでありました。

 ところで、写真でご覧の通り雪はまったくありませんでした。今年のお正月は、雪も降らずに天気の良い日が続き、秋田の冬とは思われないような日が続いておりました。

 しかし、それも昨日7日までのことで、今日は一転して風が強く雪の降る、いつもの真冬の秋田になってしまいました。まるで春のような日が続いていたのが、ウソのようです。

 さてさて、今年は早々にサイトの更新をしようと、記事はいくつか決めていたのですが、風邪のためにまだ一つもできずにおります。狂ってしまった予定の修正は難しいものですね。

 更新がなかなかできないので、とりあえず予告だけですが少々。

 今年は、現在休止中の「一窓店舗」を再開して、それなりに営業する予定です。私の作品もそのうち紹介するつもりではおりますが、まずは革の物作りに関わる工具や用品などを少し紹介するところから始めていくつもりです。さらに造りの良くなった、特製革包丁の販売も再開する予定です。

 それから、工具についての記事をいくつか予定しています。いつもの私のでたらめな工具記事が、また少し増える予定です。

 とりあえず、サイトの更新は数本準備中です。まだ少し時間がかかりそうなのですが、もう少しお待ちくださいませ。



 サイト以外の現実の工房では、今年は工房の営業時間をはじめとして、時間の使い方を考え直したいと思っております。

 何はともあれ、今年も自分勝手に自己満足の衝動に身を任せて、革の世界の隅っこで活動してまいります。

 2004年、この1年もよろしくお願い申し上げます。
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