イタリア周遊
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■ ローマからフィレンツェへ
3/1(木)
■ バルベリーニ美術館から始まる
 ぐっすり寝ては2時間ほどで起き、を繰り返し、4時過ぎに起床。ほどなくあでりーも起きる。二人とも熟睡できたようだ。あでりーが先にシャワーを浴び、僕は書けずにいた日記をパソコンで書く。
 今日の予定はあでりーが考えてくれた。まずは、早朝から開いているバルベリーニ美術館へ行く。その後、ボルゲーゼ美術館で予約を取り、ポポロ広場の教会で絵を見たあと、地下鉄のアクセスがいいバチカン裏のピザ屋で昼食、という感じ。

 8時に荷物をまとめ、チェックアウト。フロントでスーツケースを預け、外に出る。寒さは昨日と同じくらい。駅周辺の撮影をしてから構内に入り、メトロ&バス用の一日乗車券を買う。チケット販売機で50ユーロ札を崩そうとしたが、駄目だった。
 ラッシュアワーのためか、ローマ初のメトロは激混みだったが、一本待った次の電車はさほど混んでいなかった。バルベリーニ駅で降りる。外に出るが、バルベリーニ美術館の場所がわからない。周辺を歩き回り、何人かに確認したすえ、駅から出てきた場所の裏手だと判明する。

 坂道を上り、美術館の入口を発見。ところが、8時半だと思っていた開館時刻は9時だった。時間があるので駅前まで坂を下り、カフェに入る。お茶だけのつもりがパンやスイーツも売っており、カプチーノとクッキーとのセットが安かったので注文する。カプチーノは美味しいが、クッキーは贈り物の詰め合わせみたいな味だった。

 バス路線図を見ていたあでりーが、ここからボルゲーゼ美術館までバスで行けそうなことを見つけてくれた。店を出るとき、スタッフにバス停の場所を聞いてみると、「バスに乗らなくても歩いて行けるよ、5分くらいだよ」との返事。ただ、あまり信用できそうにないので、二手に分かれてバス停を探す。結果、あでりーが見つけてくれた。

〜 バルベリーニ美術館 〜
 あらためてバルベリーニ美術館へ赴く。中に入ると、以前は宮殿だっただけあって、建物の荘厳さが際立っている。クロークやトイレは地下にあり、階段を下りた先になぜか古代のバスタブが置いてあった。荷物を預けて受付に戻る。チケットを買うと、このチケットでコルシーニ美術館にも入れるよ、と教えてもらう。さらに詳しく聞こうとしたが、そっけない対応の受付スタッフだったので、それ以上のことはわからずじまい。

 ともかく中に入る。いきなり1300年代の絵画が登場し、さらに、見たうちで最古と思われる1000年代の絵も出てくる。日本の美術展のようにじっくり見ていると消耗するので、海外の美術館ではいつも流し見モードとなる。それでも今回初の美術館だから嬉しくて、しっかり見入ってしまう。絵ばかりではなく、建物の造りや内部装飾の重厚さがただごとではない。
 知らない名前の画家が多いが、なんとなく目にしたような名前も出てくる。一階をざっと見てから二階へ移動。階段の周囲にも巨大な像があったり細かい細工がしてあったり、とにかく見ごたえたっぷりだ。

 二階では、エル・グレコの絵が二枚並んでいるのを発見。館内はなんと撮影OKなので、バシバシ撮っていく。
 そして二階の奥の展示室にようやく見つけた、カラヴァッジョ! 今回の旅では相当な数のカラヴァッジョを見ることになるが、まずはここがスタートだ。覚えやすい構図の『ホロフェルネスの首を斬るユディト』、絵全体が沈んだ色調の『瞑想する聖フランチェスコ』。どちらも画像では何度も見ているから馴染みがある。『ナルキッソス』は東京展以来の再会だ。この部屋だけは時間をかけて鑑賞する。ほぼ僕ら二人だけの独占状態になっており、たまに他の人が来ても素通りしていったりして、「カラヴァッジョを素通りか!」と驚く。じっくり撮影をし、絵の細部に目をこらす。『ユディト』のお婆さんの表情、ユディトの服の胸のあたりが透けていること、ナイフの柄が木製なことなどを確認。でもこの絵は画像で見るのとほぼ同じ印象だった。やはり『ナルキッソス』の実物を目の前にすると違う。この三枚の中ではこの絵がピカイチだ。

