1変数m値ベクトル値関数とその属性:トピック一覧  

 ・定義:ベクトル値関数 
 ・定義:
ベクトル値関数の定義域/像・値/値域/逆像・原像/有界なベクトル値関数 

 ※関数定義関連ページ:2変数関数/ n変数関数/実数値関数一般/ n変数m値ベクトル値関数/写像一般 
 ※1変数ベクトル値関数に関する諸概念の定義:極限/連続性/微分  
 
総目次

定義:1変数m値ベクトル値関数 

定義

1変数m値ベクトル値関数とは、
実数tに対して、m個の実数(y1,y2,,ym)を対応づける規則」
実数体R区間I(定義域)に属すにたいして、 m次元空間Rmに属すを対応づける規則」
実数体R区間Iから、 m次元空間Rmへの、写像
のこと。
  
(y1,y2,,ym)=f (t) 、 f : IRm 、f :RIRm  
などと表す。  

[文献]
杉浦『解析入門I』U微分法§1(p.82);

ベクトル
表現

m個の実数(y1,y2,,ym)とは、m次元数ベクトルのこと、
にほかならないから、
1変数m値ベクトル値関数とは、
実数tにたいして、m次元数ベクトルy=(y1,y2,,ym)を対応づける規則」
実数体R区間Iの各に対して、m次元数ベクトル空間Rmを対応づける規則」
実数体R区間Iから、m次元数ベクトル空間Rmへの、写像
などといっても同じ。
  
y=f (t) 、f: IRm 、f :RI Rm  などと表す。

多変数
1価関数
への
還元

1変数m値ベクトル値関数(y1,y2,,ym)=f (t) は、   
m個の 1変数実数値関数に還元できる。
つまり、   
(y1,y2,,ym)=f (t) とは、
 
y1=f1 (t) 
 
y2=f2 (t) 
 : : 
 
ym=fm (t) 
という
1変数実数値関数f1 ,f2 ,,fm の組に他ならない。
ここから、
ベクトル値関数多価関数 (y1,y2,,ym)=f (t)y=f (t) を、
(f1 (t),f2 (t),,fm (t))=f (t) 
などと表すこともある。

類概念

1変数関数/ 2変数関数/ n変数関数/ n変数m値ベクトル値関数/実数値関数一般/写像一般 

   

定義:1変数ベクトル値関数の定義域domain 

 


1変数ベクトル値関数f :RIRm」の定義域とは、
区間Iのこと。


[文献]

[類概念]1変数関数の定義域/ 2変数関数の定義域/ n変数関数の定義域

/ n変数m値ベクトル値関数の定義域/実数関数一般の定義域

   

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定義:ベクトル値関数の像・値 

点の像

1変数ベクトル値関数f による『tR』の
実数tにおけるf
  
f (t)
とは、
1変数ベクトル値関数f によって
tRに対応付けられた
P=(y1,y2,,ym)Rm
のこと。


[類概念]
1変数関数の像・値/ 2変数関数の像・値/ n変数関数の像・値/実数値関数一般の像・値/写像の「像」
[文献]

集合の

1変数ベクトル値関数fによる『定義域部分集合A』のf (A)とは、
定義域部分集合Aに属す点のfによる像を、全部集めて出来る集合のこと。
 つまり、
f :RIRm 、AIRにたいして、 f (A)={ f (a)Rm | aA } と定義される。

定義:ベクトル値関数の値域range 

 

1変数ベクトル値関数f :RIRm」の値域とは、
f による定義域
  
f (I)={ f (a)Rm | aIR }
のこと。


[文献]

[類概念] 1変数関数の値域/ 2変数関数の値域/ n変数関数の値域/実数値関数一般の値域 

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定義:ベクトル値関数の逆像・原像inverse image 


点の
逆像


実数tが、
  
1変数ベクトル値関数ff :RIRm』による
      
P=(y1,y2,,ym)Rm逆像である」
  
t =f 1 (P')
とは、
実数tf による像が、P'=(y1,y2,,ym)Rmであるということ
    
f (t)=P'
をいう。
P'=(y1,y2,,ym)Rmf による逆像は、R上に複数存在しうる。

[類概念]
 1変数関数の逆像
 
2変数関数の逆像
 
n変数関数の逆像
 
実数値関数一般の逆像
 
写像の「逆像」
[文献]

集合

逆像

1変数ベクトル値関数f :RIRm』による『Rm上の点集合B』の逆像
  
f 1 (B) 
とは、
定義域Iに属すのうち、そのが『Rm上の点集合Bに属すもの全体の集合のこと。
つまり、
f :RIRm 、BRmにたいして、  
      
f -1 (B){ aIR | f (a)BRm} 
と定義される。

   

定義:ベクトル値関数が有界 

有界

1変数ベクトル値関数f :RI Rm』が有界である」とは、
 
f の値域Rm上の点集合として有界であるということ、


[文献]
Rudin
現代解析学4.13(p.87)距離空間一般上。
杉浦『
解析入門II§6定義4(p.55);

点集合

有界

1変数ベクトル値関数f :RI Rm』が点集合Aで有界である」とは、
 「
f による定義域I部分集合Aの像f (A)Rm上の点集合として有界であるということ。

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