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「区間縮小法の原理」その1−内容【表現1:有界閉区間列の概念を用いて】・有界閉区間の集合列I1,I2,I3,…が 単調減少列(どの有界閉区間も、後続有界閉区間を含む) ならば、 有界閉区間の集合列I1,I2,I3,…の共通部分に属す実数が存在する。 ・つまり、 有界閉区間の集合列I1,I2,I3,…について、 「I1 ⊃ I2 ⊃ I3 ⊃…⊃ In ⊃ …」⇒「I1∩I2∩I3∩…∩In∩…≠φ」 ・簡潔に書くと、 有界閉区間の集合列I1,I2,I3,…について、
[神谷浦井『経済学のための数学入門』定理2.2.5(p.75)] |
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【表現2:有界閉区間列の概念を書き下して】・有界閉区間列 [a1,b1],[a2,b2],[a3,b3],…,[an,bn],… (a1,a2,a3,…, b1,b2,b3,…は実数)について、 「[a1,b1] ⊃[a2,b2]⊃[a3,b3]⊃…⊃[an, bn]⊃…」 ⇒ 「[a1,b1]∩[a2,b2]∩[a3,b3]∩…∩[an, bn]∩…≠φ」 ・簡潔に書くと、 [ ai , bi ] (iは自然数、ai , bi は実数)について、
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【有界閉区間列の概念を用いずに】・実数列 a1,a2,a3,…、 実数列 b1,b2,b3,…について、 ・実数列 a1,a2,a3,…は広義単調増加列、つまり、 a1≦a2≦a3≦… かつ ・実数列 b1,b2,b3,…は広義単調減少列、つまり、 b1≧b2≧b3≧… かつ ・任意の自然数iについて、ai < bi 、 つまり、 a1<b1, a2<b2, a3<b3,… が満たされるならば、 「任意の自然数iについて、ai ≦ c≦ bi 」を満たす実数cが存在する。 |
「区間縮小法の原理」その2−内容 | |||||||||||
【有界閉区間列の概念を用いて】・有界閉区間の集合列I1,I2,I3,…が 単調減少列(すなわち、各有界閉区間が、それに後続する有界閉区間を含む) かつ 有界閉区間列I1,I2,I3,…の極限において、有界閉区間の幅が0に収束する ならば、 有界閉区間の集合列I1,I2,I3,…の共通部分は、ただ一つの実数が属す一元集合となる。 ・つまり、 「『[a1,b1] ⊃ [a2,b2] ⊃ [a3,b3] ⊃…⊃ [an, bn] ⊃ …』 かつ 『( bi − ai )→0 (i→∞)』」⇒「『[a1,b1]∩[a2,b2]∩[a3,b3]∩…∩[an, bn]∩…={ c }』となって、 ai→c (i→∞) , bi→c (i→∞)」 簡潔に書くと、
・区間縮小法とは、上記の定理による、有界閉区間列I1,I2,I3,…の共通部分に属す「1個の実数」の確定のこと。 【有界閉区間列の概念を用いずに】・実数列 a1,a2,a3,…、 実数列 b1,b2,b3,…について、 ・実数列 a1,a2,a3,…は広義単調増加列、つまり、 a1≦a2≦a3≦… かつ ・実数列 b1,b2,b3,…は広義単調減少列、つまり、 b1≧b2≧b3≧… かつ ・任意の自然数iについて、ai < bi 、 つまり、 a1<b1, a2<b2, a3<b3,… かつ ・ ( bi − ai )→0 (i→∞) が満たされるならば、 「任意の自然数iについて、ai ≦ c≦ bi 」を満たす実数cが、ただ一つ存在し、 ai→c (i→∞) , bi→c (i→∞)。 [加藤『微分積分学原論』定理2.1(pp.24-25);・赤『実数論講義』§5.5(pp.131-132)] ・実数列 a1,a2,a3,…、 実数列 b1,b2,b3,…について、 a1≦a2≦a3≦…≦an≦…≦bn≦…≦b3≦b2≦b1 かつ ( bi − ai )→0 (i→∞) が満たされるならば、 「任意の自然数iについて、ai ≦ c≦ bi 」を満たす実数cが、ただ一つ存在し、 ai→c (i→∞) , bi→c (i→∞)。 [黒田『微分積分学』定理2.15;・『岩波数学辞典』156B-4(pp.417-418):] |
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「区間縮小法の原理」−証明ここで使う定理。[杉浦参照] ・有界単調増加数列の収束定理 ・数列の大小関係の極限操作後の保存 ・実数の稠密性 |
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「区間縮小法の原理」−位置づけ・ アルキメデスの公理とあわせると、実数体の連続性公理と同値になる。 つまり、アルキメデスの公理と区間縮小法の原理は、実数体の連続性公理と同じ内容で、表現が異なるだけ。 だから、アルキメデスの公理と区間縮小法の原理を、「実数体の連続性公理」として実数体の定義に組み入れて 「実数体の連続性公理」にされたワイエルストラウスの公理を、ここから導き出された定義として、提示しても、構わないことになる。 ・高木『解析概論』定理7(pp.10-11)岡田『経済学・経営学のための数学』定理1.5(pp.9-11)は、 区間縮小法⇒デデキントの公理を証明できると主張して、 「区間縮小法の原理」単体で、実数体の連続性公理と同値と述べている。 ・「『アルキメデス+区間縮小法』⇒デデキントの公理」を証明している文献 ・「区間縮小法⇒デデキントの公理」を証明したと主張する文献 ・「『アルキメデス+区間縮小法』⇒ワイヤストラスの公理」を証明している文献 ・「『アルキメデス+区間縮小法』⇒ボルツァノ・ワイヤストラスの定理」(コンパクト性は?)を証明している文献 ・「区間縮小法⇔コー シーの収束条件」 (だから、『アルキメデス+区間縮小法』⇔『アルキメデス+コー シーの収束条件』) を証明している文献 ・「『アルキメデス+区間縮小法』⇒中 間値の定理」を証明している文献 ・「『アルキメデス+区間縮小法』⇒ハイネ・ボレルの被覆定理」を証明している文献 |
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