イタリア周遊
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■ ローマパス始動!
3/13(火)
■ 遂にボルゲーゼへ
 早朝6時に起き、7時に出発。今日は3日間有効のローマパスを使い始める日だ。地下鉄の改札で、どきどきしながら黄色い部分にカードを当てる。音がして改札が開いたので、一安心。雨の気配はなさそうなので、汎用キャリーにリュックを乗せて移動する。やはりこれは楽だ。
 今日は、フィレンツェのアレッサンドロさんが予約してくれたボルゲーゼ美術館に行くのだ。調べた通り、Republica駅で降り、通りの名前を確認して地上に出る。バス停を見つけ、910番のバスに乗る。いつものごとく車内には何の表示も出ないので、外の景色や道路の具合を確認しながら進む。

 公園の外縁部まで来たところで、STOPボタンを押す。降りてみると、どうやら一つ手前の停留所だったようだが、大きな問題ではない。すこし歩き、美術館裏手の入り口から入る。まだ予約時刻までには時間があるから、ゆっくり撮影したり散歩したりして過ごす。その後、入り口側に移動する。
 予約は9時で、開館は8時半。まだ30分ほど時間があるので、入り口前に陣取り、交代で散策に行く。
 8時半に扉が開き、一番乗りで中に入る。受付で、やや緊張しながら予約番号を告げ、ローマパスを出す。本当に予約は取れているのだろうか、と心配していると、何も問題なく受付が完了する。ありがとう、アレッサンドロさん!

 荷物を預け、トイレに行く。9時まで待つ間は椅子に座れたので楽だった。
 やがてゲートが開く。2時間しか滞在できないので、効率的に回らなければならない。まずは一階から見ていく予定だったが、入り口から続く階段は一気に二階まで登るようになっていた。仕方がないので、二階から見ていくことにする。
 いきなりクラーナハの『ヴィーナスと蜜蜂の巣をもつキューピッド』がお出迎え。そこから、コレッジオ、ペルジーノ、ブロンズィーノなど、聞いたことのある画家の作品がつづく。そして出ました、ラファエロの『一角獣を抱く貴婦人』。一角獣がかわいいので、僕はけっこう好きな絵だ。2009年〜2010年に開催されたボルゲーゼ美術館展の看板作品として来日したことで有名だ。
 他にも、ルーベンスやティツィアーノなど、巨匠の作品が続々出てきて、頭を休める暇がなくなる。

『ヴィーナスと蜜蜂の巣をもつキューピッド/クラーナハ』

『一角獣を抱く貴婦人/ラファエロ』

豪華な天井装飾

『ピエタ/ルーベンス』

『聖愛と俗愛/ティツィアーノ』
 早くカラヴァッジョにたどり着きたいと気がはやるが、降りるのは先ほどの階段しかない。降りてみると、途中に一階への入り口があって、入場した時にはそこは閉まっていたようだ。
 一階には彫刻がたくさん並んでいるが、なにはさておき、カラヴァッジョの部屋に直行する。ここは、世界で最も多くのカラヴァッジョ作品、実に6作が一部屋に飾られているのだ。しかも、どの作品も貸出し中ではなく、すべてがきれいにそろっていた。順番にじっくりと見ていく。最初は、『ゴリアテの首を持つダビデ』に惹かれたが、『病めるバッカス』もなぜか気になる。『蛇の聖母』は大きくて迫力はあるのだが、思ったほどの感動ではない。『洗礼者ヨハネ』は、表情が柔らかくて素敵だ。そして、『執筆する聖ヒエロニムス』が、完成度としてはもっとも優れていると思った。さすがにこの部屋だけひときわ人が多いが、日本の美術展に比べたら全然すくなくて見やすい。それでも団体客がやってきたので、いったん部屋を出る。
 落ち着いて見渡すと、大理石の装飾や天井画など、建物自体が素晴らしい。これまでもそうした建物は見てきたが、ここはより一層豪華だ。壁に何羽も描かれている鳥がすべて違う種類だったり、手のかかりようが尋常ではない。

