男性不妊 流産癖 悪阻(つわり) 安産 逆子 産後ケア 乳汁不足

不妊症

原因不明の不妊に効果的
 鍼灸治療で不妊症が治るというのは一般的には知られていませんが、最近では芸能人でも不妊治療に鍼灸を選択する人が増えてきました。長年に渡り、さんざん病院の不妊治療を続けても妊娠しなかったのに鍼灸治療を半年続けただけで妊娠にいたる。患者さんにとってはもちろんですが、施術者にとっても本当に嬉しい瞬間です。不妊治療を手掛けている鍼灸治療院では日常ありふれた光景ですが、本当にそんなことがあるの?と疑いたくなる気持ちも分かります。鍼灸治療で治せる不妊は病院の検査で明らかな異常が見つからないものです。例えば片側の卵管がつまっていたら妊娠する確率は下がってしまいますし、両側がつまっていたらまず妊娠は難しいでしょう。その場合はつまりを改善するか体外受精をした方が妊娠確率は高いと思います。ただ不妊症の原因がはっきりしないケースも多くあります。原因がはっきりしないというのは西洋医学的には分からないだけで、東洋医学的には明らかに妊娠しにくい状態であると分かることがあります。
卵子を元気に保つ
年齢とともに卵子は減少するだけでなく質も低下します。当たり前ですが卵子も老化していきます。過剰なストレスと疲労、冷え、睡眠不足、偏った食生活、喫煙などで老化が加速すると言われています。逆に考えれば心身を元気にすることが卵子を元気に保つうえで重要ということです。病院の不妊治療はストレスもかかるし疲弊していく方もいます。鍼灸の不妊治療はストレスを軽くし身体が元気になっていきます。そこが一番の大きな違いではないでしょうか。心身が元気になれば卵子も元気になると考えています。
子宮内膜をフカフカに

妊娠は植物で例えれば、種と土壌の関係に似ていると考えられます。種が強力であれば土壌が痩せていても育ちます。土壌が肥沃であれば種が少し弱くても育ちます。種が弱くて土壌も痩せていれば育つのは難しいでしょう。種が精子で、土壌が卵子です。受精後は、種が受精卵、土壌は子宮内膜になります。子宮内膜を厚くフカフカにすることが妊娠には大切になってきます。そのためには子宮内膜に血を豊富に送りこむことが必要となります。東洋医学的診断で血虚と診断された場合はその送り込むための血が不足した状態なので当然子宮内膜はフカフカになりません。生理時の経血量が少ないタイプです。また瘀血と診断された場合は血は豊富にあってもどこかで滞っていて子宮内膜に届けられない状態なのでこれもよくありません。生理時に経血が黒っぽく血の塊りがでやすいタイプです。いずれのタイプも原因を根本から改善し子宮内膜を血で潤すことが妊娠のためには必要です。
生理と基礎体温の調整がカギ
実際に血虚や瘀血といった状態が改善されたかどうかは、脈にも現れてきます。自覚的には生理痛や生理周期の状態の改善や、基礎体温がしっかり二相で描かれるかでも分かります。不妊症の方では生理痛があるのが当たり前と思っている人もいて鍼灸治療で生理痛がなくなってくると驚かれます。しかし血虚も瘀血もない状態では生理痛もないのが当然なのです。これは痛み止めでごまかしている状態とは全く違う話です。身体が本質的に変わってきた結果として生理痛がなくなるのです。血虚の場合は冷え性の人も多いので基礎体温もはっきり上がらなかったりします。妊娠の準備に要する気血というエネルギーが不足しているのです。鍼灸治療はその不足を補うことができます。その結果冷え性が改善され基礎体温がはっきり二相を描くように変わります。生理の状態と基礎体温が改善したら女性側の準備は万端となります。

男性不妊

不妊の原因の半分は男性
不妊の原因の半分は男性にあると云われています。それにも関わらず男性は不妊治療に積極的でないケースがみられます。それが女性側からしたらストレスの一因となります。病院に通ってまで子供は欲しくない、という男性もいるようです。精子の数や運動率は病院で検査すればすぐに分かる簡単な検査です。そして鍼灸治療で、精子の数も運動率も増やす効果が期待できます。仕事や家庭のストレスで疲れ切った身体では元気な精子も製造されないのです。鍼灸治療はその疲労やストレスの軽減が期待できるので子供が欲しいとか欲しくないとかに拘らずに身体の調子を整えるために通院する、くらいの気持ちで続けるのが良いようです。喫煙や飲酒、運動不足も確かに悪いかもしれませんが、疲労とストレスはもっと悪いと考えています。心身が快調になれば、その結果として精子も元気になり、妊娠確率が上がると思われます。
体外受精も選択肢に
生まれつき虚弱体質の男性の場合、精子の状態が元気になってこない場合もあります。全く性欲がないという人もいます。女性の側の準備が整っても妊娠しない場合は男性側の精子の状態が問題となっているケースが多いです。世間一般的に精子の弱りが出てきました。原因は環境ホルモンとか食品添加物とか様々云われていますがはっきりしません。草食系男子が増えたことも関連がありそうです。精子が弱過ぎる場合は体外受精も考えなければなりません。体外受精を選択する場合も鍼灸治療で妊娠しやすい状態に体を整えておいた方が妊娠確率は上がることが期待されますので病院の治療と併用することをおすすめします。

