イタリア周遊
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■ フィレンツェカード最終日
3/4(日)
■ 三度目のウフィツィ
 ぐっすり寝て7時過ぎに目覚める。あでりーも一緒に起きた。朝一番で向かうのは、ウフィツィ美術館。これで実に三度目となる。今回は作品を撮影して回るのと、カラヴァッジョの未見2作品を確認するのが主目的なので、さほど時間はかからない予定。

 ずっと降っていた雨があがり、晴れ間も見える。通りがかったサンタクローチェ教会に陽が射して、すごくきれいだ。
 開館10分前の、8時5分に到着。今日は月に一度の美術館無料デー(毎月第1日曜日は美術館がすべて無料となる)なので、入場口には大勢の人が並んでいる。しかし、フィレンツェカード保持者の列は誰もいない。待っていると扉が開いたので、入場。僕ら二人が一番乗りだ。後ろの人がエレベーターに向かったので、一緒に3階に上がる。
 無料の日は混み合うから避けたほうがいいかも、と思っていたら、この日にフィレンツェカードを使うのは大正解だった。無料入場の列に並ぶと最悪だが、カードを使って先に入場すると、他の入場者よりも先に見て回ることができ、どの部屋も独占に近い状態でしっかり鑑賞できた。
 すでに一通りは鑑賞しているので、チマブーエあたりから順に、めぼしいものを写真に収めていく。そしてリッピ、ボッティチェリと、今日はきっちり年代順に見て歩く。ボッティチェリの受胎告知がやはり素晴らしい。

『荘厳の聖母/ジョット』

『荘厳の聖母/チマブーエ』

『ウルビーノ公夫妻の肖像/フランチェスカ』

『聖母子と二人の天使/フィリッポ・リッピ』

『受胎告知/ボッティチェリ』

『ヴィーナスの誕生/ボッティチェリ』

『春(プリマヴェーラ)/ボッティチェリ』
 広大な館内をずんずんと進んでいく。ミケランジェロの『聖家族』は、完成された板絵としては唯一の作品。じっくり見て、やはりべらぼうに上手いなあと感心する。ティツィアーノを過ぎ、ダ・ヴィンチの部屋へ。前回は人の山でまともに見られなかったが、今日は一部屋貸切の状態なので、しっかり鑑賞し、写真を撮る。

〜 広い廊下 〜

『聖家族/ミケランジェロ』

『ひわの聖母/ラファエロ』

『ウルビーノのヴィーナス/ティツィアーノ』

『受胎告知/レオナルド・ダ・ヴィンチ』
 下に降りて、カラヴァッジョの部屋へ進む。今日は、2枚のカラヴァッジョ作品を確認する必要があった。前回の観賞後に調べると、『イサクの犠牲』『歯を抜く人』という2枚を見ていないことに気づいたのだ。近くにいたスタッフに確認したところ、『イサクの犠牲』は貸出し中、『歯を抜く人』のほうは、二人のスタッフが揃って首を振り、「この絵はここにはない」との返事だった。とりあえず納得して部屋を出る。(あとで調べると、この絵はピッティ宮に飾られていたようだ。見た記憶はないのだが。)

『メドゥーサ/カラヴァッジョ』

『バッカス/カラヴァッジョ』
■ ホーン美術館&ブオナロッティ邸
 ウフィツィを1時間半ほどでやりすごし、次に向かったのはホーン美術館。ホーンという人の個人コレクションらしい。開館は9時から10時に変更となったらしく、しばらく庭で待つ。入場すると、とても親切な受付の女性が対応してくれた。2階に登り、部屋を見て回る。絵にプレートはついていないが、貸してもらった冊子でどこに誰の絵があるのかわかる。有名どころは少ないが、フィリッピーノの絵などを鑑賞する。当時のキッチン跡なども見られて面白い。他に客は一人もおらず、女性スタッフが専属でついて案内してくれる。作品数も少ないので、30分ほどで出てきてしまった。

〜 ホーン美術館 〜

フィリッピーノ・リッピ作品
 ホーン美術館を出て歩いていると、陽を浴びて美しいサンタクローチェ教会が見えたので、思わず写真を撮る。そして次に訪れたのは、ブオナロッティ邸。ブオナロッティとは、巨匠ミケランジェロ・ブオナロッティのこと。ミケランジェロの初期の彫刻作品、建築物の模型、彼の絵の模写などが壁一面に並べてある。個人の屋敷としてはかなり豪勢で驚く。あの巨大なダビデ像がどうやって運ばれたかの展示などもあって興味深かった。