 バルベリーニの至宝を十分に堪能し、外に出る。建物の周囲に猫が何匹かいて、逃げないので写真を撮る。

〜 豪華な天井画 〜

〜 エル・グレコ作の二枚 〜

(左)『ナルキッソス』 (右)『瞑想する聖フランチェスコ』

『ホロフェルネスの首を斬るユディト』

〜 美術館の敷地内にいた猫たち 〜
■ ボルゲーゼからポポロ広場へ
 坂を下りてあでりーの見つけたバス停に移動し、乗り込む。降りるバス停を探していたら、車内のおじさんが教えてくれてた。しかも同じバス停で一緒に降り、先導までしてくれた。かなり近くまで一緒に行ってから、言葉を交わして別れる。感謝!
 すでに道路脇の柵の向こう一帯がボルゲーゼ公園だ。公園の入り口があったので中に入る。ところが公園内も広いので、美術館までの行き方がわからない。迷っていると、また一人の女性が声をかけてくれて、美術館までのルートを教えてくれた。困っているといろんな人が声をかけてくれるので、本当に助かる。

 公園の中にはたくさんの鳥がいて、心が浮き立ってくる。カラス、ハト、スズメ、シジュウカラ。全身グレーのツグミ、抜け鳥らしい緑のオウム。オウムはかなりの数がいて、放しているではと推測。アカリスが木の根元を走っている。
 のんびり歩いていると立派な屋敷が見えてきた。ここがボルゲーゼ美術館だ。階下にあるチケット売り場に入り、予約したい旨を告げる。しかし驚いたことにここでも予約はできず、電話でないとだめらしい。「電話を持っていないから今ここで予約したいのだ」と訴えるも、「I"m sorry」との返事。「いま、まさにこの美術館にいるのに!」と思うが、どうしようもないらしい。しかたなく外に出る。今朝のホテルのフロントでもう一度頼んでみるか、あるいはネット予約にするか。方策を立て直す必要があった。

 ともかくここにいる理由がなくなったので、歩いてポポロ広場に向かう。地図を見ながら、公園の中の道を下っていく。途中で、観光者らしきカップルに美術館までの道を尋ねられるが、既にかなり遠くてわかりづらいので、説明に苦労する。なんとか伝えるだけは伝えたが、おそらくあの二人はまた迷うことになるだろう。
 だいぶ歩いた先に、ポポロ広場が出てきた。なかなかに広い場所で、似たような教会が二つ、広場の端に並んでいる。目指すサンタマリア・デル・ポポロ教会は、広場入ってすぐのところにあった。

〜 ボルゲーゼから歩いてポポロ門に着いたあたり 〜

〜 ポポロ広場に建つ二つの教会 〜
 昨日のサンタ・マリア・マッジョーレ教会も凄かったが、こちらも同様に各パートごとに一つの教会並みの充実ぶり。右手前からぐるっと見て回り、奥の左手に出てきたのが、目的のカラヴァッジョ! 中央の祭壇画をはさんで、『聖ペテロの磔刑』『聖パウロの改宗』という二枚がある。こうした有名な絵画が置かれている教会では、お金を入れると数分間、絵にライトを照らしてくれるところが各所にある。教会の中は通常薄暗く、そのままでは絵画鑑賞に向かないからだ。
 僕らはそれを知りつつ、ライトを誰か点けてくれないかと待っていた。ほどなく、一人の女性がお金を入れてくれた。ここも撮影OKなので何枚も撮る。間近では見られないものの、これまで見たうちで一番大きなカラヴァッジョ作品なだけに、感激もひとしおだ。ライトが消えるまでしっかり見て、立ち去る。

