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テールスライド

てーる・すらいど(メカ/用語)

 ジェット機の高機動性をアピールするデモ機動の一つで、推力重量比が1以上の機体に可能な技。垂直上昇中にエンジンの出力を徐々に絞り、エンジン推力と機体の重量を等しくすることで空中に静止、さらに少しずつ出力を絞ることで今度は垂直上昇の姿勢のまま機体を降下させる機動のこと。一時もてはやされたが、ソ連(ロシア)のプガチョフズ・コブラをはじめとする機動デモに航空ショーの主役はさらわれてしまった

ティーガー

てぃーがー(軍事/戦車)

 旧ドイツ陸軍六号戦車"ティーガー"。英語読みではもちろんタイガー戦車。戦局が思わしくない時期に開発されたため、機動性よりも防御力と攻撃力に重点が置かれた。戦車といえばティーガー、ちうぐらい有名だが、無敵の破壊力と引き替えに車両自体は鈍重で信頼性が低く、まともに走ることも難しい。こんな戦車が必要になると言うことは、すでに戦争には負けたも同然と言うこと。これでも劣性が続くので、さらにやけくそになったドイツが作ったのが、ティーガー2型ことケーニヒスティーガー

ティアドロップ

てぃあ・どろっぷ(軍事/用語)

 涙滴型艦形を持つ潜水艦を指す。水上性能よりも水中性能を重視した艦形で、現代の軍用潜水艦はみなこの形式。水上航行が主になる第二次世界大戦までの潜水艦は凌波性も考慮した、シップ型と呼ばれる艦形を持つ。初代707号はシップ型、二代目のそれはティアドロップとシップの混合形の艦形を持っている。

ディオラマ

でぃおらま(模型/用語)

 ジオラマとも、ダイオラマとも。特定の一場面を、模型を用いて再現すること。小さなサイズのディオラマはヴィネットと呼ばれたりもする。最近じゃ情景王こと山田卓司さんが有名だが、それ以外にも作り手やそのときどきのはやりでその作風は多様。ちなみに同じ情景模型でも鉄道模型の世界ではディオラマとは言わずレイアウト、と呼ぶ。

ディスカバリー

でぃすかばりー(メカ/機名)

 アメリカのスペースシャトル・オービターの3機目の機体。"ディスカバリー"の名前は"エンデバー"とともにキャプテン・クックの航海に赴いた帆船の名前から。

でぃすかばりー(映画/メカ)

 アメリカの有人木製探査用宇宙船。コンピュータ"HAL9000"の原因不明の反乱で機能を停止、木製軌道上を漂流する。精子をモチーフにしたといわれるデザインと長時間露光により可能になったディティールの明暗の美しさが印象的だが、なぜかモケイに恵まれない
 →2001年宇宙の旅

ティターンズ

てぃたーんず(アニメ/団体)

 連邦の、少数の選ばれたエリートによる人類支配を提唱する団体。ジオンとの戦争の結果、連邦の軍人の一部にジオン式の支配形態を理想と捉える一派が出て来たといううことであろうか。エリートというわりには人材不足だったようで、あっさり壊滅しちゃった。
 →機動戦士Zガンダム

ディノ・デ・ラウレンティス

でぃの・で・らうれんてぃす(人物/映画プロデューサー)

 大作志向の映画プロデューサー。巨額の制作費を投入した大スペクタクル映画を好むが、出来てくる作品は巨大なハリボテ映画になってることが多い。最近は娘のラフェーラがプロデュースを行っているようである。

ディメンション・タイド

でぃめんしょん・たいど(映画/メカ)

 狙い定めたポイントに、直径2メートルのブラックホールを作り出し、周囲のものを全て吸い込んで消滅させる、究極の対ゴジラ用超兵器。実験時に生じた時空の歪みからメガヌロンの卵を現代世界に持ち込んでしまう。
 →ゴジラ×メガギラス G消滅作戦

ティンティン

てぃんてぃん(TV/キャラクタ)