サンタークローチェ教会

ブオナロッティ邸

ミケランジェロの肖像画

ミケランジェロの初期作品
■ 昼食
 ブオナロッティ邸を出たのはまだ11時前だったが、おなかがすいていたので、カフェかピッツェリアがあれば入ろう、と大聖堂方面に向かって歩く。すると、あでりーが調べた「FISHING LAB」というお店を発見。トラットリア風でやや高級そうな店だが、パスタのハーフサイズなども選べて、意外に安いので、入ることにする。
 メニューをじっくり見てから、シーフードパスタとフィッシュ&チキンのフライを注文。先に紙袋に入ったパンが出てきて、なかなかいい感じ。その後にやってきたパスタは、シーフードのはずがなぜかミートソースだった。メニューをよく見直してみると、「SEAFOOD」に見えたのが「SEASONING」だったと判明する。それでも、平打ち気味の麺にソースがよく絡んでおいしい。フィッシュとチキンのフライは素材が新鮮ですばらしい。二人とも少食なので、これを二人で分ければしっかり一食分となる。結果、席料込みで14ユーロ。料金的にも大満足だった。
■ クーポラの前に
 食後、大聖堂前にやってきた。今日は晴れ間もあるので、一段ときれいに見える。クーポラ(大聖堂のドーム部分)に登る13:30の予約まで1時間以上あるので、昨日行けなかったメディチ礼拝堂へ向かう。今日はしっかり開いていた。メディチ家の家系図、墓、ミケランジェロの設計した部屋などを見て回る。あでりーは、メディチ家のロレンツォとジュリアーノの墓が並んでいるのを見て感動している。僕としては、最後に入ったドーム状の部屋が、濃いめの緑の大理石で彩られた正に異空間と呼ぶにふさわしい部屋で、強く印象に残った。

メディチ礼拝堂の入口
 大聖堂前に戻り、先に洗礼堂へ向かう。今日はほとんど人が並んでいないのであっさり入れた。大理石の柱や床など、またもや圧倒的な空間を前に、酔いしれる。
 その後、外に出てふたたび『天国の門』(ギベルティ制作の扉彫刻)を見てから、僕はボルゲーゼ美術館の予約について確認するため案内所に向かい、あでりーは付属美術館の明日の開館状況を確認にいく。案内所では旅行代理店の場所を二つほど教えてもらい、明日行ってみることにする。案内所の外で座って待っていると、あでりーが登場。ジェラートを持っている。昨日見つけたBIO(オーガニック)の店「EDOARDO」で買ったらしい。チョコとピスタチオのジェラートで、二日前に食べたものよりも断然おいしかった。
■ 遂にクーポラに登る
 クーポラの予約はしてあるが、列に並ぶ必要はある。さほどの混雑はなく、時間が来て列も動き始めたので、問題なく入れそうだと呑気に構えていた。と、もうすぐ受付の順番というところで、スタッフが予約チケットを確認していることに気づく。昨日もらった予約のチケットは、レシート類と一緒に宿に置いてある! 僕は、カード式の共通券にデータが入っているので大丈夫と思い込んでいた。順番が来て、おそるおそるスタッフに確認すると、共通券のバーコードから無事にOKとなった。いやー焦った焦った。駄目だったら宿まで走るか、と二人で話していたのだった。(おまけに、後から確認すると予約チケットも実は財布の中に入っていた、というオチ……。そうとう疲れていたのだろう……。)

 セキュリティを抜け、意を決して足を踏み出す。なにしろ、この先463段を歩いて登るのだ。狭いらせん階段をひたすら上へ上へと進む。窓もなく、ただ階段だけを見ながら登るのはなかなかにきつい。息を切らせて半分ほど登ったあたりで、いったん階段が途切れる。ここで、内壁に描かれたブルネレスキのフレスコ画が見られるのだ。このためだけに持参した双眼鏡を使い、じっくりと鑑賞する。
 その後ふたたび階段を進むが、途中から手すりが出てきてずいぶん楽になる。最後は渋滞するので、止まり止まりしながら、ようやく最上部に到達する。

 初めてフィレンツェの町並みを上から眺める。あのレンガ色の町並みがようやく見られた。晴れているからとてもきれいだ。昨日だと雨だったので、今日登ることにして本当によかったと思う。遠目にも目立つサンタクローチェ教会をバックに、二人で写真を撮ってもらう。すると、あでりーが欲を出してもう1カット、「ジョットの鐘楼」をバックで、とまた別の人に頼んで撮ってもらう。
 充分に堪能し、クーポラを降りる。登りと違い、楽に降りてきた。
■ まだまだ終わらない
 休憩をとることもなく、つづいてサンタマリア・ノヴェッラ教会へ向かう。フィレンツェの中央駅はサンタマリア・ノヴェッラ駅だが、この駅のすぐそばにある教会がそれだ。白い大理石の建物が実にきれい。教会前が広場になっていて、一休みするのも気持ちよさそうだ。しかし、時間がないので教会の中に入る。
 フレスコ画の上から巨大な油彩画がかぶせてある妙な場所があった。そこを通り過ぎると、人だかりができている。この教会最大の目玉、マザッチオの『三位一体』だ。他にも、入口上部の三角形の絵がボッティチェリ、奥にはブルネレスキの十字架、内陣にあるギルランダイオのフレスコ画「マリアとサン・ジョヴァンニの生涯」はよくわからないがあれかなあ、という感じで、有名どころがしっかりある。
 教会を出てから、回廊を抜けて付属博物館に入る。ここには、教会から外したらしいウッチェロのフレスコ画がたくさん並んでいた。