(左)『聖ペテロの磔刑』 (右)『聖パウロの改宗』
■ 昼食の切り売りピザ
 昼食の時間になったので、ポポロ広場からメトロに乗り、「Pizzarium Bonci」というピザ屋をめざす。あでりーが調べてくれた、観光客ではなく地元民が行きつけにするような切り売りのピザ屋さんだ。詳細地図が手元にないので、スマホで確認する。
スマホには、google地図上に自分で登録した地点を一覧で表示する自作のプログラムを入れてきてあった。じゅうぶんに役だったが、現在位置表示が今ひとつ正確ではなく、苦労することもあった。
■自作のイタリア地図
 現在地表示が正確ではなくて迷うが、通り名の表示から判断して進む。結局、最初のメトロ出口近くまで戻って来て発見。
 小さい店にビジネスマンらしき人々がひしめき合い、賑わっている。並んでいるピザはおいしそうなものばかり。アーティチョークのピザと、肉の上にチーズをかけたピザという二枚を注文。これぐらいの大きさで、と指で示すと、若い女性スタッフが豪快に切ってくれる。ライスコロッケも並んでいたので、種類を聞いてから、トマト&チーズ入りを1個注文。その後、運よく店内の席が取れたので待つ。けっこう時間をかけて温めてから持ってきてくれた。
 アーティチョークはニンニクがばっちり効いている。もう一枚はチーズが最高。コロッケはライスとトマトの相性抜群。どれも素晴らしく美味しい。もうちょっと食べたくなるが、すでにほぼお腹一杯の状態だ。また来ることもできるから、追加は無しで店を出る。本当に美味しかった。
 ポポロ広場近くのショッピング街まで戻ろうとメトロに乗り込む。途中で、もう一駅先でもよいとあでりーが判断し、Spagna駅で降りる。Spagnaとはスペインのこと。ここには有名なスペイン広場がある。
 駅を出たとたん、すごい人の波。スペイン広場には人がいっぱいだ。日本人女性二人組を見つけ、お互いに写真を撮り合う。あでりーと二人の写真をようやく撮ることができた。
 ジェラートを食べようかとも思ったが、良さそうな店が見つからず、そこまで執着はないので先へ進む。目当ての手袋屋さんを覗いてから、キッチングッズの店「c.u.c.i.n.a」に入る。ここはテレビ番組でチェックした店だ。テレビで見たとおり、しゃれたキッチン雑貨が並んでいる。小さめの炒め物用スプーンを発見するが、もう少し見て回ってから決めることにする。しばらく歩き、オーガニック食材店を発見。ここはやや高めだったので何も買わずに出る。キッチングッズの店でもう一軒、調べたところに入ってみたが、なぜか置いてなかった。ふたたびポポロ広場まで戻り、メトロに乗る。

〜 スペイン広場にて 〜
■ フィレンツェへ
 テルミニまで戻り、まずは列車チケットを入手するために構内へ向かう。今日はこのあと、電車でフィレンツェに向かうのだ。チケットは日本で予約済みである。イタロ(イタリアの高速鉄道会社)のチケット自販機があったので操作してみると、予約番号を入力するだけであっさり入手できた。その後、休憩のため昨日のバール「Ristorante Centro」に行き、二人でラテ・マキアート(エスプレッソに泡立てたミルクがたっぷり入ったもの)を注文する。美味しいがあまり時間がなく、10分ほどでトイレまで済ませ、店を出た。

 宿に戻ってスーツケースを取り、駅に戻る。構内に入り、電光掲示でプラットホームを探すも、発車20分前なのにまだ表示されていない。飲み物を買いたかったので、いったん外に出る。結構値段の高いオレンジジュース1本を購入する。ふたたび構内に入ると、しばらくしてようやく3番ホームと表示が出た。歩いて3番ホームに向かい、9号車から乗り込む。スーツケース置き場が一杯だったが、別のお客さんに手伝ってもらってなんとかスペースを確保する。席についてようやく一服。オレンジジュースを飲み始めるとすごくおいしくて、すぐに飲んでしまう。もう一本買えばよかった。

 やがて静かに列車が走り出す。すぐにローマ北東の駅で止まり、その後は快調に進む。しばらくすると町中を離れ、平原と山の風景が続く。いたるところに雪が残っている。あでりーはフィレンツェの資料の予習に余念がない。僕はときおりビデオで車窓からの景色を撮り、その合間に寝て休息をとる。今日はけっこう歩き、昼食も立ったままだったのでけっこう疲れた。雪はどんどん深くなっていき、窓からの景色は雪国へ向かうかと思うほど。車中であでりーと話している最中、昨日買った人参とマッシュルームをホテルに置き忘れてきたことが判明。残念だけれど仕方がない。
 そろそろ到着10分前くらいかというところでアナウンスが入る。天候のためか、25分ほど遅れているとのこと。17時過ぎになり、脱いでいた靴を履き直す。あでりーが先に出口に行き、スーツケースを出して待っていてくれた。アナウンスどおり、25分ほど遅れてフィレンツェに到着。
■ 苦労の果てに
 列車から外に出る。かなり寒い。昨日のローマより寒い。airbnbで予約した宿までは、ここからバスに乗る。「地球の歩き方」の駅構内図を頼りに探すも、バス乗り場が見つからない。自販機でチケットだけは購入できた。別の方向に歩いてから、通りがかりのアジア人女性に尋ねる。なんと日本人! 日本語で事情を話すと、バス乗り場まで連れて行ってくれた。

