ユークリッド空間Rnにおける正規直交基底の存在と構成 : トピック一覧 

 ・定理:シュミットの直交化法 
 ・定理:n次元ユークリッド空間における正規直交基底の存在


 【関連ページ】

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定理:シュミットの直交化法  Orthogonalization of Schmidt, Orthonormalization of Schmidt 

 
【舞台設定】
Rnn次元数ベクトル空間 
x,yn次元数ベクトル
   具体的に書くと、x1, x2, , xnRとして、x=( x1, x2, , xn )n  
           y1, y2, , ynRとして、y=( y1, y2, , yn )n  
xyn次元数ベクトルx,y自然な内積。これによって、n計量実ベクトル空間となる。 
x計量実ベクトル空間nにおけるユークリッドノルム自然な内積を用いて定義される) 
d (x,y)ユークリッドノルムから定められたユークリッド距離  
Rn,d ):n次元ユークリッド空間  
【本題】 
n次元数ベクトルv1, v2, , vnが、n次元数ベクトル空間Rn基底をなすならば 
n次元数ベクトルv1, v2, , vnから、n次元ユークリッド空間Rn正規直交基底u1,u2,, unを構成できる。

【文献】
 ・砂田『行列と行列式』§7.1-(c)(p.246);
 ・斎藤『線形代数入門』4章§6(pp.121-2);
 ・布川『線形代数と凸解析』定理4.3(p.68)
 ・志賀『固有値問題30講』9講(p.69);
 ・永田『理系のための線形代数の基礎』定理4.24;系4.25(p.118).



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定理:n次元ユークリッド空間における正規直交基底の存在  

 
【舞台設定】 
R  :実数体R  
Rn :n次元数ベクトル空間 
x,y :n次元数ベクトル
   具体的に書くと、x1, x2, , xnRとして、x=( x1, x2, , xn )n  
           y1, y2, , ynRとして、y=( y1, y2, , yn )n  
xyn次元数ベクトルx,y自然な内積。これによって、n計量実ベクトル空間となる。 
x計量実ベクトル空間nにおけるユークリッドノルム自然な内積を用いて定義される) 
d (x,y)ユークリッドノルムから定められたユークリッド距離  
Rn,d ):n次元ユークリッド空間  

【本題】
n次元ユークリッド空間Rnには、正規直交基底が存在する。
 なぜなら、少なくとも、Rn基本ベクトル正規直交基底をなすから()。

【文献】
 ・永田『理系のための線形代数の基礎』系4.2.6(p.118);
 ・斎藤『線形代数入門』4章§6定理6.3(p.122);
 ・砂田『行列と行列式』§7.1-(c)定理7.17(p.245);
 ・志賀『固有値問題30講』9講(p.68).


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定理:n次元ユークリッド空間における正規直交系と正規直交基底の存在  


【舞台設定】 
R  :実数体R  
Rn  :計量実ベクトル空間。なお、計量実ベクトル空間の定義により、n次元数ベクトル空間でもある。  
x,yn次元数ベクトル
   具体的に書くと、x1, x2, , xnRとして、x=( x1, x2, , xn )n  
           y1, y2, , ynRとして、y=( y1, y2, , yn )n  
xyn次元数ベクトルx,y自然な内積。これによって、n計量実ベクトル空間となる。 
x計量実ベクトル空間nにおけるユークリッドノルム自然な内積を用いて定義される)
d (x,y)ユークリッドノルムから定められたユークリッド距離  
Rn,d ):n次元ユークリッド空間  

【本題】

 ・n次元ユークリッド空間Rnには、正規直交系が存在し、
  これにいくつかのn次元数ベクトルを加えることで正規直交基底とすることができる。

【文献】

 ・永田『理系のための線形代数の基礎』系4.2.6(p.118)
 ・砂田『行列と行列式』§7.1-(c)定理7.17(p.245)



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(reference)

日本数学会編集『岩波数学辞典(第三版)』 岩波書店、1985年、項目341ヒルベルト空間C.正規直交系(pp.1006-7)

線形代数のテキスト
ホフマン・クンツェ『線形代数学I』培風館、1976年。
永田雅宜『理系のための線形代数の基礎』紀伊国屋書店、1986年、4.2正規直交基底の存在と計量同型(p.116-);。
佐武一郎『線形代数学(第44版)』裳華房、1987年。
志賀浩二『数学30講シリーズ:線形代数30講』朝倉書店、1988年。
藤原毅夫『理工系の基礎数学2:線形代数』岩波書店、1996年。
斎藤正彦『線形代数入門』東京大学出版会、1966年、4章§6計量線形空間(p.121-)。
砂田利一『現代数学への入門:行列と行列式』2003年、、§7.1-(b)正規直交系 (c)正規直交基底 (pp.242-7).

解析学のテキスト
杉浦光夫『解析入門I』東京大学出版会、1987年、I章§4(pp.33-38)。
数理経済学のテキスト
神谷和也・浦井憲『経済学のための数学入門』東京大学出版会、1996年、§3.2.3(p.124)。
布川昊,谷野哲三,中山弘隆『線形代数と凸解析』コロナ社、1991年、4.1.1内積と直交(pp.65-70)。