ベクトル値関数の極限の性質トピック一覧  

  ・極限値どおしのベクトル演算[極限値とベクトル和/極限値とスカラー倍/内積]  
  ・
コーシーの判定条件  

 ベクトル値関数の諸概念:ベクトル値関数の定義と諸属性/極限/連続性/   
 ※関数の極限の性質関連ページ:1変数関数の極限の性質/ 2変数関数の極限の性質/ n変数関数の極限の性質
 総目次

定理:ベクトル値関数の極限値とベクトル和

要旨

ベクトル値関数ベクトル和をとってから極限をとった値と、
ベクトル値関数極限をとってからベクトル和をとった値とは、等しくなる。
つまり、
極限ベクトルの加法の順序交換は可能。

cf.
1変数関数の極限値どおしの演算
2変数関数の極限値どおしの演算
n変数関数の極限値どおしの演算
実数値関数の極限値どおしの演算
点列の極限どおしの演算

 

[文献]
杉浦『
解析入門I』定理6.6(pp.57-63)RnRmの関数一般について。証明付。
Rudin現代解析学4.4(p.83):距離空間からRmへの写像一般について。証明無。

舞台
設定

この定理は、以下の手順で設定された舞台上で成立する。 
Step1 n次元空間Rn m次元空間Rmを用意する。
    
* n次元空間Rnとは、
      
実数n個並べた組 (x1,x2,,xn ) をすべてあつめた集合。
      
n次元数ベクトルをすべて集めた集合でもある。
    * m次元空間Rmとは、
      
実数m個並べた組 (y1,y2,,ym ) をすべてあつめた集合。
      
m次元数ベクトルをすべて集めた集合でもある。
Step2
n次元空間Rnに通例のベクトルの加法スカラー乗法を定義して、
     
n次元数ベクトル空間Rnとする。 
   
m次元空間Rmに通例のベクトルの加法スカラー乗法を定義して、
     
m次元数ベクトル空間Rmとする。  
Step3n次元数ベクトル空間Rnにたいして、
     「
自然な内積(標準内積)・」「ユークリッドノルム‖‖n
    を定義して、
ノルム空間 Rn, ‖‖n )を設定する。
   
m次元数ベクトル空間Rmにたいして、
     「
自然な内積(標準内積)・」「ユークリッドノルム‖‖m
    を定義して、
ノルム空間 Rm, ‖‖m )を設定する。
Step4ノルム空間 Rn, ‖‖n )にたいして、
      
ユークリッドノルムから定めた距離dn(x, x' )=xx'n
     を定義して、
ユークリッド空間(Rn,dn)を設定する。
    
ノルム空間 Rm, ‖‖m )にたいして、
      
ユークリッドノルムから定めた距離dm(y, y' )=yy'm
    を定義して、
ユークリッド空間(Rm,dm)を設定する。
Step5 n次元空間Rn上の点集合のひとつを選んで集合Dと名づける。
    つまり、「
DRn
    
*Dは、「n次元数ベクトルの集合」でもある。

 

Step6 n次元空間Rn点集合D上の各Pにたいして m次元空間Rm上のを対応づけるベクトル値関数f,g
    を用意。
    つまり、
     
f : DRm DRn ) ないし ( f1 (x1,x2,,xn), f2 (x1,x2,,xn) ,, fm (x1,x2,,xn))= f (x1,x2,,xn)  
     
g : DRm DRn ) ないし ( g1 (x1,x2,,xn), g2 (x1,x2,,xn) ,, gm (x1,x2,,xn))= g (x1,x2,,xn)
    *f,gはそれぞれ「D属すn次元数ベクトルからm次元数ベクトルへの対応付け」だとも言える。
Step7-1:「 n次元空間Rn点集合D」に属すを、P= (x1,x2,,xn )と名づける。
     つまり、「
PDRn」  
     