 ティンティン・キラノ。トレーシー家の執事、キラノの一人娘。ロンドンでの大学生活を終え、トレーシー島に戻るべく乗り込んだファイヤーフラッシュ号が事件に巻き込まれる。国際救助隊ではジェフの秘書兼ブレインズの助手を務める。アランと恋仲、というのが定説だが本命はバージル、という説もある。なお、日本では"ティンティン"という音の響きがヤバそうという判断から"ミンミン"と名前が変更された。

テキーラガンダム

てきーら・がんだむ(アニメ/メカ)

 第13回ガンダムファイトにエントリーしたネオメキシコのモビルファイター。ファイターはチコ・ロドリゲス。メキシコというイメージからは異なり、水中戦を得意とするマシン。なんでも頭部のソンブレロ状の物体は水中推進器の役割を果たすんだそうだ。
 →機動武闘伝Gガンダム

デギン・ザビ

でぎん・ざび(アニメ/キャラクタ)

 ジオン公国の公王。デギン・ソド・ザビ。ジオン・ダイクンを暗殺しスペースノイド達をまとめてジオン公国を作ったコワモテで、その風貌も奇怪だが、長兄ギレンが長じるにつれて、なにやら弱気なじいさまになってしまったようだ。「貴公はその尻尾だな。」
 →機動戦士ガンダム

手塚治虫

てづか・おさむ(人物/マンガ家)

 "マンガの神様"。オレと近い世代の人であれば、昭和天皇の崩御も美空ひばりの死去も、その衝撃と喪失感において、手塚治虫さん死去のニュースのショックの比ではないだろう。日本のマンガ、アニメが世界のなかで独自の位置を築く礎をつくり、それを育ててきた人。代表作などと私がいうのもおこがましいくらいの傑作の宝庫から、あえて一つ選ばせていただくならば、"鉄腕アトム"の"史上最大のロボット"編、かなあ……

鉄人28号

てつじん・にじゅう・はち・ごう(マンガ/タイトル)

 横山光輝作のロボットマンガ。覚えている人がどれくらいいるか知らないが、オレが少年時代、毎月10日が"鉄腕アトム"、20日が"鉄人"の別冊コミック(光文社だったと思う)の発売日であって、すでにいっぱしのメカフェチ小僧だったオレは、当然鉄人の方を読んでいた。その絵柄などから、古臭いイメージを持たれるかもしれない横山作品であるが、霧の中から姿を表す"ブラック・オックス"の描写、正太郎を付け狙う暗殺者のサイレンサーつき拳銃から発射された銃弾がいきなり正太郎少年の目の前のショーウインドウにぴしりと穴をあける、なんてシーンなど、極めて映像的にかっこいいショットが数多くある。

鉄ちゃん

てっちゃん(模型/用語)

 主にプラモデルのマニアが鉄道模型マニアを指して呼ぶ時に使われる言葉。若干の揶揄も含まれてないとは言わんが、基本的にプラモデルファンは鉄道模型ファンを深く尊敬している。プラモファンのオレがいうんだから間違いない。特にディオラマ関連のさまざまな小技の分野において、プラモファンは鉄ちゃんに頭が上がらない。

テトリス

てとりす(ゲーム/タイトル)

 元祖"落ちゲ−"。現在に至るまで膨大な数の亜流を生むが、本家をこえる面白さを持ったモノは少ない。もともとはソ連の数学者、アレクセイ・パジトノフの考案した教育玩具で、抑圧と開放のバランスがよく取れた傑作パズルゲーム。アーケードではセガのブランドで発売されていたが、版権のごたごたからコンシューマー版は任天堂が版権を握り、セガはみすみすビジネスチャンスを逃すことに。このゲームが無ければゲームボーイのスタートダッシュはあり得なかった。

デューン/砂の惑星

でゅーん/すな・の・わくせい(SF/小説)

 フランク・ハーバート作。砂漠の惑星アラキスを舞台に繰り広げられる権力闘争の一大年代記。SF史上もっとも重要なシリーズの一つ。最初にハヤカワSF文庫から刊行されたときには、カバーイラストを石森章太郎氏が、後の続編では加藤直之氏が描いていた。直之さんファンのワタシだが、これだけは石森版の方が好き。

デルタダート

でるた・だーと(軍事/機体)

