イタリア周遊
TOP
旅立ちまで/日程
 
2/27(火)
3/6(火)
3/13(火)
2/28(水)
3/7(水)
3/14(水)
3/1(木)
3/8(木)
3/15(木)
3/2(金)
3/9(金)
3/16(金)
3/3(土)
3/10(土)
3/17(土)
3/4(日)
3/11(日)
3/18(日)
3/5(月)
3/12(月)
3/19(月)
■ ダビデ像を巡る
3/3(土)
■ フィレンツェカード使いまくりの2日目
 あでりーは4時に起きて、調べものをしたり日記を書いたりしていた。僕も6時に起きる。いったんあでりーは7時前にベッドに入り、30分ほどで起きてきた。8時前にそろって出発。今日もフィレンツェカードを有効に使うため、一日美術館巡りの予定だ。
 最初に向かったのは、宿からほど近いアカデミア美術館。開館10分前(8:15頃)に到着すると、既に何人かが並んでいた。ここはミケランジェロのダビデ像の本物があることで有名だ。(町の中心部にあるシニョーリア広場に置かれているのはレプリカ。)
 中に入ると、ボッティチェリやリッピ、ギルランダイオなどの作品群が迎えてくれる。それぞれ見ごたえたっぷりだが、今日はこの後も予定が詰まっているので、時間もエネルギーも節約しながら流し見していく。

『受胎告知/フィリッピーノ・リッピ』

『二人の天使と洗礼者ヨハネと聖母子/ボッティチェリ』

『聖ヤコポと聖ピエトロの間の聖ステファノ/ギルランダイオ』
 廊下を歩き、楽器の展示を過ぎて、また廊下に出る。ミケランジェロの未完の彫刻なども並ぶなか、突き当たりに、いやでも目に入る巨大な姿。ダビデ像だ。思っていた以上に迫力がある。近くで見ると、手の異様な大きさに気づく。180度見られるので、後ろ姿もしっかり確認する。
 別の階に1300〜1400年代の絵が飾られていて、あでりーはそれを見に行く。僕はなんだか腰が痛くなり、一人で休憩。
■ サン・マルコ美術館&捨て子養育院美術館
 アカデミア美術館を出てから、とてもきれいなサン・マルコ広場を通り、サン・マルコ美術館へ赴く。ここは、画家のフラ・アンジェリコが修道僧として勤めていたところだ。回廊を渡って一階のフレスコ画を見て回る。その後、二階への階段を上ったところに、ここのメインである『受胎告知』を発見。淡い色調が印象的だ。画像で見るよりシンプルでそっけないが、味わいがある。見れば見るほどきれいな絵だ。
 他にも、ギルランダイオの『最後の晩餐』、フラ・バルトロメオの作品群、怪僧サヴォナローラの僧坊や肖像画など、見どころはたっぷり。それでも僕は腰の痛みでなかなか集中できない。クロークに荷物を預けられない美術館が続き、重たいリュックを背負ったままの鑑賞となったのがけっこう影響している。

『受胎告知/フラ・アンジェリコ』

『最後の晩餐/ギルランダイオ』
 美術館二つを見て、まだ10時前だ。次は、カスターニョ美術館へ赴く。が、情報と違い、土日休みとなっていた。
 気を取り直し、捨て子養育院美術館へ向かう。その名の通り、かつては捨て子養育院だった場所を美術館にしてある。最近リニューアルしたらしく、設備が最新式だ。ギルランダイオの『東方三博士の礼拝』は、華やかでありかつ威厳がある。そして、ボッティチェリの初期作品『聖母子と天使』。これはウフィツィにあるリッピの同作品に比べて劣る、というのが通説だが、単体でみればじゅうぶん見ごたえのあるきれいな絵だった。
 その後、館内地図を見ながら、「こっちにまだ見てない部屋がある」と歩いてみたが、結局なかった。早めの昼食をとることにし、中央市場へと向かう。