*Pは、「D属すn次元数ベクトル」でもある。

Step7-2:「 n次元空間Rn点集合D」に属すある定を、A=(a1,a2,,an)で表す。
     つまり、
A=(a1,a2,,an)DRn
     
*Aは、「D属すn次元数ベクトル」でもある。
Step8:「 m次元空間Rm」に属すある定を、B=(b1,b2,,bm)で表す。
    「
m次元空間Rm」に属すある定を、C=(c1,c2,,cm)で表す。 
       つまり、
B=(b1,b2,,bm)RmC=(c1,c2,,cm)Rm  
     
*B , Cは、「D属すm次元数ベクトル」でもある。 

定理

[ 言葉でいうと ] 
 動
P(x1,x2,,xn)を定A(a1,a2,,an) に近づけたとき
  
ベクトル値関数 ( f1 (x1,x2,,xn), f2 (x1,x2,,xn) ,, fm (x1,x2,,xn) ) =f (P) = f (x1,x2,,xn)
                    
(n次元数ベクトル)B=(b1,b2,,bm)に収束し、 
 
かつ
 動P(x1,x2,,xn)を定A(a1,a2,,an)に近づけたとき
  
ベクトル値関数 ( g1 (x1,x2,,xn), g2 (x1,x2,,xn) ,, gm (x1,x2,,xn) ) =g (P) = g (x1,x2,,xn)
                    
(m次元数ベクトル)C=(c1,c2,,cm)に収束する 
 
ならば、 
 
P(x1,x2,,xn)を定A(a1,a2,,an)に近づけたとき
  「
f (P)= f (x1,x2,,xn)g (P) = g (x1,x2,,xn)とのベクトル和
       
( f1 (x1,x2,,xn)+ g1 (x1,x2,,xn), f2 (x1,x2,,xn)+ g2 (x1,x2,,xn) ,, fm (x1,x2,,xn)+gm (x1,x2,,xn) )
   は、
   「
B(b1,b2,,bm)C=(c1,c2,,cm)とのベクトル和(b1+c1,b2+c2,,bm+cm) に収束する 

[ 記号での表現1 ] 
 
f ( P )B (PA) かつ g ( P )C (PA) 
   
 { f (P) g (P) }BC ( PA )  
[ 記号での表現2 ] 
PAとしたときに、f (P) , g (P)収束するならば、 
 
 

   
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定理:ベクトル値関数の極限値とスカラー積

要旨

ベクトル値関数スカラー積

をとってから極限をとった値と、
ベクトル値関数極限をとってからスカラー積をとった値とは、等しくなる。
つまり、
極限スカラー積の順序交換は可能。

cf.
1変数関数の極限値どおしの演算
2変数関数の極限値どおしの演算
n変数関数の極限値どおしの演算
実数値関数の極限値どおしの演算
点列の極限とスカラー積の演算

[文献]
杉浦『
解析入門I』定理6.6(pp.57-63)RnRmの関数一般について。証明付。

舞台
設定

この定理は、以下の手順で設定された舞台上で成立する。 
Step1 n次元空間Rn m次元空間Rmを用意する。
    
* n次元空間Rnとは、
      
実数n個並べた組 (x1,x2,,xn ) をすべてあつめた集合。
      
n次元数ベクトルをすべて集めた集合でもある。
    * m次元空間Rmとは、
      
実数m個並べた組 (y1,y2,,ym ) をすべてあつめた集合。
      
m次元数ベクトルをすべて集めた集合でもある。
Step2
n次元空間Rnに通例のベクトルの加法スカラー乗法を定義して、
     
n次元数ベクトル空間Rnとする。 
    
M次元空間Rmに通例のベクトルの加法スカラー乗法を定義して、
     
m次元数ベクトル空間Rmとする。  
Step3n次元数ベクトル空間Rnにたいして、
     「
自然な内積(標準内積)・」「ユークリッドノルム‖‖n
    を定義して、
ノルム空間 Rn, ‖‖n )を設定する。
   
m次元数ベクトル空間Rmにたいして、
     「
自然な内積(標準内積)・」「ユークリッドノルム‖‖m
    を定義して、
ノルム空間 Rm, ‖‖m )を設定する。
Step4ノルム空間 Rn, ‖‖n )にたいして、
      
