Turip
チューリップの出てくる物語や詩、漫画などをご紹介しています。
ユリ科の秋植え球根
〔別名〕鬱金香 〔花期〕3月〜5月
〔花言葉〕博愛・思いやり・愛の告白(赤)・望みなき恋(黄)・失恋(白)・不滅の愛(紫)・美しい瞳(緑)
原産地は東アジアから中央アジア、トルコ、北アフリカなどで、多くの野生種が知られている。
<詩>
三好達治 「チューリップ」
蜂の羽音が
チューリップの花に消える
微風の中にひつそりと
客を迎へた赤い部屋
<小説>
アンデルセン 「おやゆび姫」
むかし、かわいいこどもをどうしても欲しい女の人がいた。女の人は魔法使いのおばあさんのところへ相談に行き、銀貨十二枚と引き換えに大麦の種をもらう。
女の人が蒔いた種からは、チューリップのような植物が生えてくるが、花を咲かせない。しかし、何度もキスをすると、赤い花が咲き、花の中に親指の半分しかない小さな女の子が座っていた……。
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おやゆび姫はチューリップの中からうまれます。
よく知られた童話です。
トーベ・ヤンソン 『小さなトロールと大きな洪水』 講談社
いなくなったパパを探してムーミントロールは、ママと旅を続けていた。
もうすぐ冬、ムーミントロールたちは寒さに弱いので、家も探さなければいけない。
森の中の暗やみを明るくするために、ムーミントロールのままは大きな花のランプを摘む。
そこで、小さな生き物と出会い……。
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ムーミンのお家がどうやってできたのかの物語でもあります。
小川洋子 「ドミトリイ」(『妊娠カレンダー』収録) 文藝春秋
歳の離れたいとこからの電話をきっかけに、わたしは昔お世話になった学生寮と連絡をとることになった。いとこはお金に困っていて、安いところを探していたのだ。
学生寮に電話をしたわたしは、昔と同じように喋る、寮の経営者兼管理人の「先生」と話をする。いとこの入寮については大丈夫そうだったが、先生は寮について何か説明しづらい事情を抱えているようで……。
花壇には薄紫色のチューリップが咲いていた。見るたびに違う色のチューリップが、一列ずつ順番に咲いているのだった。……(p.128)
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何気なく書かれている描写が、だんだん奇妙なできごとへとつながっていきます。
<漫画>
花郁悠紀子 「チューリップ・カーニバル」 (『アナスタシアとおとなり』収録)秋田書店
母親に過保護に育てられたエディーの住むところにも、チューリップ・カーニバルがやってきた。
行ってみたいと思うエディーだが、母親を心配させたくないので言い出せない。
ところが、ある日不思議な風が吹き、気がつくとエディーはチューリップ・カーニバルが行われている遊園地に立っていて……。
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不思議な魔法の物語です。