Chemsec News 2015年12月22日
高濃度のフッ素化合物が撥水・撥油製品中で検出される

情報源:Chemsec News, 22 December 2015
Highly fluorinated substances found in repellents
http://www.wjso.com/content/4/1/74#IDA3QGVY

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2016年1月7日
このページへのリンク
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/sweden/
151222_Chemsec_Highly_fluorinated_substances_found_in_repellents.html


 靴や布製品のための撥水・撥油剤 20 のうち 6 は、有害な過フッ素化合物(PFCs)を高いレベルで含むことを、スェーデン水・廃水協会(SWWA)による新たな研究が示している。同協会は、消費者向けの製品をテストし、テーブルクロス、焼き型、ポップコーン容器、ピザ容器、糸ようじ(デンタルフロス)、ボール紙、及び撥水・撥油製品を含んで、広範囲の製品中で発見することができると結論付けた。

 これらの極めて残留性の高い物質は、それらの撥水及び撥油特性のために使用されているが、そのことが自然、動物、及び人間を広範囲で汚染している。高濃度の過フッ素化合物は、自然環境中で最も生物分解しにくいもののひとつである。まさにその同じ報告書の中で、SWWA は人間の体内中の過フッ素化合物(PFCs)についてテストした。そのテスト目的は血中の PFCs の追跡であり、その分析によれば、検出限界より十分高い濃度であったが、これらの物質に異常なレベルで暴露していた人はいなかった。

 SWWA は、スウェーデン政府がこの報告書によく留意し、EUでは来年立ち上げることになっている消費者製品中過フッ素化合物類/PFCs のグループ制限に向けて行動することを期待している。SWWA はまた、スウェーデンの小売業者に PFCs を含む彼らの製品を2018年までに自主的に廃止するよう要請した。

 第一歩は、消費者製品中の PFCs を廃止することである。もし我々がきれいな湖と海を将来に残したないなら、我々の日常生活で我々を取り囲むこれらの物質をそのままにしておくことは持続可能ではないと−SWWA の環境専門家アンダース・フィンソンは述べている。

参照

訳注:参考情報

訳注:当研究会が紹介した PFCs の健康影響に関する記事
  1. EHN 2015年8月20日 子どもの免疫系障害に関連する化学物質が授乳期間中に母親から赤ちゃんに移動する ブライアン・ビエンコースキー(EHN)

  2. EHP 科学セレクション 2014年12月 PFOA と高コレストロール: 関連がありそうとする調査結果の根拠

  3. EHP リサーチ 2015年1月 過フッ素化合物と人間の精液の質:生命研究  (アブストラクト)

  4. EHN 2013年12月10日 過フッ素化合物と母乳及び女性の閉経期についての調査

  5. EHN 2013年7月18日 防汚剤は妊娠中の高血圧に関係すチャールストン・ガゼット 2012年4月16日 特別委員会 C8と腎臓・睾丸がんを関連付ける

  6. EHN 2011年7月20日 撥水・撥油・防汚剤などに使われる化学物質により高い曝露をした子どもたちは 注意力がなく衝動的である

  7. チャールストン・ガゼット 2011年7月19日 C8 委員会 デュポンのPFOAでがん死上昇を発見と述べる

  8. 米化学会 C&EN 2011年6月29日 過フッ素化合物(PFCs)は衝動性に関係する

  9. EHN 2009年12月7日  防汚剤は低出生体重と早産に関連する

  10. 米国立環境健康科学研究所ジャーナル EHP 2009年6月号 サイエンス・セレクション 若者への遺産 パーフルオロアルキル酸(PFAAs)とヒトの精子

  11. 国立環境健康科学研究所ジャーナル  EHP 2009年4月号 PFOS と PFOA は不妊と関係がある

  12. EHN 2009年1月29日 PFOA PFOA は母マウスが暴露した子マウスの乳腺の発達を遅らせる

  13. EHP 2008年6月号 サイエンス・セレクション 脳への影響 過フッ素化合物PFCsと神経細胞の発達

  14. 米化学会 ES&T サイエンス・ニュース 2008年4月16日 PFOS は低用量暴露で免疫系に影響を与える

  15. EHP 2007年11月号 サイエンス・セレクション 人体中の PFOS と PFOA 新たな研究が胎児期の曝露と出生時低体重との関連を示す

  16. EHP 2006年8月号フォーラム 化学物質への暴露 PFOA は肝臓の遺伝子発現を変える




化学物質問題市民研究会
トップページに戻る