『東方三博士の礼拝/ギルランダイオ』

『聖母子と天使/ボッティチェリ』
■ 中央市場にて昼食
 中央市場はさすがに大きくて人も多い。そして日本人も本当に多い。一階は主に食材を売る店で、肉屋が多く、魚屋も少しある。二階に上がるといろんな料理屋さんが並んでいて、巨大なフードコートのよう。とりあえず一周して何があるかを確認する。食べてみたかったトリュフがあったが、15ユーロほどするので断念。
 迷った挙句、トマトソースのパスタ(フジッリ)6ユーロ、フライ盛り合わせ10ユーロ、ケバブ風ピザ4ユーロを選択。フライをあでりーが買い、残り二つを僕が買う。パスタは5分くらいかかるとのことで、あでりーのところに戻ってそれを告げ、待っている間にピザ屋へ向かう。チキンやポーク、タコなどが並ぶなか、野菜ピザを選択。こちらも5分ほどかかるとのことなので、パスタを取りに行き、いったんあでりーの元に置いて、ピザを取りに行く。
 揃ったところで食べてみる。フライはウサギ、ナス、ズッキーニ、カリフラワーなど、いろんな種類の盛り合わせ。ウサギを初めて食べたが、癖がなく淡泊なチキンという感じ。嫌味はないがさほど旨みもなく、ややぱさついている。よくわからない、イカのような食感の野菜もあった。パスタはまあ普通の味。一番おいしいのがケバブ風ピザだった。
 席にはカフェメニューも置いてあり、カフェマキアートが1ユーロなので注文する。期待せずに飲んだが、意外に美味しかった。1ユーロでこれなら充分だ。締めが良かったので、満足のまま食事を終える。

〜 トマトソースのパスタ 〜

〜 フライ盛り合わせ 〜

〜 ケバブ風ピザ 〜
■ 大聖堂で四苦八苦
 その後、余力のあるうちにサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のクーポラ(ドーム部分)に登ることにし、初めて大聖堂のそばまでやってきた。さすがにフィレンツェのシンボルだけあって、遠目からもきれいだったが、近くで見れば本当に迫力があって圧倒的な美しさだ。洗礼堂の東の扉は、ロレンツォ・ギベルティが装飾を手がけ、ミケランジェロをして「天国の門」と絶賛せしめた傑作。ただしこれはレプリカで、本物はドゥオーモ付属博物館にある。

 それにしても気になるのは、クーポラへ入る長蛇の列だ。フィレンツェカード専用の入り口を探すが見つからない。ならばインフォメーションで聞いてみよう、とインフォメーションの場所を何人かに聞いてようやく到着するも、なぜか開いていない。その後、スマホで情報を調べ、地図画面を見ながらチケット売り場に行ってみる。大聖堂横手の入り口で聞くと、もっと北側だ、とのこと。ようやくチケット売り場の表示を見つけて聞いてみるも、「ここでは買えない、あちらの売り場に行け」と、先ほど長蛇の列になっていたあたりを示される。かなりキレ気味になっていたが、頑張って戻る。ところが売り場らしきところは見つからず、あでりーにとりあえず列に並んでもらい、周辺を探す。洗礼堂入口のスタッフに聞いて、ようやく横手にある売り場を発見する。

 売り場のスタッフはあまり親切ではなく、しばらく並んでようやく順番が来てから、「フィレンツェカードの人はあちら」と別の窓口を示されたり、別のスタッフと無駄話をしていたりと、イライラが募る。なんとかドゥオーモ共通券(クーポラや洗礼堂、付属美術館など一連の施設への共通入場券)を入手するも、クーポラの予約は外にある機械でやれとのこと。操作してみると、今日の分はほぼ売り切れなので、明日の13:30に予約を入れる。
 共通券は購入時刻から72時間有効なので、付属美術館などへは月曜日に行くことにする。しかし、そうするとクーポラの予約も月曜でいいことに気づき、さっきの予約を変更するべく機械で操作してみたが、うまくいかない。チケット売り場のスタッフに聞いてみても、変更はできないとのことだった。かなり消耗させられて、文句たらたらで次へと向かう。

〜 大聖堂付属のサン・ジョヴァンニ洗礼堂 〜

クーポラへ登る人の待ち行列

ギベルティの作った『天国の門』(レプリカ)

大聖堂の正面
■ メディチ家ゆかりの地を巡る
 やってきたのは、サン・ロレンツォ教会。チケット売り場には数人が並んでおり、ようやく自分達の番が来たと思ったら、チケットを購入する必要はなく、フィレンツェカードで直接入れるらしい。施設ごとにフィレンツェカードの使い方が違い、毎回二度手間三度手間になってしまう。何度これを繰り返せばいいのか。少しの表示で全て解決できるのに、とふたたび二人で文句たらたらの状態。
 しかし中に入れば、やはり荘厳な雰囲気で圧倒されてしまう。入口に座るところがあったので、僕はそこでいったん休む。いろいろうまくいかないことも続いて、疲れが溜まっている。すこし回復してから、フィリッポ・リッピの祭壇画やドナテッロの石棺を見る。あでりーは一人で隣にある付属美術館へ向かい、コジモ・デ・メディチやドナテッロのお墓を見てきたらしい。

