コロッセオ内部は、思っていた以上に広い。なにしろ、当時で5万人以上を収容したというのだから、規模が違う。周縁部の中にはいろんな展示がしてあり、それらを一つずつ見ていく。それにしてもここは日本人だらけで、どこを歩いていても日本語が聞こえてくる。それがちょっと嫌だった。
周縁部から、中央吹き抜け部が見渡せる屋外へと出る。競技場になっているあたりがしっかり見渡せる。撮影スポットはいくらでもあるので、混んでいても写真は撮りやすい。ぐるりと一周し、景色を楽しむ。
ローマパスの割引を適用して美術館に入る。館内表示からすると二階にカフェがあるようなので、エレベーターで二階へ行く。ところが、そのエレベーターからは行けないようで、いったん一階に降りてから、別のエレベーターで昇る。カフェはあったが、今度は僕が財布をクロークに預けてきたことが発覚する。あでりーに先に入って待っていてもらい、取りに戻る。
カフェに戻ったところでようやく落ち着き、テラス近くの席で休む。
英気を養ってから、美術館の中を進む。ここは彫刻が多いので、そのあたりは飛ばしながら見ることに。あいかわらず建物自体の造りが素晴らしい。そしてここでも目当てはカラヴァッジョだ。『洗礼者ヨハネ』。スタッフに確認すると、昨日見たドーリア・パンフィーリ美術館のものと、どちらも真作だとのこと。違いはほぼないくらいだが、こちらのほうがやや人物が大きく、絵全体は小さい気がする。そしてもう一枚のカラヴァッジョ、『女占い師』は貸し出し中だった。でもこの作品は2016年のカラヴァッジョ展で見ているものなので、それほど悔しくはない。
彫刻群の中に、ロムルスとレムスの像の実物があった。さきほど外で見たのは、これのレプリカだったのだ。それから、巨匠ベルニーニによるメドゥーサも鑑賞。彫刻も、ちゃんと見てみるといい作品はたくさんある。
広場をはさんだ別館へは地下通路を通る必要があった。別館側にはさほどめぼしいものはなく、ざっと見てから外に出る。
美術館を出てから階段を降り、ヴェネツィア広場を見渡してからバスに乗る。宿の近くまで戻ったところでスイーツを食べたくなり、駅のそばにある「
POMPI」へ向かう。チョコ系のケーキ2個を買い、スーパーで鶏肉、ナス、トマト、水を買って帰宅。
今日の夕食は、僕がトマトパスタを作るのだ。買ってきたトマトは、日本では見かけない「牛の心臓」というものだ。全体にひだひだがあり、面白いなあと思いながらナイフで刻んでいく。
ところが、途中まで作ったところで異変に気づく。床から水がしみ出していたのだ。あでりーに聞くと、朝もそうなっていたという。思い当たるところがあったので、流し下部の扉を開けてみた。やっぱり! 以前、流しから水が流れなくなり、排水パイプにつながるパイプをつけたり外したりしたことがあった。その時は、ただ排水溝の栓を閉じていただけだとわかったのだが、パイプのつけ方がまずかったらしく、流しの水がパイプから漏れていたのだ。
幸いなことに、流しの直下には洗面器が置いてあり、そこに水がたまっていて、洗面器からこぼれた水がさらに床にしみていたことがわかった。洗面器の水を捨て、床に雑巾をかける。床はひどく汚れており、溜まった水は真っ黒だ。どんな汚れなのか見当もつかず、かなり気持ちが悪かった。履いていたスリッパも水浸しになったので、靴を履いて作業をした。
手も服も汚れてしまったので、先にシャワーを浴びる。その後、相当に疲れてはいたが、料理を再開。その間にあでりーにもシャワーを使ってもらった。トウガラシもコショウもなく、味付けは塩、砂糖、酢のみで、なんとか作る。火力は最大にしているのに、なぜか火の通りが悪く、炒めるのに時間がかかった。
それでもなんとか完成。パスタは全粒粉の平打ち麺。これにトマトソースをかけ、パンと共に頂く。うん、調味料や調理器具の不足する中で作ったにしては上出来だろう。
その後、デザートでさきほどのスイーツを頂く。こちらは甘すぎてイマイチだった。チョコ&パンを口直しに食べる。もちろん今日もエスプレッソを2杯ずつ淹れ、2杯目はカフェラテにする。
明日はヴァチカンに7時到着の予定だ。二人とも早くに就寝。