イタリア周遊
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■ 斜塔だけではなかったピサ
3/6(火)
■ 見つからないホーム
5時半くらいに二人して起き、日記をせっせと書く。書き終えたら、7時に出発。今日はピサへの日帰り旅行だ。滞在中の街からさらに遠出をするのは妙な感じになる。
 宿からバス停まで歩く。ちょうど14番のバスが出たところだったが、すぐに23番のバスが来た。これで駅まで行けるはずだ。乗り込み、チケットにタイムスタンプを押す。ちゃんとサンタ・マリア・ノヴェッラ駅に向かうのか、地図と風景を比べながら確認する。どうやらこれで正しいようだ。駅に近づくと、到着日に迷って歩いたあたりではないかという景色が見え、無事に到着する。

 バス停は駅からやや離れたところなので、駅まで歩く。7時53分発に乗るつもりだったが、自動販売機で確認すると、28分発に乗れそうだったのでそちらを選択し、購入する。
 駅では通常、構内にある電光掲示板にホーム番号が出てきて、そこから乗ればよい。ところが、目当ての列車のホーム番号が、いつまでも空欄のままだ。待ちに待ってようやく、1番と表示される。これで安心、と1番ホームに向かうが、なぜか5番より小さい番号のホームが見当たらない。徐々に出発時刻が近づき、焦る。急いで駅のスタッフを探して確認すると、いったん出てから別の入り口に回れとのこと。走ってその方向に行ってみると、別の場所にまたいくつかのホームがあった。ここでやっと1番ホームを確認し、乗り込んだ。

 電車が動き出す。しばらくして駅の案内のアナウンスが流れる。イタリア語なので定かではないが、どうもピサが含まれていない気がする。乗ってはみたものの、本当にこれでいいのかと再び心配になってくる。たまりかね、向かいの人に、この電車はピサに行きますか、と尋ねてみた。わからない、と言われたが、離れた席の人がやりとりを聞いていてくれて、イエス、と笑顔で教えてくれた。これで本当に安心だ。
 向かいに座った少年が、懐から煙草の巻紙を取り出し、そこに葉っぱの状態の煙草を乗せてくるくると巻いていた。器用に一本を作り終えると、その場で吸うのかと思いきや、火を点けずに手で持っていた。次に停まった駅で彼は降りていったが、おそらく外に出てすぐに吸い始めるのだろう。なんということはない風景なのだろうが、妙に気になってしまった。

 電車がフィレンツェにあるもう一つの駅を過ぎると、しばらく停車駅はない。テーブルをはさんで4席空いているところがあったので、そちらに移る。これでピサまでゆっくりできそうだ。車窓からは郊外ののんびりした景色が広がる。見ていると青空の一端が顔を覗かせ、どんどん広がっていく。このままピサも晴れてくれと願う。
 途中の駅のエンポリは、サッカーチームがあるから名前を知っている。駅前には大型スーパーなどが見え、そこそこ大きな町のようだった。
■ ピサ到着
 電車は1時間ちょっとで到着。駅前には、静かな町並みが広がっている。そして念願どおり、空には晴れ間が見えていた。
 時間があればティレニア海を見に行く予定なので、海岸方面のバスを確認しに行く。駅前のバスターミナルで路線がいくつか見つかったものの、すべてピサ市内のみで海岸へは行かない。一人の運転手さんに聞いてみたところ、しばらく歩いた先にもう一つのターミナルがあるという。あでりーを残し、僕一人で行ってみる。確かにターミナルがあり、海岸行きのバスも出ていた。
 駅前まで戻る途中、あでりーが向こうから走ってやってきた。屋台の並ぶあたりでパンが売っているという。見ると二軒ほどあったので、帰りに買うことにする。

〜 ピサ中央駅 〜

〜 駅前の広場 〜
 駅から一路、ピサの斜塔方面へと歩き出す。また曇ってはきたが雨は降っておらず、人が少ないから歩きやすい。町並みは本当に雰囲気がよく、歩いているだけで心が浮き立ってくる。広場を抜けると、ほどなくアルノ川に出た。川沿いの町並みがまた美しい。この川はフィレンツェからここまで流れているのだと思うと感慨深い。
 川沿いに左に折れると、橋のたもとにきれいな教会が見えた。入ろうかと思うが、今は開いていない。雨が降り始めたので、傘をさす。
 橋を渡り、調べてきたサン・二コラ教会をみつける。斜塔と同様に傾いている建物がピサ市内にいくつかあり、この教会もその一つだ。傾いているのかどうかじっくり観察する。最初はよくわからなかったが、壁の端のタワー部分をよく見ると確かに傾いているのがわかった。

