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■ ミラノ2日目
3/9(金)
■ あの『最後の晩餐』が目の前に
 5時過ぎに起きる。あでりーがお昼の弁当を作ってくれた。僕は日記を書く暇もなく準備をし、6時頃に出る。今朝は、ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』を見に行くのだ。唯一、日本で予約をしてきた見学だから、遅れる訳にはいかない。昨日の鉄道の状況からして、時刻表はあてにならない。今日は早めに行動しよう、とあでりーと話していた。
 昨日、ホストのアリスさんから鍵を一揃い受け取ってはいたが、チェックをするのを忘れていた。玄関の鍵を内側から開けるのにも手間取ってしまい、なんとか廊下に出てからも、電灯を点けようとして間違えてドアベルを鳴らしてしまう。慎重に部屋の鍵を閉め、マンションの鍵をかけ、門扉の鍵をかけ、という風に一つずつ迷いながら進んでいった。

 まだ暗い道を、駅まで歩く。新鮮な空気のなか、昨日に増して鳥のさえずる声がすごい。
 駅に到着し、ミラノ市内までのチケットを2ユーロ/枚で買う。列車に乗り込むと、6時29分の定刻に出発した。
 しばらくするとチケット確認の係員がやってきた。チケットを買わずに乗り降りできてしまうのだが、しっかり買ってよかった、と胸をなでおろす。
 30分ほどでミラノのCADORNA駅に着く。降りてすぐ近くにあるバールで一服。今日、ここまでは何事もなく来られたことに安堵する。日記を書いたりしつつゆっくりと時間を使ってから、7時半過ぎにサンタ・マリア・デル・グラツィエ教会に向けて出発する。二回ほど通行人に確認し、8時前に到着。

サンタ・マリア・デル・グラツィエ教会

『最後の晩餐』のある食堂
 外観を撮影してから、既に何人か並んでいる人の列に加わる。そばにいた人に確認してみると、ここは当日券を買う人の列らしい。僕らは予約は取ってあるから、予約ありの列に並ぶ必要がある。とりあえずあでりーに並んでいてもらい、周辺を散策に行く。
 まずは教会の中に入ってみる。とてもきれいで見惚れてしまうが、チケット引き換え場所らしきところは見当たらない。列に戻ってみると、あでりーが別の人に聞いていてくれて、この列に並んでいればいいらしい。

 すぐにオフィスが開き、中へと進む。荷物預けの際、僕は今日も汎用キャリーをつけたリュックを持っていたので普通のロッカーに入らず、別の場所を開けてもらったりして手間取る。それでも問題なく、いよいよ入口へと進む。『最後の晩餐』は、教会付属の食堂にあるのだ。僕らの予約は、朝一番の8時15分。一回に15分ずつ、決められた人数だけ中に入ることができる。並んでいるのを見ると、およそ30人くらいだろうか。

 しばらくして目の前のゲートが開き、中へ進むとまた次のゲートがある。こうして一つ一つゲートを越えていき、三つほど抜けたところで中に入る。冷やりとした、静謐な空間。そこに『最後の晩餐』は厳かにあった。近寄ってじっくりと見る。画像では決して味わえない、本物の持つ質感。細部の模様や全体のバランスなどを堪能する。
 あでりーが、離れたところから見るといい、と言うので、今度は部屋の一番後ろまで下がってみた。確かに、そこから見ると、左右の壁のラインの延長で絵がつながっているように見えて、絵が部屋の一部のように見える。離れて見るほうが断然良いことがわかった。
 15分間しっかり鑑賞し、満喫して外に出る。売店があったので、『最後の晩餐』の栞を買う。

