極限集合 : トピック一覧 

 ・上極限集合の定義/下極限集合の定義/上極限集合と下極限集合の包含関係 
        上極限集合と下極限集合の補集合/集合列の収束と極限の定義
 ・増大列の定義/減少列の定義/単調列の定義/単調列の極限は収束する/増大列の極限/減少列の極限
→参考文献・集合論目次・総目次

定義: 集合列{An}の上極限集合superior limit・最大極限集合






[文献]
 ・黒崎『集合論演習』第5章I(1);II(1)(4)
 ・伊藤『ルベーグ積分入門』p.7
 ・志賀『集合への30講』第12講(p.75;183)
 ・野田宮岡『数理統計学の基礎』3.1.3-4(p.74)
 ・鈴木山田『数理統計学』p.6
 ・盛田『実解析と測度論の基礎』1.3面積と積分(p.25)
 ・『岩波数学辞典』225測度論C(p.627)


[関連事項] 数列の上極限/関数の上極限   
 集合列{An}の上極限集合superior limitないし最大極限集合   







lim sup
 An ないし  lim  An   
n→∞
n→∞

     とは、  
       
   


∞ ∞

=(
∞
)∩( ∞
)∩…

∩
∪
Am
∪ Am ∪ Am

n=1 m=n

m=1
m=2

          = (A1∪A2∪A3∪A4∪…)∩(A2∪A3∪A4∪…)∩(A3∪A4∪…)∩… 
 のことを指す。

(噛み砕いた説明)
1. 集合列{Am}={ A1,A2,A3,A4 ,…}から第n項以降を取り出して、
   集合列{Am|m≧n}={ An,An+1,An+2,… }をつくる。
2. 集合列{Am|m≧n}={ An,An+1,An+2,… }のunion(和集合)
   Un= An∪An+1∪An+2∪…
 をとる。
3.集合Unの集合列={U1,U2,U3,…,}
  ={ (A1∪A2∪A3∪…), (A2∪A3∪A4∪…), (A3∪A4∪A5∪…),…}
 をつくる。(この集合列は減少列となる。)
4.集合Unの集合列={U1,U2,U3,…,}の共通部分を、
 集合列{An}の上極限集合
 と呼び、


lim sup
An ないし

lim

An


n→∞
n→∞
 で表す

(上極限集合の意味) [黒崎『集合論演習』5章II(1);野田宮岡『数理統計学の基礎』3.1. 4(p.74);志賀『集合への30講』12講(p.75;183)]

集合列{An}の上極限集合は、無限に多くのAnに属す元をすべて集めた集合を意味する。
→なぜ? 
以下の命題1、命題2、命題3、命題4は同値になる。
 命題1:ωが「集合列{An}の上極限集合」に属す
 つまり、    





∞ ∞

=(
∞
)∩( ∞
)∩…

ω∈ lim sup An  =
∩
∪
Am
∪ Am ∪ Am



n→∞
n=1 m=n

m=1
m=2


                = (A1∪A2∪A3∪A4∪…)∩(A2∪A3∪A4∪…)∩(A3∪A4∪…)∩… 




∞

=(An∪An+1∪An+2∪An+3∪…)


命題2: 任意の自然数nに対して、ω∈ ∪
Am
が満たされる。



m=n


    つまり、
       ω∈(A1∪A2∪A3∪A4∪…)  
    かつ ω∈(A2∪A3∪A4∪…) 
    かつ ω∈(A3∪A4∪…) 
         : 
         : 
         :
      
