n変数ベクトル値関数の偏微分可能・偏微分係数・偏導関数の定義  

 定義n変数ベクトル値関数の偏微分可能・偏微分係数の定義/偏導関数の定義
 定理n変数ベクトル値関数の偏微分可能・偏微分係数》の《n変数実数値関数の微分可能・微分係数》への還元
 ・
定義n変数ベクトル値関数の連続微分可能・C1級の定義/偏微分する 

関連ページ
 ・微分定義−
n変数ベクトル値関数: 微分の定義/方向微分の定義/ヤコビ行列とヤコビアン  
 ・偏微分定義−n変数ベクトル値関数以外: 1変数関数の微分/2変数実数値関数の偏微分/ n変数実数値関数の偏微分
 ・
n変数ベクトル値関数の諸概念―微分以外: n変数ベクトル値関数の定義と属性/極限/連続/極限の性質
文献総目次 

合成関数の2階偏微分公式→杉浦『解析入門』U§6命題6.8 (p.135).

[google adsense1:full]

定義:(y1, y2, ,ym)=f (x1, x2, ,xn) A=(a1, a2, ,an)においてxiについて偏微分可能 partially differentiable
        点A=(a1, a2, ,an)におけるxiに関する偏微分係数 partially differential coefficient   


定義


(1)
・「 n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)
     
(a1, a2, …,an)においてx1に関して偏微分可能partially differentiable
 とは、
 
x2,,xnをそれぞれa2, …,anに固定して、x1だけの1変数m値ベクトル値関数とした
   
( y1,y2,,ym )=f ( x1, a2, …,an )
 が、
 
x1=a1において、x1について微分可能であること、
  すなわち、
     

          (この値は、
m次元数ベクトルとなる)
     が
収束すること
     ないし、
     

          (この値は、
m次元数ベクトルとなる)
     が
収束すること 
 をいう。
    
* ここで、
      
     の
右極限右微分係数左極限左微分係数
     ともに存在して
     一致することが含意されていることに注意。


[文献-数学]
・杉浦『解析入門』U§3 (p.108).
・ルディン『現代解析学9.13(p.210)
[
文献-経済学]
・西村『経済学のための最適化理論入門1.3.3(p.24)重要;
・神谷浦井『経済学のための数学入門6.3.2 (p. 227)
※関連:
 
n変数ベクトル値関数の微分可能・微分係数》の《1変数実数値関数の微分可能・微分係数》への還元


cf.1変数関数の微分係数/2変数関数の偏微分

 


・「
(a1, a2, …,an)における n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)
     
x1に関する偏微分係数partially differential coefficient1偏微係数
    
 とは、
 
x2,,xnをそれぞれa2, …,anに固定して、x1だけの1変数m値ベクトル値関数とした
   
( y1,y2,,ym )= f ( x1 , a2, …,an )
 の、
 
x1=a1における微分係数
   すなわち、 
     

   ないし、
     

 のことをいう。

(2)
・「 n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)
     
(a1, a2, a3, …,an)においてx2に関して偏微分可能partially differentiable
 とは、
 
x1,x3,,xnをそれぞれa1, a3, …,anに固定して、x2だけの1変数m値ベクトル値関数とした
   
( y1,y2,,ym )=f ( a1 , x2, a3 ,…,an )
 が、
 
x2=a2において、x2について微分可能あること、
  すなわち、
     

          (この値は、
m次元数ベクトルとなる)
     が
収束すること
     ないし、
     

          (この値は、
m次元数ベクトルとなる)
     が
収束すること 
 をいう。
    
*ここで、
     
    の
右極限右微分係数左極限左微分係数
    ともに存在して
    一致することが含意されていることに注意。
・「
(a1, a2, a3, …,an)における n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)
       
x2に関する偏微分係数partially differential coefficient2偏微係数
   
 とは、
 
x1,x3,,xnをそれぞれa1, a3, …,anに固定して、x2だけの1変数m値ベクトル値関数とした
   
( y1,y2,,ym )= f ( a1, x2 , a3, …,an ) 
 の、
 
x2=a2における微分係数
   すなわち、 
     

   ないし、
     

 のことをいう。

[yahoo:tate]

 

 

 
 

(n)
・「 n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)
     