『最後の晩餐/レオナルド・ダ・ヴィンチ』

部屋の後ろから眺めるとこうなる
■ ドゥオーモの中は別世界
 地下鉄で大聖堂まで移動する。今日も晴れていて、大聖堂(ドゥオーモ)はとてもきれいに見える。昨日と同様、チケットの番号札をもらって待つ。自動販売機があったが誰も使っておらず、試しに操作してみたけれど、どうやっても買うことはできなかった。20分ほどで自分の順番が来たので、チケットを購入。あでりーはその間にガッレリアあたりを撮影して戻ってきた。付属博物館にあるロッカーで荷物を預け、大聖堂のカテドラルに入る。セキュリティチェックの男性が探知機を体に当てる際、「ウシロ」と言うから最初よくわからず、それが日本語の「後ろ」で、「背中側もチェックするから後ろを向いて」という意味だとわかって面白かった。
 普通の教会のように内部に絵画はあまりなく、とにかくステンドグラスの美しさが際立って素晴らしい。床の大理石も特筆ものだ。中はこれまでの教会と比べてもひときわ広く、荘厳さに言葉も出ないほど。一番端まで進み、出口から出る。




■ 怒濤の美術館めぐり
 荷物を取りに戻ると、スタッフの女性が、「こんなに短い時間でいいの?」とびっくりしていた。預けてから20分ほどしかたっていなかったからだ。
 大聖堂の入り口そばに座り、大聖堂を見ながらあでりーの作ってくれた弁当を食べる。思えば、この旅行始まって初めての弁当だ。チーズサンドに、クスクス、トマト、人参。どれも美味しい!

 ガッレリアに入り、昨日できなかった、牛のレリーフで三回まわる、というのを二人順番にやってみた。まあ何ということはないが、やはりこれはやらないと気が済まなかった。
 今日はこの近辺にある美術館三つを歩いて順番に見ていく予定だ。まずは、ここから歩いてすぐのところにある美術館「ガッレリア・ディタリア」へ。ダ・ヴィンチの像を通り過ぎると、すぐに入口が見えた。
 ここは事前の計画では訪れる予定はなかったのだが、昨日あでりーが偶然見つけたチラシで、企画展としてカラヴァッジョの絵が一枚来ていることがわかったのだ。

 美術館はミラノカードでの割引が適用できた。中に入ると、すぐにその絵があった。『聖ウルスラの殉教』。まさかここで、ナポリにある絵が見られるとは! 二人して感激する。こんなすごい絵があるのに、あまり人が集まっていないので独占状態。矢の半透明な感じ、女性の表情など、画像では暗くてはっきり見えない細部まで、本物は伝えてくれる。すぐそばに、比較用としてストロッツィの描いた同主題の絵が飾ってあった。その他、プロカッチーニの『最後の晩餐』などの大作をさらりと見てから、ふたたびカラヴァッジョを目に焼き付け、外に出た。

ガッレリア・ディタリア美術館

『聖ウルスラの殉教/カラヴァッジョ』

『聖ウルスラの殉教/ストロッツィ』

『最後の晩餐/プロカッチーニ』
 次に向かったのは、ポルディ・ペッツォーリ美術館。個人の邸宅をそのまま美術館にしたものだが、絵画だけではなく、天井や壁の造り、各種彫像など、贅の限りが尽くされ、その豪勢さには溜息が出る。
 ここには、有名な『若い貴婦人の肖像/ポッライオーロ』、そして日本で見てその美しさに衝撃を受けたボッティチェリの『書物の聖母』がある。再会してみると、思っていたよりも小さな絵で、衝撃も初回ほどではない。でもそれは、今回の旅でさんざん名画を見てマヒしているからなのだ。

ポルディ・ペッツォーリ美術館



『書物の聖母/ボッティチェリ』

『若い貴婦人の肖像/ポッライオーロ』

『キリストの哀悼/ボッティチェリ』
 休憩を取るため、調べてきたカフェを目指して歩くが、確かにその場所にいるはずなのに見つからない。どうやらここも閉店したようだ。仕方なく、適当に入った店が、なかなかに広くておしゃれだった。席についてロゴを確認してみると、なんと、アルマーニが経営するカフェ! 高いかも、と思ったら意外に良心的な値段で安心する。コーヒーは美味しく、付け合わせのクッキー&チョコも上品な味。そして、スペースが広いからくつろげる。隣のおじさんがミラノ風カツレツを食べていて、匂いもよく、美味しそうだった。