ユークリッドノルムから定めた距離dn(x, x' )=xx'n
     を定義して、
ユークリッド空間(Rn,dn)を設定する。
    
ノルム空間 Rm, ‖‖m )にたいして、
      
ユークリッドノルムから定めた距離dm(y, y' )=yy'm
    を定義して、
ユークリッド空間(Rm,dm)を設定する。
Step5 n次元空間Rn上の点集合のひとつを選んで集合Dと名づける。
    つまり、「
DRn
    
*Dは、「n次元数ベクトルの集合」でもある。

 

Step6 n次元空間Rn点集合D上の各Pにたいして m次元空間Rm上のを対応づけるベクトル値関数f,g
    を用意。
    つまり、
     
f : DRm DRn ) ないし ( f1 (x1,x2,,xn), f2 (x1,x2,,xn) ,, fm (x1,x2,,xn))= f (x1,x2,,xn)  
    
*fはそれぞれ「D属すn次元数ベクトルからm次元数ベクトルへの対応付け」だとも言える。
Step7-1:「 n次元空間Rn点集合D」に属すを、P= (x1,x2,,xn )と名づける。
     つまり、「
PDRn」  
     
*Pは、「D属すn次元数ベクトル」でもある。

Step7-2:「 n次元空間Rn点集合D」に属すある定を、A=(a1,a2,,an)で表す。
     つまり、
A=(a1,a2,,an)DRn
     
*Aは、「D属すn次元数ベクトル」でもある。
Step8:「 m次元空間Rm」に属すある定を、B=(b1,b2,,bm)で表す。
       つまり、
B=(b1,b2,,bm)RmRm  
     
*B は、「D属すm次元数ベクトル」でもある。 

定理

[ 言葉でいうと ] 
 動
P(x1,x2,,xn)を定A(a1,a2,,an)に近づけたとき
  
ベクトル値関数 ( f1 (x1,x2,,xn), f2 (x1,x2,,xn) ,, fm (x1,x2,,xn) ) =f (P) = f (x1,x2,,xn)
                     
(n次元数ベクトル)B=(b1,b2,,bm)に収束する 
 
ならば、 
 
P(x1,x2,,xn)を定A(a1,a2,,an)に近づけたとき
  「
f (P) = f (x1,x2,,xn)と『任意の実数c』とのスカラー積
    
( cf1 (x1,x2,,xn), cf2 (x1,x2,,xn) ,, cfm (x1,x2,,xn) )  
   は、
   「
B(b1,b2,,bm)実数cとのスカラー積(cb1,cb2,, cbm) に収束する 

[ 記号での表現1 ] 
  
f ( P )B (PA)   (cR) ( c f (P)cB ( PA ) )   
[ 記号での表現2 ] 
 
PAとしたときに、f (P)収束するならば
  
cRにたいして、
    
 

   
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定理:ベクトル値関数の極限値と内積

要旨

ベクトル値関数内積をとってから極限をとった値と、
ベクトル値関数極限をとってから内積をとった値とは、等しくなる。
つまり、
極限スカラー積の順序交換は可能。

 

 

 

[文献]

Rudin現代解析学4.4(p.83):距離空間からRmへの写像一般について。証明無。

舞台
設定

この定理は、以下の手順で設定された舞台上で成立する。 
Step1 n次元空間Rn m次元空間Rmを用意する。
    
* n次元空間Rnとは、
      
実数n個並べた組 (x1,x2,,xn ) をすべてあつめた集合。
      
n次元数ベクトルをすべて集めた集合でもある。
    * m次元空間Rmとは、
      
実数m個並べた組 (y1,y2,,ym ) をすべてあつめた集合。
      
m次元数ベクトルをすべて集めた集合でもある。
Step2
n次元空間Rnに通例のベクトルの加法スカラー乗法を定義して、
     
n次元数ベクトル空間Rnとする。 
    
m次元空間Rmに通例のベクトルの加法スカラー乗法を定義して、
     
m次元数ベクトル空間Rmとする。  
Step3n次元数ベクトル空間Rnにたいして、
     「
自然な内積(標準内積)・」「ユークリッドノルム‖‖n
    を定義して、
ノルム空間 Rn, ‖‖n )を設定する。
   
m次元数ベクトル空間Rmにたいして、
     「
自然な内積(標準内積)・」「ユークリッドノルム‖‖m
    を定義して、
ノルム空間 Rm, ‖‖m )を設定する。
Step4ノルム空間 Rn, ‖‖n )にたいして、
      