『病めるバッカス/カラヴァッジョ』

『ゴリアテの首を持つダビデ/カラヴァッジョ』

『執筆する聖ヒエロニムス/カラヴァッジョ』

『蛇の聖母/カラヴァッジョ』

『洗礼者ヨハネ/カラヴァッジョ』

『果物籠を持つ少年/カラヴァッジョ』
 ここまでで1時間弱を要した。あとたっぷり1時間あるので、以後は別行動として、好きなように見ることにする。
 ボッティチェリ工房の作品やダ・ヴィンチの『レダと白鳥』のコピー、グエルチーノ、カナレット、ルーベンスなどなど、絵画もまだまだいい作品がたっぷりあった。そしてここのもう一つの目玉、ベルニーニの彫刻群。大迫力かつ優美な造型は、見事、の一言。
 静物画で、なんだか見覚えがあるなあとおもって説明を見ると、「unknown Carravaggio」の文字が。これだ! 帰属作品として調べてきた作品だ。しかし、見るにつけ、真作とは思えない。それでも、これでこの美術館にあるカラヴァッジョをすべて見たことになる。念のため別の作品がないか何人かのスタッフに聞いてみたが、みんなあまりカラヴァッジョのことを知らないようだった。

 2時間は、この美術館に滞在するにはちょうどいい時間だった。最後は持て余し気味に、何度もカラヴァッジョを見たり彫刻を見たりして過ごした。そして、途中であでりーに何度も会った。最後にもう一度カラヴァッジョの部屋に行き、じっくりと見てから、美術館を出る。

『プロセルピーナの略奪/ベルニーニ』

『アポロンとダフネ/ベルニーニ』
■ ドーリア・パンフィーリ美術館
 バス停にたどりつき、バスを待つ。しかし、なかなかやってこない。しばらくすると一人の男性が話しかけてきてくれて、このバス停はもう使われていないと教えてくれた。さらに、こっちにあるよ、と途中まで案内してくれた。
 すこし迷いつつバス停に到着し、バスに乗りこむ。ここからRepublicaに行き、別のバス停に移動。そこでまたバスに乗り、ヴェネツィア広場で降りた。広場に面したヴィットリアーノという巨大な建物は、いろんなところから見える。

 とりあえず食事をとろうと思うが、まだ11時過ぎだからなかなか開いていない。次に向かうドーリア・パンフィーリ美術館方面へ歩き、美術館近くにあったカフェ「Dante’s Bar Caffe」に入る。
 店内はややファーストフード的な雰囲気。サーモンパスタとラザニアを注文すると、すぐに同時に出てきた。作り置きか〜、と期待せずに食べると、やはりちょっとファーストフード的な味ではあったが、悪くはない。とくにラザニアが、ホワイトソース無しなのになかなか美味しかった。ゆっくりしたい気持ちもあったが、そういう店でもないので、食べ終えてすぐに出る。

サーモンパスタ

ラザニア
 食後、ドーリア・バンフィーリ美術館へ直行。個人の美術館なので、ローマパスは使えない。中に入ると、小さな美術館かと思いきや、かなり立派で大きなところだった。飾ってある絵もいい作品が多い。ただし、プレートが手書きで見づらいのが難点。
 他の美術館に比べて人が少ないため、ゆっくりじっくり見ていく。あいかわらず天井や壁の装飾、床の寄せ木細工などに魅せられる。豪華な回廊には大鏡やシャンデリアが飾られ、その両方の壁一面に大小の名画がぎっしりと飾られている。


 知らない画家の作品に紛れて、アンニーバレ・カラッチ、ドッソ・ドッシ、ブリューゲルなど巨匠の作品もたくさんある。そして回廊を抜けた先のスペースに、ヴェラスケスの描いた肖像画を発見! この旅で初のヴェラスケス作品だから、あでりーも喜んでいる。また、ティツィアーノの有名な「マグダラのマリア」の模写が2枚もある。カラヴァッジョの『洗礼者ヨハネ』の模写まであった。

