定義:位相空間topological space、「位相を入れる」「位相構造を入れる」「位相を定める」「位相づけるtopologize」
【設定】
X : 集合。位相の議論では「空間」という表現をすることが多い。ここでの考察の範囲での 普遍集合。
【定義】
位相空間 とは、
1.
開集合系
O
が与えられた集合(空間)X
ないし
2.
閉集合系
F
が与えられた集合(空間)X
ないし
3.
近傍系
U
が与えられた集合(空間)X
ないし
4.
閉包作用素
が与えられた集合(空間)X
ないし
5.
開核作用素
が与えられた集合(空間)X
のことを言い、
1.は位相空間
(X,
O
)、
2.は位相空間
(X,
F
)、
3.は位相空間
(X,
U
)
と表す。
位相空間(X, τ)におけるXを 台 、τをXにおける一つの 位相 という。
また、位相空間(X, τ)を考える場合には、集合Xの元・要素を、点と呼ぶことが多い。
【定義】
空間Xに「位相を入れる」「位相構造を入れる」「位相を定める」とは、
1.空間Xに対して
開集合系
O
を指定すること
ないし
2.空間Xに対して
閉集合系
F
を指定すること
ないし
3.空間Xに対して
近傍系
U
を指定すること
ないし
4.空間Xに対して
閉包作用素を指定すること
ないし
5.空間Xに対して
開核作用素
を指定すること
【註】
上記1-5は、いずれも同じこと。 なぜなら、 Xに 開集合系 ・ 閉集合系・ 近傍系 ・ 閉包作用素・ 開核作用素 のいずれか一つを与えると、 残りも与えたことになるから( ∵)。
【文献】
- 『 岩波数学事典』項目14AB
- 矢野『 距離空間と位相構造』2.1.1位相(p.56)
- 斉藤『 数学の基礎:集合・数・位相』項目4.1.1 (p.99.)
- 松坂『 集合・位相入門』第4章§2-A (p.152;164)
- 西村『経済数学早わかり』第六章位相数学§1位相空間とは1.1-1.2 (pp.272-8)
- 佐久間『 集合・位相―基礎から応用まで―』p.67