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チョークとは  ● チョークの向き  ● チョークの位置 ● チョークの引き方 ● チョークの役割

 

チョークとは

「チョーク」は英語の゛choke collar゛のことで、゛choke゛とは「(首を)絞める」ことを指しています。「チョーク=犬の首を絞める道具」というふうに説明するのが一般的で す。でも実際には、チョークを使って首を締め上げてしまうのではありません。ただ、一時的にでも首を絞めることには違いなく、また使い方によっては犬の首 が絞まったままになってしまうことがあり、訓練にチョークを使うのを薦めない訓練士もいます。

チョークの素材と種類にはさまざまありますが、ここでは一番分かりやすいチェーンチョークを例にとって、その使い方と特徴を説明し たいと思います。

チョークの向き

6の字のチョーク

まず犬の右側に立ちます。いわゆる「ツケ」の位置です。

左の画像を見てください。ここではチョークの形が分かるようにナイロンチョークの画像にしてみました。まず、チョー クを数字の「6」の形にして、リングを上にしてそのまま犬の鼻先から首に通します。 これがチョークをつけるときの正しい向きです。

では、なぜこれがチョークの正しいつけ方なのでしょうか。それはこういう理由です。

下の写真を見てください。正しくチョークをつけた状態で、犬の右側からチョークを引くと、チョークはやや右側に引かれます(@)。 そしてチョークをゆるめるとたいてい自然に戻ります(A)。つまり、犬の首が絞まったままにならないというわけです。

正しいチョークの向き
@チョークを引いて Aリードを緩めると鎖が緩む

で はチョークを逆向きにつけるとしましょう。下の写真を見てください。犬の右側からチョークを引くと、チョークはやや右側に引かれます(@)。ここでチョー クを緩めますが、そのとき、もし犬の右側に鋭角にチョークが折れてしまうと、途中でひっかかって止まってしまうことがあります(AとB)。このとき犬の首 がしまったままになるわけです。

逆向きのチョーク
@チョークを引いて   Aリードを緩めても鎖が引っかかる   B拡大図

こ のように書くともっともらしく、また操作は簡単そうですが、実際は前や横に出ようとする犬を制してチョークを引くわけですから、正しい方向にチョークをつ けていてもチョークがきちんと緩まない場合もあります。これはあくまでもお手本どおりにすべてがうまく行ったときの状況にすぎません。

で すから、ちょっと意地悪な書き方をしてみます。使用説明書や訓練の本には、チョークを逆向きにつけると犬の首が絞まったままになると断定的に書いてあるの ですが、逆向きにつけたからといって犬の首が絞まったままになるとも限りません。チョークを逆向きにつけても、チョークの緩め方のコツさえつかめば、犬の 首が絞まりっぱなしになることはないのです。そのコツとは、チョークを緩めるときに、若干リードを左側前方に投げ出すように動かせばチョークは確実に緩み ます。反対に正しい方向にチョークをつけても、チョークを緩めるときにリードが左側に流れるとチェーンが引っかかってしまうのです。
もっと乱暴な書き方をすると、チョークを正しい方向でつけていてもつけていなくても、チョークの使い方が上手な人の犬の首は絞まったままにはならないし、 チョークの使い方が下手な人の犬はいつも首が絞まったままになっているのです。要するに、チョークは使い方次第なのです。

ただ一般的に言って、チョークの自然な動きを考えると、チョークは正しい方向でつけるというのが基本です。

チョークの位置

チョー クの正しい位置は、犬の後頭から、右耳の後ろ、そして喉元へぐるりとまわして、左耳の後ろから後頭へ戻ってくる位置です。この位置でチョークを上向きに引 くと、犬の口元がぴたりと閉じて一文字になります。「首吊り」のような形になってちょっと不自然に見えるかもしれませんが、この位置が一番チョークが効く 位置です。普通の首輪の位置とは全く違います。

ただしこれも実際にはお手本どおりにはいきません。ちゃんとした位置にチョーク をつけて散歩に出かけたとしても、常にチョークは犬の動きによってずれていきます。だからときどき位置を確認しながらなるべく正しい位置でチョークを使う ことを心がけることが一番です。チョークが普通の首輪の位置まで下がってくるとチョークがきちんと効きません。きちんと効かないと犬との引っ張りあいこに なってしまい、ますますチョークが効かなくなります。

