Rock Listner's Guide To Jazz Music


McCoy Tyner


The Real McCoy

曲:★★★★☆
演奏:★★★★☆
ジャズ入門度:★★★★☆
マッコイ入門度:★★★★★
評価:★★★★☆

マッコイがコルトレーン・グループを離れてから製作した全曲自作によ
るリーダー・アルバム。同時期に脱退したエルヴィンも参加。モーダル
で小気味良くストレートな演奏を聴いていると、なるほどこれがマッコ
イのやりたかったジャズなんだ、コルトレーンとは合わなくなって当然だっ
たんだなあと納得させてくれる。もちろんマッコイの力強いタッチの流れ
るようなピアノが満喫できるし、コルトレーン・スタイルをよりわかりやす
くしたかのようなジョー・ヘンダーソンのテナーとロン・カーターのベースも
軽快。この2人のやや薄味なところが実に良く合っているので、「マッコ
イとエルヴィンは好きなんだけど、コルトレーンはちょっと胃にもたれる」と
いう人に是非勧めしたいアルバム。薄味といっても、それはコルトレー
ンの音楽と比べての話で十分に聴き応えのあるガッシリした骨太なジ
ャズなのでそこは誤解なきよう。コルトレーンの呪縛から開放されたか
のようなマッコイとエルヴィンのフレッシュでパワフルな演奏が何よりも素
晴らしい好盤。(2006年11月23日)
[Recording Date]
1967/4/21

[1] Passion Dance
[2] Contemplation
[3] Four By Five
[4] Search For Peace
[5] Blues On The Corner

Joe Henderson (ts)
McCoy Tyner (p)
Ron Carter (b)
Elvin Jones (ds)

Tender Moments

曲:★★★☆
演奏:★★★☆
ジャズ入門度:★★☆
マッコイ入門度:★★
評価:★★★

ピアニストというのは譜面に強いこともあって、大編成で音楽を作りた
いと思うようでマッコイも何枚かそういったアルバムを残している。このア
ルバムはその中でも最初期の1枚。まだアフリカ回帰志向は希薄とい
うこともあってどちらかといえば狭義のジャズの中で完成させているとこ
ろがむしろ好印象。当然、アンサンブルに重点が置かれた曲構成
で、マッコイのピアノの出番はそれほど多くなくタッチもマッコイにしては
抑え気味。でも、その抑え加減こそがこのアルバムの聴きどころ。ホー
ン隊は人数が多いもののソロは少なめ。それでも時に切り込むモーガ
ンは流石と思わせてくれる。ベースとドラムに重量感があって、アンサン
ブル重視の音楽でも骨太な感じがするのもマッコイの個性に合ってい
る感じ。ただ、マッコイのピアノを味わいたいという向きには少し物足り
ない。(2007年7月16日)
[Recording Date]
1967/12/1

[1] Mode To John
[2] Man From Tanganyika
[3] The High Priest
[4] Utopia
[5] All My Yesterdays
[6] Lee Plus Three

Lee Morgan (tp)
Bennie Maupin (ts)
James Spaulding (as, fl)
Julian Priester (tb)
Bob Nothern (french horn)
Howard Johnson (tuba)
McCoy Tyner (p)
Herbie Lewis (b)
Joe Chambers (ds)

Time For Tyner

曲:★★★★☆
演奏:★★★★☆
ジャズ入門度:★★★★
マッコイ入門度:★★★☆
評価:★★★★

前作から一転、シンプルなカルテット編成のアルバム。マッコイのピアノ
とボビー・ハッチャーソンのヴァイブの演奏が良いだけでなく相性が予想
以上に良い。フォービート以外のリズムを織り交ぜているのは当時では
珍しくないとはいえ純粋にジャズとして楽しめる。ハービー・ルイスの骨
太なベースと、エルヴィン・ジョーンズを彷彿とさせる重量感を伴ったフレ
ディ・ウェイツのドラムがまた素晴らしく、ともすれば軽めの音楽になりが
ちなこの編成に迫力と緊張感もたらしている。冒頭3曲の先進的なマ
ッコイ・オリジナルが特に冴えていて、[4] [5] といったどちらかといえばほ
のぼの系スタンダードが続く構成は少々違和感を覚えるものの、マッコ
イの流麗なピアノがつなぎ合わせている印象。あまり注目されていない
アルバムながらスピーディに弾きまくる [5] とソロの [6] をはじめ、マッコ
イのピアノを中心に楽しめるのがセールス・ポイント。(2007年5月12
日)
[Recording Date]
1968/5/17