『教皇インノケンティウス10世/ヴェラスケス』

ラファエロ作品

ブリューゲルの作品群

『マグダラのマリア/ティツィアーノ』

『マグダラのマリア/ティツィアーノの模写』
 最後まで歩いたあたりで、ようやくカラヴァッジョが出てくる。ここには2作品が展示されているのだ。この部屋だけなぜか質素なつくりで、倉庫のようだった。
 『エジプト逃避途上の休息』は、一般的に名画とされているが、中央で左右に分断されているようで、まとまりがなく思える。『改悛のマグダラのマリア』も有名で、悪くはないが、感動は薄い。当美術館にはこの二枚だけのはずだが、なぜかカピトリーニ美術館にあるのと同じ『洗礼者ヨハネ』があり、プレートにもしっかり「カラヴァッジョ」と書いてある(「帰属」でもなく)。スタッフ二人ほどに確認してみるが、やはり真作のカラヴァッジョらしい。あとで調べると、カピトリーニ美術館にある同作品が先に書かれ、そのレプリカとしてカラヴァッジョ自身が描いたものらしい。以前はこちらが先に描かれたとされていたが、1990年代あたりに逆転した。
 先ほど見た模写をもう一度よく見てみると、背景が違っていて体つきもおかしく、明らかに別の画家のコピーだとわかるものだった。

カラヴァッジョの3作品

『洗礼者ヨハネ/カラヴァッジョ』

『洗礼者ヨハネ/カラヴァッジョ』の模写
■ 教会を巡る
 美術館を出たあと、疲れたのでお茶を飲みに行こうと歩き出す。すると、道すがらにサンティニャツィオ教会が出てきた。この時間帯は閉まっているはずが何故か開いていたので、入る。ここは無料なのだ。
 ポッツォという画家が描いた精密な天井画が有名な教会だ。下から見上げると、天井が抜けて空にそびえたつかのごとく見えるよう、三次元的だまし絵が描いてあるのだ。床の印のある場所に立ち、見上げると、確かに天井がまっすぐ上に伸びているように見える。大きな鏡が置いてあり、それを見るとわざわざ上を見上げなくても天井が見えるようになっている。奥には大きなクーポラがあるように見えるが、それも騙し絵だ。立体感、リアル感が本当に素晴らしい。テレビで見て以来、来てみたいと思っていた場所だったが、来られてよかった。

天井が突き抜けているように見える

ドーム部の真下。わざと中心をずらして描かれている
 教会を出てからパンテオンを過ぎ、カフェ「Tazza d’Oro」へ。ここに「黄金の一杯」というコーヒーがあるらしいのだが、よく見ると、店名がその「黄金の一杯」という意味だった。テーブルはないが座る場所は確保できたので、あでりーに座っていてもらい、注文をしにカウンターへ行く。先にレジで注文を告げて料金を払い、そのレシートをあらためて別の店員に渡す仕組み。別の場所でも見かけたが、効率がいいんだか悪いんだか。スイーツが食べたかったが、名前がわからず、指差して「これ」ということもできないので、断念。コーヒーを持って席に戻り、手で皿を持って飲む。目の前の人が美味しそうなパンナ(生クリーム)を食べており、どうやらこの店の名物らしかった。

 ともかくも座って一休みはできた。そこから歩いて、サン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会へ。ここはカラヴァッジョのマタイ三部作で有名だ。教会に入ると、奥のほうに人だかりができている。近づいてじっくり見る。想像した以上に素晴らしい。今回見たカラヴァッジョ作品の中でも出色の出来栄えだ。見ているとライトが消えたが、また誰かがコインを入れてくれた。ここはもう一度来たい、と思いながら、教会を後にする。

マタイ三部作の全景

『聖マタイの召命』

『聖マタイの殉教』

『聖マタイと天使』
■ テルミニで調べもの
 そこからすぐそばのサンタゴスティーノ教会へ。ここにもカラヴァッジョ作品『ロレートの聖母』がある。教会に入ると、すぐに目についた。今度は自分達がコインを入れ、じっくり見始める。……ところが、なんだか見た目に違和感がある。黒っぽい絵だなあと思っていたら、なにか表示がしてある。なんと、現在は別の場所にレンタル中で、飾ってあるのはコピーだった。がっかりするが、まあこういうこともあるだろうと予想はしていた。それにしても、教会のこんなに大きな絵までレンタルするのか、と変に感心する。