 命題3: ∀n∈N ∃m∈N  (m≧n かつ ω∈Am)
      どんな自然数nに対してでも、ちょうどよい自然数mが(少なくとも一つ)存在するので、
      どんな自然数nに対してでも、この自然数mを選んで 
         「 m≧n かつ ω∈Am 」
      を満たすことができる。
   つまり、
    n=1に対してω∈Am1となるAm1(m1≧n=1)が (少なくとも一つ)存在し、かつ、
    n=2に対してω∈Am2となるAm2 (m2≧n=2)が (少なくとも一つ)存在し、かつ、
    n=3に対してω∈Am3となるAm3 (m3≧n=3)が (少なくとも一つ)存在し、かつ、
                 ・
                 ・
                 ・
 命題4:無限に多くのkに対してω∈Ak 
     つまり、ある自然数の無限個の増加列{ k1,k2,k3,…}(k1<k2<k3<…)が存在して、
      ω∈Ak1, ω∈Ak2, ω∈Ak3,…

 ※命題1⇔命題2となるのはなぜ? 
 ※命題2⇔命題3となるのはなぜ?
 ※命題3⇒命題4となるのはなぜ? 

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定義:集合列{An}の下極限集合 inferior limit・最小極限集合

 [黒崎『集合論演習』第5章I(1);II(1)(4);伊藤『ルベーグ積分入門』p.7;志賀『集合への30講』第12講(p.75;183)
  野田宮岡『数理統計学の基礎』3.1.3-4(p.74);鈴木山田『数理統計学』p.6;
  盛田『実解析と測度論の基礎』1.3面積と積分(p.25); 『岩波数学辞典』225測度論C(p.627)。]
   cf.数列の下極限、関数の下極限、 
  集合列{An}の下極限集合inferior limitないし最小極限集合 

lim inf
An ないし

lim

An


n→∞
n→∞
  とは、

∞ ∞

=(
∞
)∪( ∞
)∪…

∪ ∩ Am
∩ Am ∩ Am

n=1 m=n

m=1
m=2

          = (A1∩A2∩A3∩A4∩…) ∪ (A2∩A3∩A4∩…) ∪ (A3∩A4∩…) ∪…
  のことを指す。

(噛み砕いた説明)
1.集合列{Am}={A1,A2,A3,A4,…}から第n項以降を取り出して、
   集合列{Am|m≧n}={An,An+1,An+2,…}をつくる。
2.集合列{Am|m≧n}={An,An+1,An+2,…}のintersection(共通部分)
   Un=An∩An+1∩An+2∩…
 をとる。
3.集合Unの集合列={U1, U2, U3,…}
         ={ (A1∩A2∩A3∩…), (A2∩A3∩A4∩…), (A3∩A4∩A5∩…),…}
 をつくる。(この集合列は増加列となる。)
4.集合Unの集合列={U1, U2, U3,…}のunion(和集合)を、
 集合列{An}の下極限集合
 と呼び、

lim inf
An ないし

lim

An


n→∞
n→∞
  で表す。

(下極限集合の意味) [黒崎『集合論演習』5章II(1);野田宮岡『数理統計学の基礎』3.1. 4(p. 74);
              志賀『集合への30講』12講(p.75;183)]
集合列{An}の下極限集合は、
ほとんど全てのAnに含まれる元の全体からなる集合
(集合列{An}から有限個を除去してのちに、残った無限個すべてのAnに含まれる元の全体からなる集合)
を意味する。
→なぜ? 
以下の命題1、命題2、命題3、命題4は同値になる。
 命題1:ωが「集合列{An}の下極限集合」に属す
 つまり、





∞ ∞

=(
∞
)∪( ∞
)∪…

ω∈ lim inf 
An  =
∪ ∩ Am
∩ Am ∩ Am



n→∞
n=1 m=n

m=1
m=2


                      = (A1∩A2∩A3∩A4∩…)∪(A2∩A3∩A4∩…)∪(A3∩A4∩…)∪… 




∞

=(An∩An+1∩An+2∩An+3∩…)