[1] African Village
[2] Little Madimba
[3] May Street
[4] I Didn't Know
                  What Time It Was
[5] The Surrey With
                   The Fringe On Top
[6] I've Grown Accustomed
                          To Her Face

Bobby Hutcherson (vib [1]-[4])
McCoy Tyner (p)
Herbie Lewis (b)
Freddie Waits (ds)

Extensions

曲:★★★★
演奏:★★★★☆
ジャズ入門度:★★
マッコイ入門度:★★★★
評価:★★★★

諸説あるでしょうが、マッコイ・タイナーが最も輝いていたのは70年代だ
ったという意見が多いんじゃないだろうか。その黄金時代の幕開けを告
げるアルバムとされているのがこの作品。ガッツリとジャズしていた「The
Real McCoy」と比べると、より柔軟な曲に柔軟な演奏には確かに70
年代の匂いが漂っている。それでも共演者の顔ぶれを見れば60年代
ジャズを支えた強者ばかりとあって、ジャケットほどは70年代的、アフリ
カ的なムードは強くない。あくまでも60年代ジャズの発展系として聴け
るその過渡期的な要素がこのアルバムの面白み。マイルス・グループ
加入直前のゲイリー・バーツは、まだ本領発揮前なのかそれほど存在
感がなく、やはりショーターの活躍が印象に残る。時に空間を彩るアリ
ス・コルトレーンのハープの存在は微妙で、ない方がスッキリとしている
ような気がするもののこのアルバムに独自性を与えているのも事実。そ
んなサウンドに乗るマッコイのピアノは、いつもの力強く滑らかなタッチを
ベースにしながらもより表現の幅が広まっているところが聴きどころ。ウ
ネリと力強さを押し出すエルヴィンとマッコイのピアノが絡むとやはりコル
トレーンの影がチラつくけれど、コルトレーンが推し進めていたアフリカ志
向をマッコイ流にわかりやすく料理したアプローチこそがこのアルバムの
主軸。(2007年4月15日)
[Recording Date]
1970/2/9

[1] Message From The Nile
[2] Wanderer
[3] Survival Blues
[4] His Blessings

Wayne Shorter (ts, ss)
Gary Bartz (as)
Alice Coltrane (Harp)
McCoy Tyner (p)
Ron Carter (b)
Elvin Jones (ds)

Sahara

曲:★★★☆
演奏:★★★★
ジャズ入門度:★★
マッコイ入門度:★★★★★
評価:★★★★☆

マッコイはブルーノートの後期あたりから自身のオリジナリティが明確に
なってきて、マイルストーン・レーベルに移った本作以降ではもう完全に
独自の世界を展開するようになってくる。[1] からソニー・フォーチュンの
ソプラノ・サックスが怪しく切れ込み、マッコイのピアノが躍動する。休み
なくバシャバシャと叩き続けるドラムと高音で小刻みにうねるベースがそ
のテンションが加速。[2] はマッコイのソロ、[3] は琴の演奏と箸休めが
続いたあと [4] からまた怒涛の疾走。そして最大に聴きどころは23分
にも及ぶ [5] で、疾走感だけでなく小刻みなベース・ソロ、ドラム・ソ
ロ、フォーチュン以外全員参加のパーカッションまでごっちゃまぜにした
混沌さ。最後までスピード感を失わないそんなサウンドの中、もちろん
マッコイのピアノもダイナミックに暴れまわる。このアルバム以降のマッコイ
はしばらくこの路線を進むわけですが、聴いたことがない人にこの音楽
を説明するのはなかなか難しい。まず、コルトレーンの影響は避けては
通れないのは当然として、しかしながらトレーンが持っていた重さがな
く、むしろ軽々しいといっても良いムードゆえにとても同じ耳では聴けな
い。ピアノのタッチはより明快にわかりやすく、力強い演奏に徹してい
て、ビジーなドラムとスピーディなベースが重なることで独自の疾走感と
混沌とスリルを生み出す。また、音楽そのものがやや大袈裟、しかし高
尚な感じがなく良く言えば親しみやすく悪く言えば俗っぽいところがまさ
にマッコイ・ワールド。そしてどこか地に足が着いていないかのような落ち
着きのなさはマッコイ以外の誰にも作りえないノリ。嫌いな人には受け
付けない類のものであることは理解できるものの、ジャズ低迷時代の
70年代にあってここまでヤケクソ気味のパワー溢れる音楽をやっていた
ことはもう少し評価されていてもいいような気がする。(2007年5月2
日)
[Recording Date]
1972/Jan