『三位一体/マザッチオ』

ブルネレスキの十字架
 サンタマリア・ノヴェッラ教会を出て、公園をはさんで正面にある現代美術館に入る。二人とも、いわゆる現代アート系にはほとんど興味がないため、さらっと流し見していく。一枚だけモランディの静物画を発見したが、収穫はそれくらい。
 続いて向かったのは、2ブロックほど歩いた先にあるオニサンティ教会。あまり期待せずにぶらりと歩いていたら、見たことのある絵があり驚く。なんと、東京のボッティチェリ展で見たフレスコ画『書斎の聖アウグスティヌス』が飾られていた! 感激して、何枚も撮影する。反対側に対になって飾られているフレスコ画『書斎の聖ヒエロニムス』は、ギルランダイオ作だ。こちらも劣らず出来がいい。

『書斎の聖アウグスティヌス/ボッティチェリ』

『書斎の聖ヒエロニムス/ギルランダイオ』
 外に出て川岸を歩く。晴れているから気持ちがいい。周辺のきれいな景色を楽しみつつ、サンタ・トリニタ教会へ。
 中央右側の祭壇に人だかりがあった。有名なギルランダイオの作品だ。フレスコ画「聖フランチェスコの生涯」と、祭壇画の「牧者の礼拝」。50セントでライトが点くのでお金を探していたら、誰かが入れてくれた。

フレスコ画『聖フランチェスコの生涯』と祭壇画『牧者の礼拝』
 教会を出て、シニョーリア広場まで歩く。中心部に近づくにつれ、人の数が増えていく。ここで僕は足が限界になったので、カフェを探すことに。しかし、少し歩き回ったが、見当たらない。あでりーは休まずにヴェッキオ宮に入り、僕は外で休むことにして別れる。
 ふたたび周辺を歩いて回るが、カフェというのは、どこにでもあるようで、探すと見当たらない。疲れて段差に腰かけていると、近くに観光名所のイノシシ像を発見する。そのすぐ近くにカフェがあったので、入る。落ち着いてよく見てみると、そこは二日前に帰り道で惣菜を買った店だった。カフェだけでもOKかを確認し、席につく。カプチーノで一休み。安心のおいしさだ。テレビではスペインサッカーの試合が放送されており、バルセロナ対アトレチコという大一番をやっていた。18時過ぎに店を出る。

 ヴェッキオ宮がまだ開いているので、追っかけで入ってみようかと思うが、スタッフに聞くと入場は終わったとのこと。待ち合わせの彫像前で座って待っていると、あでりーがやってきた。ダ・ヴィンチとミケランジェロが対決するはずだった500人広間や、ヴァザーリの設計した部屋、ボッティチェリの絵などがあり、すごく良かったと話してくれた。

500人広間
 その後、夕食の店を探して歩く。8ユーロでやっているアペリティーボ(定額食べ放題)の店を見つけていたが、今日は休みだった。別の8ユーロの店「I Ghibellini」を発見し、外から見えた食事がおいしそうだったので入ることに。
 奥のテーブル席が空いていたので座る。酒が一杯ずつ飲めるので、ビールと白ワインを注文する。料理は、ハム、サラミ、ナス&パプリカ等の炒め物、筒状パスタミートソース、サイコロ状の高野豆腐風、パン、レバーペーストなどなど。適当に取って食べてみると、ビールにワイン、食事とどれも素晴らしくおいしい。しばらくして、焼きたてのピザがカウンターに並ぶ。こちらも取っていいらしく、3種類ほど食べる。これまた最高。料理は僕らの席のすぐそばに並んでいるので、とても都合がいい。何度もおかわりをし、しっかりお腹いっぱいになる。



夜のフィレンツェ
 帰りにCONADに寄る。あでりーが昨日入ったスーパーだ。なかなか大きな店で、生鮮食品、惣菜なども充実している。水、小瓶のオリーブオイル、ケーキ2種などを購入する。帰ってから、持参のコーヒー豆で煮出しコーヒーを作る。フィルターを二枚使い、けっこうおいしく入った。ケーキはどちらも甘すぎて、少し残した。

 その後、僕は日記や細々とした作業をし、あでりーはすぐにベッドに入った。
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