命題2: (∃n∈N) (∀m∈N) (m≧n ⇒ ω∈ ∩ Am
が満たされる。



m=n



      m≧nを満たす全ての自然数mに対し、


∞


ω∈ ∩ Am


m=n

      を成立させる自然数nが存在する。
   つまり、
    ω∈(An∩An+1∩An+2∩An+3∩An+4∩…)    
    を成立させる自然数nが存在する。
 命題3:(∃n∈N) (∀m∈N) (m≧n⇒ω∈Am)  
 つまり、m≧nを満たす全ての自然数mに対し、
       ω∈Amを成立させる
     自然数nが存在する  
 命題4:ω∈(集合列{An}から有限個を除去したのちに、残った無限個すべてのAn)  
→命題1⇔命題2となるのはなぜ? 
 命題1「ω∈ { (A1∩A2∩A3∩A4∩…) ∪ (A2∩A3∩A4∩…) ∪ (A3∩A4∩…) ∪… } 」
  
⇔ ω∈(A1∩A2∩A3∩A4∩…) or ω∈(A2∩A3∩A4∩…) or ω∈(A3∩A4∩…) or … 
                 ∵
A∪B ={ x | x∈A or x∈B }
  
⇔ 命題2「ω∈(An∩An+1∩A n+2∩A n+3∩A n+4∩…) を成立させる自然数nが存在する。」  
→命題2⇔命題3となるのはなぜ? 
 ω
∈(An∩An+1∩A n+2∩A n+3∩A n+4∩…) とは、 
  ω
∈Anかつω∈An+1かつω∈An+2かつω∈An+3かつω∈An+4かつ… 
 を意味するから(∵ 
A∩B = { x | x∈Aかつx∈B} )、 
 命題
2「 ω∈(An∩An+1∩A n+2∩A n+3∩A n+4∩…) を成立させる自然数nが存在」 
 
⇔「ω∈Anかつω∈An+1かつω∈An+2かつω∈An+3かつω∈An+4かつ…を成立させる自然数nが存在」
 
⇔命題3「m≧nを満たす全ての自然数mに対し、ω∈Amを成立させる自然数nが存在」 
→命題3⇒命題4となるのはなぜ? 
・命題
3「m≧nを満たす全ての自然数mに対しω∈Amを成立させる
     自然数
nが存在」
 
⇒ 集合列から、有限個(n−1個)の集合A1, A2, A3, A4,…A n−1を除去して残った全ての集合
   
An、An+1、A n+2、A n+3、A n+4、… の元にωはなっている。  
  つまり、ω
∈(集合列{An}から有限個を除去したのちに、残った無限個すべてのAn)  
・命題
4「ω∈(集合列{An}から有限個を除去したのちに、残った無限個すべてのAn)」  
 
⇒ ω∈Amとならないmのなかで最大のものを(n−1)とおくと、
    
m≧nを満たす全ての自然数mに対しω∈Am 。
   よって、命題
3「m≧nを満たす全ての自然数mに対しω∈Amを成立させる自然数nが存在」
   が示された。    

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定理:上極限集合と下極限集合の包含関係

  [黒崎『集合論演習』第5章I(2); 伊藤『ルベーグ積分入門』p.7;野田宮岡『数理統計学の基礎』3.1.5(p. 75);
   盛田『実解析と測度論の基礎』1.3面積と積分(p.25);鈴木山田『数理統計学』p.6。]
   集合列{An}の上極限集合 ⊃ 集合列{An}の下極限集合 
   すなわち、


lim sup  An
⊃
lim inf  An


n→∞


n→∞



   または、




lim
 An  ⊃
lim

An 

n→∞
n→∞


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定理:上極限集合と下極限集合の補集合

 [黒崎『集合論演習』第5章II(2); 野田宮岡『数理統計学の基礎』3.1.5(p. 75);『岩波数学辞典』225測度論C(p.627)]
(1)集合列{An}の上極限集合の補集合は、Anの補集合からなる集合列の下極限集合である。 


( lim sup  An
) c
 = 
 lim inf   An c 


n→∞


n→∞



   または、



(
lim
 An 
) c  = 
lim

An c 

n→∞

n→∞


(2)集合列{An}の下極限集合の補集合は、Anの補集合からなる集合列の上極限集合である。 


( lim inf   An
) c
 =
 lim sup   An c 


n→∞


n→∞



   または、



(
lim
 An 
) c  = 

lim

An c 

n→∞

n→∞


証明 [黒崎『集合論演習』第5章I(2); 野田宮岡『数理統計学の基礎』3.1.5(p. 75);]  
 上極限集合・下極限集合の定義にたちかえった上で、ド・モルガン則を用いれば良い。 

