合成写像

[トピック一覧:写像]
 ・定義:合成写像 
 ・定理:合成写像と全射・単射/合成写像の結合律/恒等写像との合成写像  
※関連ページ:対応の合成/写像/配置集合 
参考文献集合論目次総目次

定義:合成写像   

設定

・集合A、集合B、集合C
 写像f:AB写像g:BC
 が与えられているとする。

[文献]

 ・松坂『集合・位相入門』1章§4-C写像の合成(pp.34-36);
 ・永田『理系のための線形代数の基礎』(p.19);


一般化:対応の合成 
具体化:1変数関数の合成関数   

定義

・「写像h:ACが、写像f写像gとの合成写像である」とは、  
   写像hが、
   集合A任意のaに対して、
   集合C g(f(a)) を定めること
 をいう。

記号

写像f写像gとの合成写像を、
 記号「gf」または「gf」であらわす。   
 論理記号で表すと、(aA)(gf (a) = g(f(a))


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定理:合成写像が全射・単射・全単射であるための十分条件

設定

・集合A、集合B、集合C
 写像f:AB写像g:BC
 が与えられているとする。

[文献]

 ・松坂『集合・位相入門』1章§4-C定理5(p.35);

定理

1. 写像f写像g全射ならば
  写像f写像gとの合成写像gf全射となる。  
2. 写像f写像g単射ならば
  写像f写像gとの合成写像gf単射となる。  
3. 写像f写像g全単射ならば
  写像f写像gとの合成写像gf全単射となる。 

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定理:合成写像の結合律 

設定

・集合A、集合B、集合C、集合D
 写像f:AB写像g:BC写像h:CD
 が与えられているとする。

[文献]

 ・松坂『集合・位相入門』1章§4-C定理6(p.35);

定理

写像fと「写像g写像hとの合成写像」との合成写像
  「写像f写像gとの合成写像」と写像hとの合成写像
 は等しい。
 すなわち、 
  任意のaAにたいして、( (hg)f )(a)=(h(gf))(a)  

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定理:恒等写像との合成写像

設定

・集合A、集合B、集合C、集合D
 写像f:AB写像g:BC写像h:CD
 が与えられているとする。

[文献]

 ・松坂『集合・位相入門』1章§4-C定理6(pp.35-6);

定理

1. 集合Aにおける恒等写像IAと、「写像f:AB」との合成写像は、
   「写像f: AB」に等しい。
    つまり、任意のaAにたいして、 ( fIA)(a)=f(a)  
2. 「写像f:AB」と、集合Bにおける恒等写像IBとの合成写像は、
   「写像f:AB」に等しい。 
    つまり、任意のaAにたいして、( IBf )(a)=f(a)  
3. 「写像f:AB」が全単射ならば
  「写像f:AB」と、その逆写像との合成写像は、
          集合Aにおける恒等写像IAに等しい。
    つまり、任意のaAにたいして、 ( f-1f )(a)=IA(a)=a 
4. 「写像f:AB」が全単射ならば
  「写像f:AB」の逆写像と、写像fとの合成写像は、
           集合Bにおける恒等写像IBに等しい。
    つまり、任意のbBにたいして、 ( ff-1 ) (b)=IB(b)=b 

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reference

 日本数学会編集『岩波数学辞典(第三版)』 岩波書店、1985年、項目162C(pp.429-430)。
 松坂和夫『集合・位相入門』岩波書店、1968年、第1章§4.C(pp.34-36)。
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