 確かにそこに、宿まで向かうバスの番号の表示があった。ただ、降りるべきバス停「colonna01」という表示がない。不安になりつつ待っていると、目当てのバスが来た。とりあえず乗り込む。かなり混んでいて、チケットに打刻するのも一苦労だ。バスの番号は合っているので大丈夫かとは思うが、念のため確認しておこうと、最前席まで行く。ところが運転手さんいわく、このバスは反対方向だからここで降りて目の前の道を右に曲がり、そこで反対方向のバスに乗れ、とのこと。混んでいるなかを苦労してバスを降りる。
 言われた方向に行ってみるが、バス停は見当たらない。もうタクシーでもよいかと思うが、タクシーの来る気配すらない。かなり歩いた先で、ようやくバス停を発見。最初に来たバスに乗り、ふたたび聞くが「No」の返事。なぜか「colonna01」には行かないようだ。ならば中央駅まで戻ってタクシーを拾おうと思い、このバスは中央駅まで行くかと聞くと、「行かない」との返事。「次の駅で降り、そこに来るバスのどれでもいいから乗れ」と運転手さんが言うので、ふたたび降りる。ところが次に来たバスで聞いてみると、「駅へは行かない。ここから歩いて行け」と言われる。近くにいた人も、5分で着くから歩けるよと教えてくれた。もう仕方がないので、がんばって歩くことにする。道路には雪が積もり、歩くのも一苦労だ。重いスーツケースを引っ張り、けっこうな距離を歩いた末にようやく駅が見えてきた。

 タクシー乗り場に移動し、乗り込む。住所の控えがなかったが、地図を見せてなんとか説明する。運転手さんはとても親切な人で、交差する通り名二つでわかってくれた。10ユーロの料金で目的地近くに到着。宿に向かって歩くと、見たような顔の男性がやってきた。ホストのアレッサンドロ氏だった。(airbnbのサイトで顔写真を見ていたからわかった。)遅くなった謝罪をすると、笑顔で答えてくれた。
 部屋に入り、説明を聞く。ワンルームかと思っていたら、廊下をはさんで寝室とダイニングキッチンが別にあり、それぞれが広い。バスルームも快適そう。アレッサンドロ氏は丁寧にすべての説明をしてくれた。和やかに会話をし、Wi-Fiをチェックし、鍵の開け方を確認する。全てOK。アレッサンドロ氏は、連れの女性と共に去っていった。

 とにかく手早く食事をとろうということで、いちばん近いマーケットに行く。安くておいしそうなものがたくさん売っている。ラビオリ、パン、サラダセット、ミニトマト、焼いたチキン、チーズ、ミックスオリーブなど、すぐに食べられるものを購入。そして水を二本。オーガニックワインもすごく安い。
 宿に戻り、さっそく準備。買った水はノーマルかと思ったら発泡水だった。あでりーがサラダとラビオリの準備をする。僕はまずリンゴを切り、食前フルーツとして食べる。やや古めで傷んでいたがまあまあ美味しい。日本から持ってきたコーヒー豆でコーヒーを淹れようと準備をしていたら、なんと、器具を忘れてきたことが発覚。あでりーがインスタントコーヒーを見つけてくれたので、今日はそれを飲むことにする。(airbnbの宿はすべてそうだが、置いてある食材や備品は何を使ってもよい。これが非常に助かるのだ!)チーズを切り、チキンと共にサラダに添える。

 ようやく準備が終わり、夕食開始。ワインで乾杯し、ここまでの苦労をねぎらう。食材はどれも美味しい。焼いたチキンやオリーブがアクセントとなり、パンも進む。多いかと思っていたらぺろりと食べてしまった。その後、持参した自作のパンを、買ってきたチョコ、宿に置いてあったハチミツと共にいただく。チョコがすごくおいしくてパンによく合う。インスタントコーヒーでもじゅうぶん満足だった。
 僕はもうこれでエネルギー切れ。明日の準備は明日の朝に回し、ベッドに入る。あでりーはまだ作業を続けている。なかなかにハプニング続きのフィレンツェ到着となった。

〜 買ってきた食材 〜

〜 出来上がった晩餐 〜
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