〜 『受胎告知/フィリッポ・リッピ』
 その後、隣接するメディチ家礼拝堂に向かうも、閉館時刻を過ぎていて入れず。それではと、これまた近くにあるメディチリッカルディ宮に入る。ここの目玉は、ゴッツォリの描いた壮大な『東方三博士』のフレスコ画だ。想像していた以上に大きな絵で迫力がある。思わず溜息がもれてしまうほどの素晴らしさ。ほかにリッピの聖母子の絵も発見し、やはりリッピは上手いと再確認する。

『東方三博士の行列/ゴッツォリ』

『聖母子/フィリッポ・リッピ』
■ 彫刻の宝庫・バルジェッロ
 今日の美術館巡りはまだまだ終わらない。次に向かうは、バルジェッロ国立博物館。かなり気になっていたところだ。しょっぱなから大理石の見事な彫刻が山ほど出てくる。その巧さにうなりつつ、二階へ進む。ついに出てきた、ブルネレスキとギヴェルティの浮き彫り対決。ルネサンス関連の本で読んでから、ぜひこれを見たいと思っていた。この二人が『イサクの犠牲』をモチーフにした浮き彫りコンテストで競い合ったことが、ルネサンスの始まりとも言われている。結果としてギヴェルティが勝利を収めるのだが、実物は特にギヴェルティが優れているとも思えず、どちらも素晴らしく巧い。
 そしてもうひとつ、ここで絶対に見たかった彫刻があった。ドナテッロのダビデ像だ。筋肉ムキムキの彫像とは一線を画す、生々しくて優美な彫像。思っていた以上にいい印象を受け、しばらく離れられないほどだった。同じ部屋にヴェロッキオのダビデ像もあり、見比べるのも面白かった。

ブルネレスキとギヴェルティの浮き彫り対決

『ダビデ像/ドナテッロ』

『ダビデ像/ヴェロッキオ』
■ 休憩のあと、最後の教会へ
 あと一つの予定を残し、カフェで休憩。ここは昨日見つけていた店だが、ちょっと高級そうなのでパスしたところ。でも結局、昨日入った店も料金が高かったので、「さっきの高級そうな店にしとけばよかった」と後悔したのだった。だから今日はそのリベンジだ。
 僕はカフェモカ、あでりーはカフェ・コンパナを注文。やはりカフェはどこでも美味しい。スイーツも食べたかったが、高くなりそうなので断念する。


 短めに休憩をしてから、最後のサンタ・クローチェ聖堂へ向かう。昨日も通りかかったが、外観がとてもきれいで印象的だ。中に入ると、立派なステンドグラスが迎えてくれる。ドナテッロのキリスト像、ジョットのフレスコ画などを鑑賞し、付属美術館に入る。ここでも、チマブーエ、ドナテッロなどを見る。ヴァザーリの描いた最後の晩餐が、とてもきれいだった。

サンタ・クローチェ聖堂

『最後の晩餐/ヴァザーリ』
■ 怒濤の一日を終える
 これで今日の予定は完了。僕は先に宿に戻り、いったんベッドに入る。あでりーはスーパーで買い物を済ませてから戻ってきた。交代でシャワーを浴び、夕食をとる。今日はすべてあでりーが準備してくれた。ピザの残りに、前に買った野菜ハンバーグ、パン、チーズ、サラダ。昨日の惣菜の残りとオリーブも出す。全てが美味しくて、食欲がなかったのにしっかり食べてしまった。食後は、朝あでりーがいれてくれたお茶と、日本から持参したパン、チョコでデザートとする。食べながら、今日おとずれた美術館や教会を振り返り、あらためてすごい一日だったことを確認する。
 その後、あでりーは就寝し、僕は日記を書く。寝る間際にベッドで「深夜特急」を読む。ちょうどローマからフィレンツェへ至る場面。だがすぐに眠くなり、10時半頃に眠る。
イタリア周遊
TOP
旅立ちまで/日程
 
2/27(火)
3/6(火)
3/13(火)
2/28(水)
3/7(水)
3/14(水)
3/1(木)
3/8(木)
3/15(木)
3/2(金)
3/9(金)
3/16(金)
3/3(土)
3/10(土)
3/17(土)
3/4(日)
3/11(日)
3/18(日)
3/5(月)
3/12(月)
3/19(月)