(a1, a2, …,an)においてxnに関して偏微分可能partially differentiable
 とは、
 
x1,x2,,xn-1をそれぞれa1, a2, …,an-1に固定して、xnだけの1変数m値ベクトル値関数とした
   
( y1,y2,,ym )=f ( a1 , a2 ,, an-1 , xn )
 が、
 
xn =anにおいて、xnについて微分可能あること、
  すなわち、
     

          (この値は、
m次元数ベクトルとなる)
     が
収束すること
     ないし、
     

          (この値は、
m次元数ベクトルとなる)
     が
収束すること 
 をいう。
    
*ここで、
     
    の
右極限右微分係数左極限左微分係数
    ともに存在して
    一致することが含意されていることに注意。
・「
(a1, a2, …,an)における n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)
       
x nに関する偏微分係数partially differential coefficientn偏微係数
   
 とは、
 
x1,x2,,xn-1をそれぞれa1, a2, …,an-1に固定して、xnだけの1変数m値ベクトル値関数とした
   
( y1,y2,,ym )=f ( a1 , a2 ,, an-1 , xn )
 の、
 
xn =anにおける微分係数
   すなわち、 
     

          (この値は、
m次元数ベクトルとなる)
   ないし、
     

          (この値は、
m次元数ベクトルとなる)
 のことをいう。

[YouTube:tate]

     
 

[トピック一覧:n変数ベクトル値関数の偏微分]
総目次

 

 

定理:n変数ベクトル値関数の微分可能・微分係数の、n変数実数値関数の微分可能・微分係数への還元

 


n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn) が、
   
m個の n変数実数値関数 の組
     
y1=f1 (x1,x2,…,xn) 
     
y2=f2 (x1,x2,…,xn) 
     : : 
     
ym=fm (x1,x2,…,xn) 
として表されるとする。
つまり、
( y1,y2,,ym )=( f1 (x1,x2,…,xn), f2 (x1,x2,…,xn),, fm (x1,x2,…,xn) )=f ( x1,x2,,xn)


[文献]
・加藤『微分積分学原論』16.2(p.196)


(1)


以下の命題P,命題Q同値
 
命題P
  
( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)(a1, a2, …,an) においてx1に関して偏微分可能
 
命題Q
  
n変数実数値関数y1 =f1 (x1,x2,…,xn) は、x1に関して偏微分可能
  
かつ 
  
n変数実数値関数y2 =f2 (x1,x2,…,xn) は、x1に関して偏微分可能。 
  
かつ 
   : 
   :
  
かつ 
  
n変数実数値関数ym =fm (x1,x2,…,xn) は、x1に関して偏微分可能。 

上記の命題P,命題Qが成り立つならば、
  「
(a1, a2, …,an)における( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)x 1に関する偏微分係数
 は、
 
(a1, a2, …,an)における n変数実数値関数f1, f2,, fmx 1に関する偏微分係数を並べたm次元数ベクトル
 に等しい。 
 つまり、命題
P,命題Qが成り立つならば、 
    



(2)


以下の命題P,命題Q同値
 
命題P
  
( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)(a1, a2, …,an)においてx2に関して偏微分可能
 
命題Q
  
n変数実数値関数y1 =f1 (x1,x2,…,xn) は、x2に関して偏微分可能。 
  
かつ 
  
n変数実数値関数y2 =f2 (x1,x2,…,xn) は、x2に関して偏微分可能。 
  
かつ 
   : 
   :
  
かつ 
  
n変数実数値関数ym =fm (x1,x2,…,xn) は、x2に関して偏微分可能。 

上記の命題P,命題Qが成り立つならば、
  「
(a1, a2, …,an)における( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)x 2に関する偏微分係数
 は、
 
(a1, a2, …,an)における n変数実数値関数f1, f2,, fmx2に関する偏微分係数を並べたm次元数ベクトル 
 に等しい。 
 つまり、命題
P,命題Qが成り立つならば、 
    

: 

 


(n)


以下の命題P,命題Q同値
 
命題P
  
( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)(a1, a2, …,an)においてxnに関して偏微分可能
 
命題Q
  
n変数実数値関数y1 =f1 (x1,x2,…,xn) は、xnに関して偏微分可能。 
  
かつ 
  
n変数実数値関数y2 =f2 (x1,x2,…,xn) は、xnに関して偏微分可能。 
  
かつ 
   : 
   :
  
かつ 
  
n変数実数値関数ym =fm (x1,x2,…,xn) は、xnに関して偏微分可能。 

上記の命題P,命題Qが成り立つならば、
  「
(a1, a2, …,an)における( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)xnに関する偏微分係数
 は、
 
(a1, a2, …,an)における n変数実数値関数f1, f2,, fmxnに関する偏微分係数を並べたm次元数ベクトル 
 に等しい。 
 つまり、命題
P,命題Qが成り立つならば、 
    

     


なぜ?