 
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定義:集合列{An}の収束・極限 limit

 [黒崎『集合論演習』第5章I(2); 伊藤『ルベーグ積分入門』p.7;野田宮岡『数理統計学の基礎』3.1.3(p. 74);
 盛田『実解析と測度論の基礎』1.3面積と積分(p.25); 『岩波数学辞典』225測度論C(p.627)]
 集合列{An}の上極限集合=下極限集合 が成り立つとき、
 集合列{An}は収束するといい、 
 集合列{An}の上極限集合=下極限集合を
 集合列{An}の極限とよび、



lim
 An 


n→∞


であらわす。

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定義:(単調)増大列・増加列 increasing sequence

[野田宮岡『数理統計学の基礎』3.1.2(p. 73);鈴木山田『数理統計学』p.6;
 盛田『実解析と測度論の基礎』1.3面積と積分(p.25);]
 集合列{An}が
  An⊂ An+1 (n=1,2,…)
 を、満たすとき、「増大列である」「増加列である」という。

 
→[トピック一覧:極限集合]
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定義:(単調)減少列decreasing sequence

[野田宮岡『数理統計学の基礎』3.1.2(p. 73);鈴木山田『数理統計学』p.6;盛田『実解析と測度論の基礎』1.3面積と積分(p.25);]
 集合列{An}が
  An⊃ An+1 (n=1,2,…)
 を、満たすとき、「減少列である」という。

→[トピック一覧:極限集合]
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定義:単調列monotone sequence

  [野田宮岡『数理統計学の基礎』3.1.2(p. 73);鈴木山田『数理統計学』p.6;盛田『実解析と測度論の基礎』1.3面積と積分(p.25);]
 集合列{An}が単調列であるとは、
 集合列{An}が増加列または減少列であることをいう。

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定理:単調列の極限

 [黒崎『集合論演習』第5章II(3);野田宮岡『数理統計学の基礎』3.1.5(p. 75);]
 集合列{An}が単調列であるならば、
 集合列{An}は収束する。
 なぜ?→増加列のとき・減少列のとき 


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定理:増大列の極限

[鈴木山田『数理統計学』p.6; 盛田『実解析と測度論の基礎』1.3面積と積分(p.25);]


増大列では極限
 
lim
 An 
  が存在し、



n→∞






∞


lim An =
∪
Ak

 n→∞
k=1


  なぜなら、…
      増大列の極限


lim sup
An =
lim

An


n→∞
n→∞


∞ ∞

=(
∞
)∩( ∞
)∩…
= ∩
∪
Am
∪ Am ∪ Am

n=1 m=n

m=1
m=2

 


=(
∞
)∩( ∞
)∩…


∪ Am ∪ Am


m=1
m=1

                      


∞
=
∞
=…= ∞
= ∞
=…

    ∵An⊂ An+1(n=1,2,…)より、 ∪ Am ∪ Am ∪ Am ∪ Am


m=1
m=2
m=n
m=n+1


=(
∞
)

∪ Am

m=1


lim inf
An = lim An

n→∞
n→∞



∞ ∞


(
∞
)∪( ∞
)∪…

= ∪ ∩ Am
= ∩ Am ∩ Am  


n=1 m=n


m=1
m=2


          = A1∪A2∪A3∪A4∪… ∵An⊂An+1(n=1,2,…)より

=(
∞
)

∪ An

n=1


したがって、増大列{An }では、
lim
 An   =
lim

An     が成り立ち、 lim
An  が存在する。


n→∞
n→∞

n→∞





∞


lim An =
∪
Ak

 n→∞
k=1


  [具体例]
  集合列 { (−∞,1], (−∞,2], … , (−∞,100] , … , (−∞, 1000], … }
  すなわち、An = (−∞, n ] , n∈Nとして、集合列 { An | n∈N } を考える。
   集合列{An}は、An⊂ An+1 ( n=1,2,… ) を満たすので、「増大列」。
  {An}の上極限集合を調べてみると、