ユークリッドノルムから定めた距離dn(x, x' )=xx'n
     を定義して、
ユークリッド空間(Rn,dn)を設定する。
    
ノルム空間 Rm, ‖‖m )にたいして、
      
ユークリッドノルムから定めた距離dm(y, y' )=yy'm
    を定義して、
ユークリッド空間(Rm,dm)を設定する。
Step5 n次元空間Rn上の点集合のひとつを選んで集合Dと名づける。
    つまり、「
DRn
    
*Dは、「n次元数ベクトルの集合」でもある。

 

Step6 n次元空間Rn点集合D上の各Pにたいして m次元空間Rm上のを対応づけるベクトル値関数f,g
    を用意。
    つまり、
     
f : DRm DRn ) ないし ( f1 (x1,x2,,xn), f2 (x1,x2,,xn) ,, fm (x1,x2,,xn))= f (x1,x2,,xn)  
     
g : DRm DRn ) ないし ( g1 (x1,x2,,xn), g2 (x1,x2,,xn) ,, gm (x1,x2,,xn))= g (x1,x2,,xn)
    *f,gはそれぞれ「D属すn次元数ベクトルからm次元数ベクトルへの対応付け」だとも言える。
Step7-1:「 n次元空間Rn点集合D」に属すを、P= (x1,x2,,xn )と名づける。
     つまり、「
PDRn」  
     
*Pは、「D属すn次元数ベクトル」でもある。

Step7-2:「 n次元空間Rn点集合D」に属すある定を、A=(a1,a2,,an)で表す。
     つまり、
A=(a1,a2,,an)DRn
     
*Aは、「D属すn次元数ベクトル」でもある。
Step8:「 m次元空間Rm」に属すある定を、B=(b1,b2,,bm)で表す。
    「
m次元空間Rm」に属すある定を、C=(c1,c2,,cm)で表す。      
       つまり、
B=(b1,b2,,bm)RmC=(c1,c2,,cm)Rm  
     
*B , Cは、「D属すm次元数ベクトル」でもある。 

定理

[ 言葉でいうと ] 
 動
P(x1,x2,,xn)を定A(a1,a2,,an) に近づけたとき
  
ベクトル値関数 ( f1 (x1,x2,,xn), f2 (x1,x2,,xn) ,, fm (x1,x2,,xn) ) =f (P) = f (x1,x2,,xn)
                    
(n次元数ベクトル)B=(b1,b2,,bm)に収束し、 
 
かつ
 動P(x1,x2,,xn)を定A(a1,a2,,an)に近づけたとき
  
ベクトル値関数 ( g1 (x1,x2,,xn), g2 (x1,x2,,xn) ,, gm (x1,x2,,xn) ) =g (P) = g (x1,x2,,xn)
                    
(m次元数ベクトル)C=(c1,c2,,cm)に収束する 
 
ならば、 
 
P(x1,x2,,xn)を定A(a1,a2,,an)に近づけたとき
  「
f (P)= f (x1,x2,,xn)g (P) = g (x1,x2,,xn)との自然な内積(標準内積)
    
f1 (x1,x2,,xn) g1 (x1,x2,,xn)+ f2 (x1,x2,,xn)g2 (x1,x2,,xn) ++ fm (x1,x2,,xn)gm (x1,x2,,xn)
   は、
   「
B(b1,b2,,bm)C=(c1,c2,,cm)との自然な内積(標準内積)b1c1+b2c2++bmcmに収束する 

   
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定理:ベクトル値関数の極限に関するコーシーの判定条件 [P Aのとき]

     