サンニコラ教会.左側のタワーを見ると傾きがわかる


 そこから、調べてきたカフェを目指して歩く。対岸から見た川沿いの景色もまたきれいだ。店はまだ開いていなかったのであきらめ、斜塔方面に歩き出す。そのうち、通り沿いに店が増えてきた。まだ10時前だがおなかはすいているので、早目の食事にしようと店先を眺めつつ歩く。よさそうなピッツェリアがあったが、食事開始までもうしばらくかかりそうだ。

 ふたたび進み、メニューの置いてある店で立ち止まる。店の名は「Bar & Food 62」。料理名と写真、説明が書いてあって非常にわかりやすく、値段も良心的だ。店にいたスタッフに聞くと、もう食事も出せるという。店内の席と店先のオープンテラスのどちらがいいかと聞かれ、気持ちよさそうだったからテラス席に座る。雨はすでにあがり、ふたたび気持ちのいい晴れ間が見えている。メニューを見ながらさんざん迷ったすえ、トスカーナ名物のトリッパ(臓物の煮込み)とジェノベーゼを注文。やや待ってから、料理が運ばれてきた。
 トリッパは本当に柔らかく煮込んであり、パスタのようにつるつると食べられる。ジェノベーゼはクリーム感がすごい。本当にイタリアの食事にははずれが少ない。パンも含めてしっかり食べる。大満足で席を立つ。あでりーがナプキン(しっかりした、とてもいい紙だった)で鶴を折り、若いスタッフに渡すと、とても喜んでくれていた。

〜 斜塔へとつながる街並み 〜

ジェノベーゼ

トリッパ
■ 遂に斜塔と対面
 ランチの余韻にひたりつつ、斜塔を目指して歩く。塔の先端が見えた、と思ったら広場に出た。テレビで見たままの景色だが、実物の迫力はすごい。斜塔は思った以上に傾いている。何枚も写真を撮る。お決まりの、手で支えたり抱えたりのポーズをみんなやっているので、僕らも一通りやってみる。

斜塔の角度は、見る位置によって変わる
 斜塔のある広場には、大聖堂や洗礼堂、美術館などが集まっており、広場全体として見ても素晴らしく美しい。大聖堂の側面では、テレビで見たことのある「悪魔の爪あと」を見つけた。壁に小さな点状の模様があり、その数は、数えようとするたびに変わるとのこと。数えてみようかと思うが、ごく小さな点々のどこまで含めてよいのかわからず、早々にあきらめる。

 チケット売り場は美術館と同じ建物にあり、その前あたりが斜塔を見るには一番のポイントで、テレビでもここからの景色を映していた。またひとしきり写真を撮る。

 チケット売り場で共通チケットを買い、まずは同じ建物にある美術館を見る。ここには、シノピエ(フレスコ画の下絵)が多数置いてある。さくっと見てから洗礼堂へ移動する。円形の美しい建物で、中も非常きれいだ。しばらく見ていると、音の共鳴デモが始まる。あるポイントで声を出すと、それが建物全体にきれいに共鳴して響き渡るのだ。聞き惚れてから、あとで自分もやってみたが、全然違った。きれいに響くポイントがあるようだ。
 階段で二階に登る。70段ほどあるが、フィレンツェのクーポラに比べればなんということもない。窓には金網が張られていたが、きれいに外が見えるポイントでは金網が切り取られ、うまく撮影できるようになっていた。城壁や、城壁の向こうのマーケットが見える。

洗礼堂
 次に大聖堂の中へ入る。思っていたより荘厳で大きく、ローマの初日に入ったマジョーレ教会を思い出すほどだ。内部は回収中で、祭壇にある巨大なキリストの絵が下半分しか見られなかったのが残念。
 その後、カンポサント(納骨堂)にも入ってみる。回廊のような場所で、ジョウビタキが飛んでいた。お墓やフレスコ画を見る。作品を鑑賞するというよりも、場所の雰囲気を味わうという感じで過ごす。

大聖堂

大聖堂の内部

キリストの下半分だけが見える

納骨堂
 外に出て斜塔の見えるあたりに戻り、バス停方面へ歩く。洗礼堂の上から見えたマーケットを覗いてみるが、いかにも観光地用の店ばかりだ。売っているものは悪くないけれど、買いたいものはなかった。
 また斜塔スポットに戻り、同じように写真を撮る。到着以来、雨が降ったりやんだりだったのが、今はすっかり雨があがって晴れ間が増え、日差しがまぶしくて暖かい。しっかりいろんなポーズで撮影し、同じような写真を何枚も撮る。

