Rape blossoms
菜の花の出てくる物語や詩などをご紹介しています。
アブラナ科の一年草(二年草)
〔別名〕花菜・油菜 〔花期〕3月〜4月
〔花言葉〕快活
西アジア原産。油をしぼる油菜も菜の花に含まれるが、一般的には観賞用の品種を菜の花と呼ぶことが多い。春の野を黄色に飾り、葉の緑とのコントラストも美しい。
<短歌・俳句>
遠つあふみ 大河ながるる 国なかば
菜の花さきぬ 富士をあなたに (与謝野晶子)
菜の花や 月は東に 日は西に (蕪村)
菜の花の とつぱづれなり ふじの山 (一茶)
菜の花の 遥かに黄なり 筑後川 (夏目漱石)
<詩>
中原中也 「春と赤ン坊」
菜の花畑で眠つてゐるのは……
菜の花畑で吹かれてゐるのは……
赤ン坊ではないでせうか?
いいえ、空で鳴るのは、電線です電線です
ひねもす、空で鳴るのは、あれは電線です
菜の花畑に眠つているのは、赤ン坊ですけど
走つてゆくのは、自転車々々々
向ふの道を、走つてゆくのは
薄桃色の、風を切つて……
薄桃色の、風を切つて
走つてゆくのは菜の花畑や空の白雲
――赤ン坊を畑に置いて
山村暮鳥 「風景 純銀もざいく」
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
かすかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
ひばりのおしやべり
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
やめるはひるのつき
いちめんのなのはな。
<小説>
淺川じゅん 『なの花なな子の花ばたけ』
なな子は小学2年生。でも学校には通っていない。みどりがおか小学校に通いはじめて三日目に、なな子は大きな病院に入院することになってしまったのだ。
なな子は、一年前のことをベッドの上で思い出している。入学式の日、となりのちえちゃんと手をつないででかけた学校は丘の上にあって、丘は一面の菜の花畑だった。
なな子の心の中では、みどりがおか小学校は、いつも「きいろがおか小学校」なのだ……。
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短く字の大きいお話ですが、入院生活のつらさ、自分だけ取り残されていくような寂しさといったものもきちんと書かれています。
なな子は菜の花畑を見ることができたかどうかは、本を読んでご確認ください。