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■ハチクロを読んで 2003-11-1(土)

やる気はあるのに、滅多にない頭痛と胃痛でここ数日空回りの日々でした。このままじゃ何も進まないよ!と思い、とにかく何か描こうと、上の「本日のカキトメ#34」に着手。集中して何かやるというのも頭痛を治める荒療治のひとつだということを知りました。

使い物にならない間、気晴らしに読んでいたマンガについてちょっと。

羽海野チカ:作 『ハチミツとクローバー』

この間知り合いになった松谷さん(ライターでありカメラマン)と美術大学の話をしていた際に、美大を舞台にしたマンガがあるとのことで紹介してもらったものです。

自分が美大に通っていた頃を思い出し、共感する所も多かったので、わたしはおもしろく読めました。コミュニケーションの中に自然と、各人が創る作品が介在している所など、かなり美大生らしいのではないかと思います。

これを読んで、わたしが美大に入学して一番緊張したのは、最初の講評会(クラス全員の前で課題の作品を教授に批評される日)だったことを思い出しました。入学式当日の自己紹介や、その後の数回の会話より、その人が「どんな作品を創ってくるのか」という事こそが、やっぱり一番気になっていたのです。

この最初の講評会を経て、ようやく自分の今いる場所がわかったような気がしました。そしてまわりの面々のことも。

何かを創る行為や、何かを観て感じること。そしてこれらのことをお互いにわかり合えるというのは、非常に心強いことだと思います。

言葉にすると、「きれい」だとか「いいね」とか、素っ気ないものになってしまうけれど、言葉以上のものをお互いに感じている事がわかった時、わたしは本当に幸せな気分になるのです。モノつくりに携わる人は、この喜びを知っているからやめられないというのもあるのではないでしょうか。

がんばれ、クリエイター。

■姉妹いやげ対決 2003-11-10(月)

妹(酒)が来週から旅行に行くらしいです。まあそれはいいのですが、問題はこの旅行というのが曲者で、奴は旅行の度にこっちのツボをつくような「いやげもの」を買ってくるのです。いや、正確に言うと世間一般のいやげものというより「わたしにとっての」と言うべきか。(いやげもの:全く嬉しくないみやげもの by みうらじゅん)

一方的に贈り付けられるのでなく、お互いにやりあってはいるものの、旅行に出る回数が妹(酒)のほうが圧倒的に多いためこちらが不利なので、最近はネットで見つけた小ネタなどを奴の携帯メールに送り付けて応酬したりしています。

さて、そんないやげものの中でも最近のわたしをイラつかせていたのは、「トッポジージョの携帯ストラップ」。もうこの顔の出来がひどい。わたしの中でのトッポジージョのイメージを覆すほどの仕上がりで、こんなものを見つけてくる奴に心底怒り狂う。(ちょっと悔しい)

ストラップは付けない主義なので放っておいたのですが、ちょっとキーホルダーが必要な時に手元にいいのがなく、渋々これで代用するはめになってしまいました。

ところが先日、全く気をつかわない扱いをしていたせいか、なんとトッポジージョの両耳がもぎ取れるという事件が発生。

するとどうでしょう。ただでさえ憎たらしい顔だったのが、両耳が取れたことによって、よく映画に出てくる「アイスばっか食べてるアメリカの肥満児」みたいなキーホルダーに早変わりですよ。むきーーー!

まずい・・ここで反撃しないと確実にやられてしまう・・・そう思っていたわたしを、いやげものの神は見捨てなかったのです。いました、いましたよ!近所の雑貨屋に更に破壊力のあるトッポジージョが。

体長(耳の先まで)3.7cm、プラスチック製、小品でありながらストラップなどという機能性は一切なく、ただの置物という点も申し分ない。しかもこの顔・・・。

一見、非常に純真な表情でかわいらしく思えるのだが、よくよく見ると、なんだか純真すぎるのです。おそらくこの表情を作り出している原因は眼であると思われます。

トッポジージョの特徴とも言えるあの半開きのトロンとした眼こそ愛嬌のある顔の魅力であると思うのですが、このトッポジージョ、眼がパッチリとあいています。妙にこっちに訴えかけるような表情で、しばらく見てると本気で鬱陶しくなってきます。

そして最近の精巧な食玩を意識したのか何なのか、上着のストライプのセーターが、編み目を一つ一つを表現してあるという無駄な懲りよう。

これなら奴に勝てると確信を持って贈りつけたところ、案の定撃沈。膝にきてたね。

とまあここまで長々と書いてきて何が言いたかったかというと、このトッポジージョ、勢いでなぜか自分用も買ってしまい、今目の前にあり非常に不快であると。

尚、妹(酒)が旅行から帰ってくるのは今度の連休前あたりのようです・・・

■キモチのカタチ 2003-11-15(土)

受験生時代に人物画を描いている時、どうしても人物の「足」がうまく描けなくて、予備校の講師にも散々言われて悔しい思いをしており、ある時半分ヤケで一晩クロッキー帳一冊すべて自分の足だけを描いたことがありました。

それが発端だったのか、何か行き詰まるとクロッキー帳を持って外に出て、一冊描き終えるまで帰らないということをしたことが何度かあります。

これは技術習得というよりも体内のモヤモヤをすべて吐き出す行為に近いので、クロッキー帳に残された描線も何か余裕がなく、今観ても決していいものだとは言えません。

でもモヤモヤの原因が絵である場合、わたしは描くことで解決していくしかないのかもしれないし、描いたモノは目に見える形として残っていくので、それもまたいいのかなあと、自分にとっての言葉を扱うことの不自由さを思いながら、目の前の絵を観ているのでした。