もうひとつ、リードとつないでいるチョークのリングの位置にも注意しま しょう。チョークのリングは犬の後頭のまうしろの位置にもってきます。これも歩くにつれてだんだん左右どちらかにずれていきますので、ときどき位置を修正 して、必要なときにちゃんとチョークが効くようにしておく必要があります。リングがこの位置にないと、チョークを引いても犬の首の皮膚がずれるだけで、 チョークを引いた力がうまく犬に伝わらず、チョークの役割を果たさなくなります。

チョークの引き方

これは歩行訓練(犬を左に「ツケ」て歩く訓練)抜きにはお話できませんが、なるべくチョークの使い方という点から詳しく書きたいと 思います。

ま ず、犬を左に「ツケ」て歩き始めます。犬が前に出て引き始めたら、その速度にあわせてリードを持つ手を少し前に出します。つまり、リードとチョークを緩め るわけです。リードを緩めたら、ある程度の力を込めて瞬間的に手前に引き戻します。犬を引き戻したらすぐに手元を緩め。犬を「ツケ」させます。これが チョークを使うときの一連の動作です。

でも、やってみるとこんなふうにはいかないことも多いのです。では、実際にはどんなことが起こるのかを書いてみます。

犬 が引くのを矯正したくてチョークを使おうと思っている人は、おそらく常に犬に引っ張られているはずですから、上に書いたように「犬が前に出て引き始める状 態」はなくて、例えば、玄関を出る瞬間からすでに引いているかもしれません。または歩き始めの第一歩目から引いている可能性もあります。こういう飼い主は 「うまくチョークが効かない」と言うでしょう。この場合は、チョークうんぬんの前に、犬を左に「ツケ」て座らせて、「よし」または「こい」などのコマンド で歩き出すという訓練が必要です。

ひとくちに犬が前に出て引くと言っても、引きながら単に飼い主の前を歩いている場合と、突然 (または常に)ぐいぐい引いて歩き出す場合があります。前者の場合、特に問題が起きなければ飼い主はそれをよしとしていることが多いようです。これは小 型・中型犬の飼い主によくみられます。後者の場合は、犬の引きに合わせて人間が走らなければならなくなるので、誰の目にも飼い主が犬に引っ張られていると 写るはずです。どちらの場合もきちんと歩く訓練をすべきですが、そのとき特に注意しなければならないのは後者です。

上に書きま したが、チョークをうまく引くためには、犬が引く速度にあわせてリードをもつ手を前に出して、リードとチョークをまず緩めなければなりません。緩めた後に 足をふんばってチョークを引くのですが、そのときタイミングを間違えると、リードをもつ手を前に出したままふんばることができず、そのまま引っ張られて転 倒することがあります。特に大型犬、そして下り坂のときは注意が必要です。

では、じょうずにチョークを緩めることができたとし ましょう。そこでチョークを引きますが、ずるずると引かずに瞬時に引き戻します。チェーン・チョークを使ってこれがうまくできたときには、「シャン」と チェーンの音がするはずです。犬が前に勢いよく引っ張っているところでチョークを瞬時に引くと、犬が後ろ足立ちになったり、空中を飛びながら戻ってくるこ ともあります。引き戻すときの力は犬の大きさと犬の引く力によります。小型・中型犬ならちょいと引くくらいで充分ですが、大きな犬ならよいしょという感じ で引きます。

さて、チョークを引くと犬が自分の前か横あたりに戻ってきますので、すぐに手元を緩めて、犬に「ツケ」を命じます。そして再びコマ ンドを出して歩き始めます。これがうまくいけば、犬は「ツケ」の位置で上手に歩くはずです。

