近傍系の公理
【設定】
X : 集合(空間)。ここでの考察の範囲での 普遍集合。
𝑥 : Xに属す任意の元(点)。
𝔘: 『X に属す 元 𝑥』 に対しそれぞれ一つずつ 『集合Xの 部分集合系』 を定める写像
【定義】
「
『X
に属す
元
𝑥』
に対しそれぞれ一つずつ
『集合Xの
部分集合系』
を定める写像
𝔘 (𝑥)
は、点𝑥の近傍系 neighborhood systemである」とは、
𝔘 (𝑥)
が下記5条件を満たすということ。
(条件2)
∀
U
( U
∈
𝔘(𝑥)
⇒
𝑥
∈
U
)
ないし、
∀
U
∈
𝔘(𝑥)
(
𝑥
∈
U
)
(条件3)
∀
U1 , U2
(
U1 , U2
∈
𝔘(𝑥)
⇒
U1
∩
U2
∈
𝔘(𝑥)
)
ないし、
∀
U1 , U2
∈
𝔘(𝑥)
(
U1
∩
U2
∈
𝔘(𝑥)
)
(条件4)
∀
U , V
(
U
∈
𝔘(𝑥)
かつ
U
⊃V
⇒
V
∈
𝔘(𝑥)
)
(条件5)
∀
U
∈
𝔘(𝑥)
,
∃
W
(
W
⊃U
かつ
W
∈
𝔘(𝑥)
)
,
∀
y
∈
W
(
∀
U
∈
𝔘(y)
)
[矢野:2.1.1位相-定理2.1(p.58)]
(条件5')
∀
U
∈
𝔘(𝑥)
,
∃W
∈
𝔘(𝑥)
,
∀
y
∈
W
(
∀
U
∈
𝔘(y)
)
[岩波数学事典:項目14B-U-iv)]
[斎藤:項目4.2.4-4.2.5 (pp.110-111.)]
【定義】
点𝑥の近傍 neighborhood とは、 点𝑥の近傍系 𝔘(𝑥) に属す 集合のこと。
【文献】
- 『岩波数学事典』項目14B: 𝔘 (𝑥)を、写像と明記。
- 矢野『距離空間と位相構造』2.1.1位相-定理2.1(p.58): 「空間Xの各点pに対しXの部分集合族 𝔘(p)が定義され、.... 」
- 斎藤『数学の基礎:集合・数・位相』項目4.2.4-4.2.5 (pp.110-111.) : 「Xから𝔓(𝔓(X))-{∅}への写像 𝔘: a→ 𝔘 ( a ) が与えられ、...」(定理4.2.5)
- 松坂『集合・位相入門』第4章2-E(p.161-4): 「空でない集合Sの各点xに対しそれぞれ一つずつ 𝔓(S)の空でない部分集合 𝔘 (𝑥) が定められ....」
- 彌永『集合と位相』II.§2.3近傍(pp.187-8)