■タイミング 2003-11-21(金)

絵を描くにしても写真を撮るにしても、非常に感覚が鋭敏になっている日というのがありまして、それはたまたま眼にした景色が自分の感性に響くものだったりとか、その日の天候によって生み出される風景の色合いだとか、体感する空気の流れや温度だとか、様々な要素がいい具合に自分に凝縮される時というのがあるのです。

そんな時に撮った写真とかスケッチは、後から見てもその時の感覚を鮮明に思い出すことが出来て制作にも役立つものになることが多いと感じます。

ただデジカメの写真の場合、保存しておいてもスッカリ忘れてしまうこともしばしばで、最近はそういうフォルダを探し出すのも制作準備のひとつにしています。

そんな中、昨年末頃に撮った写真が入ったフォルダを先程見つけ、そこに収まっていたのはまさにその鋭敏になった感覚で撮っていた時のものでした。なんだか自分が撮ったものとはいえ、忘れていたお宝が出てきたようで今ちょっと気分がいいのです。

そしてこういうのを見つける時と言うのは、なぜか自分の中で欲していたイメージに近い写真だったりするので、こういったタイミングはとても重要だと思っています。

最近感じるのは、人との出会いや絵や本などの作品との出会いもこういうタイミングで出来てるんじゃないかなあということ。タイミングがぴしっと合った時の刺激的な気持ちよさがある限り、退屈することはないなあとニヤニヤ笑ってる早朝5時。

■休日日記 2003-11-27(木)

連休は友人の結婚式の二次会と、オフ会に出てました。

* * * * *

<オフ会一言メモ>(リンクは全て別窓)
秋田からはるばるやって来た柊さん。とても二人も子どもがいるとは思えない若々しさ。TAKEXさん曰く「もっとダンディな人だと思ってた」という言葉に全てが集約されてる。

茜のお兄ちゃんにお会いできたので、先日「茜17歳を描いてみよう!」をご紹介頂いたお礼を言う。

中華屋では各人呑んでしゃべってもうなんだか混沌としていた。その間、ママンと女二人で隅っこで気焔をあげたりする。(主に紹興酒が原因で)

二次会のカラオケはアジさん荒井さんの「二人のビックショー」。合間に入るBlackさんの華麗な舞が忘れられない。

最後は柊さんのご家族へのお土産購入ツアー。都内はよく知らないというわたしの勝手な意見により、徹夜明けの状態で横浜中華街まで連れていくという頭のおかしい行動に出る。(ごめんなさい)

子どものお土産を選ぶ柊さん、お父さんモード発動。

買い物も無事済んで新幹線改札までお見送り。きっととうぶん会えないとは思いつつも、お互いもう頭が働いてないので、近所の友人並にアッサリとお別れする。

以上。(関係者の皆様お疲れさまでした。楽しかったです)

* * * * *

オフ会関係が一通り済んだあと、疲労度はMAXだったのですが、切符を買おうと財布を覗いたら「東京に出たら行きたい展覧会リスト」なる自分で書いたメモを発見。交通費分は用事をこなしたいという貧乏根性から、その足でフラフラと美術館に行ってしまう。

長年の経験から、展覧会は体力のある時に行くべし。とわかっていたけど、途中、会場内の所々にあるソファで意識を失いつつも全館観て回る自分の貧乏性に二度びっくり。

観て来たのは、東京国立近代美術館の企画展『旅展』と『イサム・ノグチの「あかり」展』、そして常設展。

『旅展』はチケットが航空券のようで、パスポートに似せた会場案内に入場時に出国スタンプみたいなのを押してくれたりと、企画自体がかなり遊び心が溢れています。(カタログも手帳サイズでかわいい)。そして「ここではないどこか」というテーマは、わたしが創る絵にも近いものを感じたので、観に行って良かったです。

ここの美術館はわたしの好きな作品をたくさん所蔵しているので、常設展はいつも必ず観ます。

【鑑賞ワンポイントアドバイス】
美術館に行ったとき、自分がルパンになった気分で一枚だけ盗むつもりで絵を選ぶとすごい興奮するよ。

わたしが今回ルパンの眼で選んだのは以下の作品。え?一枚なんて選べる訳ないじゃん。

・野田英夫「帰路」
好きな絵ベスト3に入ると思う絵。初めてこの絵を観た影響で大学4年の時「夏の日」を描いた。

・藤田嗣治「猫」
これに付いてる額縁が気に入らないので、うちに飾るならもっとシンプルなのにして・・とかイロイロウキウキ観る作品。猫たちもいいんだけど、背景色の色味もステキ。

・須田国太郎「犬」
同じ動物でも、こっちはじっくり対話したい。

・土田麦僊「湯女」
この人のたっぷりとした描き方は、なんだか観ていて心が緩む。以前観た「島の女」も良かったなあ。


『あかり展』も非常に良かったんだけど、さすがに体力が限界で流し観で済ませてしまう・・ああ、ちょっと後悔。企画展は共に12月21日までやっているので興味のある方は是非。東西線竹橋駅からすぐです。(時間があったら常設展もほんとオススメですよ)

ただし、体力のある時にどうぞ。

■参考リンク
東京国立近代美術館

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