[1] Ebony Queen
[2] A Prayer For My Family
[3] Valley Of Life
[4] Rebirth
[5] Sahara

Sonny Fortune (as, ss, fl)
McCoy Tyner
 (p, koto [3], fl [5], per [5])
Calvin Hill
 (b, per and reeds [3] [5])
Alphonse Mouzon (ds)

Enlightenment

曲:★★★☆
演奏:★★★★
ジャズ入門度:★★
マッコイ入門度:★★★☆
評価:★★★★

下世話な感じすら伴う大袈裟な曲にマッコイ・タイナーのピアノが炸
裂、それを更に囃し立てる賑やかなドラムに重みのないサックスが絡む
というこの路線は、70年代にマッコイが到達したひとつの頂点であり、
一聴して現代ではあり得ない音楽とわかりつつも意外と古びた感じがし
ない。73年、モントルー・ジャズ・フェスティバルでのこのライヴでもそん
な特徴がそのまま出ていて、マッコイのダイナミックなピアノ・ソロ [3] から
大疾走が始まる [4] の流れこそがこのグループを象徴する展開で、わ
かっちゃいるんだけれど爽快。この [4] のような狂乱をぶちまけることこ
そが70年代マッコイ・グループの存在意義と言ってもいいでしょう。[5]
ではフォー・ビートで展開されるもエネルギーはいささかも衰えず、フツ
ーのジャズでは許されないような強固なタッチでマッコイは躍動し続ける
ところがまたたまらない。そのままテンションは下がらず、ベース・ソロから
反復リフが続く展開の [7] も盛り上がる。24分に及ぶその [7] は、ベ
ースが同じリフを延々と刻むというファンク的アプローチのように見えるも
ののムードは大違いで、アル・ムザーンのドラムの軽薄さがこのオリジナ
リティに大きく加担しているのは間違いないところ。とにかく勢いを味わう
べきアルバム。(2007年5月7日)
[Recording Date]
1973/7/7

[1] Presenting The
    McCoy Tyner Quartet
[2] Enlightenment Suite,
    Part 1: Genesis
[3] Enlightenment Suite,
    Part 2: The Offering
[4] Enlightenment Suite,
    Part 3: Inner Glimpse
[5] Presence
[6] Nebula
[7] Walk Spirit, Talk Spirit

Azar Lawrence (ts, ss)
McCoy Tyner (p)
Joony Booth (b)
Alphonze Mouzon (ds)

