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個展報告:03年5月

■原風景 2004-3-9(火)

前回お伝えした多摩美の佐藤さんの映像作品を観てきました。一本の作品としてしっかりまとまっており、完成に至るまでの集中力が感じられる映像でとても良かったです。わたしの絵も作品内でいい役割を与えられ貴重な経験をさせてもらったなあと思っています。佐藤さん、どうもありがとう。

会場だった赤レンガ倉庫の周辺はなんとも奇妙な雰囲気が漂う所で、新旧入り交じった風景が海と空と一緒にゴタゴタと並んでいて、独特の世界観を創り出しています。今はすっかりキレイになったみなとみらい地区と呼ばれるエリアも見渡せ、その風景を観ているといろんな記憶が甦りました。

わたしが高校生のとき、横浜万博というのが開発前のこのエリアで催されました。しかしそれが終わったあともバブル崩壊の影響だったのか、しばらくの間は何も開発が進まず、奇妙な空間として取り残されたままになっていました。

大きな観覧車が一つと頭上を走る高速道路、貨物の線路跡と簡単に区画された何もない土地が延々と拡がる風景。美術大学の受験を考えたりしながら、この奇妙な空間に足を運ぶのはわたしの密かな楽しみでした。

現実に目の前にあるものなのに、妙に現実感の薄い景色。夜になると遠くに街明かりが浮かび、なにもなく拡がる黒い地面と海がより非現実感を増幅させました。

わたしが描く絵には、ここで感じた景色への想いが根底に流れていると感じます。現実世界と非現実世界の狭間のような風景。こういう景色を体内に持っていることは、何より自分を強くさせるものだと改めて思うことが多い日々です。

■プチ更新 2004-3-19(金)

少々更新が滞っておりますが元気です。手元にあるやるべきことが山積みなだけですので・・。

さて、わたくし普段は山奥と言って差し支えない所に住んでいるのですが、こんな所でも回覧板がどこからか回ってきたりしまして。先日その回覧板の係りが持ち回りである事が判明し、今年度はわたしの番らしいとのこと。

で、先程今にも朽ち果てそうな山の公民館で係りが集まる会合に参加した訳なのですが。

20人ちょっとの大半が森繁久弥級の仙人みたいなお爺ちゃんばかりでしたよ。よくわからないけど「館長」と呼ばれてる人の髭とか白くて長いの。 どこの秘境だここは。

しかも話題が「サルの行動範囲は・・・」「イノシシが裏庭の苔を・・」「四十代の若手を・・」

ものすごく浮いてたよわたし。帰り際知らないおばちゃんがものすごく優しくしてくれた。

かわいそうな感じだったのかも。 えへへ。

■縁の縁 2004-3-26(金)

わたしがいる山奥からも行ける範囲に画材屋さんがひとつありまして、こぢんまりしたお店なのですが不思議と不自由な思いをしたことはありません。

日本画の絵の具はさすがに置いていませんが、それはいつも別のお店でまとめ買いをするので問題なく、普段使うクロッキー帳や木製パネルがすぐに手に入ったり、あと意外に重宝しているのが額縁を購入する時なのです。

展覧会の前など小品用の額縁を探しにいった時、限られた店内スペースですから商品数も多くはないのに、なぜかピタリとイメージに合う額縁が置いてあったりします。もちろんカタログから取り寄せてもらう事もありますが、ふらりと覗いた店内でピッタリの額縁があるというのは何とも不思議な出会いで嬉しいものです。

完成した作品に額縁を付けない作家も最近は多いのですが、わたしは絵を展示をする際には必ず額装するようにしています。作品の保護という目的もありますし、額縁を付けるとより作品が「完成した!」という感じになるのが好きなのです。

どこかにしまい込まれているよりも、やはり絵は観ることの出来る場所にあってほしいと思っているため、額装してあったほうが飾りやすいという事もあります。そして飾られるための完成度を高めるには、絵と額縁の雰囲気がピタリと合っていることがとても重要です。

額縁は額職人さんなどがデザインし、絵はわたしのイメージから出来上がります。それぞれ別の場所で創り上げられたものがどこかで偶然出会い、一つの作品としてまとまるこの縁は、創り手の計算外の完成度を生み出します。

そしてつい先日も次回の展覧会のための額縁を探しにいったところ、頭の中に思い描いていたのと同じデザインのがお店にあり、ほんとココの店長はエスパーかと疑い始めているところです。

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