リスボンに誘われて/Night Train to Lisbon  |
[DRAMA]
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2013:ドイツ・スイス・ポルトガル作品/2014.09日本公開(キノフィルムズ) |
監督:ビレ・アウグスト |
出演:ジェレミー・アイアンズ/マルティナ・ゲデック |
ジャック・ヒューストン/アウグスト・ディール/マルコ・ダルメイダ/メラニー・ロラン/
ベアトリス・バタルダ/アドリアーノ・ルース |
ブルーノ・ガンツ/トム・コートネイ/レナ・オリン/シャーロット・ランプリング/
クリストファー・リー/サラ・ブルマン/ハンスペーター・ミューラー/他 |
単館系ミニシアターを回っていてキャッチした情報
謎の女性から手にした1冊の本、その内容に引き込まれた男性が…全てを放り出してスイスからリスボンへ
関係者への聞き込み、作者の男性の身の回りに起きた事件の実情に迫っていく
なんかミステリアスで面白そうだと思い…観ることとした
前日にネット予約入れようとしたら、初回なのにほぼ満員!に驚き、そんなに評判だったかな? |
【STORY】
スイスのベルン、高校の古典文献学の教師、ライムント・グレゴリウス、57歳、5年前に離婚
ある雨の朝、橋から身投げ寸前の女性を助ける、付いてくる女性、壁に掛けた赤いコート、授業の見学
逃げるように突然の退室、取り残された赤いコートを持って追いかけるライムント
ポケットから出てきた1冊のポルトガル語の本「言葉の金細工師」、古書店の判
手掛かりを求めて古書店へ、本から落ちた紙…15分後に出発するリスボン行きの列車の切符
駅へ走るライムント、出発する列車、思い悩み夜行列車に飛び乗るライムント、本を読みだす…
著者アマデウ・デ・プラドの写真、「人生の一部しか生き得ないなら残りはどうなるんだ?」ほか…数々の言葉
引き込まれていくライムント、リスボンに到着、あてもなく街を歩き回ると、ホテルを決める
電話帳からアマデウの住所を調べて訪ねる、応対したのは彼の妹アドリアーナ
兄の本業は医師、彼が残したノートが元、100冊のみの出版、スイスまで行っていたことに感動
アマデウの所在をはぐらかす、彼は一体どこ?
老家政婦の情報、プラゼーレス墓地?アマデウの墓!1974年死去、妹にとっては彼は今も生きている…?
街を行き来するライムント、衝突する自転車、壊れたメガネ
新しいメガネを作るために訪れた眼科、眼科医マリアナとの出会い、アマデウの話に興味を示すマリアナ
アマデウを知る伯父ジョアンを紹介、介護施設にいるジョアン、独裁政権時代はレジスタンスの闘士
彼は、アマデウは罪悪感から仲間に加わったと語る
1973年春、ジョアンは残虐な秘密警察のメンデスの拷問で両手を潰された…
その数ヶ月後、メンデスの命を救ったのがアマデウだという
ジョアンから「アマデウを埋葬した」と聞いたバルトロメウ神父を訪ねるライムント
高校時代のアマデウの教師でもあった神父
貴族で高名な判事の息子、飛び抜けた知性(飛び級)、傲慢ながら正義感に溢れた美しい若者だったと…
アマデウが忠誠を誓った親友…労働者階級のジョルジェ、卒業式で神を冒涜するような演説を手伝ったのも彼
10数年後、独裁政権崩壊の日に亡くなったアマデウ
葬儀には革命の象徴の赤いカーネーションを手に大勢が参列
ジョルジェと一緒にいた女性が神父の記憶に残っていた
アドリアーナとジョアンから更に話を聞くライムント
アマデウは民衆に袋叩きにされて瀕死のメンデスに対し、医師としての義務を果たすが
人々に裏切り者と非難され…ジョルシジェまでが足が遠のいた
そこでアマデウはジョルジェの薬局を訪れ、レジスタンスの仲間になりたいと申し出る
その時、ジョルジェの恋人で驚異的な記憶力を持つ美しい女性エステファニアと出会い…恋に落ちる
食事中のトラブル、気管切開術で命を救ってくれた兄を深く愛したアドリアーナ、エステファニアに嫉妬
ある夜、突然、アマデウはエステファニアを連れて出て行ったという、その理由はなんだったのか?
ライムントは今も薬局を経営するジョルジェを見つけて尋ねるが…追いかえれてしまう
自分でも驚くほど行動的になったライムント、いつも車を出してくれるマリアナをディナーに誘う
本から得た知識から結婚生活の失敗談まで生き生きと語るライムント
別れた妻に退屈だと言われた男とは別人の様
最後の謎、ジョアンによると…秘密警察の踏込のあった問題の日、ジョルジェは情報漏れを防ぐため…
エステファニアを消すと決め、ジョアンの銃を奪って行った
アマデウはジョアンからそのことを聞き、エステファニアと逃げたのだが…その後、彼女を見ていないと言う
あの日、アマデウとエステファニアとジョルジェの間に何があったのか?ジョルジェに聞くしかない…
勇気を出して再び彼を訪ねるライムント
全てが明かされたとき、自分の人生に何が起きるのか?ライムントはまだ知らない…
◇
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1970年代というつい最近の出来事を追う物語
まずは1970年代でポルトガルは独裁政権で、レジスタンス活動が行われていたことに驚き!
親が独裁政権を支える裁判官だという息子、市民を取り締まる秘密警察の命を救った医師、革命の道へ
何でも記憶してしまう特技の美しき女性闘士との恋、友情、苦悩と裏切り
平凡な生活を送っていた高校教師には刺激的なシチュエーション
作者の言葉、一つ一つに共鳴・共感、もっと作者について知りたくなり、調べて回るとともに
退屈と言われ離婚した自分…新たな恋が始まる
そうそう彼にその本をもたらした謎の女性は何処?というのもあった
おおまかな筋はそんなところだが…
なかなかシリアスな場面とコミカルなところの対比が面白い
現在は明るくのんきなものだが…、実はつい最近までの暗い過去を抱えた上での明るさなのね
みんなナカナカ語ろうとはしないけど、主人公の熱心さに口を開くんだよね
でも失うばかりだった著者の妹にだけは救いがないのかな…一生喪に服していくのだろうかな?
反対に、時々にかかってくる校長からの電話(笑)、大丈夫かと不安、更に無造作に切る!クビになるぞ〜
酒とタバコのネタも楽しい、しかし突然タバコ吸ったらゲホゲホどころか、気持ち悪くなるぞ…普通
退屈男の…本人も良く分かっていない恋愛もいいじゃないですか!
ラストのラテンなノリな言葉は特に良くて…上手く締めていると思う
まあそこそこに面白かったかな!べた褒めするほどではないけどね…
しかし…
満員の客の大半が高齢者だったのに驚き!私が平均年齢を下げる側に回るという珍しいパターン
何で宣伝しているのだろうか?それともBunkamuraゆえの事象か?
それから、座席の背もたれが低くて、首を支える物が無くて…首が痛かった!
身体の小さい年配の方には問題ないのだろうが…
私ぐらいの身長で辛くなっちゃうのは如何なものだろうか?椅子を交換しようよ!まっ無理か… |
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ちなみに公開8日目の第1回(11:10)、152席の映画館で満員(Bunkamura ル・シネマ1(渋谷)) |