 しっかり休息をとってから、今日一番の大物、ブレラ美術館へ向かう。有名な絵はたくさんあるが、まずはマンテーニャの『死せるキリスト』、ベッリーニの『ピエタ』がすぐに出てきた。想像以上に素晴らしい。これまで見てきた作品と印象が異なり、どちらも暗く冷たい雰囲気を感じさせる絵だった。
 ペッリッツァの描いた『洪水』は、昨日、1900年代美術館で見た『第四階級』と対になる作品。それから、ここでは人気があるのか、アイエツの絵がたくさんあった。なかでもポスターにも使われて超人気なのが、『接吻』。実物を見ると、しっかり唇と唇が触れ合っていて、思った以上に扇情的だ。そして近くにセガンティーニを発見。しかも、僕らの好きな作風の絵だから嬉しくなる。さらにカナレットなども出てきて、気持ちがどんどん高まってくる。
 
 そして僕らの一番の目当て、カラヴァッジョ。ここには『エマオの晩餐』があるのだ。ぱっと見はイマイチかと思ったが、じっくり見ていると、どんどん良さが伝わってくる。あとで調べてみると、東京のカラヴァッジョ展で見た作品だった。
 その先にはラファエロの『マリアの結婚』(求婚に失敗した男が、自分の持った枝を足で折る部分が印象的)などがあり、もうお腹一杯の状態。

ブレラ美術館

『死せるキリスト/マンテーニャ』

『ピエタ/ベッリーニ』

『洪水/ペッリッツァ』

『接吻/アイエツ』

『春の牧場/セガンティーニ』

『エマオの晩餐/カラヴァッジョ』(暗くてうまく写せなかった)
■ ミラノの夕暮れ
 美術館を出てから昨日通った道を歩き、ふたたび「Botega Caffe Cacao」の前を通るが、今日も閉まっている。やはり閉店してしまったのかもしれない。センピオーネ公園に入り、ベンチに座って休む。鳥のさえずりが聞こえ、のんびりとして気持ちがいい。
 そこからまた歩いて、平和の門へと向かう。目指す先に見えてきたが、思ったほど大きくはないな、と思っていたらそれは別の建物で、実物は想像以上に巨大だった。パリの凱旋門と同じくらいに見える。なんだかウキウキと楽しくなってくる。

平和の門
 既に夕食の時間になっていたので、調べてきたアッペリーボの店を探す。ところがこの店も見つからない。今日はなかなかうまくいかない。それでも、平和の門周辺にはアッペリーボの店はたくさんあって、そのうちから気になった店「Duomo dal 1952」に入ってみた。肉や魚などたくさんの料理が並んでおり、これらが10ユーロで食べ放題なのだ。ただ、いろいろと取って食べてみると、料理の見た目の引きは強いが、市販のケチャップが使われていたりして、味はややガッカリ気味だった。
 飲み物も一杯ずつ、食べ放題10ユーロに含まれているので、アイリッシュコーヒー、モスコミュールを注文。どちらも通常は単品で10ユーロするから、お得だ。アイリッシュコーヒーはかなりアルコール度数が高くてびびったが、モスコミュールは爽やかで美味しかった。

バール「Duomo dal 1952」



モスコミュール

アイリッシュコーヒー

店から出て、ライトアップされた平和の門の前にて
 昨日も使ったLANZA駅からトラムに乗り、CADORNA駅まで戻る。どこかで水を買わなければと思っていたら、駅の近くに馴染みのスーパー「Express」があった。(そういえば、朝来た時に見つけていた。)無事に水を購入し、宿に戻る。エスプレッソメーカーを使わせてもらおうと階下に降りると、アリスさんのボーイフレンドが来ていて、しばらく話す。僕らの旅程を伝えると、アリスさんはフィレンツェがとても好きだと言っていた。

 エスプレッソを飲んだあとは風呂に入り、すぐに眠る。日記を書く元気も残っていなかった。
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