n変数ベクトル値関数のヤコビ行列 Jacobian Matrix ・ヤコビア ン

 ・定義: ヤコビ行列・ヤコビアン行列
 ・定義: ヤコビアン・ヤコビ行列式・関数行列式

【関連ページ】

 ・n変数ベクトル値関数について:偏微分の定義/微分の定義/方向微分の定義/合成関数の微分/平均値定理・テイラーの定理/極値問題/陰関数定理/逆関数定理/ラグランジュ未定乗数法
 ・ヤコビ行列・ヤコビアンについて:2変数実数値関数のヤコビ行列-ヤコビアン/n変数実数値関数のヤコビ行列-ヤコビアン
総目次 



定義 : n変数ベクトル値関数のヤコビ行列 Jacobian Matrix 

【設定】

 n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,…,ym ) = f ( x1,x2,…,xn ) が、
   m個のn変数実数値関数 の組
     y1 = f1 (x1,x2,…,xn) 
     y2 = f2 (x1,x2,…,xn) 
     : : 
     ym = fm (x1,x2,…,xn) 
  として表されるとする。
  つまり、
  ( y1,y2,…,ym )=( f1 (x1,x2,…,xn), f2 (x1,x2,…,xn),…, fm (x1,x2,…,xn) )f ( x1,x2,…,xn) 
  とする。

【定義】

 m個のn変数実数値関数 f1 (x1,x2,…,xn) , f2 (x1,x2,…,xn) , … , fm (x1,x2,…,xn) の各々が、
 各点でx1,x2,…,xn に関して偏微分可能であるとき、
 mn個の「n変数実数値関数 f1f2 ,…, fm偏導関数」をつくれる。
 この、mn個の偏導関数を、
  
 というかたちに並べたmn行列
 「( y1,y2,…,ym ) = f ( x1,x2,…,xn )ヤコビ行列」と呼ぶ。


 





【文献】

 


 ・杉浦『解析入門』U§6定理6.2-2(p.129);定義2 (p.132).
 ・松坂『解析入門4』17.1C命題3 (p.63).
 ・Rudin現代解析学』9.27(p.225).

【関連事項】

  2変数実数値関数のヤコビ行列-ヤコビアン/n変数実数値関数のヤコビ行列-ヤコビアン

【活用例】 

 ・積分の変数変換/逆関数の定理







 





n変数m値ベクトル値関数 ( y1,y2,…,ym ) = f ( x1,x2,…,xn )が各点で微分可能ならば、

 


( y1,y2,…,ym ) = f ( x1,x2,…,xn ) ヤコビ行列」に、「 ( y1,y2,…,ym ) = f ( x1,x2,…,xn )導関数」は等しい。








 






( y1,y2,…,ym ) = f ( x1,x2,…,xn )ヤコビ行列」は、 m個のn変数実数値関数  f1 (x1,x2,…,xn) , f2 (x1,x2,…,xn) , … , fm (x1,x2,…,xn)勾配ベクトル grad f1 =∇f1 , grad f2 =∇f2 ,…, grad fm =∇fm を、 勾配ベクトルというかたちで、縦に並べた行列と、みなすことができる。 







 





( y1,y2,…,ym ) = f ( x1,x2,…,xn )ヤコビ行列」は、n変数m値ベクトル値関数( y1,y2,…,ym ) = f ( x1,x2,…,xn )n個の偏導関数m次元縦ベクトルで表した   () 、 偏導関数   () 、 … …  、 偏導関数   () を、 (f/∂x1 , ∂f/∂x2 ,…, ∂f/∂xn ) というかたちで横に並べて作った行列と、みなすことができる。 








トピック一覧:ベクトル値関数のヤコビ 
総目次



定義 : n変数ベクトル値関数のヤコビアン ( ヤコビ行列式・関数行列式 functional determinant

 ヤコビ行列行列式   
   
 を、関数行列式ないしはヤコビアンと呼び、簡略化して表す場合には、
 記号J(x1, x2,…, ,xn)
   
 などを用いる。

【関連事項】

  2変数実数値関数のヤコビ行列-ヤコビアン/n変数実数値関数のヤコビ行列-ヤコビアン

【活用例】 

 ・積分の変数変換/逆関数の定理



トピック一覧:ベクトル値関数のヤコビ 
総目次