難病について

症状が難病からとは限りません
鍼灸治療院には難病を患った方も来院されてきます。難病の患者さんを治療していて思うのは、難病由来の症状と、その他の症状を分けて考えないといけないな、ということです。例えば心臓の難病を抱えた人の場合でも、動悸や息切れが自律神経を乱されたためや甲状腺機能亢進(バセドウ病)によって起こっている場合もあるし、胸痛が心臓神経症からくることもあるということです。難病の方でも身体がずいぶん楽になったと喜ばれることが多いのは、全ての症状が難病由来ではないからだと思っています。難病そのものに対する効果もあるとは思っていますが、その人全体として少しでも楽に生活できるように治療技術を向上させていかなければいけないと思っています。鍼灸にはまだまだ未知の可能性があるからです。

パーキンソン病

身体能力の維持が重要です
パーキンソン病は抗パーキンソン薬の開発によって平均寿命が縮まらない病気となりました。そこで大事なのが身体能力をできるだけ長く維持することです。寿命は長いのに動けないのでは大変です。鍼灸治療では筋の固縮を弛めて首肩や腰の痛みを緩和し、歩行に重要な大腿四頭筋などの筋力低下を防ぐことを目標に治療します。それが転倒予防につながるのです。またうつ症状や胃腸障害など自律神経症状の改善効果も認められています。QOL(生活の質)を上げるのに鍼灸治療は有効です。

予防意識が重要です
健康な人でも毎日のように癌細胞が生まれ続けているそうです。それを通常は免疫細胞がやっつけているため癌にならずに済んでいるのです。免疫が弱っている場合は癌細胞の増殖の方が勝ってしまい癌になるということです。免疫を落とす原因として一番悪いのは過労とストレスだと思います。癌の種類によって遺伝因子が高いもの、環境因子が高いものとありますが、過労とストレスは間違いなく免疫を弱らせます。病気の告知が癌ストレスというさらなるストレスを生みます。癌と聞いた途端ショックで心身ともに弱ってしまいます。東洋医学では癌になりやすい脈というのがあります。これはストレスが溜まって疲労状態の時に打つ脈です。慢性的にこの脈を打つ人は癌リスクが高いと思って診ています。鍼灸による癌予防はその脈を打たないようにすることです。治療によってストレスが緩和され、疲れも抜けるようになってくるとホッとします。
緩和ケアとして
癌と診断されたものの中でも悪性なものと良性なものとあります。良性なものは予後も良く日常生活に戻れます。悪性のものは日常生活が徐々に奪われていきます。鍼灸治療は癌による痛みや疲労感にも効果が期待できます。

こんな症状に!