∞ ∞

∞

∞


lim sup
An =
lim

An  = 
∩ ∪
Am = ( ∪ Am )∩( ∪
Am )∩… 


n→∞
n→∞

n=1 m=n
m=1

m=2


     ここで、

∞


∪ Am =(−∞,1]∪(−∞,2]∪…∪(−∞,100]∪…∪(−∞,1000]∪…∪(−∞,∞)=R

m=1



∞


∪ Am =     (−∞,2]∪…∪(−∞,100]∪…∪(−∞,1000]∪…∪(−∞,∞)=R

m=2

        :
        :

∞


∪ Am =            (−∞,100]∪…∪(−∞,1000]∪…∪(−∞,∞)=R

m=100

        :
        :

∞


∪ Am =                    (−∞,1000]∪…∪(−∞,∞)=R

m=1000

        :
        :
     なので、


lim sup
An =
lim

An  = 
R∩R∩…=R 


n→∞
n→∞



  {An}の下極限集合を調べてみると、









∞ ∞

∞

∞


lim inf
An = lim An  = 
∪ ∩ Am = ( ∩ Am )∪( ∩ Am )∪… 


n→∞
n→∞

n=1 m=n
m=1

m=2


    ここで、

∞


∩ Am =(−∞,1]∩(−∞,2]∩…∩(−∞,100]∩…∩(−∞,1000]∩…=(−∞,1]

m=1



∞


∩ Am =     (−∞,2]∩…∩(−∞,100]∩…∩(−∞,1000]∩…=(−∞,2]

m=2

        :
        :

∞


∩ Am =            (−∞,100]∩…∩(−∞,1000]∩…=(−∞,100]

m=100

        :
        :

∞


∩ Am =                    (−∞,1000]∩…=(−∞,1000]

m=1000

        :
        :


∞


lim
∩ Am =(−∞,∞)=R 

m→∞
m

    なので、


lim inf
An = lim An  = 
(−∞,1]∪(−∞,2]∪…∪(−∞,100]∪…∪(−∞,1000]∪…∪(−∞,∞) = (−∞,∞) = R   


n→∞
n→∞





したがって、確かに、
lim
 An   =
lim

An     が成り立ち、 lim
An  が存在する。


n→∞
n→∞

n→∞





∞


lim An =  (−∞,∞) = R = ∪
Ak

 n→∞
k=1



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定理:減少列の極限

  [鈴木山田『数理統計学』p.6; 盛田『実解析と測度論の基礎』1.3面積と積分(p.25);]


減少列では極限
 
lim
 An 
  が存在し、



n→∞






∞


lim An =
∩ Ak

 n→∞
k=1


  なぜなら、…
  減少列の極限

lim sup
An =
lim

An


n→∞
n→∞


∞ ∞

=(
∞
)∩( ∞
)∩…
= ∩
∪
Am
∪ Am ∪ Am

n=1 m=n

m=1
m=2


                  = A1 ∩ A2 ∩ … 

∞
=Ak
∵An⊃An+1(n=1,2,…)より、 ∪ Am

m=k


=
∞

∩ Ak

k=1


lim inf
An = lim An

n→∞
n→∞



∞ ∞


(
∞
)∪( ∞
)∪…

= ∪ ∩ Am
= ∩ Am ∩ Am  


n=1 m=n


m=1
m=2




(
∞
)∪( ∞
)∪…

= ∩ Am ∩ Am  


m=1
m=1




∞
=
∞
=…

    ∵An⊃An+1(n=1,2,…)より、 ∩ Am ∩ Am


m=1
m=2


=(
∞
)

