EHP リサーチ 2015年1月
過フッ素化合物と人間の精液の質:生命研究
(アブストラクト)

情報源:Environmental Health Perspectives, Research, January 2015
DOI:10.1289/ehp.1307621
Perfluorochemicals and Human Semen Quality: The LIFE Study
Germaine M. Buck Louis, Zhen Chen, Enrique F. Schisterman,1 Sungduk Kim, Anne M. Sweeney, Rajeshwari Sundaram, Courtney D. Lynch, Robert E. Gore-Langton, and Dana Boyd Barr
http://ehp.niehs.nih.gov/1307621/

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2015年1月6日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/ehp/15_01_ehp_PFCs_Human_Semen_Quality.html


背景:一般集団から募った男性についてのデータは限定的であるが、残留性環境化学物質と精液の質の間の関連性の研究は進展している。

目的:我々は、過フッ素化合物(PFCs)と、妊娠を計画している 501 組のカップルの男性の精液の質を調べた。

方法:集団に基づくサンプリング戦略を用いて我々は、2005年から2009年の間、アメリカの地理的に異なる二つの地域から避妊を止めた 501 組のカップルを募集した。基本的なインタビューと人体測定評価が実施され、その後、血清中の7つの PFCs (パーフルオロスルホン酸塩類、パーフルオロカルボン酸塩類、パーフルオロスルホンアミド類)をタンデム質量分析計により定量化するために血液が採取された。男性の基準精液サンプルが1回、そして約1か月後に1回、収集された。精液サンプルは冷凍パックで送られ、収取後の当日に分析された。我々は自然対数で1単位増加に伴なう各精液パラメータの相違を見積もるために線形回帰を用い、交絡因子の調整と精液サンプルのモデリングを繰り返してPFC濃度を変換した。感度分析は、精液質評価項目最適 box cox 変換を含んだ。

結果:6種のPFCs [2-(N-methyl-perfluorooctane sulfonamido) acetate (Me-PFOSA-AcOH), perfluorodecanoate (PFDeA), perfluorononanoate (PFNA), perfluorooctane sulfonamide (PFOSA), perfluorooctane sulfonate (PFOS), and perfluorooctanoic acid (PFOA)] は、box cox 変換前の17の精液質評価項目と関連があった。PFOSA は、精子頭部の面積と周囲長が小さいこと、DNAの染色性が低いこと、及び精子の双頭奇形と未成熟の割合が高いことと関連があった。PFDeA, PFNA, PFOA, 及び PFOS は、渦巻状の尾部をもった精子の割合が低いことと関連があった。

結論:選択したPFCs は、ある精液評価項目と関連し、最も顕著な関連性はPFOSAに観察されたが、その結果は様々な傾向があった。



化学物質問題市民研究会
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