流産癖

出産の脈に注意
自然妊娠でも人工授精でも体外受精でも妊娠が判明した段階ではまだ安心できません。妊娠を維持できるかどうかが大事だからです。流産というのはかなり高い確率で起こります。病院で確認されているだけでも妊娠した女性の15%は流産します。年齢が上がる程流産する確率も上がります。病院を受診していない場合は単なる生理として流産しているケースも多いので妊娠した女性の40%近くは流産しているのでは?とも言われています。流産する確率は高いですが、高く見積もっても2回に1回は流産せずに済むはずです。それが3回も4回も続くとなると身体に異常があると考えた方が自然です。何回も流産するということは母体に妊娠を継続するだけの体力がないと考えられます。妊娠状態というのはかなりのエネルギーを必要とします。継続した場合母体の安全が保障できない場合、母体を守るために妊娠をストップするのです。東洋医学では血虚という状態がひどいと流産しやすいと考えています。胎児を育てるために多くの血が必要なのに、その血が不足した状態だからです。鍼灸による不妊治療をして妊娠した場合は血虚体質の改善はされているので大丈夫なのですが、妊娠したからといって治療をやめてしまうと心配です。妊娠状態が血を消耗するのでまた血虚になりやすいからです。鍼灸で血を補う治療をしながら流産を予防することをお勧めします。脈診というのは便利で、出産が近づくと腎虚の脈を打つのですが、妊娠初期に打つような場合は流産の恐れがあるのです。腎虚にならないように腎を補う治療をすることが重要です。

悪阻(つわり)

二日酔いが続く
つわりは妊娠した証明でもあります。特に不妊治療をしてきた方には嬉しいことのはずですが、二日酔いが冷めることなく毎日続くかのような状態は大変です。個人差が大きいのでひどい場合は治療が必要です。同じ人でも中にいる赤ちゃんによって症状が全く違ったりするので不思議です。よくつわりに効く薬はないとか言われますが、鍼灸治療は劇的に効く場合も多いです。効きやすいのは湿熱タイプで二日酔いの治療と同じで湿熱を抜いてあげます。ストレスを受けやすい神経過敏タイプは症状がひどく出る傾向があって少し時間がかかりますが、体力を落とさないために最も治療が必要な人です。こちらは胃腸を元気にするように補ってあげます。鍼灸は足りない場合は補うことができるし、余計なものが溜まっている場合は除くこともできるし、とても便利な治療法だな!と感心します。つわりで苦しんでいる方は我慢せずに鍼灸治療を試してみてください。

安産

母体の健康が赤ちゃんに大切
妊娠状態は、子宮周辺に気血を大量に集中させて胎児を育てます。気血が豊富な人は平気で仕事できたりしますが、もともと気血が少ない人は頭や手足に気血が不足し、疲れやすく、眠くなり、目の疲れ、めまい、足がつる、浮腫むなど気血不足症状がでます。鍼灸治療は気血を増やし、母体を元気にすることができます。母体が健康であれば赤ちゃんも豊富な気血を受け元気に育ちます。昔から行われている安産灸という有名なお灸もあります。安産祈願も良いですが、鍼灸で母体を健康に保つことでお産も軽くすむことが期待されます。体力的に余裕がある状態でお産に臨み、安産であれば産後の肥立ちも良くなります。出産は子育ての始まりであって終わりではありません。出産をできる限り楽に経過することが子育てには重要です。

逆子

足が冷えていませんか?
逆子は逆気といって足や下腹が冷えて上半身に熱が多いような人に多いです。上半身は熱いので冷え性だという自覚はなく、足や下半身の冷えに無頓着でスカートをはいている患者さんもいました。触ればすぐ分かるくらい足が冷えているのにも関わらず本人は無自覚なのです。それで赤ちゃんが冷えを嫌がって頭を逆にしてしまうのです。これには昔から使われている至陰という良いツボがあって、お灸をすると足も温まって逆気が改善され、赤ちゃんもお腹の中で喜んでいるかのように動き回ります。もちろん全身調整をしてからでないと効果は薄くなります。逆子体操をやってもなかなか改善しない方は早めにご来院ください。28週から32週までが治療に最適な時期です。34週過ぎると確率が下がります。36週過ぎるとほぼ難しくなりますが、ギリギリで治る例も少数ながらあります。

産後ケア

気血が失われていませんか?
出産は気力、体力を尽くしての大仕事です。実際に気血を消耗するわけです。気を消耗し過ぎると産後うつになりやすく子育てに対し気力が湧きません。フワフワして落ち着かず疲れやすくなります。血を消耗し過ぎると不眠傾向で目が疲れやすくなり、頭痛や腰痛がでます。二人目不妊になったりします。出産を機に体調が良くなる人と悪くなる人、産まれ持った体質で違います。気血が旺盛で滞りやすい体質の人は出産と一緒に滞っている悪いものを出してデトックスのように体調が良くなります。もともと気血が少ない体質の人が体調が悪くなりやすいです。せっかく苦労して産んだ赤ちゃんに愛情を注げないのはとっても辛いことです。自分を責めることもあるでしょうが、誰も悪くありません。出産によって気血というエネルギーを消耗し過ぎたせいです。心身が疲れ切っているのです。鍼灸治療によって気血を補ってあげれば身体が元気になり、心も本来の状態に戻ります。赤ちゃんの夜泣きがひどくて睡眠が妨げられている場合は小児はりをお勧めします。

乳汁不足

母乳が足りていますか?
母乳=白い血液です。そして赤ちゃんにとって最高の栄養源であることが科学的にも解明されてきました。人の子には人の母乳が一番合うのは当然のことと思います。母乳が血液から作られるということは、血虚といって血が不足した身体の状態では母乳を十分に作ることはできません。出産によって血を失うこともありますし、産後にすぐハードワークをしても失われます。産後は無理してはいけないのです。乳汁不足の治療は、根本治療としての血を補う治療と、肩背部の血液の流れを良くする治療がメインとなります。乳房に直接治療を行うわけではありませんので恥ずかしがらずに相談してください。

こんな症状に!