部分空間の直交 : トピック一覧


 ・定義:部分空間の直交性/直交分解  
 ・定理:部分空間の直交の必要十分条件 


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定義:部分空間の直交 


【舞台設定】

 R  :実数体 
 V  :有限次元ベクトル空間であって、計量実ベクトル空間
 S1S2  :V部分空間 
 
【定義】

 計量実ベクトル空間V部分空間S1S2互いに直交するとは、
 S1任意と、S2任意が、直交することをいう。
 すなわち、xS1  yS2x,y=0 )   

【記号】


定理:部分空間の直交の必要十分条件 


【舞台設定】

 R  :
実数体 
 V  :有限次元ベクトル空間であって、計量実ベクトル空間
 S1S2  :V部分空間 
  
【本題】
 
 S1S2    S1S2    S2S1  

【文献】

 ・砂田『行列と行列式』§7.1-(e)(p.250)


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定義:直交分解 


【舞台設定】

 R  :実数体 
 V  :有限次元ベクトル空間であって、計量実ベクトル空間
 S1 , S2 , …, Sk : V部分空間  

【本題】
 
 直和分解
    
 が直交分解であるとは、

  W1(W2Wn)  
  かつ 
  W2(W1W3Wn)  
  かつ 
  W3(W1W2W4Wn)  
  かつ
  W4(W1W2W3W5Wn) 
  かつ
  :   
  かつ
  Wk(W1Wk−1Wk+1Wn)  
  かつ
  :   
  かつ
  Wn(W1Wn−1)  

 が満たされることをいう。

【文献】

 ・砂田『行列と行列式』§7.1-(e)(p.250)


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(reference)


 日本数学会編集『岩波数学辞典(第三版)』 岩波書店、1985年、項目341ヒルベルト空間C.正規直交系(pp.1006-7)

【線形代数のテキスト】

 ホフマン・クンツェ『線形代数学I』培風館、1976年。
 永田雅宜『理系のための線形代数の基礎』紀伊国屋書店、1986年4.3(p.119);。
 佐武一郎『線形代数学(第44版)』裳華房、1987年。
 志賀浩二『数学30講シリーズ:線形代数30講』朝倉書店、1988年。
 藤原毅夫『理工系の基礎数学2:線形代数』岩波書店、1996年。
 斎藤正彦『線形代数入門』東京大学出版会、1966年、4章§6計量線形空間(p.123)。
 砂田利一『現代数学への入門:行列と行列式』2003年、§7.1-(e)直交補空間 (pp.249-250).

【解析学のテキスト】

 杉浦光夫『解析入門I』東京大学出版会、1987年、I章§4(pp.33-38)。

【数理経済学のテキスト】

 神谷和也・浦井憲『経済学のための数学入門』東京大学出版会、1996年、§3.2.3(p.124)。