周りには同じように写真を撮る人だらけ
 さんざん撮影したのち、名残惜しいが去ることにする。しばらく歩くと、ランチを食べた店の前を通りがかる。給仕をしてくれた若いスタッフ、それから、僕と同年代のスタッフのどちらも僕らを覚えてくれていて、あいさつを交わす。この街は、風景も人もとても気持ちがいい。
 「一つの街で一度はジェラートを食べる」というあでりーの取り決めどおり、ジェラート屋「Casa della Panna」を見つけて入る。あでりーはピスタチオとレモン、僕はナッツとアップル。これは美味しい! フィレンツェのドームそばにあった店と同じくらいか、それ以上の味。これならドイツにも負けない。
 その後、同じ通りを数十メートル進んだあたりに、フィルターコーヒーを淹れるカフェ「Caffe Dei Cavalieri」を見つける。豆も売っているようなので、100gを注文する。普通は250gが最小サイズなのに、そこからわざわざ100gを出して売ってくれた。

ジェラート屋「Casa della Panna」

カフェ「Caffe Dei Cavalieri」
■ 美術館へ
 川まで出てから左に曲がり、サン・マッテオ国立美術館へと向かう。ついてみると、本当に国立の美術館なの? ってくらいひっそりとしている。他に客はおらず、独占状態だ。ロッカーはなかったが受付で荷物を預かってもらえた。これで楽に鑑賞できる。
 14世紀あたりの絵が、ウフィツィ美術館並みかそれ以上にたくさん置いてある。ここまで歩いてかなり疲れていたので、途中にあった椅子に座り、二人して熟睡する。これでまた楽になった。ジョット派の絵はどこにあるのかわからなかったが、ゴッツォーリ、フラ・アンジェリコ、ギルランダイオ、マザッチオ、ドナテッロは発見した。

『聖母子と聖アンナと天使/ゴッツォーリ』

『ウミルタの聖母/フラ・アンジェリコ』

『聖会話/ギルランダイオ』
■ 駅までの道
 美術館を出てから、川沿いに来た道を戻る。川岸に一羽、真っ白い鳥がいた。近づいてみるとバリケンで、なぜか一羽だけぼんやりと水辺に座っていた。
 しばらく歩いてから、来た時とは別の橋を渡って駅へ向かう。カフェを探していると、「Galileo Art Cafe」という良さそうな店をみつける。入って値段を確認すると、なかなかにリーズナブル。あでりーはラテマキアート、僕はソイラテを試してみる。店内は相当に広く、奥のゆっくりできるスペースに陣取る。ソイラテはあっさりめで、マキアートはいつも通りの美味しさ。一緒に注文した紫色のマフィンも、何かのフルーツ入りだと思うが悪くない。やはりイタリアのカフェに外れはない。快適な空間なので、しっかり休息をとることができた。あでりーは帰りの列車のお供にと、もう一杯のラテマキアートをテイクアウトする。

水辺のバリケン

カフェ「Galileo Art Cafe」
 駅までの一本道を進む。重厚かつにぎやかな通りだが、人の数はほどほどなので歩きやすい。これくらいが僕らにはちょうど合っている気がして、とてもこの街が気に入ってしまった。
 駅の自動販売機でチケットを買う時、行きと同様カードを使ったが、なぜか認識されずに現金で購入する。オレンジジュースが飲みたかったので、構内の店で赤いオレンジジュースを買う。
 しばらく待ち、定刻に電車が到着。やや混んでいたが、乗ってすぐのところに二人分が空いていたので、そこに座る。これで安心だ。あでりーは発車前にマキアートを飲み始め、発車直後に飲み終えていた。僕はゆっくりとジュースを飲む。おいしいが、ややきつめの味だった。
 ときおり眠りながら、のんびりしたトスカーナの景色を楽しむ。いい遠出だった。あでりーは帰りの道中、せっせと日記をつけていた。
■ フィレンツェに戻る
 サンタ・マリア・ノヴェッラ駅からは、歩いて宿へ向かうことにする。やはりフィレンツェは人で溢れていて道が狭い。すぐに大聖堂の見えるところまで出る。路面がまだ濡れているから、こちらは降ったりやんだりの天気だったようだ。アッペリーボをやっている店の料理を確認しつつ、水を買って戻る。
 僕はシャワーを浴び、あでりーは夕食の準備にかかる。昨日買ったTボーン肉をステーキにするのだ。準備を終え、あでりーもシャワーを浴びる。
 そして夕食開始。肉は少し硬いが、味はいいのでぺろっと食べてしまった。パスタの残りに、今日買ったパンを添える。パンは少し乾燥していた。パスタもしっかりたいらげて一丁上がり。食後はインスタントコーヒーに、パン&チョコのデザート。あでりーはカフェオレにし、マグカップで二杯飲んでいた。
 食後に僕は眠り、あでりーもしばらくして眠ったようだ。
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