「架空の庭」の入り口へ 

Poppy

ポピー

ポピーの出てくる物語や漫画などをご紹介しています。

朝顔

ケシ科の一年草(多年草のものもある)

〔別名〕罌粟・虞美人草・阿片花・コクリコ 〔花期〕春〜夏

〔花言葉〕慰め(赤)・妄想(赤)・休息(赤)・眠り(白)・忘却(白)・心の平安

春に橙・桃・紅・紫・白色などの四弁の大きな花を咲かせる。花は繊細で散りやすい。

 

<小説>


ガルシン 「赤い花」(『赤い花』収録) 旺文社文庫

精神病院に入院した「彼」は、自分が病院にいることも、自分が病気であることさえ理解していた。
また、彼の周りにいる人が病人だということも知っていたが、それと同時に彼がかつて知っていた、あるいは本で読んだり、耳で聞いたことのある人の面影をそこに見出すのだった。
彼にかかれば病院の建物もその来歴を語り始めるのだ。

ある日、彼は庭でふつうと違う、あざやかに赤いケシの花に目を留める。その花はあらゆる悪が集まってできている(と彼は信じた)。花を抜き処分しようと思った彼は……。

+ + +

赤いけしはどこか毒々しい感じがします。また、阿片が作られる品種があることも悪の象徴として捉えられたのかもしれません。
ガルシン(1855-1888)はロシアの作家。

<漫画>


花郁悠紀子 「幻の花恋」(『幻の花恋』収録) 秋田書店

母親の病気療養のため田舎で過ごすことになった司は、そこで鬼姫・夜叉と呼ばれる双子の姉弟の噂を聞く。彼女たちはアメリカ人の父を持ち、偏屈な祖父に育てられたこともあって、周囲からは遠巻きにされていた。

級友の陰湿ないじめで木にしばられた司は、鬼姫と呼ばれる「すずか」に出会い、好意を持つようになるのだが……。

+ + +

白と赤の芥子が鮮やかな短編です。