 コンベアF−106"デルタダート"ジェット戦闘機。F−102の改良型だが、ほとんど別設計といっていいくらいに改修箇所が多かったため別の名前が付けられた。上から見ても前から見てもやたらと三角形が強調された独特で優美な機体で、"デルタ"シリーズのファンは多い

デルタダガー

でるた・だがー(軍事/機体)

 コンベアF−102"デルタダガー"ジェット戦闘機。アメリカ初の完全なデルタ翼の戦闘機だが、開発当初は所期の性能を出すことはできなかった。同時期にNACA(今のNASA)で研究が進んでいた、"エリアルール"理論を導入し、再設計した機体になってからようやくその本領を発揮する。地上のレーダーサイトとデータリンクして迎撃を行う、という防空システムの一環として機能する、最初の機体でもある

テルミット焼夷弾

てるみっと・しょうい・だん(軍事/用語)

 植物性油脂(いわゆるナパーム)を使用した焼夷弾のこと。先の大戦で米軍が日本に盛大に撒き散らしたのがこれだ。その開発の裏には、日本の家屋が木と紙でできた極めて燃えやすいものであるというリサーチがあった。こいつで焼かれた人たちには心から哀悼の意を表しつつ、戦争するってことを甘く見ていた焼かれた側の指導者たちの不勉強ぶりが今に至るまで持続している事に、結構な危惧を抱いたりしているんであるがどうか。

テンゲン

てんげん(ゲーム/メーカー)

 アタリのコンシューマ向けブランド名。知ってる人は知ってるとおり、"アタリ"同様"テンゲン"も囲碁用語。天元のこと。とにかくこのメーカーのインストのブッ飛び具合は天下一品で、メガドラのピンボールゲーム、"ドラゴンズ・リベンジ"のインストは第一ページ目から、「"ドラゴンズ・リベンジ"………"竜の復讐"。そのまんまやんけ!」で始まる。

伝説巨人イデオン

でんせつきょじん・いでおん(アニメ/タイトル)

 "機動戦士ガンダム"に続く富野吉幸監督作品。一時期を境に富野作品にはヤなヤツが多数登場するようになるのだが、恐らくこの作品が質量ともにナンバーワンではないか。劇場版はオレが途中で席を立った唯一の映画。

電人ザボーガー

でんじん・ざぼーがー(TV/タイトル)

 原作が小池一夫さんだったとは知らなかった。まあ影の主役とも言うべきロボット、ザボーガーのかわいそうな扱いは、虐げられまくる小池劇画の主人公らしいとも言えるけど。ちなみにひなたの主役、大門豊役は山口暁氏。ライダーマンの彼である。メカに妙に人間味を持たせたりしない分、わたしゃ結構好きでしたが。

伝染性夢遊病

でんせん・せい・むゆう・びょう(映画/用語)

 世界戦争のさなかに某国が使用した細菌兵器がもとで、全世界に蔓延した難病。その名の通り空気感染する伝染病で、発病すると理性を失った状態でさまよい歩く。戦争とこの病気の影響で、地球の人口は激減し、文明も大きく後退してしまうことになる。
 →来るべき世界

電送人間

でんそう・にんげん(映画/タイトル)

 1960年東宝。終戦のどさくさに紛れてその行方をくらました"軍用行李二号"にまつわる復讐譚。怪獣モノではさんざんな評価の福田純監督だが、ここではシャープでスピーディーな演出を見せる。主演に特撮には珍しい、鶴田"昭和枯れすすき"浩二サン(若くてかっこいい)、ワキを土屋義男平田昭彦がトレンチコートでシブく決めて固める。電送人間を演じる中丸忠男サンの非人間的なブキミさもいい。いわゆる"変身人間"三部作の中で、オレはコレが一番好きです。

点描

てん・びょう(コミック/用語)

 読んで字のごとし。ただひたすらにテンテンを打って絵を作る手法のこと。輪郭がなく、濃淡が自由にコントロールできるため、少女マンガでは心理的な描写の効果に良く使われるが、少年マンガでは基本的にそういう使われ方はされず、モノのディティールを表現するのに使われるにすぎかった。80年代のラブコメ少年マンガブームとともに、少年マンガ界でも一般的な技法となる。