[命題P命題Q]
・命題
P n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=( f1 (x1,x2,…,xn), f2 (x1,x2,…,xn),, fm (x1,x2,…,xn) )=f ( x1,x2,,xn) が、(a1, a2, …,an)においてx1に関して偏微分可能
 
命題P'x2,,xnをそれぞれa2, …,anに固定して、x1だけの1変数m値ベクトル値関数とした( y1,y2,,ym )=f ( x1, a2, …,an )が、
      
x1=a1において、x1について微分可能であること」
   ∵
n変数m値ベクトル値関数 (a1, a2, …,an)においてx1に関して偏微分可能定義  
 
命題P''
  「・x2,,xnをそれぞれa2, …,anに固定して、x1だけの1変数実数値関数としたy1f1 ( x1, a2, …,an ) x1=a1において微分可能
   
かつ
   ・
x2,,xnをそれぞれa2, …,anに固定して、x1だけの1変数実数値関数としたy2f2 ( x1, a2, …,an ) x1=a1において微分可能
   
かつ
   :

   かつ
   ・
x2,,xnをそれぞれa2, …,anに固定して、x1だけの1変数実数値関数としたy mf m ( x1, a2, …,an ) x1=a1において微分可能 」
   ∵
1変数ベクトル値関数の微分可能性の、1変数実数値関数の微分可能性、への還元にしたがって、命題P'を書き下した。
 
命題Q
    「 n変数実数値関数y1 =f1 (x1,x2,…,xn) は、(a1, a2, …,an)x1に関して偏微分可能。 
      
かつ
     
n変数実数値関数y2 =f2 (x1,x2,…,xn) は、(a1, a2, …,an)x1に関して偏微分可能。 
      
かつ
      :

      :
      
かつ
     
n変数実数値関数ym =fm (x1,x2,…,xn) は、(a1, a2, …,an)x1に関して偏微分可能。 」 
     
n変数実数値関数の偏微分可能の定義 

[偏微分係数]
(a1, a2, …,an)における( y1,y2,,ym )=( f1 (x1,x2,…,xn), f2 (x1,x2,…,xn),, fm (x1,x2,…,xn) )=f ( x1,x2,,xn)x 1に関する偏微分係数
とは、
x2,,xnをそれぞれa2, …,anに固定して、x1だけの1変数m値ベクトル値関数とした( y1,y2,,ym )= f ( x1, a2, …,an )の、x1=a1における微分係数
のことであり、      ∵
n変数m値ベクトル値関数 (a1, a2, …,an)におけるx1に関する偏微分係数定義
これは、
   「・
x2,,xnをそれぞれa2, …,anに固定して、x1だけの1変数実数値関数としたy1f1 ( x1, a2, …,an ) x1=a1における微分係数
    ・
x2,,xnをそれぞれa2, …,anに固定して、x1だけの1変数実数値関数としたy2f2 ( x1, a2, …,an ) x1=a1における微分係数
    :

    ・x2,,xnをそれぞれa2, …,anに固定して、x1だけの1変数実数値関数としたy mf m ( x1, a2, …,an ) x1=a1における微分係数
    を並べたm次元数ベクトル  」
のことであり、    ∵
1変数ベクトル値関数の微分可能性の、1変数実数値関数の微分可能性、への還元
さらに、これは、  
    「
n変数実数値関数y1 =f1 (x1,x2,…,xn) は、(a1, a2, …,an)x1に関して偏微分係数。 
      
かつ
     
n変数実数値関数y2 =f2 (x1,x2,…,xn) は、(a1, a2, …,an)x1に関して偏微分係数。 
      
かつ
      :

      :
      
かつ
     
n変数実数値関数ym =fm (x1,x2,…,xn) は、(a1, a2, …,an)x1に関して偏微分係数。 」 
のことに他ならない。     
n変数実数値関数の偏微分係数の定義  

   

 

[トピック一覧:n変数ベクトル値関数の偏微分]
総目次

[google2: mini]

定義:ベクトル値関数の偏導関数 partial derivative


定義


(1) n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)
          
x1に関する偏導関数partially derivative」とは?
 
( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)が各で、x1に関して偏微分可能であるとき、
 定
(a1, a2, …,an)におけるx1に関する偏微分係数
   
 
 の値(
m次元数ベクトルとなる)は、
 定
(a1, a2, …,an)のとりかたによって変わってくるから、
 定
(a1, a2, …,an) n変数m値ベクトル値関数
 定
(a1, a2, …,an)を動(x1, x2, …,xn)として書き改めた n変数m値ベクトル値関数
   

 を、
 
n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)
 
x1に関する偏導関数1偏導関数と呼ぶ。

(2) n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)
          
x2に関する偏導関数partially derivative」とは?
 
( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)が各で、x2に関して偏微分可能であるとき、
 定
(a1, a2, a3, …,an)におけるx2に関する偏微分係数
   

 の値(
m次元数ベクトルとなる)は、
 定
(a1, a2, a3, …,an)のとりかたによって変わってくるから、
 定
(a1, a2, a3, …,an) n変数m値ベクトル値関数
 定
(a1, a2, …,an)を動(x1, x2, …,xn)として書き改めた n変数m値ベクトル値関数
   

 を、
 
n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)
 
x2に関する偏導関数2偏導関数と呼ぶ。



(n) n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)
          
xnに関する偏導関数partially derivative」とは?
 
( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)が各で、xnに関して偏微分可能であるとき、
 定
(a1, a2, …, an1, an)におけるxnに関する偏微分係数
   

 の値(
m次元数ベクトルとなる)は、
 定
(a1, a2, …, an1, an)のとりかたによって変わってくるから、
 定
(a1, a2, …, an1, an) n変数m値ベクトル値関数
 定
(a1, a2, …, an1, an)を動(x1, x2, …,xn1,xn)として書き改めた n変数m値ベクトル値関数
  

 を、
 
n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn)
 
xnに関する偏導関数n偏導関数と呼ぶ。


[文献]
・杉浦『解析入門』U§3 (p.108).
[
文献-経済学]
・西村『経済学のための最適化理論入門1.3.3(p.24)重要;
・神谷浦井『経済学のための数学入門6.3.2 (p. 227)


cf.1変数関数の微分係数/2変数関数の偏微分
cf. 

記法

(1) n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )= f ( x1,x2,,xn)x1に関する偏導関数は、
     
   ∂
f/x1  ∂y /x1 
   
fx1 (x1,x2,,xn)  Dx1 f ( x1,x2,,xn)  D1 f ( x1,x2,,xn)  
  等の記号で表される。   

(2) n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )= f ( x1,x2,,xn)x2に関する偏導関数は、
     
   ∂
f /x2  ∂y /x2 
   
fx2 (x1,x2,,xn)  Dx2 f ( x1,x2,,xn)  D2 f ( x1,x2,,xn) 
  等の記号で表される。



(n) n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )= f ( x1,x2,,xn)xnに関する偏導関数は、
     
   ∂
f/xn  ∂y /xn 
   
fxn (x1,x2,,xn)  Dxnf ( x1,x2,,xn)  Dnf ( x1,x2,,xn) 
  等の記号で表される。

* 記号の読み方
・∂は、「丸い
d」「ラウンドデルタ」「ラウンドディ」等と呼ばれる。 
・∂
f /x1は、「デルf デルx1 」等と読む。
   
[小形『多変数の微分積分p.22]
   [入谷久我『数理経済学入門』定義7.1(p.163)]
   [小島寛之『ゼロから学ぶ微分積分fs.129] 

活用

ヤコビ行列 n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )= f ( x1,x2,,xn)n個の偏導関数を、それぞれ縦ベクトルで表した上で、横に並べて作った行列

偏微分可能から連続性は出てこない。    
1変数関数の微分可能性と連続性
n変数関数の全微分可能性
n変数関数の連続性 

 
   

[トピック一覧:n変数ベクトル値関数の偏微分]
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[google3: mini]