Atlantis

曲:★★★★
演奏:★★★★☆
ジャズ入門度:★★
マッコイ入門度:★★★★★
評価:★★★★★

西海岸の有名クラブ、キーストーン・コーナーでのライヴ。ここでも70年
代マッコイ・カルテットならではの勢いで強烈な演奏が繰り広げられて
いる。ジャズと呼ぶには気が引ける発展型の音楽性を持ちながらこの
グループが(一般的に軟弱とされる)フュージョン扱いされなかったの
は、電子楽器を使わなかったことと常に熱い演奏を繰り広げていたから
ではないかと想像する。また、サウンドの中心には確固としたマッコイの
ピアノがあるところも電子楽器嫌いな人の受け皿になったのかもしれな
い。また、狙ってそうしたのかどうかはわかりませんが、サックス・プレイヤ
ーが揃いも揃って弱いところもマッコイのピアノを引き立てる演出になっ
ている側面も見え隠れする。さて、このアルバムでは「Sahata」
「Enlightenment」と比べるとドラムのタイト感が増していることと、パー
カッション奏者が加わったことによってバンドとしての勢い、喧騒度が増
しているところが魅力。それに煽られてかエイゾー・ローレンスのサックス
もなかなか健闘。[3] のようなミドル・テンポの重みを必要とされる曲で
もそれなりに消化できているのはそんなリズムの違い故で、ウネリ感の
ある混沌状態を作れるようになったのはバンドとしての進歩と言える。
お得意のピアノ・ソロ・パフォーマンスを中心とした [4] で息抜きすると、
ミドル〜アップテンポの [5] で少しずつテンション・アップ。それなりの重
みを持つようになったリズム・セクションにローレンスの熱演が加わり、コ
ルトレーン・カルテットの影がチラつくムードを醸し出すと、やはりマッコイ
のソロへ展開してエンディング。最後の [6] は冒頭のパーカッション攻
撃から高揚を予感させ、軽快にテーマに入ると当初の予感どおりに均
一的スピード感と緊張感溢れる演奏が延々と続く。繰り返しになって
しまいますが、ウィルビー・フレッチャーのドラム、もっと言うとシンバルの
右シンバルのてっぺんを小刻みに連打(想像ですが)する音とギレル
モ・フランコのパーカッションの醸し出す高揚感が素晴らしく、ジュニ・ブ
ースの躍動やローレンスのキレにまで影響しているところがこのアルバム
の聴きどころ。それにしても暑苦しい音楽だなあ(褒めてます)。(2007
年5月12日)
[Recording Date]
1974/8/31
1974/9/1

[1] Atlantis
[2] In A Sentimental Mood
[3] Makin' Out
[4] My One And Only Love
[5] Pursuit
[6] Love Samba

Azar Lawrence (ts, ss)
McCoy Tyner (p)
Joony Booth (b)
Wilby Fletcher (ds)
Guillerme Franco (perc)

Trident

曲:★★★★☆
演奏:★★★★
ジャズ入門度:★★★
マッコイ入門度:★★★
評価:★★★☆

70年代のマッコイ・タイナーは自身のコンボを率いての活動を中心とし
ながら、ときどき本作のようなピアノ・トリオ作品を発表している。フュー
ジョン・ムーヴメント真っ盛り、軽い音楽が支持された時代に録音され
たこのアルバムは、所謂ムード優先のピアノ・トリオとは異なっていて、マ
ッコイの力強いタッチのピアノがたっぷりフィーチャーされたパワフルな演
奏で占められているのが特徴。しかも共演者がロン・カーターとエルヴィ
ン・ジョーンズとなれば一定レベル以上の内容は保証されたようなもの
で、意外性こそないもののメンツ相応のスリルは十分味わえる。通常
のピアノ・トリオだと音量バランスの問題でドラムが控えめにブラシを使う
ことが多いけれどマッコイのダイナミックなピアノにそんな気遣いは不要
で、力強さでもエルヴィンのドラムにまったく見劣りしないし、ロンの柔軟
かつスピーディなベースも良く合っている。コルトレーン縁の曲も多く、モ
ンクとトレーンの競演で知られる [6] でしっとりと締める構成も心地よ
い。レベルは高くとも適度なリラックス感があるのはそういう時代だったか
らか?濃厚なアクを求める人には少々物足りないかもしれないけれど
良く聴けば3人の絡みは並みのミュージシャンではできないものである
こともわかる。(2007年5月17日)
[Recording Date]
1975/2/18,19

[1] Celestial Chant
[2] Once I Loved
[3] Elvin (Sir) Jones
[4] Land of the Lonely
[5] Impressions
[6] Ruby, My Dear

McCoy Tyner
(p, harpsichord, celeste)
Ron Carter (b)
Elvin Jones (ds)