も ちろん、一度で犬が戻らない場合は、こうした動作を繰り返す必要がありますが、あまりひどい場合は180度反対の方向に歩きます。これは訓練のお話になり ますが、こうした歩行訓練はあくまでも訓練であってお散歩ではありません。だから、これから買物に行かなければならないから戻れない、時間がないとか、そ んなことをしていたら同じ道を行ったり来たりしかできないと考えてはだめです。ある程度満足がいく歩きができるようになるまで、散歩にならないこともあり ます。犬があまりに言うことを聞かないならば、さっさと散歩を切り上げて帰ることも必要です。こう書くと厳しいと思われるかもしれませんが、例えばもはや 仔犬ではない犬をチョークを使って矯正する必要があるということは、それまで飼い主さんはいつもだらだらと散歩をしてきたとも言えるわけですから、これく らいの厳しい姿勢は必要でしょう。もちろんたいていの場合、散歩のときに歩行訓練をあわせて行うのが普通ですし、いつもぴりぴり歩く必要はありません。

さて、ここまでのことをまとめると以下の4つです。

1.チョークを引くときには必ずチョークが緩んでいなければならないこと
  チョークが張ったままということは、すでにある程度首が絞まっている状態です。これは普通の首輪と同じ状態だ ということです。チョークを使う意味がなくなります。
2.チョークを引くときは、一瞬のうちに引くこと
  チョークを緩めずに、またタイミングよく一気にチョークを引かなければチョークは効きません。犬との引っ張り あいこになってしまうのはこういう場合です。
3.チョークを引く力は、その犬の大きさや犬の引く力などに合わせること
  小さな犬に対してチョークを力いっぱい引くと、犬の首にはかなりの負担がかかって事故につながりますし、犬が チョークを怖がってしまうこともあります。反対に大きな犬に対してチョークの引きが足りないとまったく効果がありません。
4.チョークを引いた後は、すぐにチョークを緩めること
  すぐにリードを持つ手とチョークを緩めます。これは首を絞めたままにしないためと、次にチョークを引く準備の ためです。

こうした一連の動作がスムーズに行えるように練習しましょう。

チョークの役割

チョー クを犬の首につけさえすれば、犬が引くのをやめると思っている人がいますが、それはとんでもない間違いです。チョークを上手に使えなければ、首輪をつけて いる場合となんら変わりはありません。「チョークを使えば犬が引かないと聞いたのに、全然引くのがなおらない」というのであれば、今一度チョークの使い方 を勉強しなおしてみてはどうでしょう。また、犬が飼い主を引っぱるのには別の理由が、つまり家庭内での日常的な訓練(しつけ)の問題があることも考えま しょう。

初めに書きましたが、「チョーク(choke)」は犬の首を絞める道具には違いないのですが、首を絞めるのを目的に使 うのではなくて、犬への合図として使ってほしいと思います。犬への合図ということからすると、チェーンチョークは犬に初めて歩行訓練をするのには適してい ると思います(犬の大きさや犬種によってこれがすべてではありません)。チェーンがお互いに当たると「シャン」という音がします。鋭い音をたてて犬の注意 を引くことができれば、最終的には犬の首を絞めるほどチョークを引く必要はなくなるはずです。要するにチョークは犬へ「前に行き過ぎているからツケの位置 に戻りなさい」とか「こっちにおいで」という合図にするのが目的です。きちんと訓練すれば、犬は自分の首まわりの感覚で、自分が正しく歩いているかどうか を理解するはずです。例えば、犬が前に出すぎたときにチョークを緩めただけで、犬は「ツケ」の位置に戻ってくるようになります。

チョー クは、犬が引くのを矯正するのに一番有効な道具であると同時に、一番扱いにコツがいる道具です。犬のハンドリング(リードを持って犬を扱う)が上手な人 は、首輪であれ、ハーフチョークであれ、ナイロンチョーク、チェーンチョークであれ、なんでも使いこなせます。それは、上に書いたチョークの引き方のタイ ミングは首輪をつけている犬にもそのまま応用できるからです。ただ、首が絞まるチョークのほうが、人間にあまり力が必要がなくても犬の戻りがいいというだ けです。じゃあ、チョークなどいらないではないかということになりますが(そういう考え方の訓練士もいます)、犬が大きかったり、力が強い場合は、やはり 首輪よりチョークで訓練するほうが断然楽なのです。

チョークは万能の道具ではありません。上手に使って上手に訓練しましょう。

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