ユークリッド空間Rnの部分空間の直交トピック一覧  

 ・定義:部分空間の直交性直交分解 
 ・定理:
部分空間の直交の必要十分条件     

 ユークリッド空間Rnにおける直交補空間関連ページ:
   
直交補空間の定義/直交補空間の性質/直交補空間の基底・次元/直交射影  
 
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ユークリッド空間Rnの定義〜内積・ユークリッドノルム・ユークリッド距離/内積の性質
 
線形代数目次総目次

定義:ユークリッド空間Rnの部分空間の直交 

舞台
設定

R  :実数体R  
Rnn次元数ベクトル空間 
v1, v2n次元数ベクトル
  具体的に書くと、v11, v12, , v1nRとして、v1=( v11, v12, , v1n )n 
          
v21, v22, , v2nRとして、v2=( v21, v22, , v2n )n 
v1v2n次元数ベクトルv1,v2自然な内積
     これによって、
n計量実ベクトル空間となる。 
v‖:計量実ベクトル空間Rnにおけるユークリッドノルム
           (
自然な内積を用いて定義される) 
d (v1,v2)ユークリッドノルムから定められたユークリッド距離  
Rn,d):n次元ユークリッド空間  
W1W2 :n次元数ベクトル空間Rn部分ベクトル空間 

[文献]
砂田『
行列と行列式』§7.1-(e)補題7.25(2)(p.250);

定義

n次元数ベクトル空間Rn部分ベクトル空間W1 , W2互いに直交するとは、
W1 任意と、W2 任意が、直交することをいう。
すなわち、(
xW1)(yW2)(xy=0)   

記号

n次元数ベクトル空間Rn部分ベクトル空間W1 , W2が互いに直交する
ということを、
   「
W1W2
 で表す。  

定理:部分空間の直交の必要十分条件 

舞台
設定

R  :実数体R  
Rnn次元数ベクトル空間 
v1, v2n次元数ベクトル
  具体的に書くと、v11, v12, , v1nRとして、v1=( v11, v12, , v1n )n 
          
v21, v22, , v2nRとして、v2=( v21, v22, , v2n )n 
v1v2n次元数ベクトルv1,v2自然な内積
     これによって、
n計量実ベクトル空間となる。 
v‖:計量実ベクトル空間Rnにおけるユークリッドノルム
           (
自然な内積を用いて定義される) 
d (v1,v2)ユークリッドノルムから定められたユークリッド距離  
Rn,d):n次元ユークリッド空間  
W1W2 :n次元数ベクトル空間Rn部分ベクトル空間 

[文献]
砂田『
行列と行列式』§7.1-(e)(p.250);

定理

S1S2    S1S2    S2S1  

定義:ユークリッド空間Rnの直交分解 

舞台
設定

R  :実数体R  
Rnn次元数ベクトル空間 
v1, v2n次元数ベクトル
  具体的に書くと、v11, v12, , v1nRとして、v1=( v11, v12, , v1n )n 
          
v21, v22, , v2nRとして、v2=( v21, v22, , v2n )n 
v1v2n次元数ベクトルv1,v2自然な内積
     これによって、
n計量実ベクトル空間となる。 
v‖:計量実ベクトル空間Rnにおけるユークリッドノルム
           (
自然な内積を用いて定義される) 
d (v1,v2)ユークリッドノルムから定められたユークリッド距離  
Rn,d):n次元ユークリッド空間  
W1W2 :n次元数ベクトル空間Rn部分ベクトル空間 

[文献]
砂田『
行列と行列式』§7.1-(e)(p.250);

定義

直和分解
    
直交分解であるとは、 
 
W1(W2Wn)  
 
かつ 
 
W2(W1W3Wn)  
 
かつ 
 
W3(W1W2W4Wn)  
 
かつ
 
W4(W1W2W3W5Wn)  
 
かつ
 :   
 
かつ
 
Wk(W1Wk1Wk1Wn)  
 
かつ
 :   
 
かつ
 
Wn(W1Wn1)  
が満たされることをいう。  

 

(reference)
日本数学会編集『岩波数学辞典(第三版)』 岩波書店、1985年、項目341ヒルベルト空間C.正規直交系(pp.1006-7)
線形代数のテキスト
ホフマン・クンツェ『
線形代数学I』培風館、1976年。
永田雅宜『
理系のための線形代数の基礎』紀伊国屋書店、19864.3(p.119);
佐武一郎『
線形代数学(44)』裳華房、1987年。
志賀浩二『数学
30講シリーズ:線形代数30』朝倉書店、1988年。
藤原毅夫『理工系の基礎数学
2線形代数』岩波書店、1996年。
斎藤正彦『
線形代数入門』東京大学出版会、1966年、4章§6計量線形空間(p.123)
砂田利一『現代数学への入門:
行列と行列式2003年、§7.1-(e)直交補空間 (pp.249-250).

解析学のテキスト
杉浦光夫『
解析入門I』東京大学出版会、1987年、I章§4(pp.33-38)
数理経済学のテキスト
神谷和也・浦井憲『
経済学のための数学入門』東京大学出版会、1996年、§3.2.3(p.124)