∩ Ak

k=1


したがって、減少列{An }では、
lim
 An   =
lim

An     が成り立ち、 lim
An  が存在する。


n→∞
n→∞

n→∞





∞


lim An =
∩ Ak

 n→∞
k=1


  [具体例]
  集合列
    (−∞, −1 ], (−∞, −2 ], (−∞, −3 ],…, (−∞, −100], …, (−∞, −1000], …
  すなわち、An=(−∞, −n ] , n∈Nとして、集合列{ An | n∈N }を考える。
   集合列{An}は、An⊃An+1 ( n=1,2,… ) を満たすので、「減少列」。

  {An}の上極限集合を調べてみると、









∞ ∞

∞

∞


lim sup
An =
lim

An  = 
∩ ∪
Am = ( ∪ Am )∩( ∪
Am )∩… 


n→∞
n→∞

n=1 m=n
m=1

m=2


     ここで、

∞


∪ Am =(−∞,−1]∪(−∞,−2]∪…∪(−∞,−100]∪…∪(−∞,−1000]∪…∪(−∞,−∞)= (−∞,−1] = A1  

m=1



∞


∪ Am =       (−∞,−2]∪…∪(−∞,−100]∪…∪(−∞,−1000]∪…∪(−∞,−∞)= (−∞,−2] = A2  

m=2

        :
        :

∞


∪ Am =               (−∞,−100]∪…∪(−∞,−1000]∪…∪(−∞,−∞)=(−∞,−100]= A100

m=100

        :
        :

∞


∪ Am =                        (−∞,−1000]∪…∪(−∞,−∞)=(−∞,−1000]= A1000 

m=1000

        :
        :


∞


lim
∪ Am =(−∞,−∞)=φ 

m→∞
m


     なので、


lim sup
An =
lim

An  = 
A1∩A2∩…∩A100∩…∩A1000∩…=(−∞,−1]∩(−∞,−2]∩…∩(−∞,−100]∩…∩(−∞,−1000]∩…=φ 


n→∞
n→∞



  {An}の下極限集合を調べてみると、









∞ ∞

∞

∞


lim inf
An = lim An  = 
∪ ∩ Am = ( ∩ Am )∪( ∩ Am )∪… 


n→∞
n→∞

n=1 m=n
m=1

m=2


    ここで、

∞


∩ Am =(−∞,−1]∩(−∞,−2]∩…∩(−∞,−100]∩…∩(−∞,−1000]∩…∩(−∞,−∞)=φ

m=1



∞


∩ Am =     (−∞,−2]∩…∩(−∞,−100]∩…∩(−∞,−1000]∩…∩(−∞,−∞)=φ

m=2

        :
        :

∞


∩ Am =             (−∞,−100]∩…∩(−∞,−1000]∩…∩(−∞,−∞)=φ

m=100

        :
        :

∞


∩ Am =                    (−∞,−1000]∩…∩(−∞,−∞)=φ

m=1000

        :
        :
    なので、

lim inf
An = lim An  = 
φ∪φ∪…∪φ∪…∪φφ∪…∪φ=φ           


n→∞
n→∞




したがって、確かに、
lim
 An   =
lim

An     が成り立ち、 lim
An  が存在する。


n→∞
n→∞

n→∞





∞


lim An =  (−∞,−∞) = φ =
∩
Ak

 n→∞
k=1



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reference

日本数学会編集『岩波数学辞典(第3版)』 岩波書店、1985年、225測度論C(p.627)。
鈴木武・山田作太郎『数理統計学―基礎から学ぶデータ解析(第2版)』内田老鶴圃、1998年、p.6。
野田一雄・宮岡悦良『数理統計学の基礎』共立出版、1992年、3.1.2-6(pp.73-74)。
黒崎達(いたる)『集合論演習』槙書店、1975年、第5章I(1)-(4);II(1)-(5)。
伊藤清三『ルベーグ積分入門』裳華房、1963年、p. 7。
志賀浩二『集合への30講』朝倉書店、1988年、第12講(p.75)、問の答(p.183)。
盛田健彦『数学レクチャーノート基礎編4:実解析と測度論の基礎』培風館、2004年。


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