Fly With The Wind

曲:★★★★
演奏:★★★★★
ジャズ入門度:★
マッコイ入門度:★★★
評価:★★★★

いろんな意味でこれも70年代を濃厚に感じさせる音楽。70年代のマ
ッコイ・グループらしい音楽でもありながら、前後のアルバムとはメンバー
もガラリと変えて一味違う作品になっている。演奏の中心はマッコイのピ
アノを核にしたカルテットで、ロン・カーターの電化ウッド・ベース、叩きま
くりのビリー・コブハムを基礎に、ストリングスやハープを含むその他大勢
が大袈裟に盛りたて、リード奏者はサックスではなくフルートという構
成。だから表面的にはかなり「その他大勢」が耳について壮大なシンフ
ォニーの如く響く。そもそも、こういう編成で音楽をやろうということじたい
が70年代的。ストリングスのメロディやアレンジがまた70年代的なセン
スで一歩踏み外すとチープというか気恥ずかしさすら覚えるほど大袈
裟。今こんな作品を発表したら鼻で笑われること必至。しかし、こんな
アレンジやメロディで気分を高揚させてしまうところがまたマッコイ的だし
このアルバムの魔力でもあって、今の時代に生まれ得ないからこそ価
値があるとも言える。マッコイのピアノは流麗さよりも明快さと更なる力
強さが目立ち、60年代のマッコイを愛する人にはやや過剰気味かもし
れないけれど、コブハムの高密度で暴れるドラミングに太刀打ちするに
はこのくらいでないと通用しない。ちなみに、「ビリー・コブハムってどんな
ドラマーなんだろう」という人には、マイルスの「ジャック・ジョンソン」では
なく、このアルバムで試してみた方がいい。(2007年5月7日)
[Recording Date]
1976/1/19-21

[1] Fly With The Wind
[2] Slvadore De Samba
[3] Beyond The Sun
[4] You Steped Out Of A Dream
[5] Rolem

Hurbert Laws (fl)
McCoy Tyner (p)
Ron Carter (b)
Billy Cobham (ds)

Paul Renzi (piccolo, fl)
Raymond Duste (oboe)
Linda Wood (harp)
Guilherme Franco (tb)
plus strings

The Greeting

曲:★★★★
演奏:★★★★
ジャズ入門度:★★
マッコイ入門度:★★★★
評価:★★★☆

このアルバムも西海岸でのライヴ。当時は西海岸がマッコイの本拠地
だっただろうか? ここでは2人のサックスを擁した6人編成。パーカッショ
ン・パフォーマンスから穏やかにマッコイのピアノが踏み込み、そのままの
ムードで2人のフルートが同じメロディを繰り返すという、ちょっと変わった
ゆったりとしたオープニングは少しゴスペルの雰囲気も感じさせる(実際
のライヴの1曲目ではないと思うけれど)。そして有名曲 [2] をこの編
成で。スタジオ盤のビリー・コブハムのような引き締まった弾力感を望む
のは酷としても、手数の多さとビジーな感じのドラムはなかなかの健闘
でマッコイのダイナミックなピアノを盛り立てる。とはいえ、72年に録音さ
れた「Sahata」以来のマッコイ・グループ、確かにマッコイでないとできな
い音楽であるものの、乱暴に言えば大同小異でそれぞれに別種な感
動があるわけではなく、このアルバムもそんな中の1枚。酷な言い方を
するならばそこに6年間という長い時間分の進歩は特に感じられず、メ
ンバーが変わっていても何も変わっていないのはある意味信念を持って
マッコイが音楽を作っていたのかもしれないし、ロックやフュージョンに迎
合できなかかったからかもしれない。本作ならでは聴きどころをあえて
探すと、曲によって2人のサックスが暴れるところとウッディ・ゼウスのドラ
ムが結構やかましいところでしょう。ただし、バンドとしての勢いはやや後
退気味。マイルストーン・レーベル時代のマッコイのライヴ盤は、アナロ
グ2枚組を CD 1枚に集約したものが多い、つまり長いので43分でコン
パクトにライヴを楽しもうという人には良いアルバム。(2007年7月29
日)
[Recording Date]
1978/3/17,18

[1] Hand In Hand
[2] Fly With The Wind
[3] Pictures
[4] Naima
[5] The Greeting

George Adams (ts, ss, fl)
Joe Ford (as, fl)
McCoy Tyner (p)
Charles Fambrough (b)
Sonship (Woody Theus)
 (ds, orchestra bells)
Guilherme Franco
 (perc, conga, berimbau)