定義:ベクトル値関数の連続微分可能・C1


定義


n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )= f ( x1,x2,,xn)連続微分可能
n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )= f ( x1,x2,,xn)C1」とは、
( y1,y2,,ym )= f ( x1,x2,,xn)が各x1,x2,,xnの各々に関して偏微分可能
 
x1,x2,,xnの各々に関する偏導関数
  ∂
f /x1 (x1,x2,,xn) , f /x2(x1,x2,,xn), , f /xn(x1,x2,,xn)
 がすべて存在し、 
かつ
x1,x2,,xnの各々に関する( y1,y2,,ym )= f ( x1,x2,,xn)偏導関数
  ∂
f /x1 (x1,x2,,xn), f /x2 (x1,x2,,xn), ,f /xn (x1,x2,,xn)
 がすべて連続関数であるということ
をいう。



[文献-数学]
・杉浦『解析入門』U§3 定義4(p.111)

※以下の文献は、
 
この定義の必要十分条件のほうを、
 
連続微分可能(C1)の定義としている。
  ・松坂『
解析入門417.1C (p.63).
  ・ルディン『現代解析学9.15(p.211)

類概念

1変数関数の連続微分可能性1変数関数のCn
2変数関数のCn

 
   

[トピック一覧:n変数ベクトル値関数の偏微分]
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定理:ベクトル値関数が連続微分可能であるための必要十分条件


定理


次の命題
P,命題Q,命題R同値
命題P
n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )= f ( x1,x2,,xn)連続微分可能(C1)
命題Q
n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )= f ( x1,x2,,xn)微分可能 
 
かつ
 
n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )= f ( x1,x2,,xn)導関数が連続」
  (ベクトル値関数の導関数の連続性の定義は、ルディンに出ている)
  (松坂『
解析入門4』問題15.2-2 (p.27)も参照)   
命題R
n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )=f ( x1,x2,,xn) を、
   
m個の n変数実数値関数 の組
     
y1=f1 (x1,x2,…,xn) 
     
y2=f2 (x1,x2,…,xn) 
     : : 
     
ym=fm (x1,x2,…,xn) 
として表す、
つまり、
( y1,y2,,ym )=( f1 (x1,x2,…,xn), f2 (x1,x2,…,xn),, fm (x1,x2,…,xn) )=f ( x1,x2,,xn)
として表すと、
「  
n変数実数値関数y1 =f1 (x1,x2,…,xn) C1 
   
かつ
   y2=f2 (x1,x2,…,xn) C1 
   
かつ
    : 
   
かつ
   
ym=fm (x1,x2,…,xn) C1」 



[文献-数学]
・ルディン『現代解析学9.16(p.211)
・杉浦『解析入門』U§6命題6.3(p.130).
・松坂『解析入門417.1C命題4 (p.63).


類概念

   
   

[トピック一覧:n変数ベクトル値関数の偏微分]
総目次

 

定義:ベクトル値関数を偏微分する


定義


n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,,ym )= f ( x1,x2,,xn)偏導関数を求めることを
偏微分するという。


[文献]
・杉浦『解析入門』U§3 (p.108).

     
   

[トピック一覧:n変数ベクトル値関数の偏微分]
総目次

 

reference

黒田成俊『21世紀の数学1:微分積分学』共立出版株式会社、2002年、8.3.1偏導関数の定義(p.282)
西村和雄『
経済数学早わかり』日本評論社、1982年、3章§3多変数関数の微分(p.118)

神谷和也・浦井憲『
経済学のための数学入門』東京大学出版会、1996年、6.3.1偏微分(pp. 233-5)
入谷純・久我清『数理経済学入門』有斐閣、1999年。
杉浦光夫『
解析入門』東京大学出版会、1980年、U§3方向微分と偏微分(pp.107-112).  
小平邦彦『
解析入門II (軽装版)岩波書店、2003年、§6.4 (p.310)
高橋一『経済学とファイナンスのための数学』新世社、1999年、5.2-V方向微分(p.149)
和達三樹『
理工系の数学入門コース1・微分積分』岩波書店、1988年、5-2偏微分(pp.117-118).
高木貞治『解析概論 改訂第三版』岩波書店、1983年、221偏微分(p. 54).

 

 

日本数学会編集『岩波数学辞典(第三版) 岩波書店、1985年。

矢野健太郎・田代嘉宏『社会科学者のための基礎数学 改訂版』裳華房、pp.91-3.