2変数2値ベクトル値関数とその属性:トピック一覧  
 ・定義2変数2値ベクトル値関数 
 ・定義:2変数2値ベクトル値関数の定義域/像・値/値域/逆像・原像/有界なベクトル値関数 
 関数定義ページ:2変数関数/n変数関数/実数値関数一般/ベクトル値関数/写像一般  
 ベクトル値関数に関する諸概念の定義:極限/極限の性質/連続性/偏微分/方向微分/微分 
 2変数2値ベクトル値関数の具体例:一次変換『f :R2DR2   
 2変数2値ベクトル値関数の一般化:n変数m値ベクトル値関数   
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定義:2変数2値ベクトル値関数 
定義 2変数2値ベクトル値関数とは、
「2個の実数(x,y)に対して、
         2個の実数(x',y')を対応づける規則」
平面R2上の点集合D(定義域)に属すにたいして、
            平面R2に属すを対応づける規則」
平面R2部分集合Dから、平面R2への、写像
のこと。
  (x',y')f (x,y) 、f : DR2 、f :R2DR2  
などと表す。
 
[文献]
・西村『経済数学早分かり』3章§1.1関数とは(p.105);
・笠原『微分積分学』1.4(pp.22-3)。
・杉浦『解析入門I』I§6(p.50);
・黒田『微分積分学』8.2.1(p.276):図示の方法;
・木『解析概論』84写像(p.302);
・加古『自然科学の基礎としての微積分6.1(p.88);
[一般化]
 ・n変数m値ベクトル値関数  
[類概念]
 ・2変数実数値関数   
[下位類型]
 ・一次変換『f :R2DR2 

ベクトル
表現
2個の実数(x,y)とは、実2次元数ベクトルのこと。
2個の実数(x',y')も、実2次元数ベクトルのこと。
だから、

2変数2値ベクトル値関数とは、
 「実2次元数ベクトルv=(x,y)にたいして、実2次元数ベクトルw=(x',y')を対応づける規則」
 「実2次元数ベクトル空間R2部分集合D(「定義域」)の各に対して、実2次元数ベクトル空間R2を対応づける規則」
 「実2次元数ベクトル空間R2部分集合Dから、実2次元数ベクトル空間R2への、写像
などといっても同じ。
  wf(v) 、f : DR2 、f :R2DR2  などと表す。
2変数
実数値
関数

への
還元
2変数2値ベクトル値関数 (x',y') f (x,y) は、   
2個の2変数関数に還元できる。
つまり、
(x',y') f (x,y) とは、
 x'f1(x,y)
 y'f2(x,y)
という2変数関数f1,f2の組に他ならない。
ここから、2変数2値ベクトル値関数 (x',y') f (x,y)、wf(v) を、
  (x',y')f (x,y)=( f1(x,y), f2(x,y) )  
  wf(v)=( f1(v), f2(v) )
などと表すこともある。 
図示
2変数2値ベクトル値関数のグラフを、
2変数関数のグラフ同様に描くことは、困難であるが、
《平面上の各点(x,y)を始点、その一次変 換fによるf(x,y)を終点》とする矢印を、
平面上に描いていくことで、おおよその挙動を把握することはできる。

[例]
 2変数2値ベクトル値関数 (x',y') f(x,y) =( x+ y x+ y )の挙動の図示
                       
図例:2変数2値ベクトル値関数の挙動
類概念 1変数関数/2変数関数/n変数関数/実数値関数一般/n変数m値ベクトル値関数/写像一般   
定義:2変数2値ベクトル値関数の定義域domain 
 
2変数2値ベクトル値関数f :R2DR2」の定義域とは、
点集合Dのこと。

[文献]

・黒田『微分積分学』3.1.1(p.84);3.1.2(p.86);8.2.1(p.276);
・笠原『微分積分学』1.4(p.22)
[一般化] n変数m値ベクトル値関数の定義域  

[類概念]1変数関数の定義域/ 2変数関数の定義域/n変数関数の定義域/実数関数一般の定義域
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定義:2変数2値ベクトル値関数の像・値 


2変数2値ベクトル値関数f によるP=(x,y)R2f (x,y)
2変数2値ベクトル値関数f による実2次元数ベクトルv=(x,y)R2f(v)
P=(x,y)におけるff(P)
とは、
2変数2値ベクトル値関数f によって
   P=(x,y)R2 ないし 実2次元数ベクトルv=(x,y)R2 
に対応付けられた
   P'=(x',y')R2 ないし 実2次元数ベクトルw=(x',y')R2   
のこと。
[一般化]
 ・n変数m値ベクトル値関数の像  
[下位類型]
 ・一次写像『f :R2DR2』の像(Image) 
[類概念]
 ・1変数関数の像・値/2変数関数の像・値/n変数関数の像・値/実数値関数一般の像・値/写像の「像」
[文献]
 ・黒田『微分積分学』3.1.2(p.86;87);8.2.1(p.276);
集合
の像
2変数2値ベクトル値関数fによる『定義域部分集合A』のf (A)とは、
定義域部分集合Aに属すfによる像を、全部集めて出来る集合のこと。
 つまり、f :R2DR2 、ADR2にたいして、 f (A)={ f (x,y)R2| (x,y)A } と定義される。
定義:2変数2値ベクトル値関数の値域range 
  2変数2値ベクトル値関数f :R2DR2」の値域とは、
f による定義域
   f (D)={ f(x,y)R2 | (x,y)DR2 }
のこと。

[文献]
・黒田『微分積分学』3.1.1(p.84);3.1.2(p.86);8.2.1(p.276);
・笠原『微分積分学』1.4(p.22);
一般化 n変数m値ベクトル値関数の値域  
類概念 1変数関数の値域/2変数関数の値域/n変数関数の値域/実数値関数一般の値域 
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定義:2変数2値ベクトル値関数の逆像・原像inverse image 

点の
逆像

P=(x,y)R2が、
    2変数2値ベクトル値関数f :R2DR2」による
    P'=(x',y')R2逆像
 
である」
  Pf −1(P')
とは、
P=(x,y)のf による像P'=(x',y')R2であるということ
    f (P)=P'
をいう。
P'=(x',y')R2f による逆像は、R2上に複数存在しうる。

[一般化]

 ・n変数m値ベクトル値関数の逆像    
[具体例]
 ・一次変換『f :R2DR2』の核(Kernel)  
[類概念]
  ・1変数関数の逆像
  ・2変数関数の逆像
  ・n変数関数の逆像
  ・実数値関数一般の逆像
 ・写像の「逆像」
[文献]
 ・黒田『微分積分学』3.1.2(p.86;87)
集合

逆像
2変数2値ベクトル値関数f :R2DR2』による『R2上の点集合B』の逆像
  f −1 (B) 
とは、
定義域Dに属すのうち、そのが『R2上の点集合Bに属すもの全体の集合のこと。
つまり、f :R2DR2BR2にたいして、  
      f −1 (B){ (x,y)DR2 | f (x,y)BR2} 
と定義される。
定義:2変数2値ベクトル値関数が有界 
有界 2変数2値ベクトル値関数f :R2DR2』が有界である」とは、
 f の値域R2上の点集合として有界であるということ、

[文献]
Rudin現代解析学』4.13(p.87)距離空間一般上。
・杉浦『解析入門I』I§6定義4(p.55);

[一般化]
 ・n変数m値ベクトル値関数の有界    

点集合

有界
2変数2値ベクトル値関数f :R2DR2』が点集合Aで有界である」とは、
 「f による定義域D部分集合Aの像f (A)R2上の点集合として有界であるということ。
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