舞台
設定

この定理は、以下の手順で設定された舞台上で成立する。 
Step1 n次元空間Rn m次元空間Rmを用意する。
    
* n次元空間Rnとは、
      
実数n個並べた組 (x1,x2,,xn ) をすべてあつめた集合。
      
n次元数ベクトルをすべて集めた集合でもある。
    * m次元空間Rmとは、
      
実数m個並べた組 (y1,y2,,ym ) をすべてあつめた集合。
      
m次元数ベクトルをすべて集めた集合でもある。
Step2
n次元空間Rnに通例のベクトルの加法スカラー乗法を定義して、
     
n次元数ベクトル空間Rnとする。 
    
m次元空間Rmに通例のベクトルの加法スカラー乗法を定義して、
     
m次元数ベクトル空間Rmとする。  
Step3n次元数ベクトル空間Rnにたいして、
     「
自然な内積(標準内積)・」「ユークリッドノルム‖‖n
    を定義して、
ノルム空間 Rn, ‖‖n )を設定する。
   
m次元数ベクトル空間Rmにたいして、
     「
自然な内積(標準内積)・」「ユークリッドノルム‖‖m
    を定義して、
ノルム空間 Rm, ‖‖m )を設定する。
Step4ノルム空間 Rn, ‖‖n )にたいして、
      
ユークリッドノルムから定めた距離dn(x, x' )=xx'n
     を定義して、
ユークリッド空間(Rn,dn)を設定する。
    
ノルム空間 Rm, ‖‖m )にたいして、
      
ユークリッドノルムから定めた距離dm(y, y' )=yy'm
    を定義して、
ユークリッド空間(Rm,dm)を設定する。
Step5 n次元空間Rn上の点集合のひとつを選んで集合Dと名づける。
    つまり、「
DRn
    
*Dは、「n次元数ベクトルの集合」でもある。

Cf.
1変数関数の場合のコーシーの判定法
2変数関数の場合のコーシーの判定法
n変数関数の場合
実数値関数一般の場合

[文献]

杉浦『
解析入門I』定理6.10(pp.61-62):証明付.

 

Step6 n次元空間Rn点集合D上の各Pにたいして m次元空間Rm上のを対応づけるベクトル値関数f
    を用意。
    つまり、
     
f : DRm DRn ) ないし ( f1 (x1,x2,,xn), f2 (x1,x2,,xn) ,, fm (x1,x2,,xn))= f (x1,x2,,xn)  
    
*fは「D属すn次元数ベクトルからm次元数ベクトルへの対応付け」だとも言える。
Step7-1:「 n次元空間Rn点集合D」に属すを、P= (x1,x2,,xn )と名づける。
     つまり、「
PDRn」  
     
*Pは、「D属すn次元数ベクトル」でもある。

Step7-2:「 n次元空間Rn点集合D」に属すある定を、A=(a1,a2,,an)で表す。
     つまり、
A=(a1,a2,,an)DRn
     
*Aは、「D属すn次元数ベクトル」でもある。

定理

次の命題S,T,Rは互いに言い換え可能である。
つまり、命題
S命題T命題R

命題S :
 動P(x1,x2,,xn)Dを定A(a1,a2,,an)D に近づけたとき
  
ベクトル値関数
    
( f1 (x1,x2,,xn), f2 (x1,x2,,xn) ,, fm (x1,x2,,xn) ) =f (P) = f (x1,x2,,xn)
  が収束する。 
命題T :
 任意の正数εに対して、ある正数δをとると
  
任意のP,QD にたいして、  
   「(0<
dn(P,A)<δかつ0<dn(Q,A)<δ)ならばdm ( f (P), f (Q) ) <ε」
 が成り立つ。
 
論理記号では、
 
(ε>) (δ>)
   (P,QD) ((<dn(P,A)<δかつ<dn(Q,A)<δ)dm ( f (P), f (Q) )<ε)
命題U :
 任意の正数εに対して、あるRn上の点Aの除外δ近傍U*δ(A)とると、
  
任意のP,Q(U*δ(A)D)にたいして、dm ( f (P), f (Q) )<εが成り立つ。
 
論理記号では、
 
(ε>) (U*δ(A)) (P,Q(U*δ(A)D)) (dm ( f (P), f (Q) )<ε)
   

 

活用例

 
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