 近くにあったバス停からバスに乗り、レパント駅経由でテルミニへ。確認したいことが一つあったのだ。ミラノカードでヴァチカンの入場料が割引になる、という記述がカードの説明書にあり、それを確認しようと思っていた。代理店を見つけ、スタッフに確認してみる。最初は、「ミラノカード? ここはローマだよ」「そんなの聞いたこともない」と言われる。確かに僕も、なぜミラノカードでヴァチカンが割引になるのかはわからないが、確かにそう書いてあるのだ。説明書を見せると、スタッフは顔つきを変え、説明書を持って奥へ引っ込んでいった。別のスタッフに聞いたり何かを調べたりして帰ってくると、「あなたが正しい」と言ってくれた。確かにミラノカードでヴァチカンに割引で入れる。ただし、ヴァチカンの施設が全てセットになった30ユーロのものしかなく、僕らはヴァチカンに行くには行くが、大聖堂と博物館だけ入る予定なので、そのセットは必要がない。それでも謎は解けたので、スタッフにお礼を言って店を出る。

 その後は、バス会社を調べる。帰国の際、テルミニから空港までのバスに乗る予定だが、行きと同じバスの予約ができるかどうか確認したかった。乗り場に行くと、予約はネットからのみ可能で、それを紙にプリントしてこなくてはならない、とのこと。とりあえず情報だけ得たので、宿に戻ることにする。バスは、当日、その場でチケットを買えばよいだろうとあでりーと話した。
■ この旅いちばんの夕食
 宿に戻り、一休みしてから夕食に出かける。今夜は、郊外の店へ格安のピザを食べに行くのだ。ふたたびテルミニまで地下鉄A線に乗り、そこから初めてB線に乗り換える。地下鉄を降りてからは、タブレットに入れてきた地図を頼りに進む。しばらく歩いたところでおかしいと気づき、よく見ると反対方向に歩いてきたことが判明。引き返し、高速道路沿いに歩く。高速を向こう側に越える道が、狭くて汚くて大変だった。普段は歩行者が通る道ではないらしく、ガードレールが歩道に食い込むように立っていて、ゴミや割れたビンなどが散乱しており、危ない。今日一日、汎用キャリーを引いてきたが、それがここでは裏目に出て、歩きにくくてしょうがない。必死で渡り終えたが、そこからも狭くて交通量の多い道を進む。さんざん歩き疲れたすえ、大通りを離れて住宅地に入る。こんなところに店があるのか、というところで遂に店を発見。テレビで見た通りの外観だ。

 店の名は「Al Gallo Rosso」。入ってみると、広大な店内に客はまだ少ない。席につき、まずは名物のラム肉の串焼きを注文。ピザはテレビでも勧めていたマルゲリータを頼む予定だったが、たくさん種類があったので、店員に念のためおすすめを聞いてみる。するとやはり「マルゲリータです」ということだったので、迷わず注文。そしてビールも頼む。
 やってきたラム串とマルゲリータ。これがどちらも絶品のうまさ! この旅で最高の味だ! あでりーも食欲がないと言いつつしっかり食べている。あまりに美味しいので、ラム串4本とナポリピザを追加で注文。ナポリピザは、マルゲリータの上にシャケが乗っているものだった。シャケの塩気がうまい。ビールと共に頂く。心から満足できる味だった。しかも、どこよりも安い。この店はちょっと普通では見つけられなかっただろう。
 会計の際には、サービスでレモンリキュールが出てきた。最後まで楽しませてくれる、温かい店だった。
 帰りは、別のルートで高速を越える。電灯の少ない暗い階段を通るのはちょっと勇気がいったが、こちらのほうが歩くのは断然楽だった。
 バス停でテルミニ行があった。少し待って乗る。

 テルミニから地下鉄で、宿のあるRe di Roma駅に着く。近くにあるジェラート屋さんでジェラートを食べ、宿に帰ってからはしっかりエスプレッソを飲む。しかし、それで力尽き、すぐに寝る。

Al Gallo Rossoの外観

ラム串

マルゲリータ
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